高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうも|ω・`)ノ ヤァ

続き書けたで候。

では、どうぞ(╯°□°)╯︵ ┻━┻


第六十話 特別試験説明会 前編

無人島試験が終わって三日目、清麿は神崎、帆波、姫野の三人と共にレストランで昼食をとっていた。

 

 

「どうして私も一緒に食べなきゃいけない訳……?」

 

 

しかし、姫野はまだ眠いのか、少々不機嫌になりながらコーンスープをチビチビと飲んでいる。

 

そんな姫野を帆波は苦笑いしながら見る。

 

 

「だってユキちゃん、放っておいたらいつまでも寝てるんだもん。一日二日ならいいけど、さすがに三日目は看過出来ません」

 

 

「あんたは私のお母さんかっつーの」

 

 

「どちらかと言えば、お姉ちゃんかな?ほら、ぐうたらな妹を支えるしっかり者の姉みたいな!」

 

 

「あんたの場合、しっかり者じゃなくてうっかり者の気がするけどね」

 

 

「そ、そんなことないよ!?少なくとも日々適当に生きてるユキちゃんよりはマシだもん!!」

 

 

「べ、別に適当に生きてる訳じゃないし!私は自分に正直になるって決めただけよ!!」

 

 

「正直になるベクトルが全然駄目な方に行ってるじゃない!!」

 

 

「うっさいわね!周りの空気読みすぎて自滅してるお姫様に何も言われたくないわよ!!このアホナミ!!」

 

 

「アホ……!?今、アホナミって言った!?え、えっと……このバカユキちゃん!!」

 

 

女子二人が騒いでる横で男子二人は静かに食べていた。

 

 

「神崎、クロワッサン余ったんだがいるか?」

 

 

「ありがたくいただこう」

 

 

なぜこの四人で食べているのかと言うと、レストランに来たとき、タイミングがあったのか偶々鉢合わせたのだ。

 

それ故に、せっかくだからということで、四人で一緒にお昼を食べる事になったのである。

 

清麿は食後のコーヒーを飲みながら、未だにキャーキャー騒いでいる帆波と姫野を横目で見る。

 

 

(順調に仲良くなっているようだな……。帆波の素直過ぎる性格と、姫野の少し捻くれた性格は意外と相性が良いのかもしれない)

 

 

帆波も姫野という()()()()()()()()()()()()()が出来たからか、常に自然体でおり、リラックス出来ている。

 

反対に姫野も常に構ってくる帆波に少し鬱陶しそうにしながらも、どこか満更でもなさそうな表情をしている。

 

清麿が二人の良い関係性にホッとしているそのとき、突如、携帯からキーンという高い音が響く。

 

それが四人の意識を強引に引き寄せた。

 

これは学校からの指示や行事の変更などがあった際に送られてくるメールの受信音であり、その重要性の高さは、マナーモード中であっても強引に音が出ることからも明らかである。

 

 

「高嶺」

 

 

「清麿君……」

 

 

「…………」

 

 

神崎が眉間に皺を寄せ、帆波は不安そうな表情で、姫野は面倒くさそうに、清麿へと一斉に視線を向ける。

 

その視線を受けた清麿が話そうとした直後、船内アナウンスが流れる。

 

 

『生徒の皆さんにご連絡いたします。先ほど全ての生徒宛に学校から連絡事項を記載したメッセージを送信いたしました。各自携帯を確認し、その指示に従ってください。また、メールが届いていない場合には、お手数ですがお近くの教員まで申し出てください。非常に重要な内容となっておりますので、確認漏れのないようお願い致します。繰り返します──』

 

 

「……多分、今届いたメールの事だろうな」

 

 

出鼻を挫かれた清麿であったが、気にせず話し始める。

 

 

「とりあえず確認してみよう」

 

 

清麿の提案で各々携帯をチェックする。

 

届いたメールには以下の文章が記載されていた。

 

 

『間もなく特別試験を開始いたします。各自指定された部屋に、指定された時間に集合してください。10分以上の遅刻をした者にはペナルティを科す場合があります。本日20時40分までに2階207号室に集合してください。所要時間は20分ほどですので、お手洗いなどを済ませた上、携帯をマナーモードか電源をオフにしてお越しください』

 

 

「このタイミングで特別試験か……」

 

 

豪華客船でゆっくり過ごせるかと思えば、いきなり一週間の無人島試験に放り込まれたり、それが終わったと思えば、三日経過し、気が緩んだところに次の試験を持ってきたりと、学校側はなかなかに意地の悪いことをしてくる。

 

 

(恐らく、不測の事態への対応力を見たいのだろうが……ほとんどの生徒が慌てているだろうな)

 

 

その証拠に清麿の周りにいる三人も僅かではあるが、精神的に動揺している。

 

 

「えっと……三人共どうだった?私は20時40分に指定されてたんだけど」

 

 

「私も同じ」

 

 

「俺もだ」

 

 

「オレもだな……」

 

 

帆波の問い掛けに姫野、神崎、清麿の順番で答える。

 

 

「ここにいる全員同じ……か。まあ、何はともあれ、まずは現状把握が先決だな」

 

 

周りを見渡せば、ざわざわと他クラスの生徒達が騒いでいる。

 

少し耳を澄ませば、集合時間がバラバラであるグループもいるようだ。

 

 

(どうやら学校側は意図的に集合時間をバラバラにしているようだが……一体なんのために?)

 

 

普通、こういった説明は生徒全員を一箇所に集めて行った後、個別にグループを発表した方が効率が良い。

 

だが学校側は、なぜか意図的に効率の悪いやり方で説明を行うようだ。

 

 

「……今、ここで悩んでいても仕方がないな。とりあえずこの後、Aクラスのグループチャットでそれぞれ何時何分に指定されたか共有する様に指示する」

 

 

清麿の指示に三人が頷く。

 

そして男女に別れて一旦、解散する事となった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

時刻は20時30分前。

 

清麿は神崎を連れて、帆波と姫野の待ち合わせ場所に向かっていた。

 

 

「高嶺、今回の特別試験……一筋縄ではいかないだろうな」

 

 

「だろうな。()()()()()()()()()()()()()()()()()、ルールも少し複雑だからな」

 

 

「まだルールをあまり理解出来ていない者もいるだろう。復習も兼ねて、改めて説明する場を作った方が良いかもしれないな。特に柴田辺りには……」

 

 

「ああ……あいつ、ほぼ感覚で生きてるみたいなもんだもんなぁ」

 

 

二人が待ち合わせ場所に着くと、既に帆波と姫野の姿があった。

 

 

「悪い、待たせたか?」

 

 

「ううん、私達も今来た所だから全然大丈夫だよ」

 

 

ちなみに帆波と姫野の二人も、既に今回の試験の説明を先に受けた生徒から話を聞いている。

 

 

「それじゃ、行こうか」

 

 

清麿が歩きだすと、その後を追うように三人も歩き出した。

 

そんな中、姫野は憂鬱そうに溜息をついた。

 

 

「はぁ……なんで私、この面子の中に交じってるんだろ……」

 

 

「アハハハ……えっと、元気出してユキちゃん……」

 

 

帆波が苦笑しながら姫野を慰める。

 

そして四人が階段を降りると、説明会が設けられている二階に着く。

 

そこには随分と多くの生徒が見受けられた。

 

壁にもたれている生徒、携帯を弄りながら座り込む生徒など、とても今から説明を受けるとは思えない者達の姿もあった。

 

ざっと見えるだけでも十人近くおり、すれ違う清麿達に視線を向けるも、彼らはすぐに携帯を操作し、何か打ち込んでいるようだった。

 

 

「随分と生徒の数が多いな……」

 

 

「さすがに皆、同じグループって訳じゃないよね」

 

 

「何人か様子見で来てる奴らもいるんじゃないの……?」

 

 

神崎の呟きに、帆波、姫野が続く。

 

 

「あ、あのエレベーターで携帯弄ってる男の子は確かCクラスの時任(ときとう)君だよ」

 

 

「さすが帆波だな。交友関係が広い」

 

 

「そうかな?あ、でもさすがに話した事はないよ?」

 

 

「いや、顔と名前を知ってるだけでも大したものだ」

 

 

(これからは他クラスの生徒の情報も必要になってくるか……そういう時は橋本を利用するか)

 

 

清麿が橋本の情報屋としての利用方法を考えていると、遂に目的の場所へとたどり着く。

 

そこには数人の男女が扉近くに集まっていた。

 

 

「もし俺の勘違いでなければ、20時40分組じゃないか?」

 

 

最初に聞こえてきたのはやや低い重めの声。

 

Bクラスを統率する双頭の一人、葛城康平の声だった。

 

 

「そうだとしたら……貴方に何か関係があるのかしら?」

 

 

相対するはそんな葛城に一歩も怯む事なく答える長い黒髪美少女、Dクラスの堀北鈴音である。

 

 

「やはりな。君とは一度改めて話したいと思っていたところで朗報だな。俺も20時40分組だ。明日からは同じグループとして協力し合うことになる」

 

 

「話をしたかった?おかしな話ね。先日会ったときは眼中になかったみたいだけれど」

 

 

鈴音と葛城は、無人島試験中に一度だけ対峙している。

 

しかしその時、葛城は鈴音に興味を示すことなく、満足に話そうともしなかった。

 

それが一転、今は葛城から声をかけている。

 

 

「確かに、正直俺は今までDクラスの存在は眼中に入れていなかった。しかし前の試験の驚異的な結果を見れば、注目しないわけにはいかないだろう。何より勝つための布石を打っていたのが君だと分かれば尚更だ」

 

 

葛城から見れば鈴音は、ただ成績の良い優等生ではなく、相手の裏をかき、結果を残す生徒として危険視する警戒すべき相手という訳だ。

 

 

「もしこれから先いつかはわからないが……DクラスからCクラスに上がってくるようであれば、Bクラスは容赦なく君を叩くだろう」

 

 

「随分勝手な物言いね。Bにしてみれば大したことでもないでしょう?B以下のクラスは大きくポイントで差を広げられてしまっているもの」

 

 

「確かにな。だが警戒する対象になる事は間違いない。優劣が一度ついてしまった位置関係からの逆転は容易ではない。クラスが入れ替わる程の事態になれば警戒せざるを得ない。なぜなら、実際に一度それが行われているからな」

 

 

葛城は発言しながら、視線を鈴音の更に後ろへと向ける。

 

傍観していた清麿達と、その視線が合った。

 

 

「そうだろう?高嶺清麿」

 

 

葛城が清麿へと話しかける。

 

清麿達は鈴音達へと近付きながら答えた。

 

 

「そうだな。だがな葛城、相手に威圧をかけてまで他クラスの意向を決めつけるのは感心せんぞ」

 

 

鈴音の側へ来ると、帆波が嬉しそうに近付いた。

 

 

「やっほ〜堀北さん。堀北さんも同じ組だったんだね」

 

 

「ええ。貴方達も同じ組だったのね、一之瀬さん」

 

 

帆波の登場に鈴音の表情も幾分か和らぐ。

 

自然とAクラスの面々で鈴音を庇う位置付けとなる。

 

 

「無理して葛城に話を合わせる必要はないぞ。状況が状況だ」

 

 

神崎が鈴音に言葉を投げかける。

 

しかし鈴音は大して気にした素振りも見せず、堂々と返した。

 

 

「心配無用よ。Dクラスが下に見られていた、その話を払拭出来るなら歓迎するわ」

 

 

「なるほど。Dクラスに所属する君からしてみれば、ぞんざいな扱いをされていたことに納得がいっていなかったようだな。確かに俺のクラスではDクラスを蔑ろに扱う者は少なくない。だが、間違いなく無人島の一件ではその見方を少しだけ変えさせた」

 

 

葛城は鈴音を認める発言をすると同時に、服についた埃をサッと払う仕草を見せた。

 

 

「……どういう意味かしら?」

 

 

「誰にでも一度は会心の出来というものはあるものだ。偶々自らの戦略が一度成功したくらいで調子には乗らない方が良い。そしてそれはAクラスにも言える事だ」

 

 

葛城がAクラスの面々に視線を向ける。

 

 

「無人島試験ではしてやられたが、この特別試験では同じ轍を踏むとは思わない事だ」

 

 

その時、床を強く踏みつけるような音がする。

 

その音の主は自らの気配を強く主張するように、清麿達の元へと近付いていく。

 

 

「クク。随分と雑魚が群れてるじゃあねえか。俺も見学させてくれよ」

 

 

「……龍園か」

 

 

龍園の登場に葛城の声色が、少しだけ険しくなった。

 

 

「お前もこの時間に招集されたのか?それとも、偶然ここを歩いてるだけか?」

 

 

「残念な事に、お前らと同じ時間のようだな」

 

 

龍園は後ろに三人の生徒を従え、歩いてきた。

 

その内の二人は、清麿の面識のある人物達であった。

 

 

「ひよりに、金田……それにあいつは確か、山田アルベルトだったか」

 

 

龍園の連れてきた面子の中でも一際異彩を放つ男子生徒。

 

日本人と黒人のハーフであり、高校生離れした体躯を持つ山田アルベルトだ。

 

龍園のボディーガード的存在として、失態を犯した生徒や、龍園に歯向かう生徒に対して暴力による制裁・折檻を行う役目を担っている。

 

ただし本人自身は争いごとが嫌いなため、龍園の指示以外で暴力をふるうことは決してない。

 

葛城は後ろの三人に目を向けると、分析する。

 

 

「ひとつだけ分かった事がある。この組は学力が高い生徒が集められていると思っていたが、お前とそのクラスメイトを見る限り、そうではないかもしれないな」

 

 

「学力だ?くだらねーな。そんなものには何の価値もない」

 

 

「それこそ残念な発言だ。学業の出来不出来は将来を左右する最も大切な要素だ。日本が学歴社会だと言われている事は知っているはずだが?」

 

 

龍園のふざけた態度に葛城が正論をぶつける。

 

 

「俺はお前の非道さを許すつもりはない」

 

 

「あ?非道さ?一体何のことだよ。身に覚えがねーなあ。具体的に教えてくれよ」

 

 

「……まあいい。今回同じグループになったとしたら、ゆっくり話す時間もあるだろう」

 

 

清麿達が二人のやり取りを見守っていると、後方から気の抜けた声が聞こえてきた。

 

 

「あれ平田君?それに綾小路君まで。大勢で集まってどうしたの?」

 

 

後ろを見ると、Dクラスの平田洋介、綾小路清隆、櫛田桔梗の三人がいた。

 

 

「もしかして櫛田さんも、20時40分組?」

 

 

「うん?組?よく分からないけど、その時間に来るようにってメールが……って、なんか凄い人達が集まってるね」

 

 

平田の問に、櫛田は呆気に取られながらも答える。

 

 

「大丈夫か平田。相当厳しい戦いになると思うぞ」

 

 

「気にしない事だよ。どんな人達であれ、僕に出来る事をするだけだし」

 

 

「えーとつまり、これから色々大変な事が始まっちゃう感じ?」

 

 

「ざっくりと言えばそうだな。心の準備はしておいた方がいいぞ」

 

 

「あはは。大丈夫だよ。平田君が言ったことだけど、私も私で自分に出来ることをするだけだから。うん、葛城君や龍園君、他にもお話したことない人達もいるから、いつも通りやって仲良くなりたいな」

 

 

清麿は三人のやり取りを見ながら思考する。

 

 

(Dクラスのメンバーは堀北に平田、櫛田に綾小路の四人組か?Cクラスは龍園にひより、金田に山田アルベルト。Bクラスはまだ葛城だけだが……この面子を見る限り、明らかに意図して集められたのは確かだろう)

 

 

「やはり今回の特別試験……一筋縄じゃいかなさそうだ」

 

 

「おや?遅れて来てみれば……随分と楽しそうな集まりですね」

 

 

清麿が呟いた直後、聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 

視線を向けてみれば、Bクラスの坂柳有栖に橋本正義の姿があった。

 

 

「遅くなってしまって申し訳ありません、葛城君」

 

 

「いや、そちらの事情は把握している。気にするな、坂柳」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

有栖は先天性疾患を患っているため、杖での歩行移動となる。

 

そのため、移動は必然的にゆっくりとなるため時間がかかるのは仕方のないことなのだ。

 

有栖はゆっくりと歩きながら、()()()()()()()()()()()()()()()他の者達にも声をかけた。

 

 

「ご機嫌よう清麿君、帆波さん。ひよりさんも。そして龍園君も」

 

 

「坂柳か」

 

 

有栖が龍園に静かに近付き、龍園と相対する。

 

150cmの小柄な有栖と、173cmの龍園では実に23cmもの身長差がある。

 

 

「今日はお手柔らかにお願いしますね」

 

 

「ハッ!テメェらBクラスも、Dクラスも前座だ。今回の試験でまとめて潰してやるよ」

 

 

「それはこちらも同じ事が言えますよ、龍園君」

 

 

「言うじゃねえか。当然、その後のメインディッシュもいただくがな」

 

 

「まあ、そこは同意見ですね」

 

 

龍園と有栖は清麿へと視線を向けると、二人共に不敵な笑みを浮かべる。

 

 

「テメェら、Aクラスを潰すのは俺だ。だから不様な真似は晒すんじゃねえぞ。行くぞ、お前ら」

 

 

龍園は三人を引き連れて205号室へと入っていく。

 

その際にひよりがペコリと頭を下げてきた。

 

金田はというと、清麿の方を一瞥するも大して気にする素振りも見せずに部屋に入っていく。

 

アルベルトはというと、『Good Luck……デス』と呟きつつ龍園の後に続いて部屋へと入っていった。

 

 

「それでは私達も参りましょうか」

 

 

続いて有栖達Bクラスも204号室へと入っていく。

 

葛城と橋本もその後に続くように入っていった。

 

 

「それじゃ、私も失礼させてもらうわ。そろそろ時間だから」

 

 

「あ、うん。またね堀北さん」

 

 

鈴音は清麿達に一言放つと、髪を靡かせ背を向けた。

 

 

「それじゃ、僕達も行くよ。お互いに頑張ろうね」

 

 

「またね〜」

 

 

その後を追うように平田と櫛田も206号室へと入っていった。

 

それらを見送った清麿は一言。

 

 

「なんだか……嵐が過ぎ去った後みたいだ」

 

 

「全くだな」

 

 

いつの間にか清麿の隣に綾小路がいた。

 

 

「お前もてっきり20時40分組かと思ってたよ」

 

 

「オレは18時組だな」

 

 

「確か浜口が一緒だったな、そういえば」

 

 

「顔見知りがいると、なんだかホッとするな」

 

 

「その割には全然表情が変わってないぞ?」

 

 

「安心しろ。これはデフォルトだ」

 

 

「なら、もう少し変える努力をせんかい」

 

 

気付けば清麿は綾小路にチョップしていた。

 

 

「なるほど。これがツッコミか」

 

 

「こんなに冷静にツッコミを分析する奴はお前が初めてだぞ、綾小路」

 

 

「はぁ……あんたらいつまで漫才してんの?あんたらが仲が良いのは分かったから、そろそろ行かないと遅刻するんだけど……」

 

 

「あ、悪い姫野」

 

 

すると、いつまでも動かない清麿を見て姫野が声をかける。

 

時間を確認すれば、集合時間の五分前であった。

 

 

「じゃあオレ達もそろそろ行くよ。またな、綾小路」

 

 

「またね、綾小路君〜」

 

 

「またな」

 

 

そして清麿達は207号室へ入っていく。

 

だが、なぜか姫野だけは部屋に入らずポツンと残っていた。

 

綾小路が気付くと、声をかける。

 

 

「お前はいかないのか?確か姫野……だったよな?」

 

 

「ん?あ、うん……行くわよ。本当は全く持って行きたくないけど……」

 

 

「切実だな」

 

 

「ねぇ、綾小路って言ったっけ?あんた、私の代わりに姫野ユキとして説明会に行かない?いや、むしろ行け」

 

 

「無理に決まってるだろ」

 

 

「だよねー……うん、いいよ。ちょっと言ってみただけだし。でもどうして私があんなカオスの集まりみたいなグループに入れられなくちゃならないのよ……なんでこうなるのよ……もう神様死ねよ……」

 

 

項垂れてブツブツ呟く姫野に、ちょっとばかり同情した綾小路は気付けば慰めていた。

 

 

「まあ、その、なんだ。オレでよければ愚痴くらいならいつでも聞くぞ?」

 

 

「なんか……ありがと」

 

 

こうして姫野と綾小路は連絡先を交換した。

 

なんだかんだで新たな友達が出来た綾小路であった。




次回は試験説明会からの干支試験開始!!

では、また( `・∀・´)ノ
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