高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

遅くなって申し訳ありませぬ。

日曜日のその日に連続投稿するつもりだったのですが、思った以上に書くのに時間がかかってしまいました。

あと寝落ちしてしまったというのもあります。

これからは不用意な発言は控えますので、ご容赦の程よろしくお願い致しますm(_ _)m

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第二十一話 Aクラスの知将とCクラスの暴君

放課後、清麿は特別棟の三階にて一人腕を組みながら、ある人物を待っていた。

 

約十数分後、目的の人物が姿を現す。

 

階段をゆっくりと上がってきたのは長髪で鋭い目をした少年、龍園翔であった。

 

ここにAクラスの知将:高嶺清麿と、Cクラスの暴君:龍園翔が初めて邂逅した。

 

 

「……お前がCクラスのまとめ役か?」

 

 

「ああ、初めましてだな、高嶺清麿。俺の名は龍園翔。Cクラスの『王』だ」

 

 

王という言葉を聞いて眉をピクリと動かす清麿。

 

ここで清麿は気になったことを聞くことにした。

 

 

「龍園と言ったな。お前は一体どんな『王』を目指しているんだ?」

 

 

「あぁ?」

 

 

清麿の脳裏にガッシュの姿が思い出される。

 

ガッシュは『やさしい王様』になるために、千年に一度行われる魔界の王を決める戦いを勝ち抜いた。

 

王となるものには必ず責任が生じる。

 

生半可な覚悟で名乗っていいものではない。

 

それだけ清麿にとって、王という言葉は特別であった。

 

すると龍園は答える。

 

 

「中々面白いことを聞くじゃねえか。そうだな。さしずめ『最強の王』ってところか」

 

 

「『最強の王』……」

 

 

かつて魔界の王を決める戦いでも、『強き王』を目指す魔物と清麿は相対したことがある。

 

魔物の名はヴィンセント・バリー、その本の持ち主(パートナー)の名はグスタフ。

 

かつてガッシュと清麿が敗北を喫したペアである。

 

 

「ああ、そうだ。“勝利すること”……それこそが俺の『信念』。たとえ途中で負け、膝をつくことになったとしても、最終的に俺が立ち、他がひれ伏していればいい。過程なんざ必要ねぇ。勝つことが何よりも重要なんだよ」

 

 

「それがお前の目指す『王』の姿か」

 

 

「そういうテメェもあるんじゃねえのか?自分の理想とする姿がよ……。お前は俺と同じくクラスを掌握している。つまりお前も俺とは違った形の『王』となっている訳だ。教えてくれよ、高嶺清麿。お前の『信念』とするモノを……」

 

 

「オレの『信念』とするモノ……」

 

 

清麿は考える。

 

自分の理想とする姿……

 

『信念』とするモノ……

 

そのとき、()()()()()()()姿()()()()()()()()()

 

 

「教えてやる、龍園翔。()()オレの『信念』……それは“誰一人欠けずにAクラスで卒業すること”……理想とする王は、お前風に言えば『やさしい王様』だ」

 

 

その答えを聞いた龍園は呆けた表情をした直後、大きく高らかに笑い始めた。

 

 

「クッ……ッククク……クハッハッハッ!!!『やさしい王様』か!!あいつの人を見る目はやっぱり本物だった訳だ!!!」

 

 

清麿はその様子を訝しげに見る。

 

 

「あいつ?」

 

 

「なんでもねぇ。それよりさっさと本題に入ろうぜ、高嶺。こんな問答をするために、わざわざ俺を呼び出した訳じゃねえんだろ?」

 

 

「……そうだったな」

 

 

そして二人はさっそく本題へと入る。

 

 

「話は勿論、昨日のことについてだ。覚えがないとは言わせないぞ」

 

 

清麿が話を切り出すが、龍園は焦ることなく返答する。

 

 

「ワリィが()()()()()()()()()。一体なんの話だ?」

 

 

「なに?」

 

 

清麿は龍園の狙いを察する。

 

 

「シラを切るつもりか?」

 

 

「昨日の放課後のことについて言ってるなら、お前を呼び出したのは、()()()()()()()()()()()()()だ。なんせ俺がそのことを知ったのは、今朝になってからだからなぁ」

 

 

(……知らぬ存ぜぬの一点張りで押し通すつもりか)

 

 

「なら、オレが昨日のことを学校側に報告しても何も問題ないんだな?」

 

 

清麿はポケットからボイスレコーダーと、USBメモリーを取り出す。

 

 

「これは昨日の放課後に起きた出来事を撮影した動画の入っているUSBメモリーと、その音声を記録したボイスレコーダーだ。これらの意味する理由は分かるだろ?」

 

 

「ああ、良く分かるぜ。それを使えば良くて停学、悪ければ退学待ったなしだろうな。だが良いのか?それを使用すれば、CクラスはAクラスに間違いなく攻撃の矛を向ける。そうなったら俺でも止められねぇ」

 

 

「……脅しのつもりか?」

 

 

「もしもの話をしてるだけさ。Cクラスには血の気の多い連中が多い。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。Aクラスはお人好しな連中が多いんだってなあ?そんな繊細な奴らだ。()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

(なるほど。頭は回るみたいだな……)

 

 

もし清麿が学校側へUSBメモリーとボイスレコーダーを提出すれば、Cクラスにいた五人、清麿に暴力を振るおうとした者達は重い懲罰を受けることになる。

 

だがそんなことをすれば、後々陰湿な嫌がらせが待っているぞ?……と、龍園はそう言っているのだ。

 

すると龍園は不敵に笑いながら言う。

 

 

「……そろそろ下手な腹の探り合いはやめようぜ、高嶺。お前の目的は、はなっから俺と接触することなんだろ?」

 

 

「……どうしてそう思った?」

 

 

「少し考えりゃ、分かることだ。お前が本気でCクラスを追い詰めるつもりなら、昨日すぐにでもその二つを学校側に提出すりゃいい。だがテメェはそれを使うどころか、話し合いの提案を持ちかけてきた。その時点で、()()()()()()()()()()()()()()だってことは、すぐに分かったぜ」

 

 

清麿は下手に誤魔化すのは悪手だと判断した。

 

 

「……その通りだ。Cクラスだけ情報が全く入ってこなかったからな。だからこの機会を利用して、そのリーダーに接触してみようと思ったんだよ」

 

 

「そうかよ。で、接触してみた感想はどうなんだ?」

 

 

「想像以上にやりづらい。少なくとも今までオレが接したことのないタイプだ」

 

 

「クククッ……褒め言葉として受け取っておくぜ」

 

 

改めて龍園は話す。

 

 

「高嶺……先に言っておいてやる。テメェのそのUSBメモリーとボイスレコーダー、たとえ学校側に提出したとしても、俺達にさほどダメージはねぇ。いや、むしろ不利になるのはお前らAクラスだ」

 

 

「なに?」

 

 

清麿は龍園の言葉に眉をひそめる。

 

 

「確かにそれを学校側に提出されれば、Cクラスのポイントは減り、お前を襲おうとした奴らも懲罰を受ける。下手すりゃ退学だろうな。()()()()()()()。さっきも言ったろ?Cクラスは血の気の多い連中が多い。お前らお人好しのAクラスを精神的に追い詰めるなんざ訳はねぇ。()()()()()()()()()()()()()()、あえて俺との接触に臨んだんじゃねえのか?」

 

 

「…………」

 

 

清麿は何も言わない。

 

だがそれは肯定を意味していた。

 

 

(こいつは想像以上に厄介な奴だ……龍園翔)

 

 

龍園の推測は正しい。

 

正直なところ、まだAクラスの面々は()()()()()()()()

 

清麿はその精神の脆さを危惧していた。

 

だからこそ龍園との一対一の対話に望んだ。

 

Aクラスの面々が成長するにはまだ時間がいる

 

この直接交渉の流れは、龍園に向いていた。

 

 

「そこでだ……高嶺、そんなお前に朗報だ。俺と取引をしねぇか?」

 

 

「取引だと?」

 

 

すると龍園はある提案を出した。

 

 

「正直、こんな序盤で俺もクラスポイントと手駒を失うのは惜しい。だからこその取引だ。テメェがそのUSBメモリーとボイスレコーダーを破棄するってんなら、しばらくの間Aクラスを狙うのはやめてやる」

 

 

「こっちとしては願ってもない申し出だが……それをしてお前に一体なんの得がある?」

 

 

「お前らAクラスはメインディッシュだってことだ。正直、今の脆弱なテメェらを潰したところでなんの意味もねぇ。テメェらがさらに成長し、全力で叩き潰す価値があると判断したら……改めて相手をしてやるよ」

 

 

龍園は不敵に笑いながら言う。

 

すると清麿も不敵に笑いながら答えた。

 

 

「逆に成長しすぎて、後悔することになるぞ?」

 

 

「それはそれで、叩き潰しがいがある」

 

 

清麿はUSBメモリーとボイスレコーダーを龍園へと投げ渡す。

 

龍園は片手でそれを受け取ると、懐へとしまった。

 

 

「記録媒体はこれだけか?」

 

 

「それだけだ。バックアップも取ってない」

 

 

「そうか……それじゃ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「もうひとつ……だと?」

 

 

「むしろ俺としては()()()()()()()()だ」

 

 

すると龍園は言った。

 

 

 

 

 

 

「高嶺……テメェにはひよりとの交流をやめてもらう」

 

 

 

 

 

 

その言葉は僅かばかりではあるが、清麿を動揺させた。

 

 

「出てこいよ!ひより!!」

 

 

そして龍園は予め待機させていたひよりを呼ぶ。

 

ひよりは階段下から現れる。

 

 

「清麿君……」

 

 

「ひより!?」

 

 

清麿は目を見開く。

 

 

「なんのつもりだ……龍園?」

 

 

「クククッ……良い顔するようになったじゃねえか高嶺。だがテメェも分かってるはずだぜ。この学校じゃ、情報は武器だ。少しでもCクラスの情報が漏れる可能性を俺は看過できねぇ。何より……Cクラスの『王』として、ひよりが他クラスのお前と緊密な関係になることを許すわけにはいかない」

 

 

「……一体何が望みだ?」

 

 

「話が分かる奴は嫌いじゃない。だが俺とて鬼じゃねえ。だからここは一つゲームをしようぜ、高嶺」

 

 

「ゲーム?」

 

 

「今から俺とサシで勝負しろ。テメェが勝てばひよりとの交流は認めてやる。だが俺が勝てば、そうだな……ひよりは犯す

 

 

「は?」

 

 

「死んだ方がマシだと思うような目に遭わせて、あいつを壊す。あいつがぐちゃぐちゃになるまで、あらゆる手を使って……犯し尽くす」

 

 

その言葉が聞こえているのか、ひよりは僅かに身体を強張らせた。

 

それを見た清麿は厳しい表情をさせる。

 

 

「お前、自分が一体何を言っているのか、ちゃんと理解してるのか?」

 

 

「ああ、分かってるさ。だからこそのゲームだ。安心しろよ、お前が勝てばひよりには手を出さねぇ。俺は契約や約束といったものは必ず守る」

 

 

すると、龍園は声を張り上げる。

 

 

「見せてみろよ!お前の力を!!お前の強さを!!!高嶺清麿!!!!」

 

 

そして龍園は勢いよく、清麿へと殴りかかる。

 

しかし……

 

 

 

 

 

 

「テメェ……もうしゃべるな……」

 

 

 

 

 

 

()麿()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

(おい……なぜ拳が止まって……)

 

 

突如として起こった予想外な出来事に、龍園は硬直する。

 

その隙を見逃す清麿ではなかった。

 

 

「ちっくしょうがあぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

 

「ぐ……ぐぁあああああああ!!!!????」

 

 

直後、清麿のクロスカウンターが龍園に炸裂した。




次回は鬼麿降臨。
ザケルスリッパの乱舞があります。

では、また( `・∀・´)ノ

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