中津の四季島皇帝生活   作:阿鬼羅

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開戦四季ル戦争

明治37年2月8日四季島帝國はルーシ帝国に宣戦を布告同日第5艦隊と第3軍が樺太に上陸アバロフスキー大佐守備隊3500名を3月8日までに残敵を掃討停泊していた補助巡洋艦アルバーニ号を拿捕した

 

同日第1第3艦隊の駆逐艦隊24隻が旅順港を襲撃戦艦ツェサレーヴィチ、レトヴィザン防護巡洋艦パラーダを大破撃沈し水雷艇13隻を撃沈乃至大破せしめた、翌7日羅先に第1第2第4軍が続々と上陸鴨緑江に展開するザスーリチ将軍率いるルーシ軍27000と交戦3軍合わせ360000と言う大兵力と大量の火砲に物をいわせルーシ軍をすり潰した、観戦武官曰くまるで火力と人の波がルーシ軍を飲み込まんとしていたとの事

 

2月20日ザスーリチ将軍率いるルーシ軍鴨緑江守備隊の敗残兵は奉天に展開するストラリスキー少将率いる師団から3000の来援を受け沙河に後退この時の残存兵力は12000に低下していた翌21日突如遼東半島東岸にアーチボルド大将率いる第1軍が上陸南山、金州城に展開するアクロスキー大佐の守備隊2500を25日までに掃討3月1日に第4軍が旅順近郊に展開旅順を包囲下に置いた、これに焦ったクロパトキン大将は旅順救援に37000をベスーリア中将に与え南下させたこれに対してアーチボルド大将は得利寺にて迎え撃つ構えを取り第1第2第3師団を太平湾方面に展開させ残りを内陸に展開させたアーチボルドとしては敵は太平湾側を通ると推測していたが確証は持てていなかった。対するベスーリア中将は旅順から敵主力は未だ旅順を包囲していると報告を聞き敵の後背をつけると思い警戒せず太平湾側の街道を邁進していたベスーリアは第1軍と第4軍の2個軍が上陸しているとは思わなかったのである。そして3月10日ベスーリア軍37000は得利寺にて会戦ベスーリアは麾下の騎兵隊を突撃させ白兵戦に勝機を掴もうとしていた。戦前からルーシ軍将校の中には白兵戦至上主義が蔓延していたその事もあり砲弾より肉弾を持って敵陣を粉砕すると言った機関銃が戦場に登場した今となっては前時代的な考え方と戦い方がルーシ軍の戦い方となっていた、対する四季島軍は火力至上主義とでも言える状況となっていた、兵士1人を作るのに18年〜22年(四季島の兵役は中高卒は18歳から大卒は22歳から学業卒業後に2年となっている)弾丸は1日で相当数と弾丸の方が安上がりとなるため弾を惜しむな命を惜しめをモットーにいかに火力を底上げして犠牲を減らすかに焦点を当てていた、その為各師団砲兵が扱う31年式野砲は1門辺り800発の砲弾を会戦前に砲兵隊及び師団本部は蓄える事となり小銃弾は歩兵1人辺り常備150発予備後方備蓄500発歩兵中隊付機関銃1銃辺り常備960発予備後方備蓄3600発機関銃中隊所持機関銃1銃辺り1200発後方備蓄4200発と弾丸だけ1師団に約500万発を補給運搬していた。結果突撃したコサック騎兵はそのサーベルを振るう事なく次々と物言わぬ骸にと成り果てていった、これに驚いたのはトルコ人観戦武官達であったルーシと長年争ってきた彼らはコサック騎兵の恐ろしさを骨の髄まで知っていたその彼らを四季島軍いとも簡単に殲滅していったのだからである。

これに対してアーチボルドは予備として用意していた第6師団を敵後方に移動包囲殲滅する形を取ったこれにベスーリアは気づいたがどうしようもなかった前後を敵に西は海に東は山岳と完全に包囲されたのであった。ベスーリアはどうにか突破できそうな東の山岳に部隊を逃し始めたが突破して部隊を待ってましたと言わんばかりに第2騎兵旅団が襲撃最終敵に旅順包囲陣の外側に到着できたのは僅か1000に満たなかった

 

話は変わりウラジオストックにはウラジオ巡洋艦隊と義勇艦隊の補助巡洋艦モスクワ以下補助巡洋艦4隻が展開していたそして3月12日ウラジオストックに展開する巡洋艦隊は史実より幾分か増強を受けていた(装甲巡洋艦3防護巡洋艦3補助巡洋艦2水雷艇10)そして砕氷船の支援を受け対馬海峡への出港準備を整えていた。

 

旗艦装甲巡洋艦ロシア艦橋

 

スタケリベルク「サハリン(樺太)が落ちたか、出港急げよ対馬海峡で暴れて敵の補給線を寸断するのだ」

 

参謀長「はい」

 

伝令「監視所から伝令」

 

スタケリベルク「何事だ」

 

伝令「て、敵艦隊見ゆとの事」

 

参謀長「なんだと」

 

スタケリベルク「数は」

 

伝令「約40との事」

 

参謀長「我が方の数倍はいますぞ」

 

スタケリベルク「落ち着けこのウラジオストックの防衛網抜けるのなら抜いてみろ、思い上がった四季島軍め」

 

伝令「敵飛行船多数接近何かを投下しているようです」

 

スタケリベルク「何かだと、報告は正確にしろ」

 

参謀長「もしや機雷では」

 

スタケリベルク「空中散布可能な機雷だとありえん、だが事実なら厄介な」

 

参謀長「いかが致しますか?」

 

スタケリベルク「掃海だ水雷艇を出せ、そうしなければ我が艦隊はウラジオストックを出れなくなるぞ」

 

ドカーーーン

 

参謀長「なんだ!」

 

観測員「て、敵の砲撃です、港湾部に命中しました」

 

スタケリベルク「ありえん、この距離だぞ」

 

ドカーーーン

 

参謀長「なんてことだ」

 

スタケリベルク「全艦発進敵艦隊を叩き潰す」

 

参謀長「ですが、閣下」

 

スタケリベルク「このままなぶり殺しに合うくらいならせめて一矢報いる方がましだ、停泊中の義勇艦隊にも出港要請を出せ」

 

 

ウラジオストック沖第2艦隊旗艦装甲巡洋艦出雲艦橋

 

通信士「飛行船竜王丸2世より入電敵艦隊出港せり」

 

参謀長「閣下」

 

伊藤「うむ、合戦用意、支援隊に打電退避されたし」

 

通信士「了解」

 

参謀長「にしてもあの艦がここまで強力とは」

 

伊藤「扶桑型装甲艦の主砲類を取り外して34.3㎝の巨砲を1門積むか、陛下は面白いことをなさるな」

 

参謀長「はい、あの巨弾を食らえばこの出雲とて大破は免れませんな」

 

伊藤「だがその代償に発射速度は低く武装もアレ以外には水雷艇対策の47㎜4門のみだ」

 

通信士「支援隊より入電最終射撃終了これより退避する」

 

伊藤「通信士竜王丸2世に出撃してきている敵の詳細戦力を送らせろ」

 

通信士「了解」

 

 

そして30分後ウラジオ巡洋艦隊及び義勇艦隊はウラジオストックを出港沖に展開する第2艦隊との合戦状態に突入した

 

装甲巡洋艦ロシア艦橋

 

観測員「敵艦隊見ゆ数約20」

 

艦長「20?40では無いのか?」

 

観測員「はい大小合わせ20程です」

 

スタケリベルク「分離したか、しまった敵の狙いはナホトカか」

 

参謀長「ナホトカですか」

 

スタケリベルク「我々を誘い出しナホトカを落としてウラジオストックを攻略する気だ。発光信号でウラジオストックにこのことを伝えよ」

 

艦長「は、はい」

 

ロシアの要員が行おうとしていたその時

 

ドカーーン

 

観測員「リューリク被弾」

 

副長「ヤロスラフより発光信号、ワレ煙突基部ニ被弾セリ」

 

スタケリベルク「撃ち返せルーシ海軍魂を負け続けの陸軍に見せてやるのだ」

 

ドカーーーーーン

 

艦長「なんだ」

 

観測員「ヤ、ヤロスラフば、爆沈」

 

砲戦開始15分後ボガトィーリ級防護巡洋艦7番艦ヤロスラフは破断した煙突基部から機関室に突き刺さった15.5㎝砲弾によりボイラーが水蒸気爆発を起こし爆沈した、ルーシ帝国ウラジオストック巡洋艦隊の悲劇はこれに留まらないその3分後に補助巡洋艦アヴォーラス号が舵を破壊され操舵不能に補助巡洋艦ナホトカ号が空中散布された機雷により浸水転覆補助巡洋艦スモレンスク号ツィレーザ号が多数の直撃弾により戦列を離脱

 

ロシア艦橋

 

スタケリベルク「義勇艦隊は壊滅か四季島艦隊は一度下がったか」

 

参謀長「残念ながら」

 

スタケリベルク「参謀長残存艦は何隻か」

 

参謀長「本艦と防護巡洋艦2艦のみです他の艦は沈むか戦列を離れました」

 

スタケリベルク「進路反転ウラジオストックに引き籠もる」

 

参謀長「それは至難の技かと一度引いたとはいえいまだに敵は至近です下がろうとすればそのまま突入されウラジオストックに侵入されるかと」

 

スタケリベルク「そうだろう、よって本艦は殿を務める、艦長新兵共を退艦させろ」

 

参謀長「僚艦に救助を依頼します」

 

艦長「了解しました」

 

スタケリベルク「初陣で新兵を死なせるのは俺も嫌なのだよ」

 

副長「新兵の退艦完了しました」

 

スタケリベルク「前進、ルーシ太平洋ウラジオストック巡洋艦隊の意地を見せてやれ」

 

「「「了解」」」

 

 

出雲艦橋

 

観測員「敵艦1前進を開始」

 

伊藤「退艦しているから艦の放棄かと思ったが新兵や若いのを逃していただけかな」

 

参謀長「そう思われます」

 

伊藤「敵艦隊に発光信号降伏を勧告してけれ」

 

参謀長「閣下、意味はないかと敵は死ぬ覚悟をしております」

 

伊藤「やはりか、仕方あるまい、なら武人として見事な死を与えよう」

 

艦長「砲撃準備よし」

 

伊藤「全艦主砲斉発、撃て」

 

ドンドンドン

 

ヒューーーウ

 

ドカーーーンドカーーーンドカーーーン

 

 

ロシア艦橋

 

艦長「被害報告」

 

伝令「左舷に被弾、火災発生」

 

副長「主砲射撃不能、副砲群大半が沈黙」

 

スタケリベルク「艦長この艦はまだ戦えるかね?」

 

艦長「残念ながら」

 

スタケリベルク「そうか、皇帝陛下万歳」

 

タン

 

そう言うとスタケリベルクは拳銃を頭に当て引き金を引いた

 

艦長「閣下は名誉の自決をなされた、機関停止降伏する」

 

参謀長「艦長、閣下が自決した事も四季島艦隊に伝えよ」

 

3月12日ウラジオストック巡洋艦隊は壊滅した防護巡洋艦2隻は生き残ったものの修復には1年以上かかるとされた事と必要な資材が満州防衛に回された事により無期限延期の上終戦を迎えた

 


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