高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第四十二話 審議会③

清麿はDクラスの鈴音と綾小路に話しかける。

 

 

「堀北さんと綾小路君はどう思いますか?」

 

 

綾小路が反応する。

 

 

「どう思う……とは?」

 

 

「Dクラス側からの新たな証言がなければ、審議をこのまま進めることになる……ということです。そうなれば、結論が出るのも時間の問題でしょう。その前に、お二人の話を聞いておきたかったんです」

 

 

清麿の言葉を聞いて、綾小路が鈴音の方を向く。

 

 

「おい、堀北」

 

 

しかし鈴音は未だにジッと俯き、発言できないでいる。

 

清麿は綾小路へ質問する。

 

 

()()()()()()はどう思いますか?」

 

 

綾小路は答えた。

 

 

「……Dクラスのリーダーは堀北だからな。()()()()()()()()()()()()()だけさ」

 

 

「そうですか……堀北さんはどうですか?」

 

 

しかし、鈴音は未だに心ここにあらずといった感じで、聞こえていないようだった。

 

 

(相も変わらず放心状態か。やむを得ん……)

 

 

それを見た清麿は、今度は学へと話しかける。

 

 

「会長……妹さんに一言お願いできませんか?」

 

 

「……なぜだ?審議には全く関係ないだろう?」

 

 

「そんなことはありません。彼女が発言するだけで、新たな議論の余地が生まれる可能性があります。議論の余地がある限り、審議は続けるべき……そうは思いませんか?」

 

 

「…………」

 

 

「そして彼女にそれをさせることが出来るのは、この場で唯一、()()()()()()()堀北学生徒会長……貴方だけです」

 

 

学は腕組みをしながら、目を閉じる。

 

それはまるで何かに葛藤している様子だった。

 

 

(もうひと押しか……)

 

 

「それに会長、以前オレに言ってくれましたよね?『俺もサポートに入ってやる』……と。まさかとは思いますが、会長ともあろう御方が約束を反故にするつもりはありませんよね?ねぇ、橘先輩?」(※三十五話参照)

 

 

「うえええぇぇっ!?このタイミングで私に振るんですかっ!?」

 

 

清麿は橘へ話題を振ると、振られると思っていなかったのか、橘がてんやわんやと慌て出す。

 

 

「えっと、えっと……会長、その、サポートした方が良いと……思います……」

 

 

橘が申し訳なさそうに呟く。

 

学もそのことを思い出したのか、苦々しい表情をする。

 

そして清麿はトドメと言わんばかりに、畳み掛けた。

 

 

「なので約束通り、きっちりサポートして下さい」

 

 

学に拒否する権利はなかった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

学は渋々といった様子で鈴音に声をかける。

 

 

「鈴音」

 

 

「……っ、はい!?」

 

 

そして案の定、鈴音は声をかけられると一瞬で反応する。

 

清麿はその様子を見て、内心呆れていた。

 

 

(オレと綾小路があれだけ声をかけても、全く無反応だったのに……会長が一声かけただけで、あの反応とは……筋金入りのブラコンだな……)

 

 

鈴音の反応速度から、彼女がどれだけ兄を慕っているのかが見て取れる。

 

しかし、兄の方は妹の事をあまり良く思っていない。

 

清麿としては、なぜ学があそこまで鈴音を毛嫌いするのかが、全く分からなかった。

 

 

(何か理由があるんだろうが……他所様(よそさま)の家庭の問題だしな……)

 

 

気にはなるが、そうやすやすと聞ける問題でもない。

 

そして件の学はというと、鈴音と話していた。

 

 

「一体いつまで、そうやって呆けているつもりだ?」

 

 

「えっ、いや、その……」

 

 

鈴音は言葉に詰まる。

 

いきなり話しかけられて、驚いているのだろう。

 

しかし、学はさっさと済ませたかった。

 

 

「……手短に要件だけ伝える。お前が為すべきことを為せ。以上だ」

 

 

「兄さん……は、はい!!!!」

 

 

鈴音の意識が覚醒したのか、そのまま清麿へと視線を向ける。

 

そしてCクラス、教師、須藤、綾小路に視線を向けると、自分達が置かれた状況を認識したようだ。

 

綾小路が鈴音へ確認を取る。

 

 

「……大丈夫そうか?一応言っておくが、お前が戦わなきゃ、このまま敗北だぞ?」

 

 

「……問題ないわ。心配かけて悪かったわね」

 

 

清麿は鈴音の目を見て、フッと笑みを浮かべる。

 

 

(やれやれ……ようやくか)

 

 

鈴音は清麿に視線を向ける。

 

 

「……失礼しました。高嶺副会長、私からCクラスへ質問させていただいてもよろしいでしょうか?」

 

 

「どうぞ」

 

 

清麿が許可を出すと、鈴音は椅子をゆっくり引くと立ち上がり、Cクラスへと質問する。

 

 

「先程、貴方達は須藤君に呼び出され特別棟に行ったと言いましたが、須藤君は一体誰を、どのような理由で呼び出したんですか?」

 

 

鈴音のした質問に、Cクラスの面々は顔を見合わせる。

 

 

「答えてください」

 

 

鈴音の質問に小宮が答えた。

 

 

「俺と近藤を呼び出した理由は知りません。ただ、部活が終わって着替えてる最中に、今から顔を貸せって言われて……。俺達が気に入らないとか、そんな理由じゃないでしょうか。それがなんだって言うんですか?」

 

 

「では、どうして特別棟には石崎君もいたのでしょうか?彼はバスケット部員ではありませんし、無関係のはず。その場にいるのは不自然だと思いますが」

 

 

「それは……用心のためですよ。須藤君が暴力的だというのは噂になってましたから。体格だって俺達より大きいですし、いけませんか?」

 

 

「つまり暴力を振るわれるかも知れない、そう感じていたと?」

 

 

「そうです」

 

 

(堀北が復活してから、スムーズに議論が展開されだした。両クラス共、それなりに会議対策はしてきたみたいだな)

 

 

清麿は静かに、その様子を見守っていた。

 

 

「なるほど。それで中学時代、喧嘩が強かったという石崎君を用心棒代わりとして連れていったんですね。いざという時は対抗できるように」

 

 

「自分の身を守るためですよ。それだけです。それに、石崎君が喧嘩が強いことで有名なんて知りませんでした。ただ、頼りになる友達なので連れて行っただけです」

 

 

「多少ではありますが、私にも武道の心得があります。だからこそ分かるのですが、複数の敵と相対した場合の戦いは乗数的に厳しく難しいものになります。喧嘩慣れしている石崎君を含め、貴方達が一方的にやられたことが腑に落ちません」

 

 

「それは、僕達に喧嘩の意志がなかったからです」

 

 

「喧嘩が起こる要因は、自分と相手の『エネルギー』がぶつかり合い、その間合いを超えた時に発展すると客観的に見ています。相手に戦う意志がない場合や無抵抗な場合、三人がそこまで怪我をする確率は非常に低いはずです」

 

 

(それは確かに……そうだな……)

 

 

鈴音の考えやルール、根拠に基づいた客観的な意見に清麿は関心を持つ。

 

魔界の王を決める戦いでも術と術の激突は、まさに鈴音の言った『エネルギー』のぶつかり合いが展開される。

 

ガッシュ&清麿も魔物との戦いでは、よく怪我を負っていた。

 

逆に相手に戦う意志がなければ、怪我をすることは滅多になかった。

 

だが何事にも例外はある。

 

 

(……たとえ1対3とはいえ、相手と圧倒的な力の差があれば、人数の差なんてものはあってないようなものだ)

 

 

例えばガッシュの兄であり【雷帝】と呼ばれる程の力を持つゼオンや、『消滅』の術を用いて最後までガッシュ達を苦しめたクリアなど……圧倒的な力を持つ者達からすれば、人数の差などまるで大したことはない。

 

 

(まあ、さすがに王を決める戦いと、人間のいざこざを一緒にしてはいかんが……)

 

 

清麿が少し考え事をしながら話を聞いていると、今度はCクラスが反論した。

 

 

「その一般的な考えが、須藤君には当てはまらないということです。彼は非常に暴力的で、無抵抗なことをいいことに、容赦ない暴力を振るってきました。それがこれです」

 

 

Cクラスの面々が頬に貼っていたガーゼを剥がすと、擦り向けた傷が露出した。

 

鈴音がいくら(ことわり)を積み重ねようとも、Cクラスは実際に負った怪我という大きな武器で対抗してくる。

 

だが清麿は焦ってはいなかった。

 

今回の彼の目的は、()()()()()()()()()()()()()

 

今回の審議会を乗り越えれば、僅かな勝ちの目は出てくる。

 

小さな小さな勝利の糸を、手繰り寄せることが出来る。

 

すると鈴音の視線が清麿を捉えた。

 

 

「……確かに須藤君が相手を殴り傷つけたことは事実です。しかし先に喧嘩を仕掛けてきたのはCクラスです。その証拠に、一部始終を目撃していた生徒もいます」

 

 

(帆波達が言っていた例の目撃者か……)

 

 

「その生徒はここに来ていますか?」

 

 

「はい。部屋の前で待機しています」

 

 

「分かりました。では、その目撃者を入室させてください」

 

 

清麿の発言を合図に、生徒会室の扉が開き、新たな生徒が入室する。

 

眼鏡をかけた大人しめの少女であった。

 

少女は不安げで、どこか落ち着きのないように歩き、視線は常に足元を見ている。

 

どことなく危なっかしい。

 

 

「1ーD、佐倉愛里(あいり)さんです」

 

 

「目撃者がいるというので何事かと思いましたが、Dクラスの生徒ですか」

 

 

するとCクラスの担任である坂上が、眼鏡を拭きながら失笑する。

 

 

「何か問題でもありますか、坂上先生」

 

 

「いえいえ、どうぞ進めてください」

 

 

Dクラス担任の茶柱は坂上に視線を向けるが、坂上は特に何も言わなかった。

 

清麿としては、坂上の印象は中学時代にいたある教師と被っていた。

 

 

(まるで人間の出来ていない先生、遠山先生のようだ……)

 

 

この遠山という男、清麿の中学の歴史の教師であり、自他共に人間が出来ていないと認める程の教師である。

 

好成績を取る清麿をいつも目の敵にして、無理難題を押し付け、無茶苦茶な設問ばかりのテストを出すため、生徒達からは大変顰蹙(ひんしゅく)を買っていた。

 

ちなみに、その無茶苦茶な設問というのが小テストでの【私(遠山先生)の初恋はいつだ?そして、相手は誰だ?】という内容であったり、期末テストでは、粘土で忍者屋敷を作れという問題であったりする。

 

 

(いかんいかん。審議を進めなければ……)

 

 

清麿は首を横に振ると、審議を進める。

 

 

「では、佐倉さん。証言をお願いします」

 

 

「は、はい……。あの、私は……」

 

 

そして、佐倉という少女は俯く。

 

それから静寂の時が続き、どんどん佐倉の顔は下を向き、顔色が悪くなり、青ざめていく。

 

 

「佐倉さん……」

 

 

さすがに鈴音も焦ってきたのか、声をあげるが佐倉は喋ろうとしない。

 

 

(いや、話せないのか……)

 

 

清麿は佐倉の精神状態を分析する。

 

 

(人見知りか。それなら、この状況は彼女にとって辛いかもしれんな……)

 

 

「どうやら、彼女は目撃者ではなかったようですね。これ以上は時間の無駄です」

 

 

すると、何を思ったのか坂上が発言する。

 

清麿は思わず舌打ちしそうになるが、その前に茶柱が疑問の声を上げた。

 

 

「何を急いでいるんですか?坂上先生」

 

 

「急ぎたくもなります。このような無駄なことで、私の生徒が苦しんでいるんですよ?彼らはクラスのムードメーカーで、多くの仲間達に心配かけたことを気にしています。それにバスケットにもひた向きに励んでいる。その貴重な時間が奪われているんです。担任として、それを見過ごすことはしたくないのでね」

 

 

「そうですね。そうかも知れません」

 

 

すると、茶柱も同意するように頷いた。

 

坂上の言い分を聞き、納得したらしい。

 

 

「確かにこれ以上は時間の無駄、とするしかないでしょう。下がっていいぞ佐倉」

 

 

茶柱はまるで興味が失せた……というかのように佐倉に退室を命じる。

 

佐倉もまた、何も言い出せない自分が情けないのか、自分の弱さを悔いるように目を閉じる。

 

生徒会室の中はDクラスの敗戦のような空気が濃厚となっていた。

 

だが、そんな状況にこの少年が黙っているはずもなかった。

 

 

 

 

 

 

「坂上先生、茶柱先生も……少し黙っててもらえませんか?」

 

 

 

 

 

 

生徒会副会長、高嶺清麿の言葉が生徒会室に響き渡る。

 

 

「この審議の時間が無駄かどうかを決めるのは貴方々ではありません。この自分です」

 

 

清麿は正々堂々、凛とした態度で教師陣二人にそう言い放った。




あと何話かしたら、暴行事件編終わります。

正直、橘先輩には悪いことしたと思ってる。

会長は反省してどうぞ。

では、また( `・∀・´)ノ
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