明治38年2月5日この日ロイ・アーチボルド大将率いる四季島陸軍第1軍約100000は月2号作戦の前衛として奉天に進撃ルーシ軍の名将グリッペルベルクの構築した堅陣を抜かん進撃していた、それに対しグリッペルベルクは複数個の小集団のコサック騎兵による一撃離脱戦法をとり奉天陣地群にたどり着くまで第1軍に出血を強要していた。これに対してアーチボルドは2度目の攻撃でグリッペルベルクの戦術に対処をはじめ4度目には襲いかかってきたコサック騎兵200騎を機関銃のクロスファイアポイントに誘い込み殲滅これによりグリッペルベルクが送り出した12波合計1800騎のコサックの内1000騎余りが討ち取られた。
2月7日奉天ルーシ軍司令部
グリッペルベルク「遂に来たか」
幕僚「はい、敵数約100000との事、前衛だと思われます」
グリッペルベルク「前衛に100000か参謀長」
参謀長「はい」
グリッペルベルク「どれだけ動けるか」
参謀長「兵力420000名いつでも動けます」
グリッペルベルク「違う、全力で戦えるものはどれだけおる。この物資欠乏状態で何時間どれだけの兵が戦えるのかそれを聞いているのだ」
参謀長「……約3日動けて300000を少々上回る程度かと」
グリッペルベルク「そうか、寒いな」
参謀長「確かに寒い戦です」
グリッペルベルク「とはいえこの戦力で勝たねばならぬ、いや負けたとしても我々はよくやったそう言われる戦にしなければならん。よりよい講和の為に」
参謀長「はいよりよい講和の為にも」
グリッペルベルク「全軍に伝えよ射程に入り次第撃ち方始め、時間は掛けれん掛ければ我らの負けとなる」
10時丁度展開を終えた第1軍は砲撃を開始ルーシ側も対抗して砲撃を開始するが事前の空襲により多数の砲類弾薬庫を破壊されたルーシ側の火力は少なくまた1部砲類は築城資材不足や時間不足により露天陣地配備されていた。そのため11時過ぎより戦線に参加した第401.402.403.404.405.406.407.501.502.503の10個飛行戦隊により次々と破壊されていった
グリッペルベルク「くそぉ〜、忌々しい邪竜共め!」
参謀長「第2砲兵陣地壊滅」
幕僚「第1防衛線壊滅状態敵地上部隊突破してきます」
マチュニク「閣下残存部隊を第2防衛線に」
グリッペルベルク「わかっておる。第1防衛線の残存部隊は第2防衛線に下がらせよ、それと予備の部隊も前線に投入しろ、ここが正念場だなんとしても耐え抜くのだ」
グリッペルベルクの激にも関わらず戦況はルーシ軍不利となっていた
ルーシ大尉「くそ四季島めどれだけの砲弾を備蓄してやがる」
ルーシ中佐「泣き言など言うな今は目の前の敵を撃ち殺すことに全神経を使え」
ルーシ伍長「駄目だ防ぎきれない」
ルーシ中佐「白兵戦用意」
ルーシ兵1「スコップは何処だ」
ルーシ兵2「此処にあるぞ」
ルーシ中佐「構えろ」
ヒューウ
ドカン
ルーシ大尉「う、うう、誰か生きてないか?中佐、伍長、全滅か」
わぁーーーぁ
ルーシ大尉「来やがれ」
パンパンパン
タン
ルーシ大尉「ぐはぁ」
各陣地には接近してきた四季島軍に対して白兵戦を用意していたが四季島軍は9㎝臼砲を至近距離で投射各陣地を一箇所一箇所丁寧ね殲滅していった
とはいえルーシ軍の反撃も激しく四季島軍も先陣を切った第2師団は第5連隊長の中岡大佐が戦死副長のファウスマン中佐が指揮を引き継ぐも兵員2000名近くを失うなど参加した第1軍の各師団の損害が2割を超えかけた所でアーチボルドは攻撃中止を命令奪取した第1陣地群を起点に攻撃に移れるように待機し本隊の到着を待った。その夜グリッペルベルクは四季島軍の夜襲に備えある程度の部隊を寝ずに備えさせた、グリッペルベルクとしては四季斉戦役の羅先の戦いにおける四季島軍の夜戦能力を過大に評価していた。グリッペルベルクの頭の中には奴らは必ず来るとそう思い込んでいた。対するアーチボルド大将は夜戦は同士討ちしやすいと軍規模での夜戦には反対する立場であった、そのためグリッペルベルクの備えは無駄に終わりある程度の寝不足の兵士を量産することとなった。
翌2月8日四季島軍本隊が奉天に到着すぐさま南郷晴久満州方面軍司令は攻撃を命令同日9時第6軍第32師団を前衛に突撃多数の戦死者を出しつつルーシ軍を圧迫一時は戦局の劣勢に焦ったグリッペルベルク自ら陣頭に立ち指揮をとりどうにか持ちこたえていた。そして南郷晴久も今日で落ちぬと見るやすぐに後退を命令17時過ぎには戦場は静かになっていた。
四季島軍満州方面軍司令部
参謀「我が方の戦死者行方不明者合計17254名負傷者34571名損壊乃至使用不能な火砲127門装甲車72両となります」
南郷「また派手にやられたものよ。芝村後方参謀砲弾はどの程度残っておる」
芝村「物にもよりますが列車砲弾は1門当たり90発15㎝砲120発10㎝砲150発野砲弾は200発臼砲は150発程度となります」
南郷「補給はどうなっておる」
芝村「厳しい状況です大陸の物資集積所から約600㎞内地から1000㎞以上と補給は細くなっております。予定では明日の朝と夕方にそれぞれ補給が届きます。その内銃砲弾は列車砲弾720発15㎝砲弾2000発10㎝砲弾500発75㎜砲弾15000発9㎝砲弾300000発小銃弾1500000発噴進弾15000発となります」
南郷「厳しいな」
そう言うと南郷は考えながらチラチラと斯波中将を見た
斯波「南郷閣下そうチラチラ見られたとしても空軍にも余力は少ないですぞ」
南郷「無理か?」
斯波「出来て威圧行為と嫌がらせ程度の爆撃が精一杯です。爆弾も残り少ないので」
南郷「そうか、どうしたものか」
ギャランドゥー「此処は一挙夜戦を仕掛けてはどうか?」
アーチボルド「無理でしょうな。大隊や連隊規模での夜戦ならともかく軍規模での夜戦など前代未聞です。同士討ちを起こすおつもりですかな?」
ギャランドゥー「ならどうする補給が届くまでここで待つ気か!」
秋山「ならこうしてはどうだろうか。全砲火を一点に集中して防衛陣の一角を崩しそこに騎兵と装甲車を全力投入勢いそのまま敵の本営を討つ」
穴山「無理だ、そこまで騎兵統合戦闘団に余力は無い」
メイルマン「私の機動軍もよここまでの戦いと行軍軍定数864両の内200両程スクラップになってるのよそれに1個師団は敵コサック警戒に回さねばならないから実際は2個師団以下の部隊よ。ただでさえ補充が少ないのに」
斯波「仕方ないか、輸送型飛行船を使って爆弾の補給を急ぐように本国に伝えよう、爆弾の補充が済み次第全力で爆撃を敢行しようと思う。それまでは陸軍だけで対処してほしいのだがどうかな?」
アーチボルド「ふむ、私としては賛成です」
穴山「それしかないだろうな」
メイルマン「賛成します」
秋山「砲弾がないのではそれしかないだろう」
ギャランドゥー「斯波中将何時頃届きそうかね爆撃は」
斯波「明日の昼頃の便で内地を出ることになっておる。まあ2、3日程度だろう」
中原「ではそれまでは散発的な砲撃と敵の逆襲に備える、そういう事でどうでしょう」
南郷「それでよいと思うぞ中原参謀長」
ギャランドゥー「参謀長に同意だ」
アーチボルド「それで行きましょう」
2月11日ズカリット少将率いる補給飛行船24隻が到着240トンの各種補給品を受領斯波中将は翌日より空襲を再開する事を満州方面軍司令部に通達、この飛行船隊が四季島陣地に何かをした事を確認したグリッペルベルクは空襲を警戒自分の権限で集めきれるだけ集めた気球砲27門を配備迎撃する構えを取った
2月12日天鳳丸5世
斯波「時間だ全船前進爆撃を開始せよ」
午前8時飛行戦隊3個36隻の飛行船による爆撃が敢行された斯波は数が少ないため敵陣の破壊では無く最新鋭の5型飛行船による敵司令部破壊を狙った
ドカーーンドカーーンドカーーン
斯波「敵の対空砲か」
船長「そのようです」
斯波「高度を上げろ上昇高度3500に全船に通達我ニ続ケ」
船長「了解上昇、通信士全船に打電だ」
通信士「了解、我ニ続ケ」
ルーシ軍満州方面軍司令部
グリッペルベルク「邪竜共はどうなっておる」
参謀長「敵飛行船ほ、本営に向かっております」
グリッペルベルク「な、何?敵の攻撃目標はここだと!」
参謀長「爆撃せず来ておりますのでそうかと」
グリッペルベルク「退避総員退避だ予備司令部に移動する、急げ」
「「「はい」」」
砲中尉「撃て、砲身が焼き切るまで撃ちまくれ」
砲兵1「仰角下げろ、装填するぞ」
砲兵2「誰だよ、砲を水平にしなきゃ装填できないように設計したバカは」
砲軍曹「泣き言を言うな。これしかないんだから仕方ないだろ」
当時のルーシ軍高射砲たるM1902.37㎜気球砲(エングランドQF1ポンド砲を元に開発)はクリップ式装填で4発の37㎜砲弾を1度に装填し高度3200mから3600mまで砲弾を届かせたが装填時水平にしなくてはならないと言う弱点を抱えていた、気球相手であればそれでよかったのだが低速とはいえ移動する四季島空軍の飛行船を撃ち落とすには性能不足としか言いようのなかった。
とはいえはこの奮戦により飛行船晴雲丸2世、マルトレーダの2隻を大破4隻を中小破させる戦果を上げたがその代償として27門中25門が陣地毎噴進弾により粉砕された
天鳳丸5世
斯波「2隻大破か敵もやるな」
爆撃手「針路よし投弾コースそのまま、投下今」
ヒューーーウ
ドカドカドカドカドカーン
斯波「どうだ」
観測員「敵司令部施設に命中多数の模様」
船長「閣下」
斯波「うむ、全船高度4000mまで上昇帰投するぞ」
ルーシ軍司令部は爆撃には36隻中28隻の飛行船が爆撃に成功6隻が爆撃前に退避2隻が見当違いの場所を爆撃した。これにより司令部は壊滅。司令官のグリッペルベルクはどうにか予備司令部に移動できたものの指揮系統を一時的に喪失その指揮系統の空白を突き四季島満州方面軍司令部は総攻撃を開始砲弾を残すなと言わんばかりにありとあらゆる火砲が火を拭きルーシ軍陣地を耕し始めた。
司令部との指揮系統を破壊されたルーシ軍は諸将のもと対抗したが砲兵との連携を取れなくなった歩兵隊は各陣で砲兵の援護を受けた四季島歩兵隊と衝突少しずつ押し込まれつつも戦線を維持していた。
そしてグリッペルベルクが指揮系統を再建したときには第2防衛線の大半と第3防衛線の1部が突破され最終防衛線を残すのみとなっていた。
グリッペルベルク「くそここまでか」
参謀長「はい、もはや立て直しは不可能かと」
グリッペルベルク「仕方あるまい、全軍後退だハルピンまで後退しろそこを起点に防衛線を貼り直せ」
参謀長「了解」
四季島軍第5師団本部
参謀長「ヴァイツ師団長敵が後退をはじめています」
ヴァイツ「何?」
伝令「伝令、司令部からです」
参謀長「なになに、師団長、追撃しろと」
ヴァイツ「よし前進ルーシ軍のケツに蹴りを入れてやれ」
「「「はい!」」」
同時刻列車砲陣地
幕僚「島中将、司令部から後退するルーシ軍を吹きとばせと」
島「そうか、着弾観測は?」
幕僚「空軍の春鷹丸4世が担当すると」
島「よろしい、角度修正急げ叩き込め」
ドーーンドーーンドーーンドーーン
ヒューーーウ
ドカーーンドカーーンドカーーンドカーーン
列車砲の砲撃は後退するコサック騎兵に突き刺さり各地より参集したコサック20000騎の大半を黄泉に送った。そして対空砲火のなくなった戦場に動ける飛行船47隻がとどめを刺さんと進撃爆弾を消費尽くした機は陸海軍から掻き集められた9㎝砲弾や47㎜砲弾を爆弾の代わりに投下これによりハルピンに後退できたのは120000を切っていた。この責任を取りグリッペルベルク大将は解任されたが後任の人事は難航した、そのため後任が派遣されるまではマチュニク中将が指揮を執る事となった。マチュニクには最悪ハルピンを放棄しアムール川を防衛線に設定するように命令されていた。
奉天陥落の報を受け取ったルーシ宮廷内では講話の機運が高まっていたとはいえは派遣しているバルチック艦隊とさらなる増援艦隊に持ってウラジオストックを根拠地に補給線を脅かしてからの講話を最良とするとしてバルチック艦隊に全てを託すとしていた