続き書けたで候。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
第四十七話 特別試験開始
常夏の海に、広がる青空。
澄み切った空気。
そよぐ潮風は生徒達の身体を優しく包み込み、真夏の猛暑を感じさせない太平洋のど真ん中。
清麿達が現在いる場所は、シーパラダイスであった。
「いえぇーい!最高だぁあああああ!!」
「はしゃぎすぎて、海に落ちるなよ柴田」
豪華客船のデッキから高らかに両手を挙げながら、クラスメイトの柴田の叫び声が響き渡る。
「ひゃっほううう!!」
「良い眺め!!」
他の男子や女子達も目の前に広がる景色に感動しているようだった。
「しかし、学生の身でこんな豪華客船に乗ることになるとはな……」
清麿達Aクラスは中間テスト、期末テストを無事乗り越えて夏休みを迎えていた。
そんな清麿達を待っていたのは、高度育成高等学校が用意していた二週間の豪華旅行、豪華客船によるクルージングの旅であった。
普通であればオフシーズンでも、何十万という費用が必要となる豪華客船でのクルージング。
しかしこのクルージングは施設も充実しており、一流の有名レストランに演劇が楽しめるシアター、高級スパまで備え付けられており、贅沢の限りを尽くせる。
さらには船の施設が、全て無料利用できるから驚きだ。
(ただ、このクルージングに日本国民の税金が使われていると思うと、正直複雑だ……)
高等育成高等学校の経営は日本政府主体で行われているため、この豪華客船のクルージングも当然、国の税金で賄われていることになる。
そう考えると、少々複雑な気分になる清麿であった。
「まあ、一学生のオレが気にしたところで仕方ないか……」
しかし、気にした所でどうにもならないので清麿は気分を入れ替えて楽しむことにした。
清麿は神崎達と別れると、一人船尾デッキから景色を眺める。
「……空も海も青いなあ」
「あ……」
「ん?」
清麿が海を眺めていると、一人の女子生徒が船尾デッキへとやって来る。
「姫野か」
「……高嶺君、いたんだ」
姫野ユキ。
少し青みがかった髪色が特徴のツインテールの女子生徒である。
清麿と同じAクラスの生徒でもある。
姫野は清麿の姿を確認すると、ばつが悪そうな表情をする。
船尾デッキに人がいると思っていなかったのだろう。
彼女は普段から一人でいることが多いため、仲の良いAクラスの中では珍しく、一歩引いた立ち位置にいる。
「……珍しいね。いつもは一之瀬さんや神崎君達が側にいるのに」
「別に四六時中、あいつらと一緒にいる訳じゃないさ。それにここはあまり人が来ないからな。考え事するには持ってこいの場所なんだよ」
「……考え事?」
「この二週間の旅行について考えていた」
「高嶺君がそう言うってことは、やっぱり何かあるんだ……この旅行」
姫野は顔を僅かに
「ああ。オレの予想が正しければ……恐らく、今から行く島で特別試験が実施される」
「特別試験!?」
清麿の言葉に姫野は驚く。
「……生徒会活動で書類に目を通している時に、過去の資料に目を通す機会があってな?その資料に拠れば、毎年夏休みに各クラス共にポイントを大きく変動させてるんだ」
「つまり……そのポイントを大きく変動させる要因が、今から行く島である特別試験ってこと?」
「ああ」
二人で数分ほど景色を眺めていると、突然アナウンスが流れる。
『生徒の皆様にお知らせします。お時間がありましたら、是非デッキにお集まりください。間もなく島が見えて参ります。暫くの間、非常に意義ある景色をご覧頂けるでしょう』
「噂をすれば……だな」
「なんか変な言い方のアナウンス……」
清麿と姫野は、前方に見え始めている島を眺める。
その間に生徒達が続々とデッキの方に集まっていた。
「でけぇ!」
「おおおおおおお!!」
島がはっきりと視認出来る距離にまでやって来ると、生徒達の熱気と興奮が高まっていく。
「綺麗な島……」
「ああ。それにかなり広い」
そしてそのまま船は、ぐるっと島の周りを回り始めた。
(島の面積はザッと約0.5㎢、最高座標は230mといったところか)
清麿は持ち前の頭脳で、島の面積を出すと同時に、地形も記憶していく。
『これより、当学校が所有する孤島に上陸いたします。生徒達は30分後、全員ジャージに着替え、所定の鞄と荷物をしっかりと確認した後、携帯を忘れずに持ちデッキに集合してください。それ以外の私物はすべて部屋に置いてくるようお願いします。また暫くお手洗いに行けない可能性がありますので、きちんと済ませておいてください』
清麿が島の地形を目に焼き付けていると、そんなアナウンスが流れた。
アナウンスを聞いた生徒達はジャージに着替えるために、船内へと次々に戻って行く。
「……高嶺君は戻らないの?」
「オレはもう少し、島を見てからにする。どんな風になってるのか覚えておくだけでも、きっと違うだろうからな」
「そうなんだ……じゃあ、私も少し残ろうかな」
「女子って準備が大変なんじゃないのか?」
「着替えるだけならすぐだから、問題ないよ。それに今戻ると、生徒でごった返してるだろうし」
「まあ、好きにしてくれ」
「うん」
そうして二人は時間ギリギリまで島を観察していた。
◆◆◆
「それでは、これからAクラスの生徒から順番に降りてもらう。島への携帯の持ち込みは禁止。各自担任の先生に提出し、下船するように」
姫野と別れ宿泊部屋に戻った清麿は、ジャージに着替えて、放送にあった通りデッキに集まった。
ちなみに、宿泊部屋のチーム分けは神崎・柴田・浜口の三人とである。
「携帯が持ち込めないとはな……。高嶺はどう思う?」
「正直、まだ何とも言えん。強いて言うなら、島が見えてから嫌な予感しかしないな……」
「……高嶺はインドア派なのか?」
「どちらかと言えば、そうだな。外で遊ぶよりも部屋で読書をしている方が好きだ。そういう神崎はどうなんだ?」
「外にはわりと出ている方だ。運動不足解消程度だがな」
「そうなのか。少しばかり意外だな」
清麿にとって、神崎はインドア派のイメージが強かったために、外に出ていることが意外に思えたのだ。
「外では何をしているんだ?」
「友人とビリヤードやダーツ、ボウリング。後は軽スポーツなんかをしているな。高嶺さえ良ければ……今度一緒に行かないか?」
「そうだな。どれもやった事がないから、良い機会かもしれん」
「では、ビリヤードとダーツ、ボーリングもやろう。ルールは知ってるか?」
「問題ない」
「なら、旅行が終わって落ち着いたら、他にも誘って遊びに行こうか」
「ああ、楽しみにしてる」
こうして清麿の夏休みの予定が1つ埋まった。
アナウンスから30分後、生徒達はデッキへと集まり、教師達の指示に従ってAクラスから順番に船から降りて行く。
降りる際に、携帯電話をそれぞれの担任に提出してから身体検査を行う。
そして下船した生徒達は、桟橋近くの浜辺にそれぞれクラスごとに整列していった。
全ての生徒達が下船し、整列したのを確認するとBクラスの担任で英語教師でもある真嶋が拡声器を持って話し始めた。
「今日、この場所に無事につけたことを、まずは嬉しく思う。しかしその一方で1名ではあるが、体調を考慮して参加できなかった者がいることは残念でならない」
(有栖のことだな……)
つまりこれから行われる試験は、少なくとも身体に負担がかかるモノの類いということだ。
そして、真嶋の言葉が続く。
「ではこれより──本年度最初の特別試験を行う」
「え?特別試験って?どういうこと?」
当然の疑問がほぼ全てのクラスで巻き起こる。
生徒達は真嶋の予想外の言葉に、つい唖然としていた。
「期間は今から1週間。8月7日の正午に終了となる。君達はこれからの1週間、この無人島で集団生活を行い過ごすことが試験となる。なお、この特別試験は実在する企業研修を参考にして作られた実践的、かつ現実的なものであることを最初に言っておく」
「無人島で生活って……船じゃなくて、この島で寝泊まりするってことですか?」
他クラスから当たり前の疑問が真嶋へと投げかけられる。
「そうだ。試験中の乗船は正当な理由なく認められていない。この島での生活は眠る場所から食事の用意まで、その全てを君達自身で考える必要がある。スタート時点で、クラス毎にテントを2つ。懐中時計を2つ。マッチを一箱支給する。それから日焼け止めは制限なく、歯ブラシに関しては各自1つずつ配布することとする。特例として女子の場合に限り生理用品は無制限で許可している。各自担任の先生に願い出るように。
(
清麿は真嶋の言葉の意味を考える。
しかし、いきなり貧相な配給のみで一週間無人島で過ごせと言われても苦情が出るのも仕方がなかった。
「はああ!?もしかしてガチの無人島サバイバルとか、そんな感じ!?そんな滅茶苦茶な話聞いたことないっすよ!アニメや漫画じゃないんすから!テント2つじゃ全員寝れないし!そもそも飯とかどうするんですか!あり得ないっす!」
Dクラスの生徒である
そんな阿鼻叫喚の中でも、清麿は冷静だった。
彼はアゴに手を添えて考える。
(今思えば、特別試験が行われるであろう予兆は以前からあった。狙ったかのようなタイミングで行われる無人島でのバカンスに、水泳の授業で言われた『泳げるようになれば必ず役に立つ』という文言。正直、これらの関連性を疑わない方がおかしい)
夏休みに特別試験が行われるかもしれないというヒントは、普段の学生生活の中で確かにあったのだ。
「しかし先生。今は夏休みのはずです。そして我々は旅行という名目で連れて来られました。企業研修ではこのような騙し討ちのような真似はしないと思いますが」
不服を覚えたであろうどこかのクラスの生徒が、そんな風に真嶋にたてついた。
「なるほど。その点に関しては間違った認識ではない。不平不満が出るのも納得だ。だが安心していい。特別試験と言ってもそれほど深く考える必要はない。今からの1週間、君達は海で泳ぐのもバーベキューをするのもいいだろう。時にはキャンプファイヤーでもして友人同士語り合うのも悪くない。この特別試験のテーマは『自由』だ」
(試験なのに『自由』……ね)
清麿は試験なのに遊ぶのは自由と言う矛盾した真嶋の発言の意味を知るために、さらに耳を傾ける。
「この無人島における特別試験では大前提として、まず各クラスに試験専用のポイントを300支給することが決まっている────」
────真嶋が語った内容は以下の通りである。
①各クラスに試験専用のポイントが300ポイント支給される。
②これらのポイントを使い、水や食料、テントを含む様々な物資を購入することができる。
③使用するポイントは、配布されるマニュアルに全て記されている。
④特別試験終了時には各クラスに残っていたポイントすべてをクラスポイントに加算した上で夏休み明けに反映される。
(つまりこの1週間、どれだけポイントを節約出来るかで、今後のクラス闘争を勝ち抜けるかもかかってくるという訳か)
そう。
この特別試験は『我慢』を競う戦い。
身近にある欲求を拒絶しながら耐え忍べば、下位クラスでも上位クラスに一気に近付けるかもしれないのだ。
「マニュアルは1冊ずつクラスに配布する。紛失などの際には再発行も可能だが、ポイントを消費するので大切に保管するように。また、今回の試験を欠席しているのはBクラスの生徒だ。特別試験のルールでは、体調不良などでリタイアした者がいるクラスにはマイナス30ポイントのペナルティを与える決まりになっている。そのためBクラスは270ポイントからのスタートとする」
────その言葉を最後に真嶋による話が終わり、解散宣言がなされた。
別の教師が、拡声器を使って各クラスの担任から補足説明を受けるよう通達すると、清麿達Aクラスも担任である星之宮の下へと集合した。
「は~い!注目〜!!これから皆に腕時計を配布します~!これは1週間後の試験終了まで外すことなく身につけておいてね~。許可なく外しちゃうとペナルティが課せられちゃうから気を付けるようにしましょ~。この腕時計は体温や脈拍、人の動きを探知するセンサー、GPSも備えていて、万が一皆が危険な状態になった場合に非常事態を学校側へ伝える手段も搭載してあるの!緊急時には迷わずに腕時計についてるそのボタンを押してね!!」
(妥当……か?まあ、こんな試験を実施するくらいだ。これくらいの配慮がなければ、そもそも許可も下りなかったんだろう)
「星之宮先生!それって防水ですか?」
柴田が無邪気に星之宮へと質問する。
星之宮はウィンクしながら答える。
「ばっちり完全防水仕様だよん。もし故障しちゃってもすぐに試験管理者がやって来て、代替品と交換することになってるからね!では次に、今回の試験の注意点を伝えま~す!!」
星之宮の言う注意点とは、今回与えられた300ポイントに関する内容であった。
マニュアルに『以下に該当するものは、定められたペナルティを科す』という文言と共に箇条書きで以下の様に記されていた。
①著しく体調を崩したり、大怪我をし続行が難しいと判断された者はマイナス30ポイント。及びその者はリタイアとなる。
②環境を汚染する行為を発見した場合。マイナス20ポイント。
③毎日午前8時、午後8時に行う点呼に不在の場合。一人につきマイナス5ポイント。
④他クラスへの暴力行為、略奪行為、器物破損などを行った場合、生徒の所属するクラスは即失格とし、対象者のプライベートポイントの全没収。
つまり、先程Bクラスが270ポイントでスタートしたのも1つ目のルールに基づくものであった。
ちなみに各担任も自分のクラスと共に試験終了まで行動を共にする決まりになっており、クラスが定めたベースキャンプにて拠点を構え、そこで点呼を行わなければならない。
一度ベースキャンプを決定すると、正当な理由がない限り変更はできない。
「次は今回の試験の追加ルールを説明するよ~!かなり重要なルールだからしっかりと聞くように!!」
星之宮の説明を簡潔に纏めると……
①島の各所にはスポットと呼ばれる個所が幾つか設けられていること。
②スポットには占有権と呼ばれるものが存在し、占有したクラスのみがその場所を使用できること。
③占有権の効力は8時間であり、その時間が経った瞬間、自動的に権利が取り消されること。
④スポットを一度占有するごとに1ポイントのボーナスを得らえる……というものであった。
説明を聞いて清麿は思考する。
(この説明だけを聞けば……誰よりも早く、スポットを手当たり次第に探し出して占有すれば良いんだろうが……そんな早い者勝ちで勝ち抜ける程、この学校の試験は甘くないだろうな)
当然、追加のルールも存在する。
①スポットを占有するには専用のキーカードが必要である。
②1度の占有につき1ポイントを得る。占有したそのスポットは自由に使用できる。
③他が占有しているスポットを許可なく使用した場合は50ポイントのペナルティを受ける。
④キーカードを使用できるのはリーダーとなった人物に限定される。
⑤正当な理由なく、リーダーは変更することは出来ない。
大まかなルールは以上である。
一見これだけだとリーダーが走り回り、スポットを占有すればいいと思うだろうが、厄介なのはその次に語られたルールであった。
⑥7日目の最終日、他クラスのリーダーを言い当てる権利が与えられる。
もし最終日の点呼で、他クラスのリーダーを的中させることが出来れば、そのクラスは+50ポイントを得ることができ、逆に的中されたクラスは−50ポイントのペナルティが与えられる。
その際、的中させられたクラスのボーナスポイントは0となり、外した場合は自分のクラスに−50ポイントのペナルティが与えられる。
安易にスポット獲得に動けばリーダーを見破られ、大量にポイントを失う可能性もあるということだ。
非常にハイリスクハイリターンな権利なのだ。
(なるほど……リーダーを無事当てることさえできれば、オレ達に+50ポイント追加されると同時に、相手に-50ポイントを与えることができるばかりか、相手が手に入れる予定だったスポット占有ボーナスも消せる。すなわち、リーダーを当てることさえできれば、実質他クラスに100ポイント以上、いや下手をすればそれ以上の差をつけることもできる……という訳か)
清麿は思考を続ける。
(だが、このリーダー当てを実行するには、何より情報と確証がいる。少なくとも、当てずっぽうで実行していいことではない事は確かだ。しかし……逆に考えれば、
「じゃあ、ここまで聞いて質問したい人はいる?」
「……高嶺、どうする?」
星之宮からの質問コーナーが始まると、隣にいる神崎から小声で聞かれる。
だが清麿は首を横に振った。
「いや、今はまだいい。質問は後でもできるからな。それよりも、まずはスポット探しへ行くべきだ」
「……そうだな。優先順位はそちらが先か」
今回の試験ではリーダー当ても重要だが、まず一番大切なのは、一週間を無事に乗り切るためのベースキャンプの場所の確保だろう。
一週間というのは短いようで、案外長い。
40名での共同生活ともなれば、不慣れな環境で生活する故に、ストレスも徐々に溜まっていく。
そのストレスはやがて皆へ伝染していき、いくら統率の取れたAクラスといえども、いずれは許容量を超え、抑制が利かなくなってしまう可能性だってある。
故に何よりもまずは、どのクラスよりも快適に過ごせそうな場所を先に探し出し、占有する必要があるのだ。
「できるなら、スポットになっている場所であり、さらに飲み水を確保できる場所が望ましい」
「そうだな。ではベースキャンプ場所として最適なのは、川や池、湖などの飲み水が近くにあるスポットということか……」
「二人とも、方針は決まったのか?」
そこに二人の側で話を聞いていた柴田が質問する。
「柴田か……ああ。ひとまずはスポットになっている場所をベースキャンプにする事になる。それと飲み水も確保できる川や池、湖などがあれば尚の事良い。そこにテントや置物を上手く配置すれば、リーダーがキーカードを使うところを上手く隠せるよう工夫できるかもしれん」
「そうだな。そのキーカードが必要となる機械がどれほどの大きさなのかは分からないが、もしテントの中に納まるような場所にあり、大きさもそれほどではないのなら、その機械を包むようにテントを張ることも視野に入れるべきだろう」
「なるほどな。あと飲み水を確保できる場所ってのは、単純に飲料水にかかるポイントを節約するため……なんだよな?」
「それもあるが、衛生面で必要になる手洗いうがいや、手に入れた食料を洗ったりするのにも有効だ。それに体を洗うことも出来るし、夜には火を起こしたりもするだろうからな。消火することも考えれば、近くに水がある方が都合がいい」
「さすが高嶺だな〜!神崎も相変わらず頭良いし!滅茶苦茶頼りになるぜ!!」
柴田がサムズアップをしながら清麿と神崎を褒めるが、二人は呆れたような視線を向けるだけだった。
「騒ぎすぎだぞ、柴田」
「やかましいぞ、柴田」
「いや!お前ら息ピッタリか!?」
三人で騒いでいる(主に柴田)と、騒ぎを聞きつけて帆波と浜口の二人がやって来た。
「なになに?どうしたの三人とも?」
「何やら騒がしいですが……」
「あ、一之瀬に浜口!聞いてくれよ!!高嶺と神崎が方針をあっという間に決めちまってさ!!」
柴田がはしゃぎながら、帆波と浜口に先程清麿と神崎が話していたことを伝える。
話を聞いた二人も方針を聞いて納得した。
「そうだね。まずはスポットを探した方が良いかも」
「では、さっそく先生と皆さんにその事を伝えないとですね」
「それじゃ、私から言っとくね」
帆波はそう言うと、皆の方へ向き直る。
「皆、注目〜!私達は今からベースキャンプを探すことになります!まずは拠点を構えてから、これからの事をしっかりと話し合おうと思います!!先生もそれでいいですよね?」
帆波がクラスメイトへと呼びかけると、「了解~!」「賛成~!」という賛同の声が辺りに響き渡る。
星之宮もどこか楽しそうに笑っていた。
「よ~し皆!それじゃ、Aクラス一同勝利に向かって突っ走るぞ〜!!」
「「「「「おぉ〜!!」」」」」
「テンション高いな……」
そんな盛り上がるAクラスの様子を、清麿は呆れたように見ていた。
そしてその様子を離れた所から、Bクラスは見定めるように、Cクラスは警戒するように、Dクラスはどこか羨ましそうに……Aクラスを見ていた。
次回はDクラスの麒麟児が……
では、また( `・∀・´)ノ