高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうも|ω・`)ノ ヤァ

続き書けたで候。

そして諸君!待たせたな!!

あと、あけおめことよろ。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第五十二話 偵察

「ふぅ……最低限、形にはなったかな〜」

 

 

帆波は今、拠点となっているベースキャンプの設営に力を入れている。

 

まずは最低限の生活基盤を整えることを目的としており、周りの生徒達に指示をしながら自身も率先して手伝っていた。

 

帆波はハンモックを付け終えると、周りを見渡す。

 

Cクラスの金田が作業を手伝っていた。

 

 

「金田君はよく手伝ってくれてるみたいだね」

 

 

帆波はテントの方へと足を進める。

 

中には友人である網倉麻子(あみくらまこ)小橋夢(こはしゆめ)がテントの下にビニールの束を敷いていた。

 

ビニールは無制限に支給されるため、少し無理を言って多めに貰ったのだ。

 

 

「麻子ちゃん、夢ちゃん、作業の方はどう〜?」

 

 

「帆波ちゃん、うん。いい感じ。ビニールを下に敷いたら寝心地は格段に良くなったよ」

 

 

「だいたい厚さは2センチくらいかな?」

 

 

試しに帆波も寝てみると、地面の硬さは大分軽減されていた。

 

 

「そうだね。これならしっかり寝られそう」

 

 

地面が硬い故に、寝る際に身体に負担がかかるため、テントの下にビニールの束を敷くことで寝心地を良くしたのだ。

 

 

「ビニールは後でまとめて返せばいいもんね」

 

 

続けて帆波は外へ出ると、テントの周りを見渡す。

 

 

「うーん……テントの周りに打ち水したら少しは涼しくなるかな?あと今やれることは、食料の確保くらいかな?あ、そういえば……」

 

 

帆波は無意識にある人物を探す。

 

 

「えーっと、どこかな〜?あ、いたいた」

 

 

目的の人物は、海辺で一人釣りを行っていた。

 

周りには誰も居らず、少し悪戯心の芽生えた帆波は後ろからその人物に抱き着いた。

 

 

「き・よ・ま・ろ・く〜ん!!」

 

 

「ぬおっ!?ほ、帆波!?」

 

 

件の人物、清麿は突如背後から現れた帆波に狼狽し、頬を赤くさせる。

 

 

「お、おまっ!いきなり何を!?」

 

 

「ちょっと驚かせようと思って……どう?びっくりした?」

 

 

「いやまあ、びっくりしたのはびっくりしたが……オレが言いたいのはそういう事じゃなくてだな」

 

 

「ほぇ?」

 

 

清麿の言葉に帆波は首を傾げる。

 

なお、現在帆波は清麿に後ろから抱き着いたままの姿勢となっている。

 

つまり……

 

 

(当たっている!?とても大きくて柔らかいものが……背中に当たっている!!!!????)

 

 

清麿も男の子だということだ。

 

 

「おい、帆波……この態勢は互いに色々問題あると思うんだが?」

 

 

「あ、ごめんごめん。重かった?」

 

 

「いや、だからオレが言いたいのはそう言うことじゃなくてだな……」

 

 

帆波は少し苦笑いしながら、清麿から離れる。

 

清麿は溜息をつくと、帆波の方に向き直り、話しかける。

 

 

「はぁ……帆波、お前もしかしてこういう事、色んな奴にしてるのか?」

 

 

「へ?私がしたのは清麿君が初めてだよ?」

 

 

「そ、そうか……」

 

 

清麿の問に帆波は思いの外、あっさり答える。

 

その様子を見た清麿は、思わず額に手を当てる。

 

 

(普段から無防備で天然な一面はあると思っていたが……些か男女の距離感が近過ぎるな)

 

 

帆波は純正の善人であり、自分の利益や体裁よりも相手を思いやる心優しい性格をしている。

 

それ故に、明るく社交的な性格からクラスメイトに限らず、多くの同級生と幅広い交友関係を持っている。

 

しかし、それが原因か男女の距離感が少し近過ぎるのだ。

 

 

(……もう少し警戒心を持ってほしいが、こればっかりは本人が自覚しないことにはな)

 

 

「ねぇねぇ、どれだけ釣れたの?」

 

 

「まあ、それなりかな」

 

 

清麿がバケツに視線を向けると、数匹の魚が入っている。

 

 

「あ、清麿君……実は少し相談があるんだけど……」

 

 

「ん?どうかしたのか?」

 

 

「さっき、御飯食べてるとき言ってたじゃない?他クラスの動向を調べるって……それ、私もついてっていいかな?」

 

 

「別に構わんが……クラスの方は大丈夫なのか?」

 

 

「うん。最低限、形にはなったよ。後は細かい作業をするだけだから大丈夫」

 

 

「そうか。それなら……少し行ってみるか」

 

 

そして二人は一旦、ベースキャンプへ戻り神崎へ後を頼むと、他クラスの動向調査へと赴く。

 

 

「さっき、探索班の子達から聞いたんだけどね、Cクラスが浜辺でバカンスしてたんだって」

 

 

「バカンス?」

 

 

「うん。なんでも全部のポイント使ったんじゃないかってぐらいの規模らしいよ」

 

 

「なっ!?300ポイント全部をか!?」

 

 

(Cクラスと言えば龍園だが……一体何を考えているんだ?)

 

 

清麿は歩きながら龍園の狙いを考える。

 

 

(普通ならオレ達のようにポイントを節約、クラスで協力して挑むのがセオリーだ。だが、龍園はクラスを支配している。つまり、オレ達と試験に挑む姿勢が根本的に違う。あいつのことだ……きっと何か狙ってる)

 

 

龍園の性格から考えて、きっと相手の裏をかくような策を講じてくる筈。

 

清麿は過去に龍園と相対した経験から、それを確信していた。

 

 

「……これ以上考えても仕方ないか。この目で見てみないことには何とも言えんな」

 

 

「後はBクラスなんだけど、ここから抜けた所に開けた場所があって、そこを右に曲がってしばらく行くと洞窟があるらしいよ。Bクラスはそこがベースキャンプっぽいって」

 

 

帆波はとある方向を指差し、説明する。

 

 

「洞窟か……」

 

 

「うん。でも見た感じ秘密主義?……って言うのかな?守りが徹底してるらしくて」

 

 

「慎重な葛城らしい策だな」

 

 

「最後のDクラスは、ここから北東に行くと川辺があって、その場所をベースキャンプにしてるみたい」

 

 

「凄いな。全クラスのベースキャンプの場所をもう探し当てていたのか」

 

 

「探索班の子達が頑張ってくれたからね」

 

 

「Aクラスは本当に優秀だな……」

 

 

清麿は考える。

 

 

「出来れば今日中に全てのクラスを見ておきたいな」

 

 

「時間をかけなければ、大丈夫じゃないかな?3クラス共、そこまで距離は離れてる訳じゃないし」

 

 

「そうだな。なら、最初はBクラスから行くか」

 

 

「決まりだね。それじゃ、レッツゴー!」

 

 

「はしゃぎすぎてコケるなよ」

 

 

妙にテンションの高い帆波と共に、清麿はBクラスのベースキャンプへと向かう。

 

しばらく歩くと、件の洞窟が見えてくる。

 

洞窟の前には一人の男子生徒がおり、門番をしているようだった。

 

清麿と帆波の二人は茂みに隠れながら様子を伺う。

 

 

「葛城か」

 

 

「……ここからじゃ何も見えないね。どうする?やめとく?」

 

 

「いや、近付けば何か分かるかもしれん。それにここまで来て何もしないってのもな。いくぞ、帆波」

 

 

「う、うん!」

 

 

清麿の言葉に帆波も気合を入れる。

 

そして二人は洞窟の入口前へと近付いていく。

 

当然、近付く二人に葛城も気付く。

 

 

「……高嶺と一之瀬か」

 

 

「Bクラスのベースキャンプ……随分と厳重だな」

 

 

「偵察に来たのか?」

 

 

「まあな」

 

 

(近付けば何か分かるかと思ったが、ビニールをつなぎ合わせて巨大な目隠しを広げているとは……簡単に見られる程、そこまで甘くないか)

 

 

「えっと葛城君……その、中を見ることは出来ないのかな?」

 

 

「無理な相談だ」

 

 

「だよね……」

 

 

帆波の質問を葛城は一蹴する。

 

 

「……中を見るだけなら別にルールに抵触はしない筈だが?それにスポットの占有は認められているが、スポットの独占行為は明確なルール違反だぞ?」

 

 

「そうだな。その点は否定しない。だがあくまでもそれは暗黙のルールだと俺は考えている。お前達Aクラスも井戸を半ば独占するように占有地を囲い使用しているだろう?それと同じだ。しかしそれでも無理矢理中を見ようとするならば、BクラスはAクラスのベースキャンプに踏み込むことになるだろう」

 

 

直後、森の周辺から清麿達を囲むようにBクラスの生徒達が現れる。

 

中には太い棒切れを持っている生徒までいる。

 

 

「……き、清麿君」

 

 

帆波が清麿の体操服の裾を掴む。

 

清麿は周囲に注意しながら、帆波を守るように葛城と相対する。

 

 

「脅すつもりか?」

 

 

「お互い面倒事は避けるべきだと思わないか?」

 

 

二人はしばらく睨み合うが、清麿が先に視線を逸らした。

 

 

「……行こう、帆波」

 

 

「う、うん。お邪魔しました」

 

 

清麿は踵を返して洞窟の入口から遠ざかる。

 

帆波も頭を軽く下げてから、すぐに後を追いかける。

 

しばらく離れた所で帆波が話を切り出した。

 

 

「結局、何も分からなかったね……」

 

 

「いや、そうでもない。いくら葛城が慎重だと言っても、正直あの対応は異常だ。だとすれば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。何もやましいことがなければ、オレ達にそのまま洞窟の中を見せればいいだけだからな」

 

 

「言われてみればそうだけど……でも、葛城君がああ言う手を使ってくるのは正直意外だった……かな」

 

 

「それだけ必死だったのかもな……。次はCクラスに行こう。確か浜辺だったな」

 

 

「うん……」

 

 

清麿と帆波は続けてCクラスのベースキャンプを目指す。

 

森を抜ける直前の茂みから見えた浜辺には、大勢のCクラスの生徒が見えた。

 

二人が見たCクラスの状況は予想の遥か斜め上であった。

 

 

「話には聞いてたけど……まさか本当にほぼポイントを使い切ってるんじゃ」

 

 

「仮設トイレ、シャワー室はまだ理解出来るが……バーベキューセットにチェアー、パラソル、スナック菓子にドリンク、水上バイクまであるとは」

 

 

唖然とする二人に気付いたのか、一人の女子生徒が近付いてくる。

 

 

「清麿君!帆波ちゃん!いらっしゃいです!!」

 

 

ひよりであった。

 

 

「ひより」

 

 

「やっほ〜ひよりちゃん」

 

 

ひよりは二人に話しかける。

 

 

「お二人とも偵察ですか?」

 

 

「ああ、Cクラスがどうしているのか気になってな……だがまあ、予想の遥か上をいってたが」

 

 

「驚くのも無理はありません。なにせ私達も予想外でしたから」

 

 

「す、凄いね……龍園君は一体何を考えているのかな?」

 

 

「良ければ龍園君と話していきますか?」

 

 

「どうする、清麿君?」

 

 

「せっかくここまで来たんだ。話していこう」

 

 

ひよりの提案に帆波が清麿へ顔を向けると、清麿は頷いた。

 

 

「分かりました。それでは一緒についてきて下さい」

 

 

ひよりは清麿達を連れて龍園の元へと向かう。

 

その際に、清麿の姿を見たCクラスの生徒達は遠巻きに様子を伺っていた。

 

特に清麿と接触したことのある男子生徒達は、恐怖心でビクビクしていたらしい。

 

そうこうしている内に、龍園の元へとたどり着く。

 

肝心の龍園は水着姿でチェアーに寝そべり、肌を焼いていた。

 

 

「龍園君、お客さんです」

 

 

「あぁ?誰かと思ったら、高嶺と……そっちの女は一之瀬か。初日から偵察とはご苦労な事だな」

 

 

「そっちこそ、初日から豪遊とは随分思い切った事をしたな」

 

 

「見ての通りだ。俺達は夏のバカンスを楽しんでるんだよ」

 

 

龍園はそう言いながら、冷えた水を一気に飲み干す。

 

 

「夏のバカンス……ね」

 

 

清麿は龍園の周りを観察する。

 

すると、()()()()()()()を発見する。

 

 

(ん?無線機……?)

 

 

龍園の側に一つ、ポツンと無線機が置いてあったのだ。

 

清麿はそれに気付かない振りをしながら会話を続ける。

 

 

「一体いくら使ったんだ?」

 

 

「さあな?ちまちま計算なんざしねーよ。そういうお前らは大変だなぁ?他クラスの状況を知るために汗水垂らして動き回るとは……正直、同情するぜ」

 

 

「その言葉、そっくりそのまま返させてもらう」

 

 

売り言葉に買い言葉で、両者は言い合う。

 

 

「豪遊した後はどうするつもりだ?この様子じゃ、とてもじゃないが一週間なんて持たないだろう?」

 

 

「ククク。さあ、どうするんだろうなぁ?お得意の頭脳で考えてみろよ?『世界屈指の天才児』様よぉ?」

 

 

清麿に事実を突きつけられても、特に龍園は慌てる様子もなく、不敵に笑いながら答えるだけであった。

 

 

「龍園君、一つだけいいかな?」

 

 

そのとき、様子を見守っていた帆波が発言する。

 

 

「あぁ?」

 

 

「金田悟君……当然知ってるよね?」

 

 

「ああ。うちのクラスの人間だ。それがどうかしたか?」

 

 

「彼、一人でいる所を私達のクラスの子が発見したんだけど……一体どういうことなのかな?」

 

 

「はっ。威勢良く飛び出したかと思えば、お前らのクラスの世話になってたのか。情けない野郎だ」

 

 

龍園は呆れたように鼻で笑う。

 

 

「世の中どうしようもない馬鹿はいるもんだ。支配者の命令に背く手下はいらねぇ。俺がクラスのポイントを好き勝手に使うと決めた以上、それは決定事項なのさ。それに反旗を翻したところで無駄なんだよ」

 

 

「……つまり、金田君は龍園君とポイントの使い道についてぶつかり合ったってこと?」

 

 

「平たく言えばそう言うことだ。もう一人、逆らった女がいやがったが、そいつ共々追い出してやったんだよ。死んだって報告は聞いてねえからどこかで草や虫でも食って生き延びてるんだろうさ」

 

 

とても仲間に向けてする発言とは思えなかった。

 

金田が不在でもCクラスに影響はまるでなかったのだ。

 

だから心配もしないし、探しもしない。

 

そして帆波は、あることに気が付いた。

 

 

「龍園君……()()()()()()()()()()()使()()()()()んだね?」

 

 

「そう言うことだ。俺は全てのポイントを使った。金田がどうなろうとポイントを引かれる心配はないってことだ。それがどれだけ自由なことか分かるか?」

 

 

「……0ポイントであることを逆手に取るだなんて」

 

 

(なるほど……0ポイントであるが故に、マイナス要素そのものを全て打ち消す奇抜な作戦……ということか)

 

 

清麿は思考する。

 

 

(だが、龍園がこれを実行する理由はなんだ?仮に全クラスのリーダーを的中させることが出来たとしても、最大で得られるポイントは150ポイント……相手のポイントをマイナスに出来るとしても、それでも諸刃の剣である事に変わりはない。それとも何か別の目的があるのか?)

 

 

清麿は二人の会話を聞きながら思考を続けるが、核心には迫れなかった。

 

 

「金田がお前らの所にいるなら、さっさと追い出すことだな。下手な同情心で助ければ、一人分余計に食事や水、寝床を用意しなきゃいけなくなる。どうせ耐えられなくなれば、ココに帰ってくる。土下座でもすれば許してやるさ。寛大な心でなぁ」

 

 

「……行こう清麿君。これ以上ここにいても意味はないよ」

 

 

「……ああ」

 

 

龍園の言葉を聞いた帆波は気分を害したのか、踵を返して立ち去る。

 

 

「お前らAクラスは、いずれ俺の前で屈服させてやる。首を洗って待ってるんだな。ひより、見送ってやれ」

 

 

龍園もそれが分かっているのか、ひよりに見送らせると再びチェアーに寝転がった。

 

 

「またね、ひよりちゃん」

 

 

「またな」

 

 

「はい、また……」

 

 

二人は心配そうに様子を見守っていたひよりに声をかけると、そのまま浜辺を後にする。

 

清麿は小走りで帆波の横へと並ぶと、彼女の横顔を静かに見る。

 

()()()()()()()()()()

 

 

「……今日はもうここまでにしておくか」

 

 

「え?Dクラスはどうするの?」

 

 

「Dクラスは明日行こう。それにほら、もう日も暮れてきたしな」

 

 

清麿が海辺を指差すと、夕日が出ていた。

 

 

「わあ……綺麗」

 

 

二人で夕暮れを見ていると、帆波がふと呟く。

 

 

「なんだか今日は色んなことがあって心が追い付かないや」

 

 

「ん?」

 

 

「葛城君や龍園君はそれぞれ自分なりに思うことがあって、自分なりのやり方でクラスを引っ張っていってる。正直、認めたくないやり方ではあるけどね……」

 

 

「ああ……」

 

 

「ウチのクラスは清麿君がリーダーで、しっかり皆を引っ張ってくれてるから心配はしてないよ。でも、だからこそ思ったんだ。私って無力だなぁって……」

 

 

「……」

 

 

「清麿君や他の皆に任せてばかりで……私ってなんの役にも立ってない。本当に……駄目だなぁ。()()()からなんも変わってないや……」

 

 

(今回の偵察は、帆波にとって少し心身に負担がかかってしまったか)

 

 

葛城の少々異常なベースキャンプの防衛や、龍園のクラスのメンバーを駒としてしか見ていないやり方を見て、帆波の心は悲鳴を上げていたのだ。

 

心優しい彼女にとって、彼らのやり方は決して認められるものではなかった。

 

清麿はそんな彼女を見て、溜息をつく。

 

 

「はぁ……」

 

 

そして、思わず話しかけていた。

 

 

「別にそれでいいんじゃないか?」

 

 

「へ?」

 

 

「帆波、お前はオレをリーダーとしてしっかりやれていると言っているが、オレだってしっかりやれているかいつも不安だよ。特別試験の度に他のクラスにいつ抜かれるかと毎度ヒヤヒヤしてる」

 

 

清麿は再度、夕暮れの方を見る。

 

 

「でも、Aクラスの皆が、お前がいるから頑張れる。一人じゃない。それだけで心は随分救われてるんだ」

 

 

日は沈みかけていた。

 

 

「帆波、お前は優しい。だけど優しすぎるんだ。だから強くなれ。身体的な強さの意味じゃないぞ。心の強さをだ」

 

 

「心を……強く……?」

 

 

「ああ。だからこそ、その“優しい心”を忘れるな。どんな試練が襲って来ようともだ。その心は必ず“お前の強さ”になる。だから今は辛くても一歩ずつ進め。ちょっとずつ進め。もし、本当にどうしようもなくなったら……あとはオレが助けてやる!教えてやる!!なんとかしてやる!!!」

 

 

そして清麿は帆波の頭に手を置くと、言った。

 

 

「だから……もう泣くな」

 

 

「うん……」

 

 

帆波が泣き止む頃には、綺麗な月が見えていた。




次回はちょっと時間飛ばし飛ばしになるかも。

では、また( `・∀・´)ノ
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