高嶺清麿の実力至上主義の教室   作:Gussan0

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どうもΣ(゚Д゚)

続き書けたで候。

遅くなってすいません。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第六十七話 答えを知る者達

「……まずは、猿グループの状況を確認する」

 

清麿は携帯を手にしたまま、鈴音へ告げた。

 

「高円寺君が回答したことは分かっているわ。それ以上は、本人に聞かないと……」

 

「いや。Aクラスの方で確認する」

 

鈴音が顔を上げる。

 

清麿はクラスのチャットに届いていた連絡を開き、そのうちの一人へ電話をかけた。

 

数回の呼び出し音の後、相手が応じる。

 

「オレだ。今、少し話せるか?」

 

『ああ。ちょうど連絡しようと思ってた』

 

「猿グループが終了した。高円寺が回答したらしいが、何か心当たりはあるか?」

 

『……多分、俺だと思う』

 

清麿は黙って続きを待った。

 

『話し合いが終わった後、少し話しかけられたんだよ。別にメールを見せたわけじゃないんだけど……』

 

「何を聞かれた?」

 

相手がやり取りを説明する。

 

その内容を聞き終えると、清麿は小さく息を吐いた。

 

「分かった。教えてくれて助かった」

 

『悪い。俺がもっと気をつけていれば……』

 

「謝るのはまだ早い。結果は発表されていないし、法則を見つければ、お前と話さなくても答えには辿り着ける」

 

清麿は一度、鈴音を見る。

 

「それに、Dクラスが取ったなら、こちらとしても都合がいい」

 

『……どういうことだ?』

 

「これから皆に説明する。お前もチャットを確認してくれ」

 

電話を切ると、鈴音が口を開いた。

 

「猿グループの優待者は、あなた達のクラスだったのね」

 

「ああ。高円寺が正解していれば、Aが五十失って、Dが五十得る」

 

「……図らずも、あなたの提案と同じ結果になったわけね」

 

「そうなるな。ただ、あいつがオレ達の事情を考えて動いたわけじゃないだろう」

 

思い返すのは、無人島で追い回された時のこと。

 

清麿は余計な記憶を振り払うように、軽く首を振った。

 

「残る二つも、手配を進めたい。堀北、そのグループにいるDクラスの生徒と連絡を取れるか?」

 

「取れるわ。ただ、私からの指示だけで動いてくれるかは別だけれど」

 

「平田にも協力してもらってくれ。回答する生徒には、Aの優待者本人から確認を取れるようにする」

 

「法則だけで判断させるつもりはないのね」

 

「わざわざこちらから渡すんだ。疑う余地は減らしておきたい」

 

鈴音は頷くと、携帯を操作し始めた。

 

清麿も帆波へ連絡を入れる。

 

『清麿君? 猿グループのこと、何か分かった?』

 

「ああ。その件も含めて話したい。今、神崎達と一緒か?」

 

『うん。ユキちゃんと浜口君もいるよ』

 

「なら、オレもそっちへ行く。場所を送ってくれ」

 

『分かった。でも……何かあったの?』

 

清麿は、机の上に置かれたメモ帳を見下ろす。

 

そこには、十二のグループと、優待者の名前が並んでいた。

 

「Aクラスの方針を決めたい」

 

◆◆◆

 

清麿が指定されたラウンジへ向かうと、帆波達は奥の席に集まっていた。

 

「高嶺。猿グループの件は?」

 

座るより先に、神崎が尋ねる。

 

「高円寺がうちの優待者を見抜いて、回答した可能性が高い」

 

「……そうか」

 

神崎が眉を寄せる横で、姫野は携帯から顔を上げた。

 

「で? 他のグループはどうするの?」

 

「その話をしに来た」

 

清麿は椅子に腰を下ろすと、四人を見渡した。

 

「残るAクラスの優待者も、Dクラスに回答してもらおうと思っている」

 

一瞬、誰も声を発しなかった。

 

最初に口を開いたのは浜口だった。

 

「……それは、BとCに取られる前に、ということでしょうか?」

 

「ああ」

 

清麿は頷く。

 

「第二回の話し合いで、有栖と龍園の動きはかなり揃っていた。二人共、櫛田が優待者だと分かっている様子だった。少なくとも、竜グループの答えは共有していると考えていい」

 

「他のグループも、法則で把握しているかもしれない……か」

 

神崎の言葉に、清麿は再び頷いた。

 

「こちらの優待者を守り切るのは難しい。なら、BCに得点させるより、同盟相手のDへ渡したい」

 

「三人とも当てられたら、私達は百五十ポイント失うんだよね?」

 

帆波が尋ねる。

 

「ああ。高円寺が正解しているなら、残りは百だ」

 

「……小さくはないね」

 

帆波は手元の携帯へ視線を落とした。

 

清麿達の連絡を待つ、クラスメートの名前が画面に並んでいる。

 

無人島で皆が積み上げたポイントだ。

 

簡単に手放していいものではない。

 

「高嶺。BCの優待者をこちらから回答することは?」

 

神崎が問う。

 

「それも選択肢にはある。だから、これまでの様子見は終わりにする」

 

清麿はメモ帳を開いた。

 

「Dに渡す分の手配を済ませたら、残るグループの状況を確認する。BCが既に動いているなら、こちらも必要なところでは回答する」

 

「全部取るわけではない、と」

 

「最初から全てを取るつもりはない。だが、相手が得点しようとしているのに、何もせず見ている理由もないからな」

 

そこで姫野が、頬杖をついたまま口を挟んだ。

 

「その案、優待者の三人は納得してるの?」

 

清麿の視線が彼女へ向く。

 

「クラスのためだからって言われたら、断りづらいでしょ。自分だけ報酬をもらえなくなるんだし」

 

「……そうだな」

 

清麿は携帯を手に取った。

 

「そこは、ちゃんと話さないといけない」

 

「私からも話すよ」

 

帆波が顔を上げる。

 

「あと、回答するDクラスの人達とも相談できないかな。私達の優待者を教えるんだから、報酬の一部を分けてもらうとか」

 

「それなら、相手にも利益を残したうえで交渉できますね」

 

浜口が頷く。

 

「堀北に伝えてみる。まずは本人達に、この案を説明しよう」

 

清麿がチャットへ文章を打ち込む横で、神崎も携帯を取り出した。

 

「俺は他のグループの状況を確認する。何か動きがあった者には、すぐに報告するよう伝えておく」

 

「お願いします」

 

浜口も、自分のグループの連絡先を開く。

 

その様子を見ながら、姫野が小さく息を吐いた。

 

「……ま、決めるなら早い方がいいんじゃない」

 

「さっきは、急いで決めなくていいと言ってなかったか?」

 

清麿が尋ねると、姫野はジト目を向けた。

 

「状況が変わったでしょ。もう一個終わってんのよ?」

 

「確かにな」

 

清麿は苦笑すると、鈴音へ連絡を入れた。

 

◆◆◆

 

十数分後。

 

清麿の携帯に、鈴音から連絡が届いた。

 

『一つ目、回答を送ったそうよ』

 

続いて、Aクラスの優待者からも連絡が来る。

 

『確認終わった。向こうの奴、ちゃんと話聞いてくれたよ』

 

『報酬の件も了承してくれた。俺はこれで大丈夫』

 

清麿は画面を読み、返信する。

 

『協力してくれてありがとう。結果が出たら、改めて話そう』

 

程なくして、学校からグループ終了の通知が届いた。

 

ほぼ同時に、テーブルの上に置かれた携帯が次々と震える。

 

「終わったね」

 

帆波が画面を確かめる。

 

「ああ」

 

回答を送ったDクラスの生徒からは、送信した名前の確認も届いていた。

 

Aクラスの優待者本人が、その内容に間違いはないと返している。

 

少なくとも、このグループでは手配した通りに進んだ。

 

「残りの方も、今、確認しているところだそうだ」

 

清麿が伝えると、神崎が頷いた。

 

「こちらも特に混乱はない。だが、Cクラスの生徒が、急に携帯を確認し始めたという報告が来ている」

 

「Cが?」

 

「ああ。別のグループでも同じ様子らしい」

 

清麿は開いたメモ帳へ視線を落とす。

 

龍園が、クラスへ何か指示を出したのか。

 

それとも、既に出していた指示を実行する時刻が来たのか。

 

その時、再び携帯が震えた。

 

清麿はすぐに通知を開く。

 

だが、それは待っていたグループのものではなかった。

 

「……別のところが終わった」

 

浜口が呟いた。

 

清麿は通知に記されたグループ名を確認する。

 

法則通りなら、優待者はBクラスの生徒だ。

 

「神崎。このグループの様子を聞いてくれ」

 

「分かった」

 

清麿はメモ帳の該当箇所へ、小さく印をつける。

 

数分も経たないうちに、もう一通、終了通知が届いた。

 

今度の優待者は、Cクラス。

 

「……続きますね」

 

浜口の声に、清麿は答えなかった。

 

二つのグループを見比べる。

 

どちらにもAとDの生徒はいる。

 

しかし、こちらから回答するよう指示は出していない。

 

高円寺のように、誰かが独断で動いた可能性もある。

 

それでも――。

 

「高嶺。最初のグループだが、Cクラスの生徒が回答したと言っているそうだ」

 

神崎が報告する。

 

「本人がそう言ったのか?」

 

「ああ。ただ、誰を回答したかまでは明かしていない」

 

続いて、浜口の携帯にも連絡が届く。

 

「こちらのグループでは、Bクラスの生徒が送信したと言っているようです」

 

清麿は二つの印を見つめた。

 

Bの優待者がいるグループで、Cが回答。

 

Cの優待者がいるグループで、Bが回答。

 

仮に、双方が正解していたなら。

 

「……互いに、取らせたのか?」

 

神崎もメモ帳へ視線を落とす。

 

「それなら、二つ合わせたBCの増減はゼロだ。だが、こちらはどちらにも回答できなくなる」

 

「そうですね。ADに取られる前に終わらせた、と考えれば……」

 

浜口が言葉を継ぐ。

 

清麿は携帯を持ち直した。

 

「終了していないグループの状況を今すぐ集めよう」

 

帆波が頷き、連絡を取り始める。

 

清麿は鈴音への文章を打ちながら、先程までの話し合いを思い返していた。

 

有栖の穏やかな声。

 

龍園の挑発。

 

そして、終了間際に櫛田が口にした質問。

 

『もし……誰かが間違った告発をしたら、どうなるんだっけ?』

 

打ち込んでいた指が、一瞬止まった。

 

正解して終わらせたとは限らない。

 

そう考えても、BCの収支は同じになる。

 

清麿は二つのグループ名を、もう一度確かめた。

 

◆◆◆

 

「届きましたね」

 

船内のラウンジで、有栖は携帯を伏せた。

 

向かいに座る龍園が、口元を歪める。

 

「こっちも終わった。指示通り、別の名前を送らせたぜ」

 

「こちらもです」

 

Bの優待者がいるグループでは、Cの生徒が誤回答した。

 

Cの優待者がいるグループでは、Bの生徒が誤回答した。

 

最終発表で結果が確定すれば、互いに五十を得て、五十を失う。

 

クラスポイントの収支は変わらない。

 

その代わり、二つのグループは既に試験から外れた。

 

「高嶺が気付くまで、どれくらいだと思う?」

 

龍園の問いに、有栖は微笑んだ。

 

「もう、疑っているかもしれませんね」

 

「なら、もっと早くやっとくべきだったんじゃねぇのか?」

 

「早く終わらせすぎれば、清麿君も早く方針を変えます。こちらの準備が揃う前に動かれては困りますから」

 

「ククッ。散々協力だの信頼だの言って、こっちを見させてたわけか」

 

「あなたも随分、楽しそうに付き合ってくださったでしょう?」

 

龍園は否定せず、携帯を手に取った。

 

その画面を、有栖が横目で見る。

 

「残る分も、予定通りに?」

 

「ああ。ただ、Aの優待者はDに取られ始めてる」

 

「橋本君の見立て通りですね」

 

「そっちは止めねぇのか?」

 

有栖は少し考えてから、首を横に振った。

 

「今から競って、こちらの手配を乱す必要はありません。Aクラスが失点することには変わりませんし」

 

「Dには得点させる、と」

 

「その分、残るところで取りましょう」

 

龍園が短く笑った。

 

「なら、次はそっちの番だな」

 

有栖は携帯を開き、一人の名前を選ぶ。

 

橋本正義。

 

送る文章は短かった。

 

『こちらは予定通りです。竜グループの件、状況を教えてください』

 

送信を終えると、有栖はカップを持ち上げた。

 

その向かいで、龍園も別の相手へ指示を出していた。




また今日中に投稿します、はい。

では、また∠( ゚д゚)
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