高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第四十三話 審議会④

清麿の放った一言に、一同は驚く。

 

 

「なっ!?」

 

 

「ほう?」

 

 

そしていの一番に反応したのは、坂上と茶柱の二人であった。

 

坂上は額に青筋を立て、茶柱は不敵に笑う。

 

それに対して清麿は、変わらず凛とした態度で対応する。

 

 

「……高嶺君、今の言葉は一体どういう意味かね?」

 

 

「言葉通りの意味ですよ。基本的にこういった事件の審議は、生徒会に任せられています。それはつまり『学校側はこれらの件に関して一切関与せず、生徒会の判断に委ねる』ということ。いかに教師といえど、審議に口を挟む権利はありません。よって、佐倉さんの退室を先生方が命じるのは筋違いです」

 

 

「へ、屁理屈を……」

 

 

「屁理屈?一体どこがでしょうか?自分は坂上先生にどういう意味か尋ねられたので、懇切丁寧に説明しただけですが?」

 

 

「……分かった。確かに高嶺の言うとおりだな。私達が審議に口を挟む権利はない。勿論、佐倉の退室を命じる権利もない」

 

 

「茶柱先生!?」

 

 

清麿は少し挑発的に言ってしまうが、茶柱は冷静なのか大人しく身を引いた。

 

それを見た坂上も、渋々といった様子で身を引く。

 

しかし、清麿を見る視線はどこか忌々しそうであった。

 

そんな視線に対して、清麿は特に気にした様子も見せずに、未だに呆然としている佐倉に話しかける。

 

 

「……時間を取らせてすまないな、佐倉さん。ゆっくり、落ち着いてからでいい。話せる状態になったら、君の見た事をオレ達に聞かせてくれ」

 

 

「……は、はい」

 

 

清麿が優しく笑いかけると、佐倉は顔を赤くさせながら俯く。

 

それから、佐倉は深呼吸を繰り返し、なんとか落ち着いた。

 

 

「……私は確かに見ました。最初にCクラスの生徒が須藤君に殴り掛かったんです。間違いありません」

 

 

「それは佐倉さんも特別棟にいた……ということでいいのかな?」

 

 

「はい。証拠だってあります」

 

 

佐倉が机に数枚の長方形の紙のような物を置く。

 

それは数枚の写真だった。

 

 

「拝見します」

 

 

橘が佐倉の傍に歩み寄り、軽く断りを入れてから写真に手を伸ばした。

 

 

「……会長、高嶺君」

 

 

写真を見た橘は、学と清麿にも写真を見せる。

 

 

(これは佐倉さんか?えらく可愛らしいが……今の彼女との印象が違いすぎるな……)

 

 

そして、ある写真を発見する。

 

 

(これは……特別棟にいた時の写真か!?)

 

 

写真を確認した二人は、他の者達にも写真が見えるようにプロジェクターに写す。

 

 

「私は……あの日、自分を撮るために人のいない場所を探してました。その時に撮った写真を証拠として日付も入っています」

 

 

日付は確かに先々週の金曜日の夕方、事件が起こったと思われる時間帯だった。

 

今まで静観していたCクラスも変化が現れる。

 

明らかに動揺していた。

 

すると、様子を見ていた坂上が質問する。

 

 

「これは何で撮影したものだね?」

 

 

「デジタル……カメラですけど……」

 

 

「確かデジカメは容易に日付の変更が出来たはずだ。パソコン上で日付のみ操作してプリントアウトすれば、事件当時の時間帯を再現出来る。証拠としては不十分です」

 

 

「しかし坂上先生、この写真は違うと思いますが?」

 

 

学は下に重なって見えなかった例の1枚をスライドさせる。

 

 

「こ、これはっ……!?」

 

 

その写真には喧嘩騒動を表す1枚が写っていた。

 

夕暮れに染まる校舎に、その廊下、須藤が石崎を殴った直後と思われる写真であった。

 

 

「これで……私がそこにいたことを、信じて貰えたと思います」

 

 

「ありがとう、佐倉さん」

 

 

鈴音が佐倉へお礼を言う。

 

 

(これでDクラスは圧倒的に不利な状況から脱する事が出来たが……問題はここからだ)

 

 

「なるほど。どうやら貴方が現場にいたという話は本当のようだ。その点は素直に認めるしかありません。ですが、この写真ではどちらが仕掛けたものかは分かりません。貴方が最初から一部始終を見ていた確証にも至りませんし」

 

 

(坂上先生の言うとおり、佐倉さんが現場にいた事は証明された。だが逆に言えば、()()()()())

 

 

そう。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「……どうでしょう茶柱先生。ここは落とし所を模索しませんか?」

 

 

「落とし所、ですか?」

 

 

「今回私は、須藤君が嘘をついて証言したと確信しています」

 

 

「てめっ!!!!」

 

 

坂上の言葉に須藤が飛びかかろうとするが、綾小路が腕を掴んで押さえる。

 

清麿は坂上に注意を促した。

 

 

「坂上先生、生徒を刺激する発言は控えて下さい」

 

 

「クククッ……これは失礼。話を戻しますが、いつまで続けても話し合いは平行線でしょう。私達は証言を変えませんし、あちら側も目撃者と口裏を合わせを諦めない。つまり、相手が嘘をついていると応酬して止まない。この写真も決定的証拠としては弱い。……そこで落し所です。私はCクラスの生徒にも幾ばくかの責任はあると思っています。3人いた事や、一人は喧嘩慣れしている過去を持っているそうなので、それは問題でしょう。そこで須藤君に2週間の停学、Cクラスの生徒達に1週間の停学。それで如何(いかが)でしょうか?罪の重さの違いは、相手を傷つけたかどうか、その違いです」

 

 

清麿は坂上の案を黙って聞いていた。

 

これはCクラスが半分譲歩したということでもある。

 

本来なら、須藤は1ヶ月以上の停学になっていてもおかしくはないのだ。

 

 

「ふざけんなゴラ!冗談じゃねえぞ!」

 

 

須藤は慌てるが、坂上は全く相手にせず話を進めていく。

 

 

「茶柱先生、貴方はどう思いますか?」

 

 

「結論は既に出たものでしょう、坂上先生の提案を断る理由はありません」

 

 

確かに妥協点としては申し分ない状況であるが、この案を受けてしまうと須藤の無罪を証明することは出来なくなる。

 

 

(さあ、どうする堀北?)

 

 

清麿は鈴音に視線を向けるが、鈴音は天井を見上げていた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……。

 

それを見た清麿は焦る。

 

 

(まずい!?堀北はまだ気付いていない!?)

 

 

鈴音はDクラスが勝てると思われる、たったひとつの勝利の方程式にまだ気付いていない。

 

直後、綾小路が発言した。

 

 

「堀北、本当にもう手はないのか?」

 

 

鈴音は答えない、否、答える事が出来ない。

 

 

「頭の悪いオレには何一つ解決策は浮かばない。それどころか、坂上先生からの妥協案を受け入れるべきだと思った」

 

 

「そうでしょう」

 

 

綾小路の言葉に坂上が薄く笑い、眼鏡を上げる。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。これが教室やコンビニで起こった出来事だったなら、もっと大勢の生徒が見ていて確実な証拠もあったかもしれないけどな。見ていたって記録がどこにもない。人もいない設備もない特別棟じゃどうしようもないってことだ」

 

 

綾小路はフーッと息を吐いて首を左右に振った。

 

 

「話し合いをして分かっただろ。どれだけ訴えてもCクラスは嘘だと認めてくれない。須藤も嘘だとは認めない。こんなのはどこまで行っても平行線だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

「……っ!」

 

 

綾小路と鈴音の視線が重なる。

 

その様子を見ていた清麿は理解する。

 

 

(……さすがだな綾小路。そして堀北も綾小路の言葉の裏を読み取り、その意味に気付いたようだ)

 

 

「もういいでしょう。ではDクラス代表の堀北さん。意見をお聞かせ下さい」

 

 

坂上は綾小路の言葉をそのままの意味として受け取る。

 

つまりDクラスの敗北宣言として受け取った。

 

が、そうは問屋が卸さない。

 

 

「分かりました……」

 

 

「堀北!」

 

 

須藤が叫ぶが、堀北は気にせず話し出す。

 

 

「私は今回、この事件を引き起こした須藤君には大きな問題があると思っています。何故なら、彼は日頃の自分の行いを、周囲への迷惑を全く考えていないからです。喧嘩に明け暮れていた経歴。気に食わないことがあればすぐに声を上げ、手を上げる性格。そんな人が騒動を起こせば、こうなることは目に見えて明らかだったからです」

 

 

「て、テメェ……!」

 

 

「貴方のその態度が、全ての元凶だということを理解しなさい」

 

 

須藤は鈴音を睨みつけるが、その気迫に覆い被せるように更なる気迫を持って、鈴音は須藤を睨みつける。

 

清麿はその様子を見ながら、思わず学をチラ見してしまった。

 

 

「……なんだ?」

 

 

「いえ、なんでもありません……」

 

 

(こういう所は兄妹そっくりですね……とは言えない)

 

 

「だから私は、当初から須藤君を救うことに消極的でした。無理に手を差し伸べ救ったところで、彼はまた同じことを平気で繰り返すことが分かっていたからです」

 

 

そして鈴音は学、橘、清麿の順に視線を向けると言った。

 

 

「彼は反省すべきです。ですが、それは今回の事件に対してではありません。過去の自分を見つめ直すという意味での反省です。今、話し合われてる事件に関しては……私は須藤君に何ら非はないと思っています。何故なら、この事件は偶然起きてしまった不幸な出来事ではなく、Cクラス側が仕組んだ意図的な事件だと確信しているからです。このまま泣き寝入りするつもりは毛頭ありません」

 

 

鈴音の言葉を聞いた清麿は、不敵に笑っていた。

 

 

「それはつまり……須藤君の完全無罪を主張するということでよろしいですか?」

 

 

鈴音は力強く頷いた。

 

 

「はい。たとえ1日たりとも停学処分は受け入れられません」

 

 

だが、Cクラス側から待ったがかかる。

 

 

「はは……何を言うかと思えば。意図的な事件?これはおかしなことを。どうやら生徒会長の妹は不出来と言わざるを得ませんね」

 

 

しかし、鈴音も負けない。

 

 

「目撃者の証言通り、須藤君は被害者です。どうぞ、間違いのない判断を」

 

 

「僕達は被害者です!高嶺副会長!!」

 

 

「ふざけんなよ!被害者は俺だ!!」

 

 

Cクラスの生徒達も須藤もここぞとばかりに主張する。

 

 

「そこまでだ。これ以上、この話し合いを続けても時間の無駄だろう」

 

 

しかし生徒会長、堀北学がこの泥仕合のような押し付け合いを止めた。

 

 

「今日の話し合いで分かったことは、互いの言い分は常に真逆。どちらかが非常に悪質な嘘をついているということだけだ」

 

 

もしもこの事実が明るみになれば、嘘をついた者達は停学程度では済まないだろう。

 

 

「Cクラスに再度確認する。今日の話に嘘偽りはない、そう言い切れるのだろうな?」

 

 

「も……もちろんです」

 

 

「ならばDクラスはどうだ?」

 

 

「俺も嘘なんてついてねえ。全部本当のことだ」

 

 

そして学は清麿へと視線を向ける。

 

 

「高嶺、お前はこの場をどうすべきだと考える?」

 

 

清麿は答えた。

 

 

「……明日16時にもう一度再審の席を設けるべきだと思います。明日の再審までに両クラス共に、相手の明確な嘘、又は自分達の非を認める申し出がなかった場合は、今ある証拠だけで判断を下すのが妥当かと」

 

 

「そうだな。ならば場合によっては、退学措置も視野に入れるべきだろう」

 

 

「はい」

 

 

こうして審議は終了する。

 

直後、鈴音が軽目の抗議を申し出た。

 

 

「審議までの期間をもう少し取って頂く訳にはいかないでしょうか?」

 

 

それに答えたのは、意外にも茶柱であった。

 

 

「再審議までに時間を要する案件だったなら、生徒会は最初から十分な猶予を与えたはずだ。つまり、この件にはもう十分な時間を与えたということだ。延長が特例なのだ」

 

 

そして速やかに退室するよう言われ、全員生徒会室を後にしようとする。

 

しかし、坂上が佐倉へ近付き、呼び止めた。

 

 

「佐倉君、1ついいかな?」

 

 

「は、はい。なんですか?」

 

 

佐倉は少し警戒しつつ、坂上の呼び掛けに応じる。

 

 

「君は目撃者として名乗りを上げたのが随分遅かったようだが、それはどうしてかな?本当に見たのなら、もっと早く名乗り出るべきだった」

 

 

「それは……その……巻き込まれ、たくなかったからです」

 

 

「どうして巻き込まれたくないと?」

 

 

「……私は、人と話すのが、得意じゃありませんから……」

 

 

「なるほど。良く分かりました。ではもう一つ。人と話すのが得意ではない貴方が、週が明けた途端、目撃者として名乗りあげたのは正直、不自然じゃありませんか?これではDクラスが口裏を合わせて貴方に嘘の目撃証言をしようとしている風にしか見えない」

 

 

「そ、そんなこと……私はただ、本当のことを……」

 

 

「幾ら話すのが苦手だとしても、私には君が自信を持って証言しているようには思えなかった。それは本当は嘘をついているから、罪悪感に苛まれているからではないのかな?」

 

 

「ち、違います……!」

 

 

「私は君を責めている訳ではないよ。恐らくクラスのため、須藤君を救うため、嘘をつくことを強いられたんじゃないのかな?」

 

 

佐倉が泣きそうな顔をする……が、そこで様子を見守っていた清麿が間に入った。

 

 

「そこまでです坂上先生。さすがに言い過ぎです」

 

 

「……いいでしょう。ですが、これだけは覚えておきなさい。君の嘘が、大勢の生徒を巻き込む結果になったことは反省してもらいたい。それと、泣けば許されると思っているのなら君の策略は実に愚かしいことだよ。恥を知りなさい」

 

 

坂上はそう言い残し、Cクラスの生徒達と共に去っていこうとしたが……そうは問屋が卸さなかった。

 

 

 

 

 

 

「橘先輩、今の坂上先生の発言もしっかり記録出来ていますか?」

 

 

 

 

 

 

清麿の質問に橘は答える。

 

 

「は、はい!大丈夫です!!」

 

 

彼女は胸ポケットから、テープレコーダーを出した。

 

坂上はあまりのことに驚く。

 

 

「なっ!?い、一体なんのつもりだ!?」

 

 

「なんのつもりだ?……は、こちらの台詞ですよ。坂上先生、貴方は教師として失格と言わざるを得ませんね」

 

 

清麿は鋭い視線で坂上を睨みつける。

 

 

「……先程の佐倉愛里さんを精神的に追い詰め、なんの根拠もなく恥知らずと馬鹿にしたこと。それだけじゃありません。審議の最中、1年Dクラスの堀北鈴音さんに対しても不出来だと罵ったこと……貴方は教師という立場にありながら、一体どういうつもりなんですか?」

 

 

「それはこちらの台詞だ!生徒会という立場を利用して私を貶めるつもりか!?」

 

 

坂上が怒鳴る。

 

だが清麿は真っ向から反論する。

 

 

「お言葉ですが坂上先生、自分は事実を述べているだけです。それで……これらの教師としてのあるまじき行為、一体どう説明するおつもりで?」

 

 

「そ、それは……」

 

 

坂上が言葉に詰まると、清麿は畳み掛けた。

 

 

「……貴方の発言は全て記録させていただきます。そして、学校側に問題行為として報告させてもらうのでそのつもりで」

 

 

「………っ!!」

 

 

坂上は乱暴に扉を開けると、生徒会室から勢いよく出て行った。

 

Cクラスの面々はこちらを何度か見つつ、その後を急ぎ足で追いかけていくのだった。




坂上先生については個人的にイラッとしてたのでこんな感じになってしまいました。

思いっきり個人の私情、入ってる内容になってしまった……。

では、また( `・∀・´)ノ
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