高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうも|ω・`)ノ ヤァ

続き書けたで候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第五十四話 龍園の狙い

「龍園の狙いは恐らく、いや十中八九、クラスリーダーの情報だ」

 

 

清麿の告げた情報に鈴音は驚き、綾小路は興味深そうに聞いていた。

 

 

「確かに……須藤君の件を考えれば、仕掛けてきてもおかしくないわね」

 

 

「そう考えると、あいつの0ポイント作戦も理には(かな)っているんだ。だがオレには龍園の狙いは別にある気がしてならない」

 

 

「クラスリーダーの情報以外に何かあると言うの?」

 

 

「龍園の奴はああ見えて、意外と用心深い。保険の一つや二つかけていてもおかしくない」

 

 

その時、様子を見ていた綾小路が発言する。

 

 

「高嶺は龍園の事をよく理解しているんだな。もしかして龍園と何かあったのか?」

 

 

「……これは話しても大丈夫か。五月頃、正確には中間テスト前なんだが、サシで龍園とやり合ってな」

 

 

「無茶するわね……。まさかAクラスとCクラスで契約が結ばれた事と何か関係があるの?」

 

 

「まさにその契約が、その時に結んだものでな……。その際に、あいつが転んでもただでは起きない奴だと認識させられた訳だ」

 

 

ちなみにAクラスとCクラスが一年間相互不干渉の契約をしていることは、他クラスにも知られている。

 

その際に龍園と清麿がぶつかり合ったことは、多少噂にはなったものの、数日程度で噂は消えた。

 

 

「まあ、とにかくオレが言いたい事は用心しろってことだ。あいつは勝利への執念が凄まじい。勝つためなら、なんだってやるだろうな」

 

 

「……肝に銘じておくわ。そろそろ行きましょう綾小路君。長居するとAクラスに悪いわ」

 

 

「そうだな。それじゃ、オレ達はもう行く。またな、高嶺」

 

 

「一之瀬さんにもよろしく言っておいて」

 

 

「ああ」

 

 

そうして二人はBクラスのベースキャンプへ向かっていった。

 

 

「龍園の狙い……か」

 

 

清麿は思考する。

 

 

(普通にポイントを稼ぐのが目的なら、そもそもポイントを使い切るなんて真似はしないはずだ。だとすれば……確実に何か別の目的があるはず。恐らくはそれが龍園の本命。クラスリーダーの情報はついでといったところか)

 

 

清麿は金田の方へと視線を向ける。

 

帆波達と共に料理の手伝いをしていた。

 

 

「……今はAクラスの問題を解決するのに尽力するか」

 

 

そして清麿も日課になりつつある海辺の釣りへと向かうのだった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

無人島生活も四日目に突入する。

 

折り返しを迎えてからも、Aクラスは変わらずチームワークの良さを発揮していた。

 

森の中で見つけた野菜や果物、海や川で釣った魚、綺麗な井戸の水などを駆使してサバイバル生活もといキャンプ生活にもすっかり慣れていた。

 

そんな中でも姫野は秘密裏にクラスのリーダーとしての役割をキッチリとこなしていた。

 

一人で行動することの多い姫野は、人の目が少ない時に占有時間の更新をしている。

 

そして今日の早朝もいつも通りに端末装置で占有時間の更新をした後、こっそりテントを出る。

 

しばらく歩いた先に、大きな大樹があった。

 

そこで待っていたのは清麿であった。

 

 

「金田の様子はどうだ?」

 

 

「……多分、私がリーダーでキーカードを持ってる事には気付いてる……と、思う」

 

 

「だとしたら、もうそろそろ動き出すかもしれないな」

 

 

この四日間、金田に目立った動きはない。

 

しかし、姫野は時折感じる金田からの観察するような視線には気付いていた。

 

 

「えっと、私はどうすればいいの?」

 

 

「そうだな……キーカードは普段どうやって保管してるんだ?」

 

 

「このポーチに入れてる」

 

 

姫野は手に持つ水色のポーチを見せる。

 

 

「恐らくだが、金田はキーカードの確認に来るはずだ。略奪行為は禁止されてるからな」

 

 

「つまり、金田君にキーカードを確認させる隙をさらせってこと?」

 

 

「……お願いしてもいいか?女子からしたらあまり気のいい話じゃないのは分かってる。勿論、嫌なら全然断ってもらっても構わない」

 

 

「貸し一つでいいよ。その代わり、私の言う事一つ、なんでも聞いて」

 

 

「……変な要求はしないでくれよ?」

 

 

「坂柳さんと一緒にしないで」

 

 

(有栖が聞いたら笑顔で毒を吐きそうだ……)

 

 

姫野の一言に、有栖が笑顔で怒る想像をする清麿。

 

思わず背筋に冷たいものが走った。

 

その日から清麿は金田にさりげなく姫野と一緒にいる所を目撃させる。

 

姫野が清麿と頻繁に話している所を見せれば、姫野がリーダーだと確信し、いずれ動き出すだろうと判断したからだ。

 

 

(昼間は特に変わった様子は見られないな……だとすれば動き出すのは夜中、それも皆が寝静まった頃か)

 

 

そして金田が動き出すであろう時間帯を先読みしつつ、清麿は昼間に帆波と共にCクラスの偵察へと向かっていた。

 

探索班の一人がCクラスの異常を発見したのだ。

 

二人がCクラスが占有していた浜辺に足を運ぶと、三日前はお祭り騒ぎしていたその場所は閑散とし、閑古鳥が鳴いていた。

 

周りを見渡せば、見覚えのある後ろ姿を発見する。

 

 

「……話には聞いていたが、いざ見てみると信じられないな」

 

 

「……びっくりだよね、ほんと。彼は普通じゃないと思ってたけどここまでなんて」

 

 

二人は同じく偵察に来ていたであろう綾小路へ声をかける。

 

 

「お前も偵察か?綾小路」

 

 

「食料を探す係りなんだよオレは。適当に森を散策してたら浜辺に出ただけだ」

 

 

「昼間だからと言っても、一人で行動するのは危ないと思うな」

 

 

帆波のやんわりとした忠告を受けると、綾小路は相槌を打つ。

 

三人で浜辺を見渡すものの、特に変わった物はない。

 

 

「……もう全然人がいないね。清麿君の言った通り、リタイア作戦みたいだね」

 

 

帆波はぽりぽりと頬を掻きながら、残念そうに溜息をついた。

 

 

「Cクラスのリーダーくらい当てられるかなって思ったけど、これじゃ無理かな?全員が引き上げたら、ヒントも探しようがないし……どう思う?清麿君」

 

 

帆波の言葉に、清麿は不敵に笑いながら言った。

 

 

「いや、逆にいなくなってくれたおかげで、リーダーが誰かは確信出来た」

 

 

「えぇ!?本当に!?」

 

 

清麿の予想外の答えに、帆波は芸人張りのリアクションを取る。

 

 

「……それはオレが聞いていても大丈夫なのか?」

 

 

綾小路は少し困った顔をしつつ、声をかける。

 

 

「Dクラスとは協力関係にあるから問題ない。それに信じるかどうかはDクラス次第だ」

 

 

(とは言っても、綾小路程の奴ならCクラスのリーダーが誰かは既に確信しているだろうけどな)

 

 

清麿はそんな事を思いつつ、言葉を続ける。

 

 

「Cクラスのリーダーは龍園だ」

 

 

「龍園君!?」

 

 

「………」

 

 

清麿の言葉に帆波は再度驚き、綾小路は無言を貫く。

 

 

「帆波は覚えてるか?オレ達が最初に偵察に行った日だ。あの時、龍園の側には無線機があった」

 

 

「無線機?」

 

 

「ああ。なんのためにそんな物を用意していたか疑問だったが、AクラスとDクラスの両方にCクラスの生徒がいることで答えは分かった。それは保護している二人と連絡を取り合うためだ」

 

 

「ちょ、ちょっと待って清麿君!そうだとしたら、金田君はスパイってこと!?」

 

 

「そうだ」

 

 

「そんな……」

 

 

「ちなみに綾小路、Dクラスでは誰を保護してるんだ?」

 

 

「伊吹という女子生徒だ」

 

 

「伊吹……あの子か」

 

 

「知ってるのか?」

 

 

「以前ちょっとな……」

 

 

「そうか」

 

 

清麿は説明を続ける。

 

 

「話に戻るぞ。龍園は基本的に他人を信用しない。信じられるのは自分だけだと本人も言っていたしな。そんな奴が特別試験の重要なリーダーを誰かに譲るとも思えん」

 

 

「それで龍園……という訳か」

 

 

「ああ」

 

 

綾小路は海を見つつ、会話を続ける。

 

 

「高嶺、少し聞きたいことがある」

 

 

「どうした?」

 

 

「ちょっと小耳に挟んだが、Bクラスは葛城と坂柳のグループで対立してるのか?」

 

 

「そうだな。基本的に二人は保守派と革新派で分かれている。守りの葛城と、攻めの有栖。だがこの無人島のサバイバル生活では有栖は不在の状態だ。よって今、Bクラスを率いているのは葛城だ」

 

 

「……さすがに試験中は手を組んでるよな?」

 

 

「だろうな。仲間割れするメリットもないからな。だが、有栖についてる奴らはあまり良い顔をしていないと思うぞ」

 

 

「なるほどな……」

 

 

清麿は腕時計で時間の確認をする。

 

 

「帆波、そろそろ戻るぞ。もうすぐ暗くなる」

 

 

「うん……」

 

 

清麿は何やら落ち込んでいる帆波に声をかける。

 

帆波は金田がスパイだと聞いて少なからずショックを受けているらしい。

 

 

「オレもそろそろ食料を探しに戻るよ。手ぶらで帰ったら怒られる」

 

 

「そうか。無茶はするなよ」

 

 

「……あ、綾小路君、お互い怪我には気を付けて頑張ろうね」

 

 

「ああ。ありがとう」

 

 

そうして三人は別れた。

 

清麿は帆波の様子を見ながら考える。

 

 

(……フォローしておくか)

 

 

「帆波、ショックかもしれんが……「大丈夫」……え?」

 

 

「大丈夫。ちょっと動揺しただけだから」

 

 

横を歩く帆波の顔は、少し無理をしているように思えた。

 

それを見た清麿は……

 

 

「ていっ」

 

 

「あう」

 

 

例のごとく帆波の頭にチョップした。

 

 

「なあ〜に辛気臭い顔してんだ?別にこっちが悪いことしてる訳じゃないんだから、一々落ち込むな」

 

 

「うぅ〜またチョップした〜!女の子に対する仕打ちじゃないよ清麿君!!」

 

 

「お前が悩む必要のないことで勝手に気落ちしてるからだっての」

 

 

清麿は続けて二発三発と軽くチョップを続ける。

 

 

「もう何発もチョップしないでよ〜!やっぱり私の扱いが段々雑になってるよぉ!普通、ここは慰める所だよ!!」

 

 

「いやまあ、それはそうなんだろうが……帆波だし、別にいいかなあって」

 

 

「それはどういう意味なのかなっ!?」

 

 

清麿のチョップで少し調子の戻った帆波は腕を上げてガォーっと噛み付く。

 

清麿は少し笑いながら、そんな帆波から逃げるために浜辺を走る。

 

 

「まあまあ、船に戻ったらお前の好きなブリを奢ってやるから落ち着けって」

 

 

「またブリなの!?私、ブリって特に好物でもないんだけどっ!?」

 

 

「でもブリ美味しいだろ?」

 

 

「美味しいけどぉ!誕生日に奢ってくれたブリも美味しかったけどぉ!!なんか違うんだよぉ〜!!!」

 

 

二人はギャーギャー騒ぎながら走る。

 

いつの間にか帆波は元気になっていた。




次回は金田いよいよ動き出すの巻。

番外編で帆波の誕生日とか色々書きます。

では、また( `・∀・´)ノ
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