僕のヒーローアカデミア短編集   作:113(いちいちさん)

1 / 12
ゴランのヒーローアカデミア

 ことの始まりは中国・軽慶市から発信された、「発光する赤児」が生まれたというニュース。以後各地で「超常」が発見され、原因も判然としないまま時は流れる。

 世界総人口の八割が何らかの特異体質である超人社会となった現在。生まれ持った超常的な力"個性"を悪用する犯罪者"(ヴィラン)"が増加の一途をたどる中、同じく"個性"を持つ者たちが"ヒーロー"として敵や災害に立ち向かい、人々を(たす)ける社会が確立されていた。

 

 日本のとある繁華街

 

「動くな!こいつがどうなってもいいのか!」

「クソッ!これじゃあ手が出せないッ!!」

「遠距離攻撃ができるヒーローが来るまで何とか時間を稼ぐんだ!」

 

 一人の(ヴィラン)が女の子を人質に取り、その周りを三人のヒーローが取り囲んでいる。敵は右手に持ったパチンコ玉を親指で弾く様な形でヒーロー達に向けており、ヒーロー達は何時でも反応できるように身構えている。

 彼は三人組の銀行強盗犯の一人であり、銀行を襲った際、一瞬の隙を突いた職員が警報ベルを鳴らしたことにより強盗は失敗、駆け付けた警察とヒーロー達により仲間二人はあっさり捕まり彼だけが一人逃走に成功。その後追ってきたヒーローを振り切れないと考えるや否や人通りの多い表通りに出て通りかかった女の子を人質に取ったのだ。

 彼の個性は"指で弾いた物を高速で打ち出す"個性であり、彼を追ってきたヒーロー達は全員近距離タイプの個性である為手が出せないでいた。

 

「さあ、こいつを助けたかったら車を用意しろ!」

「クッ・・・!」

 

絶体絶命かと思われた――――

 

 

――――その時

 

 

「そこまでだ」

 

「ンッ!?」

 

 敵が声のした方向に振り向くと一人の男が立っていた。

 彼は暗い緑色の学ランのようなコートを着てブーツと手袋を身に着けており、視界を広くする為か前半分ほどがガラス張りのヘルメットを被っている。

 歳は十代後半ほどで背が高く襟元までの肌色の髪、鼻の上にはテープが貼ってある。

 

 そして()()()ハンバーガーを食べており傍から見れば緊張感の欠片もない。

 

「ゴクッ・・・一緒に来て貰おうか、大人しくするならこいつを分けてもいい」

 

 男はバーガーを食べ終わると包み紙をポケットにしまい左手に持っているバーガーのマークが書かれたビニール袋の()()()を掲げる。

 

「てめぇ、ふざけてんのか!」

「なッ!危ない!」

 

 しかし敵からすれば明らかに挑発している様に見えたのか右手に持っていたパチンコ玉を男に向けて親指で弾いた。

 

 

弾かれたパチンコ玉はまるで銃弾のように加速して男に向かい飛んで行った――――

 

 

――――しかし

 

 

「何ッ!?」

 

 すでに其処に男は居なかった。

 

「痛って!!」

 

 横を見ると先程の男が電柱にぶつかっていた。直前までバーガーを食べていたせいでバイザーを上げたままにしており、思いっきり鼻からぶつかっていたが鼻血一つ垂らさずに敵の方を向く。

 

「よせって、ヒーローとはいえ一日に何度も個性を使いたくはないんだ」

 

「クソッ、人質がどうなってもいいのか!!」

 

 個性の相性が悪いと感じた敵は女の子の頭にデコピンをする様に手をかざした。

 

「指を弾いて物を飛ばす個性か・・・面倒だな」

 

 そう言った瞬間まるで突風に吹かれたように敵の体勢が崩れた。そして気が付くと腕の中から女の子が消えており、振り向く時には既に男が他のヒーローに女の子を預けている所だった。

 

「こいつ・・・いつの間に!!」

 

 

敵がポケットからパチンコ玉を取り出し構えようとした瞬間――――

 

 

「無駄だって!」

 

 

――――既に敵は地面に組み伏せられていた

 

 

「全く、また明日も筋肉痛だ」

「有難うございます! "稲妻(いなずま)フラッシュ"!」

「じゃあ後の事はそっちに任せていい?」

 

そう言って現場の後処理を他のヒーロー達に任せて立ち去って行く稲妻フラッシュと呼ばれた男。

 

ヒーロー名 "稲妻フラッシュ"

本名 "呉蘭(ごらん) 有様(ありざま)"

個性 "高速移動"

 

 

 これは「DARKER THAN BLACK -流星の双子-」の第一話で恵まれた容姿と能力でありながら速攻で死んだゴランが「僕のヒーローアカデミア」の世界でヒーローになる物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。