続き書けたで候。
皆様、アンケートご協力ありがとうございました。
アンケートの結果、とりあえずは当初の予定通り、このまま進めていこうと思います。
それでキリのいい所まで進んだら、全体的に少しずつ修正していこうかなと思っております。
あと、とある方から生徒達は自分でテレビを買わないと情報を得られない、入学式時点で情報を知れるのは上級生と教師のみ、との指摘をいただきました。
……恥ずかしながら、そこは全く知りませんでした。
しかしもう書いてしまった手前、ストーリーの変更が少しばかり厳しい状況なので、申し訳ないのですが、この小説では一部のお店ではテレビや情報雑誌など置いてあることにしたいと思います。
そこらへんもまたストーリーがある程度進んだら、修正していこうと思っています。
長々とすいません。
ちょっと短いですが、どうぞ∠( ゚д゚)/
清麿の渾身の叫びがカフェに響き渡る。
すると一之瀬が顔を真っ赤にさせながら注意する。
「高嶺君!公共の場で、しかも大声でなんてことを口走ってるのかな!?かな!?」
我に返った清麿は冷や汗をかきながら、一之瀬をなだめる。
「お、落ち着け一之瀬。あれは怒りのあまり、つい言葉に出してしまっただけだ……」
一方のひよりと坂柳はというと、のほほんと会話していた。
「清麿君が言ったチチもげ魔とは、大スターフォルゴレのあだ名でしょうか?」
「そうですね……恐らく高嶺君のパルコ・フォルゴレ氏に対する印象をそのままニックネームにしたのだと思います。フォルゴレ氏の女性ファンのほとんどは、彼に一度は触られたという逸話もある程ですし。彼の大ヒット曲に『チチをもげ!』という曲があるのですが、CDのタイトルにするほど、女性の胸が好きなのは有名な話です」
その様子を遠目で見ていた他の生徒達はコソコソと話し出す。
「もしかしてフォルゴレの言ってた清麿ってあの子のことなんじゃ?」
「絶対そうだよ。写真と同じ顔だもん」
「待って!じゃあ、あのスーパーアイドル恵ちゃんとも友達ってこと!?」
「それだけじゃないよ。あのフランスの名門、ベルモンド家のお嬢様とも知り合いっぽいし!」
「それにあのアメリカの御曹司のアポロとも友達なんじゃ!?」
「「「「「あの清麿って子、一体何者なの!?」」」」」
それが聞こえていた清麿は、顔に両手を当てて号泣する。
「うおおおお!うおぉおおおおお!!オ、オレの平穏な高校生活が……オレの平穏な高校生活が……わずか一日で……!?」
「な、泣かないで高嶺君!?」
「そうです清麿君!清麿君には私達がついてますから!!」
一之瀬、ひよりが清麿を精一杯慰めるが……
「うふふふ……私も何か力になれることが……ありましたら……うふふふ……高嶺君の力に……なりますので……」
坂柳は笑いを必死にこらえながら慰めていた。
「もう、坂柳さん!」
「笑いすぎです!」
「うふふふ……す、すいま……せん……うふふふ……」
「坂柳ぃ!笑うならいっそのこと、思いきり笑いやがれえぇ!!」
清麿が吠えるが、坂柳は深呼吸しながらなんとか落ち着く。
「ふぅー……ふぅー……い、いえ、それは淑女の嗜みとしてどうかと思いますので……遠慮しておきます……」
坂柳は落ち着いたのかコーヒーを静かに飲み直す。
「それよりも、すぐにでもこの場を移動しませんか?周りが少々騒がしくなってきましたし」
見れば他の生徒達がこちらの様子を伺うように見ていた。
「……そうだな。丁度飲み終わったし、そろそろ出るか」
「そうだね」
「そうしましょう」
清麿は伝票を持っていこうするが、彼が取るよりも先に坂柳がヒョイと取ってしまった。
「お、おい……」
「こちらは先程のお詫びも兼ねて、私がお支払いしておきます」
「いや、しかし……」
「ならばこうしましょう。高嶺君、この後、私の買い物に付き合って下さい。それでこの件はチャラです」
「はぁ……分かったよ。お前なかなかに強情そうで、譲りそうにねぇしな。ありがたく奢られとく」
「褒め言葉として受け取っておきましょう」
そして坂柳は二つの伝票を持って会計へと、杖をつきながらゆっくりと向かっていく。
清麿はそれを確認しつつ、一之瀬とひよりに話しかける。
「二人は先に外に出ててくれ。オレは坂柳に付き添ってから出るよ」
「うん、分かった」
「では、外でお待ちしていますね」
「ああ」
そして清麿が急いで会計の方へと向かうと、丁度坂柳が支払いをしているところであった。
こういった支払いは基本的に学生証カードで済ませる。
カードといっても携帯端末の役割も担っており、LI○Eや電話も普通にできる代物だ。
清麿が坂柳の後方からソッと近付く。
そのとき偶然にも、彼女の端末のポイントが見えてしまった。
その瞬間、彼は目を見開く。
(所持ポイント……20万ポイント超え……だと!?)
なんと坂柳は
(まだ入学初日だというのに……坂柳は一体どうやってポイントを増やしたんだ!?)
清麿は思わず硬直する。
すると坂柳は清麿が来たことに気付いたのか、振り返り、笑顔で話しかけた。
「おや、高嶺君?わざわざ様子を見に来て下さったのですか??」
「あ、ああ。奢らせてそのままっていうのも、なんだか申し訳ないしな」
「別に気にしなくてもよろしいのに」
「そういう訳にもいかないんだよ。男としてな」
「そういうものですか」
なんとか平静を保ちながら坂柳との会話を続ける清麿。
しかし、心の中は少しばかり複雑な心境であった。
そんな清麿を他所に支払いを済ませた坂柳は、ゆっくりと出口へ向かっていく。
清麿は彼女のペースに合わせながら、彼女をエスコートするように歩く。
そして二人で外に出ると、一之瀬とひよりが近寄ってきた。
「坂柳さん、奢ってくれてありがとう。今度何かお返しするね?」
「ありがとうございました。私も何かお返しさせて下さいね?」
「分かりました。期待して待っていますね」
二人共、律儀に坂柳へお礼の言葉とお返しを約束すると、坂柳もそれに丁寧に答える。
清麿は横からそれを見つつ、アゴに手を添えて先程の坂柳のポイントについて考える。
(まだ学校が終わって数時間……このわずかな時間で坂柳はポイントを倍近く増やす事に成功している。だが一体どうやって?)
清麿は考える。
(考えられる方法としては、別の人物から譲渡された?又は、どこかから借り入れた?……ダメだ。現時点では情報が少なすぎて、どちらも推測の域を出ん)
すると話を終えた坂柳が清麿に声をかける。
「どうかしましたか高嶺君?もしかして……
坂柳の
(まさかこいつ……
清麿の様子に気付いた坂柳は、実に楽しそうに笑いかける。
その意図を察した清麿も、不敵に笑いながら答えた。
「ああ、ついさっきな。だが坂柳、初日から随分と羽振りが良いようだが、少しは節約を心掛けた方が良いんじゃないか?そんなんだと、いつか足を掬われるぜ」
「ご心配ありがとうございます。ですが、大丈夫です。私は私にとって有意義な物だと判断した場合にのみ、支援や援助は惜しまないことにしているので」
「気前が良いんだな」
「それだけの価値があると判断したまでですよ」
二人は互いに牽制し合いながら話す。
だがその表情はどこか楽しげであった。
「二人ともなんだか楽しそうです」
「そうだね。なんだか二人の周りだけ空気が違うもん」
ひよりと一之瀬はもちろん、その空気を感じ取っていた。
すると突然、坂柳がその空気を変えるように話を切り出した。
「皆さん、良ければこの後一緒にお買い物でもいかがですか?」
「いいよ〜。私達もこの後、買い物に行こうって言ってたしね」
「そうですね。どこにどういったお店があるのか確認しておきたいですし」
「まあ、買い物に付き合う約束しちまったしな」
そして清麿、一之瀬、ひより、坂柳の四人でケヤキモールの中を回ることに。
ただ坂柳が杖をついて歩いているので、彼女に負担をかけないように近場を中心に回ることとなった。
ただそれでもお店の種類は豊富であり、清麿達の目的の品も探せば、短時間で見つかった。
楽しい時間とは早いもので、気付けば既に夕方となっていた。
四人共にそれなりに楽しめたようで、笑顔が多くなっていた。
そして寮まで来ると、清麿は三人の持っていた荷物を一旦地面へと置く。
「すみません
「気にするな
すると、清麿とひよりの会話を聞いていた坂柳が話を振る。
「ずっと気になっていたのですが、高嶺君は椎名さんだけ、名前で呼んでいるのですね」
どこか棘があるように聞こえるのは気のせいである。
「ん?まあ、名前で呼んでくれと言われたからな」
「はい。私達は友達ですから」
坂柳の質問に清麿はなんとなしに答え、それに続くようにひよりも答えた。
そこで坂柳が一つの提案を出した。
「ならば高嶺君、私達のことも名前で呼んでください」
「あ、それ名案かも。私達だけ名字だったから、なんとなく距離を感じてたんだよ〜」
「いや、別に名前の呼び方くらいそこまで悩むことでもないと思うが……」
清麿がそう言うと、一之瀬は人差し指を横に振って否定する。
「チッチッチ。分かってないなぁ、高嶺君は。女の子が名前で呼んでほしいってことは、対等な関係でいたい、距離を縮めたいって意味を含んでるんだから」
するとひよりも発言する。
「つまりお二人とも清麿君と友達になりたいんですよ」
「そういうもんか?というか、オレは二人のことはもうとっくに友達だと思ってたんだが……まあ、いいか。これからもよろしくな帆波、有栖」
「……なんの恥じらいもなくサラッと言っちゃったよ、この子」
「……もう少し言い淀むと思ったのですが」
帆波と有栖の二人としては、清麿は照れると思っていたのだが、あまりにもサラッと呼ぶので、呼ばれた二人が照れる羽目になった。
気を取り直して二人も笑顔で清麿の名を呼ぶ。
「こちらこそよろしくね、清麿君」
「よろしくお願いします、清麿君」
「……おう」
清麿は少し照れながら答える。
さすがに美少女二人に笑顔で名前を呼ばれるのは天才少年と言えど、照れたらしい。
「あ、私も坂柳さんのこと、名前で呼んでいいですか?」
「あ、私も私も!!」
「ええ、ぜひ。よろしくお願いします、ひよりさん、帆波さん」
「こちらこそよろしくお願いします、有栖ちゃん」
「よろしくね、有栖ちゃん」
ひよりと帆波も無事有栖のことを名前で呼ぶ許可が取れたところで、そろそろ解散の流れとなった。
そこに有栖が清麿へと振り返り、
「清麿君、貴方は恐らく、いえ確実に明日から学校中の注目の的となるでしょう」
「……だろうな」
清麿は遠い目をしながら呟く。
「貴方に接触してくる輩は多いと思います。その中には良からぬ目的を持って、貴方に近付く者もいるでしょう。貴方なら心配いらないと思いますが、くれぐれも用心して下さい」
「ああ、肝に銘じておく」
「私達もできるだけフォローするからね?」
「何か困ったことがあったらすぐに相談して下さいね?」
帆波とひよりの二人も心配なのか、声をかけるが、清麿は笑顔で答えた。
「なあに、別にそんな取って食われる訳じゃないんだから、心配するな。それに何かあったら、ちゃんと相談するよ」
「絶対だからね?」
「約束ですよ?」
「ああ」
そして三人とは寮の入り口前で一旦別れると、清麿は寮の管理人から402と書かれたカードキーと、寮でのルールが書かれたマニュアルを受け取り、エレベーターに乗り込んだ。
4階に着くと、エレベーターを降り、402号室へと向かう。
カードキーを差し込み、さっそく部屋の中へと入る。
「おお……ここがオレの部屋か」
中は八畳程のワンルームになっており、最低限の生活はできるようにキッチン、トイレ、お風呂、冷蔵庫などもきっちり完備していた。
清麿は予め買っておいた食料品を冷蔵庫の中に入れると、マニュアルをテーブルの上に置く。
そして荷物も置きラフな格好になると、さっそくマニュアルを読んで寮のルールを軽く頭に叩き込んでいく。
ゴミ出しの日や時間、騒音について気を付けること、水の使い過ぎや無駄な電気の使用を控えることなど、集団生活における基本的なルールが書かれていた。
「電気代やガス代も制限はないのか。てっきりポイントから引かれるものと思っていたが……」
あとは男女共用の寮になっていることから、女子の階に男子は午後八時までしか立ち入ることができないらしい。
(高校生にそぐわない恋愛はするな……ね。なら、健全であれば問題ないのか?)
すると清麿の端末が音を鳴らす。
「うん、誰からだ?有栖か?」
そこにはこう書かれていた。
『私の部屋に来てください』
さっそく頭痛がしそうになる清麿であった。
清麿がいることで軽く原作ブレイク。
知り合うのが早かった影響で名前呼びですはい。
ちょっと青春ラブコメっぽくなってしまったかな……。
次回は清麿vs有栖のチェス勝負。
二人の勝敗をアンケートで決めるのも面白そうかなと思っていたり。
では、また( `・∀・´)ノ
清麿vs有栖のチェス勝負。勝つのはどっち?
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有栖の勝利
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清麿の勝利(アンサートーカー使わず)
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アンサートーカーを解禁する(勝利確定)