高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうも|ω・`)ノ ヤァ

続き書けたで候。

明けましておめでとうござんす。

今年もよろしくお願いシマス。

では、どうぞ(╯°□°)╯︵ ┻━┻


第五十九話 仲良し三人組

無人島試験が終わってから二日目、有栖とのチェスを終えた翌日、清麿は豪華客船のトレーニング施設を利用していた。

 

無人島試験では体力の消耗を避けるために、トレーニングを止めていた清麿であったが、試験が終了した現在はトレーニングを再開していた。

 

鈍った身体を鍛え直すためだ。

 

清麿はストレッチをしながら、答えを出す者(アンサー・トーカー)の能力を使って、効率良く鍛えるためのトレーニングメニューを考える。

 

 

(ウォーミングアップのストレッチ、上半身と下半身を鍛えるための筋トレ、器具を使ったメイントレーニングに有酸素運動、その後はクールダウンとしてのストレッチに……水中トレーニングもありだな。それを週に3~4回、1セット辺り10〜15回、各種トレーニングを2〜4セット、セット間の休憩は30秒から90秒とすると……約60~90分ってところか?)

 

 

身体はただ闇雲に鍛えれば良いという訳でない。

 

トレーニングを久しぶりにするとき、大抵は自分が思っている以上に筋肉は衰えている。

 

久しぶりな時ほど、まずは軽め短めのストレッチで身体を慣らし、()()()()()()()()事が大切なのだ。

 

また、トレーニングを継続していく内に脳がマンネリ化を起こし、重さや刺激に対して『これはいつもと同じ』という信号を出すため、効果が出づらくなり、飽きてしまったりする。

 

よってトレーニングを継続する場合、少しずつ負荷を変える、又はその動きを変えるといったバリエーションの変更も大切なのだ。

 

だが清麿は()()()()()()()()()()

 

 

(高円寺の身体能力はずば抜けて高い。奴に対抗するためには肉体改造……とまではいかないものの、食事や生活習慣の見直しは必要だろうな)

 

 

無人島での高円寺との追いかけっこで、彼との地力の差を思い知らされた清麿は、肉体改造も視野に入れていた。

 

 

(短期間で効率良く効果を上げるためには、『運動』『食事』『回復』の三つをバランスよくすることが大切だ。そして普段の生活のリズムを如何に崩さずやるかも……だ。それで体調を崩しては元も子もないからな)

 

 

ストレスなく、なるべく普段の生活を心掛けながらも、無理なく身体を鍛え上げる。

 

普段のコンディションの大切さは、魔界の王を決める戦いを乗り越える中で身に沁みて分かっていた。

 

そして清麿はストレッチを終えると、じっくりと時間をかけてトレーニングに取り組んでいく。

 

最初は抑えめに各種トレーニングを10回2セットにしながら、休憩時間もじっくり90秒かけて行った。

 

約1時間半のトレーニングを終え、クールダウンのストレッチを行いながら呟く。

 

 

「……鈍っているな」

 

 

少なくとも中学時代に比べれば現時点の清麿は、体力の低下に身体能力も少し落ちていた。

 

 

「まあ、嘆いていても仕方がないか。いつも通り、今はやれる事をやるしかない」

 

 

清麿はトレーニングを終え、シャワーを軽く浴びてからトレーニング施設を後にする。

 

この豪華客船は全9階層と屋上に分けられており、地上5階地下4階から作られている。

 

1階はラウンジや宴会用のフロア、2階屋上にはプール、カフェなどが設置されている。

 

3階から5階に当たる部分は客室があるフロアとなっており、3階が男子で4階が女子だ。

 

地下1階から地下3階には映画や舞台などの様々な娯楽施設、船の最下層である地下4階には配電盤室がある。

 

ちなみに清麿がいたトレーニング施設は地下1階にあったりする。

 

清麿が船のデッキに出ると、綺麗な青空が彼を出迎える。

 

無人島での試験が終わってから二日が経ち、豪華客船では、何事も起きることなく、平穏な時間が流れていた。

 

天候は晴天で、嵐や高波などの災害も起こらず、何一つ不自由のない生活が生徒達に与えられている。

 

過酷な島でのサバイバルという特別試験を乗り越えた彼らは、青春を謳歌していた。

 

清麿がどこかゆっくり出来るところはないかとうろついていると、景色を一望出来るであろうエリアに出た。

 

しかし、そのエリアには先客達がいた。

 

名前も知らない多くの男女達が仲睦まじく話していたのだ。

 

その様子を見た清麿はふと思い出す。

 

 

「そういえば柴田の奴が、最近カップルになる奴らが多くて羨ましいとか嘆いてたな……」

 

 

それとなく聞こえてくる噂でしかないが、最近になって複数のカップルが誕生しているそうだ。

 

清麿の視界に入る距離感の近い男女達も、カップルなのだろう。

 

ベンチに座って、お互いの手を握りながら談笑していた。

 

 

「……別の場所に行こう」

 

 

なんとなく居づらい感じがした清麿はそう小さく独り言を零し、どこか違う場所へといくための候補を脳内で上げていく。

 

 

「……そろそろ良い時間だし、昼飯でも食いにいくか」

 

 

清麿はそのままカフェテリアにまで行く。

 

 

「軽目の物にするかな」

 

 

トレーニング直後という事もあって、あまり食欲が湧かないのか軽目の物にしようとする清麿。

 

すると、そこに見知った顔を発見する。

 

 

「ひより?」

 

 

「清麿君?」

 

 

なんとひよりがいたのだ。

 

ひよりは食事を済ませた後なのか、コーヒーを優雅に飲みながら読書に勤しんでいた。

 

 

「今からお昼ご飯ですか?」

 

 

「ああ。そういうひよりはもう食ったのか?」

 

 

「はい。ここで借りた本を読んでいました」

 

 

ひよりが読んでいる本を見せる。

 

タイトルは『リア王』。

 

シェイクスピアの四大悲劇の一つである。

 

 

「シェイクスピアのリア王か」

 

 

「定期的に読み直しちゃいまして」

 

 

ひよりが恥ずかしそうに本で口元を隠す。

 

 

「いいんじゃないか?」

 

 

清麿は店員にメニューを注文すると、ひよりの前に座る。

 

ちなみに頼んだ物はサンドイッチとブレンドコーヒーだ。

 

 

「……Aクラス、1位凄かったですね。清麿君の事ですから、龍園君の策にも早目に気付いていたんですよね?」

 

 

「……まあ、ある程度はな。あいつの性格と思考のプロセスを考えれば、何を狙っているのかはおおよそ見当がついていた。確信したのはCクラスがいなくなってからだが」

 

 

「なるほど。既に読み合いの時点で大きく差が出ていたんですね」

 

 

二人が話していると、丁度横合いから声がかかる。

 

 

「……ねぇ、今の話ちょっと詳しく聞きたいんだけど」

 

 

「ん?」

 

 

「あ、伊吹さんではありませんか」

 

 

伊吹澪。

 

Cクラスの孤高の女子生徒である。

 

偶然通りかかったのか、少し躊躇いがちに声をかけてきた。

 

 

「……相席してもいい?」

 

 

「あ、ああ。オレは別に構わんが……」

 

 

「私も大丈夫です」

 

 

二人の許可が出ると、伊吹は席に座ろうとする……が、清麿とひよりのどちらの隣に座ろうか迷っているようだ。

 

 

「…………っ」

 

 

一瞬の逡巡の末、座ったのはひよりの隣であった。

 

孤高のボッチには、どちらの隣に座るかという場面は中々にハードだったりする。

 

しかもそれがそんなに親しくない者達であれば当然である。

 

しかし、当のひよりは気にした素振りは見せずに、いやどちらかと言えば、少し嬉しそうに頬を綻ばせる。

 

 

「伊吹さんとこうして話すのは、何気に初めてかもしれませんね」

 

 

「まあ、あんたとは顔を合わせれば挨拶程度……くらいしかしてないもんね」

 

 

「良ければ、これを機会に私と友達になってはくれませんか?()()()()()()()()()()()()

 

 

「椎名、あんたが私の事を普段からどう思っているのか良く分かったわよ……」

 

 

ほんわかした笑顔から出されるひよりの悪意のない口撃に、伊吹は少しだけ精神ダメージを負ったようだ。

 

 

「で、でもまあ……あんたがどうしても……どうしてもって言うなら?別に……友達になってあげても構わないけど?」

 

 

と言いつつも、頬を少し赤くさせながら言う伊吹にひよりは一言。

 

 

「ツンデレですね」

 

 

「ツンデレだな」

 

 

つい顔を見合わせた清麿もそう呟くのだった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

伊吹もケーキを注文すると、話の続きを促した。

 

 

「それよりも高嶺、あんた龍園の策を見破ってたって本当なの?」

 

 

「見破ってるっていうのには語弊がある。何かあるだろう……くらいには思ってはいたが」

 

 

特に嘘をつく理由もないので清麿は頷く。

 

 

「いつから気付いてたのよ?」

 

 

「Cクラスに偵察に行ったときだから……初日だな。あのとき、龍園の側には無線機が置いてあった。最初はなぜそんな物を置いてるのか分からなかったが、AクラスとDクラスでそれぞれCクラスの生徒を保護してる情報を聞いて合点がいったんだよ。あ、スパイかって」

 

 

「そ、そんな早くから……?」

 

 

「さすがに両クラスにCクラスの生徒が保護されるなんて、いくらなんでもタイミングが良すぎる。ましてや率いているのはあの龍園だ。何か裏があると思うのが普通だ」

 

 

「全部あんたの掌の上で転がされてたって訳ね……」

 

 

「逆にこっちからも聞いていいか?」

 

 

「何よ?」

 

 

「もしかして龍園には何か別の目的があったんじゃないか?これはオレの勝手な想像だが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

「「…………」」

 

 

伊吹とひよりは驚いた表情をする。

 

 

「そう考えれば全て辻褄が合うんだ。()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()もな」

 

 

清麿は説明を続ける。

 

 

「Cクラスが全てのポイントを犠牲にして、必要な物を買い揃える。更にそれらの道具を全て譲渡することで、Bクラスはポイントを使わずに一週間過ごす事が出来た。恐らく、無人島試験が始まって早々に龍園が葛城に接触、何らかの条件を飲ませる代わりに、今回の事を行ったんだろう。そしてそれこそが龍園の本命だった。無人島試験のリーダー当てはついでだろう」

 

 

「はぁ……」

 

 

「ふふっ」

 

 

伊吹は溜息をつき、ひよりは静かに笑う。

 

 

「ここまで来ると怖いんだけど……あんたの頭の中って一体どうなってんの?」

 

 

「酷い言われようだな」

 

 

「それだけ清麿君が規格外だってことですよ」

 

 

清麿はサンドイッチを食べ終わると、コーヒーを飲む。

 

 

「って言っても、私も詳しい事は知らないのよ。あいつが全部一人でやった事だからね。そこは椎名も同じでしょ?」

 

 

「はい。詳しい事は私も聞かされてません」

 

 

「いや、ただ確認したかっただけだから別に問題ないよ」

 

 

清麿はコーヒーを飲み終えると、伊吹の方を見る。

 

丁度、彼女もケーキを食べ終えていた。

 

 

「それはそうと二人共、今日は予定は何かあるのか?」

 

 

「……特に何もないけど」

 

 

「私もです」

 

 

「なら、これから三人で遊ばないか?」

 

 

「はあ!?」

 

 

「面白そうですね」

 

 

清麿の提案に伊吹は驚き、ひよりは楽しそうに笑う。

 

 

「二人共せっかく友達になったんだし、遊ばないと損だろ?そうだな……カラオケなんてどうだ?」

 

 

「私、カラオケ行ったことないので楽しみです」

 

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいっての!なんでいきなり三人で遊びに行くことになってんのよ!?」

 

 

「袖振り合うも他生の縁って言うだろ?今日ぐらいクラスの事なんて忘れて、パーッと遊ぼうぜ。いつも気を張ってたら疲れるだろ?」

 

 

「……私、あんたと友達になった覚えないんだけど」

 

 

「そうか。じゃあ今からオレとも友達ってことで」

 

 

「仲良し三人組ですね」

 

 

「いやもうツッコミどころしかないんだけどあんたら!?」

 

 

こうして三人はカラオケルームで遊ぶ事となった。

 

ちなみに三人共に意外と高得点だったそうな。




次回から後半戦。

では、また( `・∀・´)ノ
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