ヘイローナイツ    作:漬けまぐろ

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最初に謝らねばなりません、前話でブルーチームのプロフィール写真を用意すると書きましたがどうも思うようなブルーチームを作れなかったので別の形を取らせて頂く事を。

改行になれず前半と後半で改行率がおかしい事を。

そもそも面談までにすらも進んでないとかとんだお笑いですわ~!(スワイヤー並の感想)

と言うわけで次回は面接に先駆けてブルーチームのプロファイルを投稿してからそれらを参考に本編の続きを投稿したいと思います

前書きが長くなるといけないので本編をどうぞ・・・


10/31 02:31 ご意見により修正&加筆をしました!
多分違和感無くなったんじゃないですかね(希望的観測)



─ 方舟 ─

 

 

 

 

数間秒の間にレユニオンをこれでもかと痛め付け、最後にロケット砲で粉微塵に変えた謎に満ちた飛行装置

 

胴体の両脇には悠々自適に翼を広げる大鷲の紋章が描かれている

 

ロドスにも飛行装置は存在するがこれほどの火力を詰め込んだUNSCの飛行装置はさぞや高額で希少な最新型なのだろうとロドスの飛行装置で空を飛んだことがあるオペレーターは思うだろう

 

3機の飛行装置はゆっくりと道路の真ん中に堂々と降り立つと操縦士と思わしきスパルタンⅡに似た装甲服の人物が3人、1人が白基準とグレーのアクセント、一人が黄色基準と緑のアクセント、一人が黒基準と赤のアクセントと色が違うだけで全く同じ造形の装甲服を纏っていた

 

 

 「同部隊で色が違うという訳でもなさそうだが、何故色分けされてるんだ?」

 

 「各部隊からの実力順さ、あの黄色のヤツは前にウォーゾーン(VR戦闘システム)の模擬戦でやり合った事がある」

 

 

スパルタンⅣの装甲服の色の違いに気がついた角が2本生えた女性の先陣オペレーターに対して斜め前にいた104が顔の位置を変えずに口を開いて答えた

 

いい加減前述してきた単語の説明が無いまま新しい単語をポンポンと発言するのは辞めて欲しい、『崖の隙間を通る瞬間に058がパイロットキルして輸送機ごと墜として全滅したから始まる前に終わったけどな』とカラカラと笑いながら語っていた

 

 

 (笑い事じゃないだろう・・・どれだけ狙撃の才を花咲かせるつもりだ・・・)

 

 

教官として十人十色、百人百様、千差万別なオペレーターを育成してきたがこれ程まで純粋な殺しに特化した者はスパルタンⅡが最初で最後だとドーベルマン教官は後々そう語る事になる

 

圧縮した空気が抜ける音と共にカーゴハッチが開く、中は思ったよりも小さく見えるがこれが輸送機なのだろうか

 

そんな事をアーミヤが考えているとスパルタンはさっさとペリカン輸送機に飛び乗っていく

 

 

 「ロドスまで送るけど、どうするのかしら?」

 

 

087から言い渡された相乗りの提案、渡りに舟とはこの事だろう、たがこうも簡単にホイホイ釣られる形で信じて良いものだろうか?

 

視線がアーミヤとドクターに集まる

()()に乗ればロドスなんで目と鼻の先だろう、何を躊躇(ためら)う?そんな視線

 

確かにその通りだ、スパルタンⅡが属する組織の飛行装置に同乗させて貰えればロドスまで一時間も掛からない、しかし徒歩で移動することになれば移動都市の外に隠しておいた補給物資を使用してもどれだけ早くても1日では帰れない

 

・・・視線が痛い、今こうして戦場に居るのはわかってはいるが女性陣は皆10~20代の者しかいない

 

アーミヤはニアールに目配せするが当の本人(ニアール)は『?・・・??』といった様子でアーミヤを見返した

 

『早く帰りたい、熱いシャワーが浴びたい、ベッドで休みたい、レーション(携帯食糧)ではなく温かい食事を取りたい』

 

言葉に出さずともなんとなくだがアーミヤはオペレーター達の思考が読み取れてしまった、それ以上に徒歩ではこのチェルノボーグからの脱出前に時間切れで災厄に巻き込まれかねない

 

ならば私が言うべきは・・・

 

 

 

「皆さ──「載せて貰っても、いいんじゃないかな」

 

 

アーミヤが口を開こうとした瞬間にドクターが先に口を開らきアーミヤは驚愕した

 

あぁ・・・ドクター・・・なんというか、こう、もう少し疑いというモノを・・・

 

こんな状況になってはオペレーター達の(たが)は効かないだろう、責任者の1人がOKサインをすんなりと出したのだ

 

無言の視線による圧にアーミヤはもう致し方ないとペリカンから眺めてくるスパルタンに体を向ける

 

 

 「別に何か要求する訳でもないわ、ただロドスについて詳しく教えてくれればいいの」

 

 「その通り、企業機密を言えって訳じゃないぜ?面接前に面接先を調べるようなモンさ、そっちからすりゃ企業のアピールになるしデメリットは無いだろ?」

 

 

こちらの気も知らず簡単に言ってくれる

高い殺傷能力を持つ兵器を満載した飛行装置は数機所有しているというだけで小国の軍事力を覆す技術力の証明にもなり得るのだ

 

スパルタンは意図していないだろうがロドスにとってスパルタン達の行動次第では十二分に脅威となるだろう

 

そして先も言ったが今は()()があまりにも無い、後の事は後の事だ

 

 

 「・・・わかりました、ロドスの社概要でしたら機内にてお話しさせて頂きます」

 

 「・・・いいんだな?アーミヤ、ドクターも」

 

 

Aceが後ろから声を掛けてくる

ドクターは「確信は持てないけど、彼らは()()()じゃないと思う」と言いアーミヤは顔だけをAceに向け軽く相槌をするとAceも「・・・わかった」とだけ言った

 

完全に着陸せずに50cm程のホバリングをしているUNSCのペリカン輸送機に次々と飛び乗っていくロドスのオペレーター達

 

恐る恐るといった者

安堵のため息をする者

警戒し尻尾が逆立った者

高所恐怖症で尻込みする者

 

 

 (なんつーか、愉快な連中だ)

 

 

口にすることなく《移動動物園》と思うだけの104

それに対して117が「口には出すなよ」と釘を指してきた、思うだけならタダなんだぜ?チーフ

 

ひとまず収用を完了し飛び立とうとするペリカンのパイロットから機内通信が入る、チーフはそちらを向いた

 

 

 「・・・マスターチーフ、西方300mの廃墟ビルから所属不明の人物を3名確認、指示を」

 

 「・・・モニターを見せろ」

 

 

マスターチーフがそう言うとカーゴ内の天井から円盤状のテーブルのような物が降りてくる、吊るしワイヤーもドローンのようなローターも無くふわりふわりと浮遊している

どのような構造なのだろう・・・

 

モニターもフレーム無しで投影式、円盤の外枠になぞるように鮮明に写し出されたモニターの向こうには確かに近場のビルに3名の人がいた

その内1人が叫ぶより怒鳴るような仕草で両手をひたすら振り続けている

 

 

 「ズーム、指向性集音レーダーを向けろ、3番機は崖のスナイパーを先に拾え」

 

 『オーイ!!コッチに気付けーー!!』

 

服装からして学生のようだ、女子3名が助けを求める中ペリカンの内1機がチェルノボーグを離れる、この3番機は移動都市郊外の崖を陣取るスナイパーを拾う為にスラスターを水平にし高度を取りながらその場から離れて行った

 

それをこちらに気付いていないのかと思ったビルの3人は更に身振りを多くしてこちらに存在をアピールする、中々に口が悪いのはこのウルサスの血筋の類いなのだろうか

 

 

 『ハァ!?オイ何だよ!あぁっクソが!!コッチ見えてんだろーー!!?』 

 

 『なぁチーフ、置いてけぼりも何だ、拾ってやろうぜ』

 

 「2番機はダメよ、(600kg弱)チーフ(700kg弱)で1トン以上重量取ってるわ、104(700kg強)の1番機ならまだイケるわ」

 

 

隣の1番機に搭乗する104から笑いの入った震え声の通信が入る

無視するには流石に罰が悪いのだろうか087も104の肩を持った

 

 

 「SPARTAN-Ⅱは市民に貢献──でしょ?」

 

 「それはUNSCに登録されてる植民地惑星の正規市民のみだ」

 

 「屁理屈言わないの、まだ子供よ?1番機パイロット、寄せてカーゴを開けて」

 

 『おい、俺に押し付けるのか?』

 

 

そんな不服そうな104に言い出しっぺの法則は知ってるかと087が言うとそれに納得したのか『む・・・』と口を閉じる104

 

正直な所087はスパルタンの中では比較的高いコミュニケーション能力がある104に初めから押し付けるつもりであったのだ、104も087が何故あの()()()()を押し付けてきたのかを何となく把握した

 

 

 (087のやつ・・・俺達はこの(テラ)の住民ではありませ~んって説明しろって?冗談キツイぜ・・・)

 

 

ビルの屋上に機体を付けカーゴハッチを開ける、助けが来た事で喚き散らしていた熊耳の茶髪と前髪にメッシュを入れた学生が先程よりは明るい表情になった

 

ロドスのオペレーター達に手を借りてペリカンに乗り込む3人の()()()

 

しかしどうだろうか、カーゴのど真ん中に陣取る2mを優に越える巨人を見た途端に1人が斧を振りかざしてきた、しかしそれを「お?」と、言いながら悠々と避ける104

 

 

 「えぇっ!?ちょっと《ズィマー》おねぇちゃん?!なにやってるの?!」

 

 

ロドスのオペレーター達はそれを見てざわざわと騒ぎだした、そんな事知るかと言わんばかりに振り下ろされた斧を返し切り上げてきた所を104は腰から大型の肉切り包丁にしか見えない巨大なコンバットナイフで斧を受け止めた

 

 「かきんっ」

 

金属同士が重なり火花が散る、ズィマーの手は力が込められているのか震えているのに対し104は普段と何の代わり映えもなく相棒(ナイフ)を握っている

 

 「ハイハイ、お前は・・・ズィマー・・・だったか?この輸送機は俺らUNSCの所属なんだが?」

 

 

それに加えて「まだ続けるなら降りな、出口はあっちだ」そう言うと斧を持ったズィマーはムスッとした顔で舌打ちしつつ空いている座席にドカッと座り腕と脚を組んだ

 

 

 「はぁ、なんだかな・・・」

 

 

一体俺らが何をしたっていうんだ

ナイフを指先で軽く回し仕舞いながらそんな文句を1人ごちた

 

 

 「えっと、たぶんおにーさん(104)を暴徒の人と勘違いしちゃったんだと思います」

 

 「あ?俺が、暴徒?・・・あー・・・そうか・・・そういうことか、すまなかった」

 

 「・・・?」

 

 「こっちの話だ、ほらもう動くから席に座ってな」

 

 

()()()()()()?104に謝罪を入れた《グム》はその言葉の意味が分からなかった

 

104が他のスパルタンと合流する前に行っていた()()とは周辺に彷徨うレユニオンや暴徒といった放っておけはスパルタンとロドスに対して必ず害になる()()()()の排除である

 

ビルの屋上からアーマースラスターを併用したグランデング・バウンド(高速落下攻撃)と時速80km/hから繰り出される飛び膝蹴りで蹴り飛ばし自慢のナイフで頸動脈を刺しては切り付けるを繰り返したにも関わらず全ての敵を仕留め切れていなかった故に数少ない生存者に被害に及んだ

 

ロドスとの接触時における自身に割り当てられた仕事のミスだと104は詫びの言葉を発したのだった

 

 

 (・・・)

 

 

そんなやり取りを見ていたAceと少し陽気な男性オペレーターは気付かされる、一見奴らは悪魔かと思うような隙の無い研ぎ澄まされた剣刀のような時もあれば、こういった微かに人間臭さも多少は残されているのを知る事ができた

 

誰かの傷を知る者はその為に力を振るえると

 

104の謝罪内容がどういった意味合いがあるのか自体をAce達が理解するのは暫し先になるのだが・・・

 

チェルノボーグを離れて数分、完全に霧を抜けた頃チーフはミョルニルアーマーの通信機よりも強力なペリカンの通信機を使用しインフィニティへコンタクトを取っていた、曰くペリカンの通信波長を変更すれば霧の内側と外側で遮られていても通信が可能になるとの旨であったがもう過ぎた事だ

 

 

 「()()()1()1()7()よりインフィニティ。ブルーチームはロドス・アイランドの責任者2人と接触、協力体制協議の言質(げんち)を取得。これよりペリカンで直接ロドスへ向かい協議に向け情報収集を行う」

 

 『・・・こちらインフィニティ艦載AIローランド、ロドスとの協議と情報収集の件了解しました、インフィニティもペリカンの位置情報を元にロドスへ移動させます。何か必要な物は?』

 

 「・・・ある程度こちらで収集した鉱石病(オリパシー)という不治の病に関するデータを送る。何かしらの成果があれば交渉の席で使えるかもしれない、解析班と医療チームの見解が知りたい」

 

 

マスターチーフから送信されたデータを粗方流し読みするローランド、テラの衛星軌道に引き寄せられたあたりからローランドも独自に調査をしてはいたがやはり半月間しっかり練り込まれたデータには僅かな差で敵わなかった

 

UNSCトップクラスの性能を持つローランドは少しの悔しさとロドスの脆弱性を調べるよりもロドスの鉱石病に対する取り組みを重点的に調べていた事に感心する

 

104の記述・・・手の内を粗探しして亀裂に(ノミ)を突き付け脅すのはもっての他だ、同じ知的生命体として最低限の助力ができるのであればそうするべきである

 

058の記述・・・その上でこちらも慈善事業で軍を運営している訳ではない、あくまでロドスとの共生をインフィニティのスリップスペースエンジンが修復されるまで続けていかなければならない

 

087の記述・・・幸いな事に中世のような世界ではなく現代社会に近しい技術と《オリジニウム》による技術とある程度発達した技術を複合した技術が存在するテラの人々がいた事に安堵する

 

117の記述・・・鉱石を使用した技術は後々UNSCに恩恵を与えることになる、それらを習得するためにロドスとの技術交換を行い必要であればUNSCからの技術譲渡・戦力提供も必要と判断

特に鉱石病については入念な調査を行い成果を出せば交渉の材料として重宝するだろう

 

マスターチーフの計画にしては少し珍しい方針だがその調べと真相が正しければロドスとの協議を有利に進められるだろうと考えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・ドクター?」

 

 「うん?」

 

 

 ペリカン輸送機に静かに揺らされるロドスのオペレーター達の話し声の中にまた2人の声が混じりだす

 

少しばかり低いトーンの少女の細々した声、輸送機の僅かなエンジン音と風切り音で擦り切れてしまいそうな程

 

 

 「ドクター、もう済んだ事を掘り返す気はありません、ですが1つだけ教えて下さい」

 

 「・・・何を?」

 

 「UNSC(スパルタンⅡ)を、受け入れた事です」

 

 

機体側面の風防から外観を眺めていたドクターは視線をアーミヤに移した

 

 

 「・・・正直、自分も今になって思い返すと正しいのか正しくないのかわからない選択だった気がするよ、けど・・・なんて言うんだろうね・・・」

 

 「(117)に、何故か心が引き寄せられてしまったのかもしれない」

 

 「私は・・・この先UNSCが介入することによって、世間をより一層騒がす事態が起こり得る気がして・・・」

 

どことなく寂しそうな少女の顔にドクターはマスクの下で僅かに目を細める

 

アーミヤはカーゴの床に視線を落とす、少し腰を浮かせて再度深く座席に座り直す

 

 

 「でも、心のどこかで私は・・・・・・いえ、何でもありません」

 

 

そこでアーミヤは口を紡いだ

 

ドクターと同じだった

 

心のどこかであの無口な男(マスターチーフ)に引き込まれていた

 

先の戦いの中心に居た訳でもないのに

 

不思議と沸き上がった高揚感

 

背中を見ている内に、ぽっと湧いて出た信頼感

 

 

 「カリスマ性──だろうな」

 

 

アーミヤの隣の座席に座っていたニアールが答えた、いつの間にそこに座っていたのだろうか

 

 

 「・・・幼少の頃に何度も聞かされた寝物語だ、どこにでもいる平凡な少年が優秀な騎士になり国を救った英雄になる物語だ」

 

 

ニアールがぽつりぽつりと御伽噺(おとぎばなし)を始めた

 

曰く少年は赤茶色の丸刈り頭で

 

そばかすと隙っ歯が目立ち、笑窪(えくぼ)が印象的な少年

 

勉強も、才能も、平均的な普通の少年

 

騎士になりたかった訳でもない

 

国がそれ(普通)を許さなかった時代

 

気が付けば、いつの間にか、勝手に騎士になっていた

 

騎士教官が言う「お前達は、特別なのだ」と

 

騎士見習いとして宮殿近衛兵でさえ裸足で逃げ出す訓練を

 

騎士見習いとして聖堂神官でさえ首を傾げる難解な座学を

 

訓練で見習いが何人も死んだ

 

座学で見習いが何人も狂った

 

部屋で見習いが何人も自殺した

 

逃げ出した見習いが何人も処刑された

 

雷槌の鎧を与えられる為に魔術師達に身体を魔術で強化された

 

雷槌の鎧を与えられた見習いは騎士となった

 

そんな名誉ある騎士達は8年かけて育成された秘密裏の存在だった

 

恋沙汰する若者と、家の手伝いをする若者と同じ歳の騎士達

 

だがそんな彼に与えられたのは国に反する者達の暗殺

 

影に潜み命を刈り取る、死より深い闇の使者達

 

だが程なくして戦争が始まった

 

果敢に戦い、仲間を失い、窮地に立たされ、敵を葬る

 

戦争に勝利した我が国は国土も人民も疲弊していた

 

嘗て少年だった彼は英雄として語られた

 

彼は「私は騎士だ、やるべきことをしたまでだ」と言った

 

「私は、英雄ではない、これまでも、そして、これからも」

 

《伝説の剣を携えた勇者》や《誰もがひれ伏す大賢者》や《街ひとつを地図から消せる魔法使い》にすら成し得なかった英雄の称号

 

英雄の称号を得た、ごく普通の国に従順な騎士

 

しかし彼を知る者達(騎士)は皆こう語る

 

「彼は良くも悪くも普通だった、だが、誰にも負けない強さがあった」

 

「幸運の女神様が嫉妬してしまう程の運の良さと・・・決して折れず何度でも立ち向かう()()が、彼にはあった」と──

 

 

 

 

 

 

 

 「以上だ、あの男(117)がそれに当てはまるかは、知り得ないがな」

 

 

ニアールの知る普通の騎士の英雄譚

その騎士は傲ることなくただひたすらに戦う使命に従順であったこと

 

 

 「英雄になる男は背中で語る──そういうものだ」

 

 

不思議な話だ、とドクターとアーミヤは聞き入った

 

 「カリスマ、かぁ」

 

 「カリスマ、ですか」

 

 

2人の声が重なるといつの間にか纏わりついていた不安は払拭された気分になっていた

 

 

 (意外な所で単純なのだな・・・)

 

 

ニアールはそんな2人を致し方無いかのように見つめていた

 

 

 「話は済んだか?」

 

 

そこで話が終わるのを待っていたかのように117が話し掛けてきた

 

待ちわびたように感じてしまうがその言葉に棘は一切感じられなかった、純粋な意味で良いタイミングを見ていたのだろう

 

 

 「はい、問題ありません」

 

 

ドクターがそう返す、彼らにはこの飛行装置の中でロドスについて話しておく約束をしていた、決して忘れていたわけではない

 

 

 「簡潔にで構わない」

 

 「わかりました・・・改めて、私はアーミヤと言います、こちらはドクターです」

 

 「先程までのあらましはご存知かと思いますので、私はロドスのCEOを務めています」

 

 「正式な名称は《ロドス・アイランド製薬》製薬会社と名を売っていますが、詳しくは後述します、私達ロドスは致死率100%の治療法が存在しない感染症──鉱石病(オリパシー)の治療と研究を行っています」

 

 

アーミヤは一度息を整え再度語りだす

 

 

 「感染者の保護や治療も行ってますが様々な地域や種族からもロドスにやって来る感染者も数多くおりロドスの()()として所属しているのです」

 

 

アーミヤはここまで言うと周囲の座席に座ったオペレーター達を見る

 

 

 「・・・全員が鉱石病なのか?」

 

 

マスターチーフが合間を割って入る

 

 

 「いいえ、感染してなくとも私達ロドスに手を貸してくれる人々はいます・・・そこにいるドゥリンさん・・・レンジャーさん・・・アンセルさんも非感染者です」

 

 

マスターチーフは小さく頷く、「話を続けてくれ」という意味だろう

 

 

「鉱石病感染者の人々は、医学的な社会からの迫害や蔑視を行うがあまり感染者と非感染者の衝突も多くこのテラで社会問題になっています」

 

「私達ロドスは、そんな不安や、やり場の無い怒りに染まった感染者たちの鎮圧なども業務の1つとして承っています」

 

「時には制圧や強襲などの強行手段も辞さないケースも最近は多々ありますが・・・」

 

 「誇るべきか、恥じるべきか・・・先も申し上げましたがロドスは製薬会社ではありますが非常に優秀かつ熟練の戦闘員なども募集してます、感染者絡みの事案が発生した際には適切に編成したオペレーター達を出動させ感染者の捕縛も行います」

 

 「ですが無償での治療は行っていません、ここにいる()()()()()()()()の皆さんからは()()()()治療の対価として受け取っています」

 

 「・・・」

 

 

マスターチーフは微動だにせず依然として黙り込んでいる

全てを遮断するヘルメットのバイザーの奥の彼は一体何を考えているのか一切が不明だったがヘルメットが僅かに動くと彼から言葉が出た

 

 

 「なら、子供であっても貧困なら()()、と・・・?」

 

 

彼がそれを口にした瞬間場の空気が文字通り一変する

 

凍てつく真夜中の凍土に投げ出されたような寒気は確かにマスターチーフから溢れているのがわかった

 

緊迫した空気をモロに浴びたアーミヤは悟る

 

彼──いや、()()に対して子供を戦地に送り込むというのは決して触れてはいけないキーワードだったのだと

 

その実、087は奥で腕を組み彼を止める事なく壁に背を預けている

 

 

 (回答を誤れば──殺される・・・!)

 

 

場に圧倒され固唾を飲む──タルラを単独で撤退にまで追い込み直属の部下を殲滅した狂ったかのような戦闘力を持つ戦略兵器が目の前で怒りを露にする

 

だがアーミヤもここで折れる訳にはいかなかった、正直この場で「二度と子供を戦地に行かせず無償での治療を約束する」──そう言ってしまいそうな程、彼の拳が悲鳴をあげてしまう程、『めりめり...』と聞こえるくらい強く握られていた

 

 

 「確かに・・・残酷かもしれません」

 

 「・・・」

 

 「ですがこれは私達(テラ人)の領分です、私達なりに、生き長らえる為の、《死》への反抗でもあります」

 

 「・・・もしこのテラもあなた達UNSCの植民地であったなら話は別です・・・」

 

 「教えてください、なぜ・・・どうしてそこまで()()に固執するんですか?」

 

 「・・・こちらの話だ、関係はない」

 

 「そう、関係はないんです」

 

 「・・・」

 

 「・・・いつか、時が来た際でも構いません、ロドスに心を許した時にでも話して下さい、私にだって子供を送り出す事に対する呵責も葛藤もありますから・・・」

 

 「時代を紡いだ大人も、これからを担う子供も、糾弾されてる感染者も、感染に怯える非感染者も、みんな平等な命なんです、死んで良い人なんていません」

 

 「私は、そう思って今まで立ち向かって、きました・・・あなたは、違いますか?」

 

 「・・・」

 

 「それに、何も全員が戦闘要員になっている訳でもありません、ロドスは鉱石病の治療を施し、治療を求めて来る人達もロドスに協力してくれてるんです、戦闘オペレーターとして1年実績を積めば後方支援にも転属ができるようにもしています、これはお互いが・・・双方が納得できる方法の1つなんです」

 

 「・・・分かって、頂けましたか?」

 

 「・・・理解はした」

 

 

チーフはバイザーに隠れた目を一度閉じる

この星の事情は確かにこちらには関係ない、しかし静観することもできなかった、本来であればこの事項はUNSC上層部が判断を下すケースであった

 

かといって不必要に介入するわけにもいかない、いくら作戦参謀に意見進言できる最先任上級兵曹長という立場(階級)であっても両者共々同意した契約でもあるロドスとオペレーターのwin winな関係性

 

彼等スパルタンⅡにとって戦地に赴く子供は過去の自分達と嫌でも重ねて見えてしまう、昔を彷彿とさせてしまうからだ

 

マスターチーフは自分達がクローンと入れ替えられた翌朝の《メンデス最先任上級兵曹長》に意見していた既に死んでいるスパルタンⅡ候補生の言葉を思い返した

 

 

 『僕たちが戦えば、もう、誰も悲しまなくてすむの?』

 

 

子供が戦い、死ぬのは自分達(スパルタンⅡ)で最後かと思っていた

 

そもそも人類とルーツが異なるこの(テラ)の住民と相反するのはチェルノボーグに投げ出された時から分かっていた筈だ

 

このテラで必死に生きようとする人々からすればそれこそスパルタンⅡの意見なぞ余計なお世話かもしれない

 

彼ら(テラ人)の因果に、余所者である我々(人類)が押し入ってしまって良いのだろうか?

 

マスターチーフはそこまで考えた後、拳から力を抜き一歩下がった

 

・・・彼女(アーミヤ)の覚悟は見せて貰った

 

ならば、深くまでは関与はしないが、せめて同じ部隊として派遣される際は、1人でも多く命を護れるように()()も尽くそう、と

 

 

 

 

 

パイロットから通信が入る

 

大きな箱のような物が見えてきた

 

 

 

「あれが・・・ロドスです」

 

 

悪魔を説き伏せたアーミヤは、少し誇らしげだった──

 

 

 

 




スパルタンⅡの過去

アーミヤの覚悟

物語の行方

謎のメニュー、ロドスタミナ丼

投稿してから気が付く誤字と修正




私のリミテッドピック結果です、お納め下さい

☠エイヤ☠+1凸(3凸目) 濁心スカジ+1凸 ケルシー無し動画(バングあり動画) アカフユ完凸

凸するより無凸確保したいタイプなのでWさん欲しかったなぁ・・・エイヤはシュバルツさん差し置いて来たから決して許されないんだ・・・!

プロファイルより、実際にHALOキャラクターからオペレーターとして使えるなら誰が使いたい?

  • リンダ・プラヴディン
  • ケリー・シャドック
  • フレデリック・エルズワース
  • マスターチーフ
  • ゼル・ヴァダム(アービター)←参戦予定
  • 全員よこせ
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