雄英高校3日目。
オールマイトが雄英高校の教師となったことで門の前はマスコミで溢れかえっていた。
「そこの貴方!オールマイトの授業はどんな感じですか!」
「別に普通でしたよ」
「あ、ちょっと!もう少し何かありませんか!」
オールマイトについて質問された呉蘭はどうでもよさそうな態度で返事をしながら、追ってくるマスコミを無視して校門を潜って行った。
「急で悪いが、今日は君らに・・・学級委員長を決めてもらう」
「「「「(学校っぽいのキター!)」」」」
朝のHR、相澤先生から昨日の戦闘訓練についての話を聞いた後、学級委員長を決めることになった。皆やりたいようで一気に教室は騒がしくなった。
「静粛にしたまえ!多を牽引する責任重大な仕事だぞ!やりたい者がやれるものでは無いだろう。」
「周囲からの信頼有ってこそ務まる政務。民主主義に則り、真のリーダーを皆で決めるというのなら、これは投票で決めるべき議案!」
「「「「腕そびえ立ってるじゃねぇか!!」」」」
自分もやりたいと言うのに、態々投票制を発案した飯田。成程、やはり真面目な男だ。と思った呉蘭であった。
投票の結果
緑谷3票 八百万2票 呉蘭2票 麗日・尾白・轟・葉隠0票 その他1票
となった。
「僕3票!?」
「あれ、2票入ってる」
「ぼ、俺に1票入ってるだと・・・一体誰が!」
「「「「(お前は他に入れたんかい!)」」」」
「じゃあ委員長は緑谷、副委員長はジャンケンでもして決めろ」
「なら俺辞退するわ」
「ええー折角入れたのにー」
「俺も入れたんだけどな・・・」
「お前らだったのか」
という訳で委員長は緑谷に、副委員長は八百万に決定した。因みに飯田に入れたのは呉蘭である。
昼休み、食堂にて。
「もー酷いよ呉蘭くん!折角私が入れてあげたのに!」
「君なら似合うと思ったんだけどなぁ」
「悪いな。というか何で俺に投票したんだ?」
「戦闘訓練の時、直に作戦を思いついて俺達に的確に指示を出したり、想定外の事態でも冷静に分析してたから君が適任と思ったんだよ」
「うんうん!何だか特殊部隊引き連れていそうな感じがした!」
「どういう感じだよ」
『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外に避難して下さい』
尾白と葉隠の三人で食事をしていると突然警報が鳴りだした。
「えっ!なにこれ!」
「セキュリティ3って?」
「何者かが校内に侵入したっていう事だ」
「それって不味くないか!」
「それも不味いが、今はこの状況の方が不味い。見ろ、出入り口に人が詰まって上手く進まない」
「わわっ、本当だ!」
食堂の出入り口はパニックになった生徒で溢れかえっていた。
「(この状況・・・さて、どうするか)」
呉蘭が状況を打破する方法を考え始めた、その時。
「皆さん!!大丈ー夫!!」
食堂に飯田の声が響いた。
「ただのマスコミです!!何もパニックになることはありません!!大丈ー夫!!」
「ここは雄英!!最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう!!」
飯田の声で生徒たちは落ち着きを取り戻していった。
「何だ、ただのマスコミかぁ」
「人騒がせな奴らだな」
「・・・(ただのマスコミにセキュリティが突破された?)」
その後、緑谷が昼の事件での行動を理由に飯田を委員長に指名した。
雄英高校、校門前。
其処には、粉々にされたセキュリティシャッターがあった。
「どうしたら、ただのマスコミにこんな事が出来る?」
「唆した者がいるね。邪な者が入り込んだか、もしくは宣戦布告のつもりか」
マスコミ騒ぎの翌日。
「もう大丈夫だファミリー!MISSOURI!!SMASH!!」
バシィ!!「ぐあああああ!!!」
「なぜなら私が・・・通勤がてらに来た!!」
現在オールマイトは敵を倒しながら通勤していた。
「遅刻すると・・・やばいんだけどなぁ!!」ドッ!!
「(・・・ん?速度が落ちた・・・緑谷少年に、
平和の象徴オールマイト。彼が平和の象徴として君臨できる時間は、実はもう余り長くないのだ。
自身に残された時間を考えながら、腕がナイフのようになっている敵の前に降り立った。
「もう大丈夫、何故なら・・・私が「待ちたまえ、オールマイト」・・・ん?」
声がした方を見ると、建物の屋根に一人の男が立っていた。
「その敵の相手は私だよ」
そう言うと男は浮き上がり、敵とオールマイトの間に降りてきた。
「君は・・・」
「オールマイト、君は今通勤中だ。遅刻寸前で色々と
「・・・ああ」
「もっとも、私も
「お前ら・・・何の話をしてんだよ!」
そう言って敵が男にナイフとなった腕を突き刺した・・・
だが――――
「何!?」
――――刺さっている筈の男の体からは一滴も血が出ていなかった
「人を箱に入れてサーベルを刺すマジック。アレは色々なやり方があるけど、ある種があるんだ。最も、君のような敵には教えてやらないけどね」
すると何処からともなくカーテンが下りてきて、二人の姿が見えなくなった。
そして数秒後、パサッと地面にカーテンが落ちると其処には誰もいなかった。
「オールマイト」
声がした方を振り向くと、ロープで拘束された敵と男が立っていた。
「敵には構わず雄英に向かってくれたまえ。貴方はもう十分過ぎるほど戦ったんだ。だから、もっと
「・・・すまない、ありがとう」
そう言うとオールマイトは跳び出していった。
「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、それともう一人の三人体制で見ることになった」
「(なった・・・特例なのかな?)」
「はい!何するんですか?」
「災害水難なんでもござれ、レスキュー訓練だ」
午後の授業は、校舎から離れた施設での救助訓練をすることになった。施設へはバスでの移動となり、飯田が張り切り過ぎて空回ったり、爆豪がクラスメイトに揶揄われたりしていたが無事に着くことが出来た。
『皆さん、待ってましたよ』
建物の入り口の前には宇宙服のようなコスチュームを着た人物が立っていた。
「スぺースヒーロー・13号だ!災害救助で目覚ましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」
「わー!私好きなの13号!」
『早速中に入りましょう』
「「「「よろしくお願いします!」」」」
こうしてレスキュー訓練が始まった。
「すっげぇ!USJかよ!」
建物の中にはドームが幾つもあり、様々な災害現場が再現されているらしい。
『あらゆる事故や災害を想定し、ボクが作った演習場です。その名も、「
「「「「(本当にUSJだった!!)」」」」
すると相澤先生が13号先生に近づき何やら話し始めた。
「13号、オールマイトは?ここで待ち合わせる筈では?」
『先輩、それが・・・通勤時に活動時間をだいぶ使ってしまったみたいで、大事を取って仮眠室で休んでいます』
『すまん。一応まだ少し余裕があるから、授業の後半あたりで顔を出すから・・・本当に申し訳ない!』
「不合理の極みだなおい・・・仕方ない、始めるか」
『えー始める前にお小言を1つ、2つ・・3つ・・・4つ・・・・』
「「「「(増える・・・)」」」」
『皆さんご存じだと思いますが、ボクの個性は"ブラックホール"、どんなものでも吸い込んで塵にしてしまいます』
「その個性で、どんな災害からも人を救い上げるんですよね!」
『ええ。しかし、簡単に人を殺せる力です』
そう言われた瞬間、場の空気が真剣なものになる。
『皆の中にもそういう個性がいるでしょう』
『超人社会は、個性の使用を資格制にし、厳しく規制することで一見成り立っているように見えます』
『しかし、一歩間違えば容易に人を殺せる行き過ぎた個性を、個々が持っている事を忘れないでください』
『相澤さんの体力テストで、自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘訓練で、それを人に向ける危うさを体験したかと思います』
『この授業では、心機一転。人命のために、個性をどう活用するか学んでいきましょう!』
『君たちの力は、人を傷付ける為にあるのではない。助ける為にあるのだと、心得て帰ってくださいな』
『君たちよりも
『君たちも負けずに頑張ってください。以上!ご清聴ありがとうございました!』
「「「「おおおおおおおー!!!」」」」
13号先生の話が終わった途端、皆の歓声が上がった。
「よぉし、そんじゃまずは・・・」
相澤先生がそう言いかけた途端、突然施設の照明が落ちだした。そして・・・
「ッ・・・!!」
中央の噴水から謎の黒い靄が現れた。
「一塊になって動くな!!13号!生徒を守れ!」
「・・・!なんだありゃ!」
黒い靄の中から、体中に手を着けた男を中心に大勢の人間が現れた。
「また入試の時みたいな、もう始まってんぞパターン?」
「動くな!!」
相澤先生はゴーグルを掛けながら言った。
「あれは・・・
少し呉蘭の影が薄くなってしまいましたがご了承ください。