高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうも|д゚)チラッ

続き書けたで候。

遅くなってすみません。

少しバタバタしてまして、なかなか書く時間が確保できませんでした。

申し訳ありません。

さて、今回でよう実2巻の内容は終了です。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第四十六話 審議会終了後

審議は呆気ない幕切れに終わった。

 

 

「須藤君、これで貴方は停学処分はなくなった。学校側も問題児としては扱わないはずよ。今日から部活動にも参加だってできますよね?」

 

 

鈴音は茶柱へ確認を取る。

 

 

「もちろんだ。当然Cクラスの生徒達もな。青春に励むといい。ただし、次にお前達が問題を起こせば、今回の件が引き合いに出されることを忘れるな?」

 

 

茶柱が双方へ強く念を押すと、Cクラスの生徒達は頷き、須藤は多少不満げな表情をしていたものの、静かに頷いた。

 

坂上はCクラスの生徒達と共に、足早に生徒会室を出ていった。

 

 

「良かったな須藤」

 

 

「へへ、当然だぜ」

 

 

「私個人的には、お前は罰せられるべきだったと思っているけどな」

 

 

茶柱は須藤にねぎらいの言葉をかけるが、すぐに厳しい言葉を向けた。

 

 

「今回の事件は、そもそもお前の日頃の行いが招いたことだ。事件の真実や嘘なんて些細なことで、大切なのは事件そのものを起こさせないことだ。お前だって本当は分かっているんだろう?」

 

 

「う……」

 

 

「だが自分の非を認めるのは格好悪い。だから態度だけは偉そうにしている。強がっている。それもいいだろう。しかしそれでは本当の仲間など出来るはずもない。いずれ堀北もお前に見切りをつけて、離れていくだろう」

 

 

「……それは……」

 

 

須藤が鈴音へと視線を向けるが、鈴音は特に気にした様子も見せずに知らんぷりしていた。

 

 

「自分の過ちを認めるのも強さだぞ、須藤」

 

 

「分かってんよ……。そもそも俺がしっかりしてれば、俺が相手を殴りさえしなきゃ、こんな大事になることはなかった。どっかでは分かってたんだ」

 

 

須藤は項垂れるように椅子に座り込む。

 

 

「バスケも喧嘩も、自分が満足するためだけに突っ走ってきた。けど、今はもうそれだけじゃないんだよな……。俺はDクラスの生徒で、俺一人の行動がクラス全体に影響を与える。それを身を持って体験したぜ……。もう、俺は二度と問題を起こさねえよ先生。堀北」

 

 

どうやらこの一件は、須藤の考え方に強く影響を及ぼしたようだ。

 

しかし、良くも悪くも人間はそう簡単に変わりはしない。

 

 

「安易な口約束はやめた方が良い。お前はまたすぐに問題を起こす」

 

 

「っ……!」

 

 

茶柱が須藤の安易な誓いを否定する。

 

 

「お前はどう思う堀北。須藤は問題を起こさない生徒になると思うか?」

 

 

「いいえ、思いません」

 

 

鈴音も間髪入れずに否定した。

 

しかし、鈴音は言葉を続ける。

 

 

「でも……今日、確かに須藤君は進歩しました。自分がしてしまった間違いに一つ気が付いたんです。だからきっと明日の貴方は、今日よりも成長しているはずよ」

 

 

「お、おう……」

 

 

「良かったな須藤。堀北はまだお前を見放していないらしい」

 

 

「いいえ、もう見放してます。これ以上放すところがないだけですから」

 

 

「な、なんだよそれ!」

 

 

須藤は鈴音の言葉に、頭を軽く掻きむしった後、重いものを振り切ったような笑顔を向けた。

 

 

「んじゃ、俺部活行くからよ。またな堀北」

 

 

そして須藤は、駆け足で部活へと向かっていった。

 

 

「それでは、残りの皆さんも退室して下さい」

 

 

切がいいと判断したのか、橘が部屋に残っている面々に退室を促すが茶柱が待ったをかけた。

 

 

「まあ待て。少し堀北に話がある。お前達は先に出ていろ」

 

 

「分かりました。それでは話が終わりましたら、声をかけてください」

 

 

橘はそう言うと、生徒会室を出る。

 

清麿と学も、その後に続くように部屋を出た。

 

生徒会室の中は茶柱と鈴音の二人っきりとなる。

 

 

「それで、どんな手を使ったんだ?堀北」

 

 

そして茶柱は興味深そうに、テーブルで腕を組んで鈴音へと問いかけた。

 

 

「何のことでしょうか?」

 

 

「誤魔化すな。理由なくあいつらが訴えを取り下げる訳ないだろう」

 

 

「ではご想像にお任せします」

 

 

鈴音は話す気がないのか、素っ気なく答える。

 

 

「秘密という訳か。では質問を変えよう。()()()()()退()()()()()()()()()()?」

 

 

「……どうしてそんなことが気になるんです?」

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

茶柱の言葉に鈴音は答えた。

 

 

「認めたくはありませんが、綾小路君は……優秀かもしれません」

 

 

「そうか、お前が認めたか」

 

 

鈴音の答えが予想外だったのか、茶柱は素直に驚いた様子であった。

 

 

「……驚くことではないのでは?茶柱先生は最初に彼と私を引き合わせた。綾小路君の持つポテンシャルの高さを見抜いての行動だったんですよね?」

 

 

「ポテンシャルの高さか……」

 

 

「自分の力を隠してバカなフリをするなんて、謎の行動を取っていますが」

 

 

「色々と思うことはあるだろうが、お前がAクラスに上がろうと思っているのなら、私から一つアドバイスを送っておいてやろう」

 

 

「アドバイス、ですか」

 

 

「Dクラスの生徒達には、大なり小なり欠点、この学校の言葉を借りるなら不良品の要素を持った人間達が集まる場所だ。もう、それは十分に理解しているな?」

 

 

「自分の欠点を認めるつもりはありませんが。理解はしたつもりです」

 

 

「なら綾小路の欠点はなんだと思う?」

 

 

「それは既に判明しています。彼は自分で欠点を理解しているようでしたし」

 

 

「ほう?つまり?」

 

 

「事なかれ主義です、彼は」

 

 

「事なかれ主義か。普段の綾小路を見てそう感じたのか?」

 

 

「いえ……。彼が自分自身で、そう言っていましたから」

 

 

茶柱は小さく笑いながら、固い口調で言った。

 

 

「なら堀北。今の内に綾小路という人間を出来るだけ把握しておけ。さもなければ手遅れになる。お前は既に綾小路の術中に(はま)っているようなものだ」

 

 

「どういう意味でしょうか」

 

 

「何故、綾小路が入試テスト全ての結果を50点にしたと思う。何故綾小路が、お前達の手助けをしていると思う。何故優秀なのにその力を表に出していないと思う。本当に綾小路清隆という人間は『事なかれ主義』なのか?」

 

 

「それは……」

 

 

茶柱の問いかけに鈴音は、言葉を詰まらせる。

 

綾小路の今までの行動の違和感に気付いたからだ。

 

本当に『事なかれ主義』を貫き平穏を望むのであれば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

多くの生徒達のように静観しているべきなのだ。

 

 

「これは私個人の見解だが、Dクラスで最も不良品たる生徒は綾小路だ」

 

 

「彼が、一番の不良品、ですか……」

 

 

「機能が高い製品ほど扱いが難しい。扱い方一つ間違えば、呆気なくクラスは全滅する、ということだ」

 

 

「……先生は、彼の本当の不良品とされる部分を理解していると?」

 

 

「お前は綾小路という人間を知れ。あいつが何を考え、何を軸に行動しているのか。どんな厄介な欠点を持っているのか。そこには必ず一つの答えがある」

 

 

それ以上、茶柱が話すことはなかった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

清麿達が生徒会室を出ると、鈴音を待っているのか綾小路の姿があった。

 

 

「綾小路か」

 

 

「お疲れだな、高嶺」

 

 

「……さっき、Cクラス側からの訴え取り下げの申し出を認めたところだ」

 

 

「そうか。それは何よりだ」

 

 

清麿と綾小路は、短いやり取りをかわす。

 

直後、学が綾小路へと話しかけた。

 

 

「……これがお前の言った佐倉が嘘つきではないと証明する方法か。Cクラスが訴えを取り下げたとなれば自然とその話は広まる。そうなれば必然噂も立つだろう。嘘をついていたのは須藤でも佐倉でもなく、Cクラスだったんだ、と」

 

 

「あんたの妹が上手く運んだんだ。オレは何もしちゃいない」

 

 

「答えを聞いてみれば単純な話ではありますが、感心しました」

 

 

橘がパチパチと小さく手を叩く。

 

彼女もこの展開には思う所があったらしい。

 

 

「橘。まだ書記の席が一つ空いていたな?」

 

 

「はい。先日申し込みのあったBクラスの1年生は1次面接で落としましたので」

 

 

(Bクラス……というと、葛城か?)

 

 

葛城は中学で生徒会長を務めていた。

 

高度育成高等学校でも生徒会に入ろうとしていたらしいが、残念ながら学のお眼鏡には適わず、面接で落とされてしまったようだ。

 

 

「綾小路。お前が望むなら書記の席を譲っても構わん」

 

 

直後、学が突然綾小路を生徒会へ勧誘を始めた。

 

清麿と橘は驚く。

 

 

(また思い切ったことを……)

 

 

「せ、生徒会長……本気ですか?」

 

 

「不服か?」

 

 

「い、いえ。生徒会長が仰るなら私に異存はありませんが」

 

 

しかし、綾小路はその勧誘を即座に断った。

 

 

「オレは面倒事が嫌いなんだ。生徒会なんて冗談じゃない。普通の学生生活を送るさ」

 

 

「えええっ?生徒会長からのお誘いを断るんですか!?」

 

 

「断るもなにも、興味ないからな……」

 

 

「……綾小路もこう言ってますし、とりあえずまずは落ち着いて下さい、橘先輩……」

 

 

驚いたり突っ込んだり、忙しなくリアクションを行う橘を宥める清麿。

 

 

「行くぞ、橘。生徒会室の施錠は任せたぞ、高嶺」

 

 

「は、はい!」

 

 

「分かりました」

 

 

すると、学は綾小路への興味を失ったのか、生徒会室の施錠を清麿に任せ、橘と共に去って行った。

 

ふと二人きりになった清麿と綾小路。

 

清麿は窓から見える景色を眺めながら呟く。

 

 

「……さすがだな。最初の審議で、堀北の精神を立て直したのは見事だった」

 

 

「一体なんのことだ?」

 

 

「別にとぼけなくてもいいんだが……まあいい。綾小路、そんなお前にアドバイスだ。どんな形でもいいから色んな奴と接してみろ。きっと()()()()()()()()()()()()()はずだ」

 

 

「……今までとは違う景色?」

 

 

「ああ。オレの言葉の意味が分かる頃には、()()()()()()()()()()かもな」

 

 

「……そうか」

 

 

それから少しして、鈴音と茶柱が現れると茶柱は特に声をかけることもなく、職員室へと戻っていく。

 

清麿も生徒会室の施錠をさっさと済ませると、二人と別れて帰路についた。

 

そして一学期も終了し、いよいよ夏休みへと突入する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんななか、清麿はというと……

 

 

 

 

 

 

「アッハッハッハ!!アーッハッハッハッハ!!!!」

 

 

 

 

 

 

「またんかい!!コラアアアァァァ!!!!」

 

 

 

 

 

 

なぜか無人島で高円寺を追いかける羽目になっていた。




次回から夏休み編。

あと最後の追いかけっこは、清麿とダルタニアン教授のやり取りをイメージしてもらえればいいかと。

では、また( `・∀・´)ノ
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