明治37年4月1日旅順第4軍司令部
参謀長「5.4.3.2.1、時間です」
秋山「全軍砲撃開始」
砲兵士官「砲撃開始」
この日第4軍は旅順攻略は開始砲兵は持ちうるすべての火砲を旅順に全力射撃していたこの日の為に集められた砲は34年式30㎝列車砲6門28㎝砲24門15cm砲72門10㎝砲24門75㎜砲216門9㎝臼砲864門海軍式15.5㎝砲24門海軍式47㎜速射砲48門兵員海軍砲兵込で150000名また海軍第1艦隊が旅順沖に展開空軍の攻撃型飛行船12隻が空中攻撃を敢行していた、さらに本土から新兵器として37年式多連装噴進砲が用意されたこれは6本の発射レールの上下にロケット弾頭を取り付け発射するもので簡素な構造により急ぎ正式採用がされこの旅順に5基が配備されていた弾着地点はばらつきが出るが射程7200mと良好な射程を誇っていた、また砲弾薬爆弾も30cm砲弾1800発28㎝砲弾72000発15㎝砲弾72000発10㎝砲弾24000発75㎜砲弾172800発9㎝砲弾259200発海軍式15.5㎝砲弾9600発海軍式47㎜砲弾19200発250㎏爆弾720個100㎏爆弾1800個ロケット弾60000発9㎜小銃弾2000000000発と旅順要塞を落とす事が可能な量を本土各地から輸送していた、
ヒューーーウ、ドカドカドカドカドカーン
観戦武官は語るまるで山が噴火したような光景であったと
旅順ルーシ軍司令部
ステッセル「被害はどうなっておる」
参謀「東鶏冠山北堡塁に攻撃が集中」
幕僚「大孤山や203高地、南山坡山前進基地は大半が破壊され防衛不能です」
コンドラチェンコ「まずいぞあの辺りを取られると観測所として利用される、艦隊がやられるかもしれん」
海軍士官「奪還は行われますか?」
ステッセル「厳しいな、敵は100000以上の大軍だ下手に打って出れば返り討ちに合うぞ」
海軍士官「ステッセル閣下は海軍に動けぬまま死ねとおっしゃるのですか」
コンドラチェンコ「貴官、口が過ぎるぞ」
海軍士官「申し訳ありません、艦隊の危機に興奮しすぎました」
ステッセル「構わん」
参謀「とはいえ敵は砲撃するだけで歩兵を突入させてきません」
ステッセル「このままではなぶり殺しか」
コンドラチェンコ「打って出るべき、と言いたいですが要塞の早期陥落はなんとしてでも阻止せねばなりません、それと海軍には出撃していただきたいのだが」
海軍士官「提督にはお伝えしておきます」
開戦当時の旅順には史実より多い戦艦11装甲巡洋艦2防護巡洋艦10駆逐艦12水雷艇15の太平洋艦隊と補助巡洋艦7水雷艇10砲艦10の義勇艦隊が展開していた、無論開戦劈頭の攻撃で損耗をしていたとはいえ充分に有力な艦隊であった
ステッセル「ともかく数日間は様子を見る、海軍も数日間は湾内に立て籠もり防衛していただきたい」
海軍士官「提督にお伝えします」
ステッセル「よろしく頼む、諸君敵は我々の数倍いる陸海の念密な連携を持ってこの要塞を死守!本国からの増援を待ち然る後反撃に転じるよいな」
「「「了解」」」
会議は数時間に渡り行われこのままできる限り陣地に籠もり持久戦を行いつつ四季島軍の出血を強いるとされたが、四季島軍は砲撃を行うのみで歩兵突撃を敢行しなかった
5月5日旅順ルーシ軍司令部
コンドラチェンコ「ええい、四季島軍め正々堂々戦え」
ステッセル「昨日までの被害はどうなっておる」
幕僚「はい大孤山奪還部隊は壊滅付近の前進基地は完全に制圧されましたがそれ以外の陣地には敵は突撃してきません」
海軍士官「海軍は戦艦ポベーダ中破水雷艇7隻撃沈されました、このままではなぶり殺しに」
コンドラチェンコ「海軍は出港して戦ってはいかがか?」
海軍士官「コンドラチェンコ少将、少将は我々海軍に死ねとおっしゃるのですか!」
コンドラチェンコ「そうは言っておらん」
ステッセル「だがこのままなぶり殺しに合うくらいなら出撃してはどうかな、マカロフ提督に聞きてくれるかな」
旅順港内戦艦ペトロパヴロフスク艦内
マカロフ「出撃か、確かに」
参謀長「いかがなさいますか?」
マカロフ「うむ、だがな」
マカロフは悩んだ栄えあるルーシ帝国太平洋艦隊をなぶり殺しに合わせるより打って出て一太刀を浴びせるほうが来援艦隊や陸軍の戦意高揚になるのはマカロフも理解していたしかし見るも無惨に敗れれば戦意は地に落ち栄えあるルーシ帝国海軍の名に傷をつける事にもなる。しかし、悩むマカロフの下に皇帝ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフより督戦命令としての出撃書類が届いたのは6月12日の事であった内容は旅順停泊中の艦艇は武装非武装に関わらず全力出撃四季島艦艇を撃沈すべし。これにより6月15日マカロフは残存艦隊に出撃を命じた、目標はウラジオストック軍港、ここに立て籠もりつつ北海道近海での輸送船撃沈を狙う事となった。しかしその前にマカロフは30歳以下の及び親が生きていて兄弟の居ない者子の幼い者新婚の者を別任務を与え離艦させたそれにより戦力の低下となったが艦隊司令部や旅順要塞司令部はなにも言わなかった
6月17日マカロフ率いる旅順脱出艦隊は戦艦7装甲巡洋艦1防護巡洋艦8駆逐艦9水雷艇5義勇艦隊の補助巡洋艦5水雷艇9砲艦5輸送船3で編成されていた。艦隊内に足の遅い輸送船がいる事や異なる2つの指揮系統を持っていたと後世の歴史家や軍事評論家は批判するが、それはマカロフを愚将と言うより海軍に無知な皇帝ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフの命令書に忠実に従った結果であった。
そして艦隊は速力14ノットで旅順への最短航路を取ったがその様子はすぐさま偵察に出ていた飛行船飛鳥丸4号に捕捉され聯合艦隊司令部のある戦艦薩摩に通報された、長谷川大将は第1第3第4第5の4個艦隊で旅順艦隊を迎撃しつつ北方への遁走を阻止する事を決め黄海沖で迎え撃つこととした。そして6月19日10時8分黄海洋上にて両軍相まみえる事となる
太矢印ルーシ艦隊細矢印四季島艦隊
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ルーシ艦隊は真後ろに第5艦隊後方左舷方向に第4艦隊前方左舷方向に第1艦隊前方右舷方向に第3艦隊に包囲された形となった、マカロフは決意した
戦艦ペトロパヴロフスク艦橋
マカロフ「全艦に伝えよ艦隊右舷回頭前方右舷の敵艦隊を突破しかる後転進1隻でもよい生きて友軍の勢力圏にたどり着け、命令は以上だ、皇帝陛下万歳、諸君等と共に戦えた事光栄に思うぞ」
参謀長「司令長官閣下に敬礼」
ザッ
マカロフ「さて全戦艦装甲巡洋艦前へ他の艦を逃がすぞ」
艦長「砲術狙わんでいい撃ちまくれ、よろしいですな閣下」
マカロフ「構わんどうせこの戦いで最後だ後生大事にしておく意味もあるまい」
艦長「聞いたな砲術」
砲術長「はい」
ドンドンドンドンドンドン
ドカーーンドカーーン
戦艦薩摩艦橋
長谷川「敵は艦隊を分けたか」
ズムウェル「そのようで」
ラントリス「長官本第1艦隊はこのまま前進敵戦艦隊と撃ち合いますが他の艦隊はどうなさいますか」
長谷川「ラントリス提督そう遜らんでもよいぞ我々聯合艦隊司令部は間借りだからね、参謀総長第3艦隊と第5艦隊で逃げ出してる艦隊を叩いてもらえ第4艦隊は敵戦艦隊を後方から叩かせてくれ」
ズムウェル「了解しました」
長谷川「にしても粘るな敵も」
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12時30分を過ぎるとルーシ艦隊は1隻また1隻と沈んでいくだがこの日は波は穏やかで風も無風に近くなかなか沈んでいかなかったしルーシ艦隊も諦めずに砲を撃ちはなっていたこれもマカロフの人徳によるものであったが13時00分ペトロパヴロフスクは被弾艦橋にも被害を受けた
戦艦ペトロパヴロフスク艦橋
兵士「消化しろ」
マカロフ「ひ、被害を報告しろ」
参謀長「閣下御怪我を」
マカロフ「私のことはいい、そういえば艦長はどうした」
マカロフらがあたりを見渡すとそこには物言わぬ骸になった艦長と砲術長や1部参謀達がいた
マカロフ「ぬう、被害を報告しろ」
副長「左舷に被弾15㎝砲射撃不能です」
マカロフ「そうか、副長、貴官が艦の指揮をとれよいな」
副長「了解しました」
観測員「戦艦ヴァストーク轟沈」
副長「装甲巡洋艦バーヤン航行不能」
マカロフ「戦艦カメーゼスも厳しいか」
参謀長「はい」
マカロフ「艦隊の脱出はどうなっておる」
参謀長「駆逐艦2水雷艇5補助巡洋艦2が脱出確実かと」
マカロフ「残りは皆沈んだか」
参謀長「はい」
マカロフ「参謀長私はな反対だったのだよ対四季戦争に、なぜだかわかるかね」
参謀長「いえ」
マカロフ「最初はアラスカを彼の国が買ったときだった、財力で彼らを私は恐れた、財力は軍事力に直結する。そして斉との戦でその恐れは恐怖に変わった彼の国の海軍はとても強力だとね。出来れば手を取り合いたかったよ」
参謀長「閣下」
それはマカロフの真の思い出あり願望でもあった
マカロフ「見よ参謀長あの見事な洋上艦隊包囲陣を我が海軍では真似できぬよ。参謀長今後の海戦は二次元では見れん空中監視を多用した三次元の戦となるだろうな。参謀長脱出しろ捕虜になっても構わん、そして本国に伝えるのだ飛行船や飛行機の開発と配備を急げと出なければ四季島に彼の国の航空技術を得た国々に勝てぬと」
参謀長「閣下それは閣下が」
マカロフ「私はもう長くない、自分の体だから分かる、参謀長最後の命令だく、国を祖国を頼む」
そう告げるとマカロフは静かに息を引き取った享年55歳最後まで海に生き海で死んだ。
マカロフの死は太平洋艦隊の士気を打ち砕く、マカロフの想いを受け取った参謀長は全艦に降伏を命じた
参謀長「四季島艦隊に発光信号我降伏スとな」
副長「了解」
14時1分ルーシ帝国太平洋艦隊は四季島聯合艦隊に降伏最終的に脱出したのは補助巡洋艦2駆逐艦5水雷艇2だけであったそしたその大半が中立国にて抑留されていた。長谷川はマカロフの死を知るとそうか、と一言つぶやき本国に遺体を冷凍保存して送るように伝えるとそのまま苦しみながら意識を失った、それに周りが騒然となるも副長官の東郷平八郎が指揮権を継承3日後の6月22日に長谷川大将は狭心症により勇退。治療の為入院となったその後新長官は東郷平八郎海軍中将を大将に昇進の上任命ここでウィリアム・ズムウェルト中将を推す声もあったが中津は強権を発動し東郷平八郎を聯合艦隊司令長官に任命した。
一方のルーシ帝国ではパニック状態に陥っていた。太平洋艦隊の壊滅によりルーシ帝国は四季島近海における制海権を喪失一応ウラジオストックに巡洋艦隊の残党が残っているが修理剤の不足から修復完了は未定となり遮るもののなくなった四季島輸送船団は大挙して羅先の大規模港湾施設に展観大量の物資を運び込んでいた。これを見た観戦武官は四季島軍はルーシ帝国奥深くまで進撃すると勘違いするほどだった。そしてこの物量を持って遼陽への道を切り開くべく第1第2軍は前進を開始対するルーシ帝国軍もザスーリチ、ケルレル等の諸将に兵を与え迎撃体制を取った