中津の四季島皇帝生活   作:阿鬼羅

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沙河の戦い

遼陽の会戦に勝利した9月1日四季島軍は満州への進撃を開始対するルーシ陸軍は沙河にマチュニク中将率いる20000を奉天にクロパトキン将軍率いる本隊52000が集結さらに本国からの増援15000また追加で200000の増援が到着する予定であったがそれは年暮から年明けにかけてであり到着までこの戦力で維持しなければならなかったそしてこれ以上の突破を許す事のできないクロパトキンはマチュニクに10日持たせるように告げた、対する四季島軍は20000のマチュニク隊に対して遼陽の損害が少なかったアーチボルド大将率いる第1軍約100000に新たに上陸したジェフリー・ギャランドゥー大将率いる第6軍120000そして同時に満州方面軍司令部を設立司令官には南郷晴久大将(前宮城警備総監)を上級大将(戦時特別階級動員解除後は元の階級に戻る)に任命し満州方面における全ての指揮を委ねた

 

9月5日沙河防御陣を視察していたクロパトキン大将の小部隊と地形確認中のアーチボルド大将の小部隊が接敵双方が戦闘体制に入る中500程の満州馬賊が襲来双方は致し方なく共闘その最中クロパトキンを庇い桐田第1軍参謀長が負傷その後戦死クロパトキンも白兵戦を挑んできた馬賊により負傷四季ルー双方の救援がたどり着く頃には大半の馬賊は戦死双方とも負傷者や死体を回収の後手を出さずに帰還その後クロパトキンは今回の傷が元で辞任する旨を皇帝ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフに伝えた皇帝ニコライは辞任を許可後任にオスカル・フェルディナント・グリッペンベルク大将を送ると共に中立国経由でクロパトキンを庇い戦死した桐田中将に勲章を授与した

 

10月3日グリッペンベルク大将が着任グリッペルベルクは諸将を集めこう訓示した「我々は今まで負け続けていた指揮官が悪かった?(間を起き)そんな事はない私の前任のクロパトキン大将はよくその任を全うしていたし死んだザスーリチ将軍やケルレル将軍も自らの責務に殉じ最後まで勇猛果敢に戦い戦死した、我々は彼らの献身を忘れてはならないし無駄にしてもならない。よって我々は勝利する。それが我々の責務であり義務なのだから」こう訓示したあとグリッペンベルクは沙河防衛陣地を視察し兵力不足と大砲の不足を確認するとすぐさま兵70000と野砲400門を配備防衛線を強化した

 

10月15日満州方面軍司令部は立案された冬季攻勢計画を不可能と判断沙河に陣を構え越冬する事を決断し春までに旅順を落とすことを第4軍に通達した。

 

10月21日エングランド沖ドッガーバンクにてルーシ帝国バルチック艦隊がエングランド漁船団を四季島水雷艇団と誤認これに対して砲撃加え漁船2隻を撃沈史実より多い17名の死者を出し砲撃したのを漁船団と確認した後も救助せずドーバー海峡を通過。トラファルガー海戦記念日に発生したこの事件に対してエングランド世論は激高した。

 

群衆はトラファルガー広場に集まり、野蛮人ルーシ海軍どもに対して断固たる措置を取るよう要求しデモを行った。新聞はバルチック艦隊を「海賊」「狂犬」と非難し、国王エドワード7世も「最も卑怯な暴行事件である」と報告書の余白に書き加えた

 

この事を知った駐エングランド四季島大使の中原久秀はハルに急ぎ向かうと犠牲者の葬儀に参列哀悼の意を述べるとした。

 

エングランド国内の世論に動かされたエドワード7世は王立海軍首脳部を召集バルチック艦隊追跡を命じたこれを受け直ちに巡洋艦隊が出撃エスパーニャ王国ビーゴ港まで追跡エングランド政府はエスパーニャ政府にバルチック艦隊へ石炭はおろか真水さえも供給するなら中立違反と考えるとの警告を送った。

 

そして11月5日四季島軍は世界情勢を鑑みつつ第4軍が旅順要塞への総攻撃を敢行11月5日から連日連夜に行われた砲撃によりコンドラチェンコ少将が戦死、必死に建築した防衛線の大半が灰燼に帰したルーシ軍旅順守備隊は11月7日降伏約10000のルーシ兵は捕虜となった。

 

12月に入ると寒さにより戦線は膠着沙河にてにらみ合う形で陸は落ち着いたが四季島空軍は投入可能な全ての最新鋭4型攻撃型飛行船編成の飛行戦隊120隻をシベリア鉄道攻撃に投入シベリア鉄道の満州鉄路のすべてを破壊し尽くした、その後1個飛行戦隊12隻が奉天の補給物資集積所攻撃多数の物資を焼き払った

 

年が明け1月1日四季島軍満州方面軍司令部は2月初頭に沙河、奉天を攻略する月1号作戦を立案第1第4第6の3個軍に第1装甲車軍騎兵統合戦闘団を持ち一気に奉天まで敵陣を突破する事とした。

 

その作戦案に冷水を浴びせたのはルーシ軍コサック騎兵約70000であったグリッペルベルク大将は冬に籠もるだけではなくコサック騎兵による物資集積所焼き討ちによる敵攻勢の阻止を狙ったのだ

 

最初にコサック騎兵の攻撃を受けたのは最左翼に展開するリステマン中将率いる第36師団に襲いかかった

 

1月5日第36師団本部

 

リステマン「敵はコサック騎兵約50000以上か」

 

参謀長「はい」

 

リステマン「第6軍司令部と満州方面軍司令部に救援を要請してくれ、後隣の師団にもだ」

 

救援要請を受けた第35師団は第104歩兵連隊を急行させたそしてコサック騎兵襲来の報を受けた満州方面軍司令部は第2騎兵旅団を急行させると同時に旅順から北上してきたばかりの列車砲隊にルーシ軍沙河防衛陣に対する牽制砲撃を命令全軍に臨戦態勢を取らせた。砲撃を受けたルーシ軍司令部も直ちに反撃態勢を取らせ

た、双方とも決戦の火蓋を切る気は無いハラスメント的な攻撃が全面戦闘状態に突入した

 

双方の司令部が腹をくくった後双方が指示したのは砲撃を強め敵陣を粉砕その後歩兵と騎兵によって敵陣を突破する事だった、グリッペルベルクとしては大量の野砲を持って戦線の一点に風穴を開ける予定であったがその砲兵陣地に36門の30㎝列車砲により大半の野砲榴弾砲が破壊された、グリッペルベルクはこの報告を聞くと即座に沙河の放棄と奉天への後退を指示、後退を開始するルーシ軍に36隻の5型攻撃型飛行船が襲いかかるこの飛行船は対地攻撃用に4連装噴進弾発射管を2基8管装備速射性も効くことから多数のルーシ兵を物言わぬ骸に変えていった

 

 

飛行船天鳳丸5世艦橋

 

斯波「脆いな、そう思わんか船長」

 

船長「仕方ありません中将敵には我軍のような高射砲や高射機関砲がありませんので」

 

斯波「そういうものか、兵が可哀想だな」

 

通信士「司令部からです」

 

船長「読め」

 

通信士「第501〜503飛行戦隊ハ敵陣深ク侵攻シ後退スル敵軍ヲ突キ崩セ、であります」

 

斯波「そうか全船に発光信号我ニ続ケ以上だ、船長高度を少し下げよう船首に取り付けた新型の25㎜の威力を見たいできるかね?」

 

船長「そこはやれとおっしゃっていただきたいものです」

 

斯波「そうかでは言おう命令だ可能な限り高度を落として25㎜砲で敵を粉砕しろ」

 

船長「仰せのままに」

 

斯波義晴中将指揮下の3個飛行戦隊36隻はそのままルーシ軍を猛追大量の噴進弾により推定50000人は殺傷したと言われている

 

 

ドカーーンドカーーン

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

マチュニク「くそ本国のアホどもめ何処が飛行船は脅威になりえないだ、列車砲以上の脅威ではないか、飛行船を撃ち落とす兵器を廻しやがれってんだ」

 

幕僚「中将後退を」

 

マチュニク「わかっている、重量物は捨てていけよ、ライフルやサーベルも無理だと思えば捨てておけ奉天で新しいのを支給させるからな」

 

兵器の投棄や補給物資投棄による鹵獲量は四季島軍をある意味困らせた。放置しておけば満州馬賊に拾われ利用される事を考えれば回収は出来る限り行わねばならぬが前線部隊にそれを行わせれば進軍に関わるし補給部隊に行わせれば補給線に影響が出る。困った満州方面軍司令部は現地に展開している憲兵隊や風紀委員達にそれらの回収を命じた命じられた彼らは可能な限り集めた無論1部は馬賊や現地民に回収されたか未発見であるが回収されただけでモシンナガン小銃150000丁マキシム機関銃150丁サーベル20000振りM1877野砲500門M1900野砲300門M1902野砲80門M1877.107㎜カノン砲100門M1877.152㎜カノン砲80門糧食5000トン軍馬720頭輓馬1500頭輜重車200台その他石炭木炭大量。羅先軍港にて回収された物品の数量確認に立ち会った水月咲希風紀官曰く「2個軍を編成できる」と言わしめたし近衛を合わせた4軍首脳部にこれだけの戦利兵器の使い道を悩ませることとなった。対して兵器や補給物資を失ったルーシ軍司令部も兵器不足に悩むこととなるし特に燃料たる石炭や木炭の不足により兵に暖を取らせにくくなっていた。とはいえはこの物資投棄により身軽になったルーシ軍約70000は奉天に撤退を完了したとはいえは進撃したコサック騎兵70000の内帰還できたものはたったの5000騎あまりであった。そして四季島軍満州方面軍司令部はこの戦果を見て1月10日に奉天攻略作戦月2号作戦を開始ここに四季ル戦争陸の決着と言われる奉天大会戦の火蓋が切って落とされたのだった




まだ沙河だよ何時になったらバルチック艦隊フルボッコに出来るのやら
今後の展開についてのアンケート設置中

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