続き書けたで候。
皆様、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
さて、新年一発目の投稿です。
今回は他クラスでの説明についてですはい。
ただ何度も同じ説明を書くのは、作者の精神がゴリゴリと削られていったので、やむを得ず話を削ることに。
なのでちょっと短くなっちゃったけど、許してくだせぇ。
まるでハルヒのエンドレスエイトを書いている気分だったぜ(白目。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
5月1日。
ポイントの話は他クラスでも当然行われていた。
担任の
「皆、おはよう。全員揃っているな?」
いつものように真嶋は、時間ぴったりにショートホームルームを始める。
「これから朝のホームルームを始める……が、その前に、お前達に伝えておかなければならないことがある」
すると真嶋は言った。
「今日からお前達はBクラスとなる」
クラス内が驚愕の声で包まれる。
真嶋はそれらに取り合わず、手に持っていた筒の中身を黒板に張り付けた。
そこには……
Aクラス 950cp
Bクラス 940cp
Cクラス 490cp
Dクラス 0cp
と、書かれていた。
それを見た葛城康平が言葉を発する。
「それは各クラスの成績……でしょうか?」
「その通り。この学校ではクラスの成績がポイントに反映される。それがこの結果だ」
真嶋は説明する。
「この940という数字が、現在の我がクラスの保有ポイントだ。この数字に100を掛けた数のポイントがお前達に毎月振り込まれることになっている。これを前者はクラスポイント、後者はプライベートポイントと呼称している」
真嶋は説明を続ける。
「そしてこの学校は実力順でクラス分けが行われている。基本的に優秀な生徒はAクラスへ、問題がある生徒はDクラスへといった具合にな。だが保有するクラスポイントに逆転が生じた場合、今回のようなクラスの入れ替わりが発生する」
生徒達は真嶋の言葉に真剣に耳を傾ける。
「このクラスの成績は非常に優秀だ。これだけのポイントを残せたクラスは私の知る限り、過去には存在しない……が、
真嶋はペンを取り出すと、現Aクラスと現Bクラスの数字を囲むと、矢印を書き、分かりやすく図としてまとめる。
「どうやら現Aクラスには非常に優秀なリーダーがいるようだ。お前達も噂くらいは耳にしているだろう?」
そのとき、クスクスと小さく笑う声が教室内に響く。
生徒達はその笑っていると思われる小柄な少女へと視線を向ける。
件の少女、坂柳有栖は実に楽しそうに笑っていた。
「失礼……その優秀なリーダーは私の友人でして。さすがだなと思いまして」
有栖の言葉に葛城が反応する。
「……高嶺清麿か」
「ええ、清麿君なら何かやってくれると思っていましたが……期待以上です」
有栖の言葉に葛城は眉をピクリと動かす。
「期待以上とはどういう意味だ、坂柳?」
「言葉通りの意味ですが?おや、葛城君……貴方は一体何をそんなに警戒しているのでしょう??」
二人の間に険悪な雰囲気が流れるが、真嶋が注意する。
「私語はそこまでにしておけ二人とも。まだ説明の途中だ」
「「失礼しました」」
二人が謝罪すると、真嶋は説明を再開する。
「だが、お前達が気にするのも無理はない。一教師として特定の生徒に肩入れするのはいかんが、その教師である私から見ても、高嶺は群を抜いて優秀だ。その証拠に高嶺は、入学二日目にして既にこの学校の秘密に気付いていたようだからな」
真嶋の言葉にクラス内がざわめく。
清麿と帆波が職員室に星之宮へ質問に来たとき、真嶋もその場に居合わせ、会話を聞いていたのだ。
「と、話が脱線してしまったな。説明を続ける。次は先日行われた小テストの結果を発表する」
真嶋は追加で紙を黒板に貼り付ける。
一位は坂柳有栖の100点、二位が葛城康平の90点であり、それ以降は80点台がほとんどであった。
「この学校では中間テスト及び期末テストで一科目でも赤点を取った場合、退学になることが決まっている。赤点ラインは、テスト毎にクラス平均の半分の四捨五入で設定されている」
生徒達の間で動揺が広がる。
「最後にもう一つ言っておかなければならないことがある。お前達も知っての通り、この学校は高い進学率と就職率を誇っている。しかし、何も全ての生徒がその恩恵を受けられるわけではない。学校がその進路を保証するのは三年の終了時にAクラスに在籍していた生徒達のみだ」
生徒達の動揺が大きくなる。
「動揺させてしまい、申し訳なく思う。だがお前達が一丸となれば、再びAクラスへ上がることも不可能ではない。そうだな……まずは三週間後にある中間テストに向けてしっかり準備をすることだ。案ずるな。退学を防ぐ方法は存在している」
そう言って真嶋は、ショートホームルームを終えると、退出していった。
直後、生徒達は一斉に話し出す。
どうやらAクラスからBクラスへ降級したことが信じられないようだ。
なかには未だに現状を受け入れられないのか、叫び出す者までいた。
「くそっ!どうして俺達がBクラスなんだ!!高嶺清麿め!!」
「落ち着け弥彦」
そんな戸塚を葛城が宥める。
「しかし葛城さん!?」
「高嶺は他クラスでも噂になるほど優秀な男だ。今回は奴の方が俺達よりも上手だった。それだけのことだ」
「そ、それは……そうですけど……」
「それにまだ入学して一ヶ月だ。挽回出来るチャンスなど幾らでもある」
「は、はい!!」
そのとき、戸塚があることに気付く。
「葛城さん、坂柳の奴が……」
「む……」
二人が前を見ると有栖が教壇に立ち、クラスメート達に話しかけた。
「皆さん、少しよろしいでしょうか?」
有栖の言葉にクラスメート達は何事かと耳を傾ける。
「私達は本日を以って、Bクラスとなってしまいました」
その声は教室内に静かに響く。
「昨日までAクラスとしての誇りと矜持を持ち、これからの輝かしい学生生活にむけて、多くの期待と希望を持って日々を過ごしていた方もいたことでしょう。しかし……それらはあえなく散ってしまいました。クラスの入れ替わりという最悪な形で。しかもこの学校の恩恵を受けられるのはAクラスだけという現実をも押し付けられた上で。さて、そこで皆さんに一つお聞きしたいのですが……」
そして一呼吸おいて、彼女は静かに告げる。
「不満はありませんか?」
彼女の問いにクラスメート達は叫んだ。
「「「「「大ありだ(よ)っ!!」」」」」
「そうですね。私としてもこのような形で降級してしまうのは大いに不満です。ですからここは皆で協力して……再びAクラスを目指しませんか?」
「私もう一度、Aクラスになりたい!!」
「そうだそうだ!今日からいきなりBクラスだなんて言われて納得できるか!!」
「坂柳さんの言う通りだ!ここは皆一丸となって頑張ろうぜ!!」
そして有栖は呆然と場を見ていた葛城へと視線を向け、ニコリと笑いかける。
「葛城君は……どう思いますか?」
葛城はその場で答えることが出来なかった。
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一方、Cクラスでも今回の入れ替わりについて説明が行われていた。
Cクラスの担任、
「今回のようにクラスポイントが逆転すると、クラスが入れ替わる仕組みになっている」
坂上は説明を続ける。
「だが今回の入れ替わりは、高度育成高等学校でも初めて起きた事例だ。私もこの結果には驚いたものだ。なんでも現Aクラスを率いているのは、皆も知っている噂のあの生徒らしいぞ?」
坂上の言葉に黒髪だがやや癖のある長めのヘアースタイルの男子生徒、龍園翔が呟いた。
「高嶺清麿だな」
その名前にある銀髪の少女がピクリと反応するが、誰も気付いてはいない。
「驚くべきことに、高嶺は入学二日目の時点で、この学校の秘密に気付いていたようだ。さすがは【世界屈指の天才児】。お前達がAクラスへ至るためには、少なくともこの高嶺率いる現Aクラスを超えねばならん」
坂上がそう言うと、龍園は楽しそうに笑う。
「クククク……潰しがいのありそうな奴じゃねえか」
そして坂上は説明を続ける。
「……まずは三週間後にある中間テストに向けてしっかり頑張ることだ。私としては君達が赤点を取るようなことにはならないと確信している。それでは、HRを終わる」
坂上はショートホームルームを終わらせると退室した。
直後、龍園が教壇に立つ。
「お前らに伝えることがある。Cクラスは昨日を以って完全に俺の支配下に落ちた。反発していた残りの奴らはこのまま俺の駒となる。つまり正真正銘、俺がこのクラスの王となったわけだ」
すると龍園は高らかに宣言した。
「宣言しよう。俺は今後起こるであろうクラス闘争において、必ず勝つ。何があっても、どんな手段を使ってでも、最後には必ず勝つ」
龍園は続ける。
「そして約束する。お前ら全員を必ずAクラスへと導いてやる。だから俺に協力しろ。俺に力を貸すのなら、それ相応の報酬も用意してやるし、優遇措置も考えてやる。だがまだ気に入らねぇ、歯向かう意志があるという奴は、いつでも反発してこい。だがそのときは……覚悟だけはしておけよ?俺は誰だろうと容赦なく叩き潰すからよ」
そして龍園は不敵に笑いながら言った。
「このクラスのリーダーは俺だ」
自信に満ち溢れた表情で話す龍園に、Cクラスの面々はいつの間にか、聞き入っていた。
これは彼のカリスマ性の賜物だろう。
実際に彼の言葉を聞いて、ほとんどの生徒が賛同しつつあった。
中には恐怖や不安で従っている者もいるが、龍園に高い能力があるのは確かであるため、命令には忠実に従うであろう。
こうして龍園はCクラスを恐怖で統率する独裁者となった。
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同じく、Dクラスでもクラスの入れ替わりについて話されていた。
担任の茶柱佐枝は、皮肉を混じえながら話す。
「皮肉なものだ。片や史上最高得点を叩き出し、片や史上最低得点を叩き出す。まさに優良品と不良品の違いだな」
茶柱は続ける。
「現Aクラスを率いるのは、この学校で最も噂となっているあの生徒だ。お前達の中にも勿論、交流がある者はいるぞ」
「高嶺清麿君……ですね」
Dクラスのまとめ役、平田洋介は唖然としながら呟く。
その名を聞いて、堀北鈴音も小さく
「高嶺……清麿……」
茶柱は続ける。
「高嶺は教師陣の間でも話題に上がっているほどだ。なんせこの高嶺は、僅か入学二日目でこの学校の秘密に気付いていたのだからな」
茶柱の言葉にD組の面々は衝撃を受ける。
「恐らく高嶺がいなければ、現AクラスはBクラスとして例年通り機能していただろう。だがこれで実力次第で結果が変わることは証明されたわけだ。実力がある者はさらに上へと上がり、実力がない者はさらに下へと下がる……とな」
茶柱は生徒達を改めて見回す。
ほとんどの生徒が顔面蒼白となっていた。
「……どうやらこれで浮かれていた気分は払拭できたようだな。お前らの状況の過酷さを理解できたのなら、この長ったるいHRにも意味はあったかもな。中間テストまでは後三週間、まぁじっくりと熟考し、退学を回避してくれ。お前らが赤点を取らずに乗り切れる方法があると確信している。出来ることなら、実力者に相応しい振る舞いを持って挑んでくれ」
その言葉を最後に茶柱は教室を出ていった。
後には重苦しい空気を醸し出すDクラスの生徒のみが残された。
しかしこれを機に、D組生徒達は奮起することになる。
そしてその裏で暗躍する男子生徒、綾小路清隆も後に高嶺清麿と争うことになるのは必然であった。
次回は放課後の話し合い。
そして清麿は帆波に生徒会入りしたことを伝えることに。
さらにCクラスのある少女が清麿に接近してきます。
では、また( `・∀・´)ノ