高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第二十七話 Bクラスの女帝

清麿が学校に行く準備を終え、玄関を出ると丁度隣の住人、綾小路清隆と鉢合わせた。

 

 

「おはようさん、綾小路」

 

 

「おはよう、高嶺」

 

 

いつも通り、挨拶を交わすと二人揃ってエレベーターへと向かう。

 

 

「……堀北は大丈夫そうか?」

 

 

「問題ない。むしろ発破をかけられてやる気に溢れてるくらいだ」

 

 

「そうか」

 

 

清麿の聞きたいことを察し、簡潔に伝える綾小路。

 

尚、この質問は、清麿が綾小路の頭の回転の早さを確かめるためのモノでもあったりする。

 

 

「Dクラスは中間テストの勉強はどんな感じなんだ?」

 

 

「平田と櫛田が中心になって勉強会を開いてる。堀北も何人か教えてるな」

 

 

「そうなのか。堀北って教えるのに厳しそうなイメージがあるんだが……」

 

 

「正解だ。勉強会を開いて、ものの数分で男子生徒三人を帰らせた実績があるぞ」

 

 

「……大丈夫なのかそれは?」

 

 

そして二人はエレベーターを降り、学校へ向けて歩いていく。

 

 

「高嶺、一つ聞いてもいいか?」

 

 

「なんだ?」

 

 

そのとき、綾小路が清麿へ質問する。

 

 

「どうして昨日、堀北にやる気を出させるようなことを言ったんだ?オレ達は言わば敵同士だろ?敵に塩を送るような真似をして本当に良かったのか?」

 

 

綾小路の質問に清麿は答えた。

 

 

「別にそんな深い意味なんてないさ。ただ……目の前の目標に向かって頑張ろうとしてる奴を見てたら、どうしても放っておけなかっただけだ。それに……」

 

 

「それに?」

 

 

「オレ達は敵ではなく、ライバルだぞ綾小路。確かにオレ達はAクラスを目指す上で競い合う関係だ。だが、だからと言って必ずしも敵対しなければならないということはない。互いに互いを高め合うライバルとして、友として、切磋琢磨する人間関係を構築していくこともできるはずだ」

 

 

これは清麿の経験からも言えることであった。

 

魔界の王を決める戦いでは、そのルール上、バトルロイヤル形式だったこともあり、基本的に周りは敵だらけという考え方に囚われる魔物と人間のコンビが多かった。

 

しかし、そんな中でもガッシュ&清麿のコンビには多くの信頼できる仲間ができた。

 

それは(ひとえ)に、彼らが信じるという行為をやめなかったから。

 

真っ直ぐ自分達の信念を貫き通し、ひたすら突き進んできたから。

 

そんな彼らに共感し、影響を受けた者達がいたから……たくさんの仲間ができたのだ。

 

清麿はこの学校でもそれができると信じていた。

 

 

「…………」

 

 

清麿の()()()()()()に、綾小路はつい歩くことを止める。

 

程なくして、綾小路が隣を歩いていないことに気付いた清麿が後ろを振り向くと……

 

 

「どうしたんだ綾小路?そんな鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして……」

 

 

驚いて目を丸くした様子の綾小路の姿があった。

 

 

「いや、なんでもない。ただ、()()()()()()()だなと……そう思っただけだ」

 

 

「そうか」

 

 

そして二人はまた登校を再開する。

 

しばらくして清麿が新たな話題を投げかける。

 

 

「そういえば()()()()()()()()()()()()ときは驚いたよな。おかげで勉強してた範囲が無駄になった科目が幾つかあった。Dクラスも大変じゃなかったか?」

 

 

すると、綾小路がまたしても驚いたような表情をしていた。

 

 

「高嶺……今の話は本当か?」

 

 

「なにがだ?」

 

 

()()()()()()()()()()というのは……本当か?」

 

 

「まさか……知らないのか?」

 

 

「ああ、初耳だ。いつ変わったんだ?」

 

 

「数日前だ」

 

 

「まさか茶柱先生は……そんな大事なことを伝え忘れていたのか?」

 

 

「いや、その可能性は低いと思うぞ綾小路。茶柱先生は四月中、特に生徒へのチェックが厳しかった人だ。そんな細かいチェックをする人が伝え忘れるとはとても思えん。考えられるとすれば……」

 

 

「わざと伝えなかった……か?」

 

 

「ああ。何のためかは分からんがな」

 

 

「……堀北に相談した方が良さそうだな」

 

 

「出来れば、すぐにでも本人に確認した方がいいぞ。中間テストまで既に二週間を切っているからな」

 

 

「そうだな。高嶺、情報感謝する」

 

 

「気にするな」

 

 

そして二人は三度、登校を再開した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

昼休みになると、清麿は鞄から弁当を出す。

 

最近、ポイント節約のために自炊を行っているのだ。

 

料理は『能力』を使えば、レシピを見ずともすぐに作ることができる。

 

 

(まあ、こういうちょっとした私生活で使う分には問題ないよな。丁度良い訓練にもなるし)

 

 

そして清麿が弁当を食べようとしたとき、帆波がやって来た。

 

 

「清麿君、良かったら……お昼一緒に食べない?」

 

 

「ん?別に大丈夫だが……女子達で食べるんじゃないのか?」

 

 

帆波はAクラスでは人気者故に、毎日別の女子グループからお昼を誘われている。

 

だが今日は珍しく一人でいるようだった。

 

 

「えっと、皆、今日は学食だったみたいで……弁当は私一人だったんだよ」

 

 

「そうだったのか。だったら一緒に食べるか」

 

 

「うん!」

 

 

帆波は嬉しそうに清麿の前の席に座る。

 

そして二人で弁当を食べようとしたとき、ある訪問者の姿があった。

 

その人物は優雅に教室前に立つと、穏やかに微笑んだ。

 

 

「ご機嫌よう、清麿君。突然なんですが、私達Bクラスと中間テストで勝負をしませんか?」

 

 

そして突然、突拍子もない提案をしてきた。

 

 

「いきなりだな……有栖」

 

 

「有栖ちゃん!?」

 

 

清麿は少し驚きながら、帆波は思いっきり驚きながら反応する。

 

 

「フフフ……帆波さんもご機嫌よう。失礼しますね」

 

 

坂柳有栖は三人の側近、神室真澄、橋本正義、鬼頭隼を引き連れて、清麿の席の前までやって来た。

 

 

(有栖とその愉快な仲間達……ってところか?)

 

 

ひとまず清麿は足の不自由な有栖を自分の席に座らせると、そのまま立ち上がり、有栖達と向き合う形となる。

 

帆波も釣られて立ち上がり、清麿の横に並ぶ。

 

有栖の側近三人衆は、有栖の後ろに控える形となった。

 

ちなみにAクラスの面々は、この様子を固唾を呑んで見守っている。

 

 

「それで有栖……中間テストで勝負とは一体どういうことだ?」

 

 

「言葉通りの意味ですよ、清麿君。私達Bクラスと貴方達Aクラス……どちらのクラスがより優秀か、勝負をしませんか?」

 

 

「それはどちらのクラスの平均点が上か決めるということか?」

 

 

「Exactly(その通り)」

 

 

つまり有栖は、次の中間テスト全体の平均点をクラスで競い合おうと言っているのだ。

 

するとここで帆波が手を上げる。

 

 

「あの、有栖ちゃん。多分だけど……たとえ勝負に勝ったとしても、クラスポイントは個人では使用できないと思うよ?」

 

 

「そうでしょうね。クラスポイントはあくまでクラス単位で与えられるポイントであって、個人で与えられるプライベートポイントと違い、自由には使えないでしょう。ただ、私の目的はクラスポイントの移動ではありません」

 

 

「え?それじゃ、なんのために勝負なんて……」

 

 

「清麿君と私……どちらがリーダーとしての資質が上か、少々気になりまして」

 

 

「つまり、有栖とオレの個人的な対決の意味合いも含まれている訳か」

 

 

「はい。勿論、タダでとは言いません。もし、清麿君が勝てば『私に対して一つだけなんでも命令できる権利』を差し上げます。さらなるポイントの要求、私の持っている他クラスの情報、何でも構いません。なんなら……私の身体でも構いませんよ?」

 

 

「なっ!?」

 

 

「にゃっ!?」

 

 

「「「「「え、えぇ!?」」」」」

 

 

有栖の言葉に清麿、帆波、Aクラス一同が驚く。

 

有栖の側近三人衆も目を見開いて驚く。

 

 

「フフフ……さすがに私の身体は冗談ですが、性的なこと以外であればなんでも構いませんよ?」

 

 

有栖は楽しげに話す。

 

すると清麿も答えた。

 

 

「それはもしオレが負ければ、有栖もオレに対して何かしらの命令が出来るという訳か……」

 

 

「そうですね」

 

 

「そ、それってつまり……有栖ちゃんも清麿君に対して……い、いかがわしい命令が出来るってことなんじゃ……」

 

 

「帆波さんはムッツリスケベなのですね」

 

 

「にゃっ!?べ、別にそんなんじゃないよ!?」

 

 

「それでどうでしょう清麿君?受けて下さいますか?」

 

 

「スルー!?まさかのスルー!?」

 

 

慌てる帆波を他所に、清麿は少し考えると、答えた。

 

 

「落ち着け帆波……。有栖、ある条件を飲むなら、この勝負引き受けてもいい」

 

 

「その条件とは一体なんでしょう?」

 

 

「話は変わるが有栖、お前ならこの中間テストにある攻略法に……もう気付いてるんじゃないのか?」

 

 

すると有栖は間髪入れずに答えた。

 

 

「ええ、勿論です。その口振りからして清麿君も知っているようですね?」

 

 

「ああ、なら話は早い。オレの出す条件とは、その攻略法を使用せずに自分達の実力だけで中間テストの勝負をすることだ」

 

 

「つまり……純粋に私達の指導力で勝負を決めるということですね」

 

 

「ああ」

 

 

「一つ聞きたいのですが……清麿君、貴方の提案は、私がその()()()()()()()()()()()()()()()()()()で話していますが、私が既にクラス全体に伝えているとは考えなかったのですか?」

 

 

「それはない。有栖、お前はこういった勝負事に関しては妥協は一切しない。つまり、互いに対等でフェアな関係でなければ納得しないはずだ。それにお前のことだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()、この勝負を仕掛けてきたんじゃないのか?」

 

 

清麿は有栖の性格や人柄、それらを分析し、確信した上で話していた。

 

 

「フフフフ……さすがですね清麿君。ええ、まさにその通りです」

 

 

有栖は楽しそうに、それはもう楽しそうに笑う。

 

その笑みはどこか魅惑的で、どこか狂気を帯びている扇情的な表情であった。

 

ちなみに有栖のその表情に見惚れる者が続出したのは言う間でもない。

 

そして清麿と有栖の両者は、()()()()()()()()()()()と、この話し合いは終了した。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

有栖達が去ってから、清麿と帆波は向かい合って弁当を食べていた。

 

帆波は気になることがあるのか、タイミングを見計らって話し掛けてきた。

 

 

「ねぇ、清麿君聞いてもいい?」

 

 

「ん?どうした?」

 

 

「あのね?どうして有栖ちゃんとの勝負引き受けたのかなって……」

 

 

「まあ、気になるよな」

 

 

清麿は無料飲料水を口に含んだ後、話し始めた。

 

 

「まずオレが勝負を受けた理由は二つある。一つ目は、Aクラスにとって良い機会だったからだ」

 

 

「良い機会って?」

 

 

「これからオレ達Aクラスは、この中間テストを手始めに追われる立場になる。だが正直なところ、まだ浮ついた気分でいる奴らが大半だ」

 

 

「それは確かにそうかも……」

 

 

帆波はクラスを見回す。

 

楽しそうに話すクラスメート達の姿があった。

 

 

「だからその意識を切り替えるのに、今回の件は渡りに船だと思った訳だ。二つ目の理由は、勿論勝算があるからこそ引き受けた」

 

 

清麿と有栖は先程の話し合いで決めたことが一つある。

 

それは中間テストの攻略法、過去問を()()()()使用しないこと。

 

つまり、過去問自体を勉強の道具に使ってはいけないのだ。

 

これによってクラスメート達に過去問を見せることを禁じたのだ。

 

だが、だからこそ互いのクラスのリーダーである二人の力量が直接問われることになる。

 

 

「勝てるのかな……」

 

 

帆波は不安であった。

 

現Bクラスは、元とはいえAクラスであった猛者達だ。

 

学力も全体的に現Aクラスの生徒達より高いと思っていい。

 

だがそんな彼女の不安を、頼もしいリーダーは吹き飛ばす。

 

 

「なあに、心配するな。言ったろ?勝算があるって。だから、大船に乗ったつもりでいろって」

 

 

清麿は帆波の頭をポンポン叩いたあと、軽く撫でる。

 

 

「それじゃ、オレは生徒会室に行かなきゃいけないから、また後でな」

 

 

そして一人残された帆波はというと……

 

 

「あ、頭撫でられた……あう……」

 

 

脳がオーバーヒートを起こし、机の上に沈んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして月日はあっという間に流れ、いよいよ中間テストの日がやって来る。

 

肝心のAクラスとBクラスの勝負の結果はというと……

 

()()()()()Aクラスの勝利であった。




次回は清麿が何をしたのかを軽く説明しつつ、色々ダイジェストでお送りします。
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