高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうも|ω・`)ノ ヤァ

続き書けたで候。

今回、ちょっと長くなりそうなので分けました。

では、どうぞ(╯°□°)╯︵ ┻━┻


第六十二話 優待者の法則を見つけ出せ

説明会が行われた数十分後、清麿はAクラスメンバーに急遽招集をかけミーティングルームへと集めていた。

 

 

「まずは今回の特別試験のおさらいだ」

 

 

清麿は全員を座らせ、白板に文字を書いていくと、話を進める。

 

 

「今回の特別試験で『優待者』は非常に大きなアドバンテージを持っている。これは分かるな?」

 

 

全員が頷く。

 

 

「話し合いが行われるグループは干支に合わせて全部で12グループ。そう考えると、優待者は全部で12人。1グループにつき、必ず1人いる」

 

 

清麿は話を続ける。

 

 

「例えば……もしオレが『優待者』だとする。その場合、『竜』グループの全員が『高嶺清麿』と解答すれば、『竜』グループ全員に漏れなく50万プライベートポイントが入る。そこからさらにオレは50万プライベートポイントが追加される。逆に誰か一人でも解答を間違えた場合、その時はオレだけが50万ポイントを獲得出来る。ちなみに前者が結果1で、後者が結果2となる」

 

 

清麿は白板に結果1と結果2を書いた紙をマグネットで貼っていく。

 

 

結果1。グループ内で優待者及び優待者の所属するクラスメイトを除く全員の解答が正解していた場合、グループ全員に50万プライベートポイントを支給する。ただし、結果1に導いた優待者には、褒賞として他メンバーの倍の100万プライベートポイントが支給される。(優待者の所属するクラスメイトもそれぞれ同様のポイントを得る)

 

結果2。優待者及び所属するクラスメイトを除く全員の答えで、一人でも未解答や不正解があった場合、優待者には50万プライベートポイントを支給する。

 

 

「ここまでは理解出来るな?」

 

 

再度、全員が頷く。

 

 

「こう見ると『優待者』だけが有利にも思える。が、ここで結果3と結果4が加わる事で大きく変わってくる。いわゆる『裏切り者』の存在だ」

 

 

清麿は『裏切り者』と書くと、白板に結果3を書いた紙をマグネットで貼っていく。

 

 

「もしオレが他クラスの『裏切り者』に『優待者』だと見破られれば、見破ったそいつのクラスは50クラスポイント獲得し、そいつ自身も50万ポイント入る。そして見抜かれたオレはペナルティとしてAのクラスポイントが50ポイント引かれることになる。これが結果3だ」

 

 

結果3。優待者以外の者が、試験終了を待たず答えを学校に告げ正解していた場合。答えた生徒の所属クラスはクラスポイントを50ポイント得ると同時に、正解者に50万プライベートポイントを支給する。また、優待者を見抜かれたクラスは逆にマイナス50クラスポイントのペナルティを受ける。なお、優待者のクラスメイトが正解した場合は、答えを無効として試験は続行となる。

 

 

続けて清麿は結果4を書いた紙をマグネットで貼る。

 

 

「逆に『裏切り者』が見破ることに失敗した場合、『裏切り者』のクラスは50クラスポイントを失う。反対に『優待者』であるオレは、50クラスポイントを得ることになり、加えて50万プライベートポイントをもらえる。これが結果4だ」

 

 

結果4・優待者以外の者が、試験終了を待たず答えを学校に告げ不正解だった場合。答えを間違えた生徒が所属するクラスはクラスポイントを50ポイント失うペナルティを受け、優待者はプライベートポイントを50万ポイント得ると同時に優待者の所属クラスはクラスポイントを50ポイント得る。答えを間違えた時点でグループの試験は終了となる。なお優待者と同じクラスメイトが不正解した場合、答えを無効とし受け付けない。

 

 

「簡単に言えば、今回の特別試験は()()()()()みたいな物だ」

 

 

人狼ゲームとは、アメリカのパーティーゲームであり、会話や自身の推理力を使ってするゲームである。

 

ルールは至ってシンプルで、プレイヤーは『村人』、もしくは村人に成りすました『人狼』に分けられる。

 

そして村人陣営対人狼陣営の戦いになる。

 

人狼は村人を襲って殺すため、村人は殺されないために人狼を探し、殺す必要がある。

 

ゲームには二つの時間があり、『昼』と『夜』に分けられる。

 

『昼』の時間帯はプレイヤー間での話し合いになり、プレイヤーは村人に扮した人狼を探し、人狼と思われるプレイヤーを絞り、処刑する。

 

『夜』の時間帯は人狼が村人を一人喰い、喰われた村人は死んだ扱いになるので、ゲームから強制的に脱落する。

 

こうしてプレイヤーはゲームの進行とともに徐々に減っていき、最終的にどちらが生き残るのかの勝負をするわけだ。

 

ゲームの勝敗条件は、以下の二つ。

 

『人狼がすべて死亡した場合』と、『村人の数が人狼の数と同数、またはそれ以下となった場合』である。

 

前者の場合は村人陣営の勝ち、後者の場合は人狼陣営が勝つ。

 

別に結果1と結果2だけならば、人狼ゲームにはなり足り得ない。

 

しかし、結果3と結果4が加わることで『優待者』という“人狼”を見つけるゲームに早変わりするのだ。

 

 

「そして今回の特別試験のクリア方法を簡潔に纏めるとこうなる」

 

 

清麿がホワイトボードに文字を書いていく。

 

 

①グループ全体で『優待者』が誰なのかを共有してクリアする……いわゆる『全員』の勝利。

 

②最後の解答を誰かが間違える……『優待者』のみが勝利。

 

③『裏切り者』が『優待者』を見付け出す……『裏切り者』及び、『裏切り者』が属するクラスの勝利。

 

④『裏切り者』が判断を誤る……『優待者』及び、『優待者』が属するクラスの勝利。

 

 

「まあ、現実的に考えて①は厳しい。必然的に、②③④のどれかになるだろう。だがこの試験の結果次第では、DクラスがAクラスに下克上することも不可能ではない。それだけの可能性が、この特別試験にはあるんだ」

 

 

現在のAクラスのポイントは1375cp。

 

Dクラスのポイントは315cp。

 

実に1000ポイント以上の差があるが、試験の結果次第では一気に縮められてもおかしくはない。

 

 

「全ては明日の『優待者』の発表次第だ。分かっているとは思うが、『優待者』になった奴はすぐに報告してくれ。それと、何か悩んでいる又は考えていることがあれば、オレ以外でもいい。一人で思い悩まず、必ず誰かに相談すること。一人で抱え込んで自滅していてはなんの意味もないからな」

 

 

全員が頷く。

 

 

「以上で説明は終わりだ。各自、体調を崩さないように気を付けて過ごしてくれ」

 

 

そして解散すると、ミーティングルームに残った帆波、神崎、浜口、姫野の四人が話しかけてきた。

 

 

「ねぇ、清麿君。やっぱり結果1は難しいかな?」

 

 

「理想としては結果1が一番いいさ。12グループ全てが結果1になると考えると、優待者を除いた場合、全ての生徒に50万ポイント。優待者を含めた場合、自分自身を含めても1クラスで回収できるプライベートポイントは合計2150万ポイントにもなる」

 

 

「丁度、クラス移動出来る規模の数字だな」

 

 

「ああ。正直に言えば、全クラスにメリットしか及ばないこの結果が一番好ましい」 

 

 

「ですが現実的に考えると、どうしても厳しいというのが現状ですね」

 

 

「ああ。優待者が判明した瞬間、裏切り者が出る確率の方が圧倒的に高いからだ」

 

 

「Cクラスなんて簡単に裏切りそうだもんねぇー」

 

 

(しかし、今回の試験のように膨大なプライベートポイントを稼ぐ事の出来る試験は限られてくるだろうな……。たとえ今後似た様な内容の試験が起きたとしても、1クラス2000万ポイント程稼ぐ事の出来る試験はそう無いだろう……)

 

 

一学期では恐らく、ここを見逃すと次は無い可能性が高い。

 

プライベートポイントには多くの使い道がある。

 

そしてそれはポイントが多ければ多い程、その選択肢は広がる。

 

清麿は顎に手を添えながら、考える。

 

 

(オレ達Aクラスはどうするべきだ?他クラスはどう動く?あらゆる可能性を考えろ)

 

 

それから清麿はどうするべきかずっと悩んでいた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

翌日の午前八時前。

 

清麿達は、人気のないカフェの片隅で朝食をつまみながら学校のメールの受信を待っていた。

 

メンバーは清麿の他に帆波、神崎、浜口、姫野の四人の合計五人である。

 

最近はAクラスの幹部メンバーになりつつある姫野であった。

 

そして午前八時を迎えると、一秒の誤差もなく、それぞれの携帯がなる。

 

 

 

『厳正なる調整の結果、あなたは優待者に選ばれませんでした。グループの一人として自覚を持って行動し試験に挑んでください。本日午後1時より試験を開始致します。本試験は本日より3日間行われます。竜グループの方は2階竜部屋に集合してください』

 

 

 

五人で携帯を見せ合うと、残念ながらこのメンバーの中に優待者はいなかった。

 

 

「さて、ちゃんと報告はくるかな?」

 

 

清麿が呟くと、神崎が肩をすくめる。

 

 

「心にもないことを言うな。お前ならば来ると確信しているだろう」

 

 

「まあな」

 

 

互いに軽口をかわす。

 

そのとき、一つのチャットが飛んでくる。

 

清麿が画面を切り替えて確認する。

 

 

『優待者に選ばれた。指示プリーズ』

 

 

その後、他の二人からも自分が優待者だという報告が来た。

 

 

『優待者になってしまったでゴワス』

 

 

『俺が!俺達が!!優待者だ!!!』

 

 

それぞれのグループのメンバーを照らし合わせて確認する。

 

 

「優待者の数は三人か」

 

 

「各クラス三人ずつと考えれば、辻褄は合うが……」

 

 

「優待者の方も勿論気になるんですが……もうひとつ気になることがあるんです。この『厳正なる調整の結果』というのは、一体どういう意味なんでしょう?」

 

 

浜口が疑問を口にする。

 

 

「確かに気になる文言だよね」

 

 

帆波が顎に指を当てて考える。

 

 

(うわぁ……こいつあざとい。超あざとい。何よりも天然でやってるのが質が悪いっつーか)

 

 

ちなみに姫野はその仕草を見て、ジト目を向けていたりする。

 

 

「厳正なる調整の結果……か。調整によって優待者が選ばれたとするならば、その法則となるモノが必ずあるはずだ」

 

 

「つまりその法則さえ分かれば、他クラスの優待者も自ずと判明する……と?」

 

 

「多分な」

 

 

神崎の疑問に清麿は答える。

 

清麿はAクラスの優待者がいる三つのグループのメンバー表を見ながら考える。

 

 

(Aクラスの優待者は三人、一見何も規則性や法則性と言ったモノはないように思えるが、仮にクラスに三人ずつ優待者が居るとした場合、何故この三人が選ばれたかを考える必要がある)

 

 

何らかのからくりがあるとした場合、先ず真っ先に考えられるのは、今回の試験の際に送られてきたメールである。

 

 

『厳選なる調整の結果、あなたは優待者に選ばれませんでした。グループの一人として自覚を持って行動し試験に挑んで下さい』

 

 

(やはり気になるのはこの文面の最初の書き出しである“厳選なる調整の結果”……どうにもこの文面に違和感を感じる)

 

 

つまりこれは調整された結果、清麿達は優待者になれなかったという事。

 

次に清麿は優待者の三名の名前や性別、学力など持ち前の頭脳で記録している情報と考察を合わせていくが……

 

 

(駄目だ。名前、性別、学力のどれを合わせても共通点となるべき物が見えてこない)

 

 

ここで清麿は別の方面で攻めることにした。

 

 

(そもそも……なぜ干支なんだ?)

 

 

干支グループとして全クラスのメンバーが分けられている意味を考えることにした。

 

そもそも干支とは、日、月、年や時間、角度、物事の順序などを示すのに使用される。

 

年賀状や生まれ年などで一般的に使われている事が多い。

 

例を出すとそれぞれこのような意味合いがある。

 

 

子(ね):繁栄や子孫繁栄を象徴。機転が利き、計画性がある。

 

丑(うし):忍耐と努力の象徴。堅実で真面目。

 

寅(とら):勇気と強さを象徴。リーダーシップがあり大胆。

 

卯(う):調和と平和を象徴。柔軟性があり温厚。

 

辰(たつ):高貴と活力を象徴。創造力が高くカリスマ性がある。

 

巳(み):知恵と再生を象徴。洞察力に優れ、集中力がある。

 

午(うま):自由と行動力を象徴。情熱的で社交的。

 

未(ひつじ):優しさと協調性を象徴。穏やかで芸術的感性が豊か。

 

申(さる):知恵とユーモアを象徴。賢く、柔軟な対応が得意。

 

酉(とり):正直と信念を象徴。几帳面で責任感が強い。

 

戌(いぬ):忠誠と信頼を象徴。誠実で仲間思い。

 

亥(い):勇気と決断力を象徴。率直で物事をやり遂げる力がある。

 

 

干支には動物が割り当てられている。

 

その理由としては、物語として親しみやすく、記憶しやすいためだと言われている。

 

中国では【天帝が動物たちに()()()()()()競争をさせた】という伝説が残されている程だ。

 

そして清麿は思考を続けるが、ある事に気付く。

 

 

(干支の意味……日、月、年、時間、角度、物事の順序……待て……物事の順序……順番!?)

 

 

清麿は三グループのメンバーを()()()()()()()()()()()

 

その後、それらを()()()()()()()()()()()

 

直後、清麿は不敵に笑っていた。

 

その表情を見た四人は、清麿が法則を見つけたのだと悟る。

 

 

「見つけたんだね、清麿君!」

 

 

帆波が笑顔で尋ねると、清麿は自信満々に答えた。

 

 

「ああ。『優待者』の法則を見つけた」

 

 

(だが、オレが法則を見つけたように、いずれ他クラスも遅かれ早かれ見つけるはずだ)

 

 

清麿は今回の特別試験について思考を巡らせる。

 

自分に何が出来るのか、何をすべきなのかを考える。

 

清麿にはある確信があった。

 

 

(この試験は……間違いなく荒れる)

 

 

そんな確信を胸に、清麿はいよいよ竜グループのディスカッションに臨む。




次回、挨拶という名の牽制の仕合です。

では、また( `・∀・´)ノ
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