1921年4月1日中津私室
中津「さて、肥大した軍備の統合整備を行わんとね、流石に欧州方面に派遣した独立混成旅団と軽旅団はいくつか解体だな流石に合わせて22個は多い」
独立混成旅団、軽旅団それは中津により構想編成された攻勢、守勢に長けた旅団であった、軽旅団は1個歩兵連隊に1個砲兵大隊迫撃砲と対戦砲中隊で編成される5000人未満の旅団であった
18個編成された旅団は太平洋ドイツ領や西部戦線中央部に派遣されドイツ軍と激突4個旅団が被害により解体された、これにより中津は部隊の解体と再編を考えていた
中津「やはり軽旅団は解体して各地の守備部隊や大陸領の警備隊に回すとしよう、やはり大陸は馬賊が多い、斉が崩壊し治安が悪化しているのわかるが、民国政府も不甲斐無い、そのくせ満州進出をしようとしている、そこまでして満州の発展が羨ましいのかねえ」
当時の満州には大規模な都市が建築されていた、そしてそれを狙う馬賊による襲撃も増えていた
中津「各騎兵隊も頑張ってはいるのだがな、馬賊はまさに雲霞のごとくやってくる、各中規模程度以上の街には警官隊でなく軍の部隊を配備せねばならんな、やるべきかねえ、新型装甲車を含む陸軍改定計画」
この夜中津は陸海空近衛風紀海兵(新設)の6軍の編成を改変した
陸軍
歩兵40個師団6個旅団まで削減
野戦砲兵師団は8個まで旅団は解体もしくは守備隊に編入増強
高射砲兵12個旅団及び各地に大隊規模の部隊を編成及び各守備隊に編入
戦車師団は殲滅型戦車中隊を各連隊に配属し編成本土2個アラスカに3個大陸に5個の計10個編成
守備隊アラスカ、南方、大陸に複数個及び要地に設置
ドイツ、オーハンを中心とする欧州駐留軍の縮小
南洋防衛軍の設置
新型戦車の開発
自走砲の開発
装甲車の開発
新型対空兵装の開発、増産
対戦車兵器の開発発展
海軍
弩級前弩級の退役旧型艦の解体、予定通りA型高速戦艦T型重戦艦を建造する
B型航空母艦を建造する、また完成を待ち鳳翔型までの航空母艦2隻を練習艦に変更する
F型重装巡洋艦の建造と配備
F型を元にした新型重装巡洋艦の建造及び旧型防護巡洋艦の退役
主力艦隊の駆逐艦更新
護衛艦隊の統廃合
領域内の警備艦隊の設置及び旧式艦の配属
艦上機の更新
小型艇部隊の編成
欧州方面艦隊の縮小
空軍
単葉戦闘機開発
1930年代中盤までに4発重爆撃機の開発配備
航空隊の統廃合
練習飛行隊の増員
迎撃機の開発
飛行船隊の縮小
海兵隊
陸軍歩兵師団を元に海兵上陸戦闘師団3個師団設置
上陸用舟艇及び水陸両用戦車を開発
近衛軍
近衛騎兵師団を解散、近衛騎兵隊を設立
近衛歩兵師団を2個に削減
近衛混成旅団を2個に削減
御召艦警備船隊の解体と警備船の海軍編入
風紀軍
風紀統合戦闘団の削減
中津「さて削減して浮いた人員はどうしたものか、ドイツ駐屯兵団も定数を満たしてしまったからな、にしても経済のために金を吐けといったが、まだ経済が治らんか、致し方ないといえば致し方ないのだがな」
中津が考えを纏める中話題に上がった欧州駐留軍では復興計画の失敗の奉告が続いていた
四季島帝國陸軍欧州駐留軍司令部
欧州駐留軍司令官ウォレス・サザーランド大将は執務室に流れてくるドイツ国内情勢の悪化に頭を抱えていた
サザーランド「困ったものだ、情勢不安で共産主義が増えれば逆ドミノになりかねんというのに、本国も戦力を引き抜く可能性もある、手持ちの兵力でどこまで維持できるか」
この当時サザーランドの隷下の欧州駐留軍には解体された第9軍から引き継いだ歩兵3個師団南洋防衛軍として組織改編された第8軍より引き継いだ歩兵2個師団キール軍港に展開する海軍陸戦隊3500名、砲兵2個旅団、戦車2個連隊その他後方支援部隊が展開していた、総数で見れば20万を超えるがこれでオーハン、ドイツ、ベルギウム、ネーデルラント、ルクスブルクを管轄せねばならかった、一応海軍の装甲巡洋艦1隻防護巡洋艦3隻駆逐艦12隻護衛艦20隻特設水上機母艦2隻特設巡洋艦1隻駆潜艇9隻がドイツ、キール軍港、ベルギウム、ゼーブルッヘ軍港に分散し停泊していた、また空軍も3個戦闘機飛行隊108機1個対地攻撃飛行隊36機が展開していた
また就役したばかりの古鷹型巡洋艦2隻護衛艦4隻も派遣されることが決まっていた
しかしこれだけの兵力を持ってしても革命が起きれば抑えきれないと思われていた
サザーランド「せめて弩級戦艦の一隻でもいればいいのだが、ドイツ海軍も弱体化に弱体化を続けている」
この当時ドイツ海軍にはブラウンシュヴァイク級前弩級戦艦5隻ドイッチュラント級前弩級戦艦3隻を中核に艦艇約64隻があったが実際に動かせるのは旗艦ブラウンシュヴァイク以下戦艦5防護巡洋艦7駆逐艦11水雷艇9とたったの32隻であったその他の艦は港に係留され保持管理すら欠く状態であった
サザーランド「空軍も非武装の飛行船4隻、これも書類上の存在だ、まともに飛べるのは2隻だろうな、低迷する経済、それによる税収の低下、軍事予算が減らされつつも景気高揚の資金不足でさらに景気が低迷する、負のスパイラルでしかない」
ドイツ経済に対するカンフル剤として駐留軍の消費が挙げられているがそれもそこまでの効果を作り出せていなかった
サザーランド「駐留軍全軍がドイツに展開していればもう少し良くなるのだがな」
確かに20万人を超える消費者が追加されればドイツ経済にカンフル剤として有用なのかもしれない、特にドイツ各地に建設される駐屯地の建設や清掃業務を四季島帝國欧州駐留軍司令部は民間に委託している、しかしこれは駐屯地のある場所を中心となる
これによりドイツ国内での経済格差が広がっていた、またそれによるパピエルマルクの価値も下落していた
サザーランド「まずいのかね?このままだと」
サザーランドは不味いことになっていると報告してきたのは現地採用の女性財務士官のヘレン・アウスベルネであった
ヘレン「はい、現在都市部や駐屯地のある地域、特に小規模な村にある駐屯地の周辺が顕著ですが商人達はパピエルマルクの受け取りを拒否しかねない状況です」
サザーランド「理由は?」
ヘレン「軍票です、現在の四季島軍票はライヒスメゼルとの交換が可能な疑似通貨、そしてその価値評価を担保しているのは帝國中央銀行です」
サザーランド「つまり?私は経済には疎いのだが、このままだとどうなる?」
ヘレン「ドイツ国内の基軸通貨がパピエルマルクから四季島軍票に変わりかねません」
国内の基軸通貨が変わる、それは経済に疎いサザーランドにも不味いということがわかった、国内の基軸通貨とはその国の中央銀行が発行するものであり、それが他国のそれも軍票になれば発行量は限られる、特に四季島軍は1925年に随時撤兵する予定であった
サザーランド「どうにかできないのか?」
ヘレン「……、現在パピエルマルクは中央銀行のいえ政府の信用度や金備蓄による価値の裏付けがありませんので、そこをどうにかして対処すれば解決できますが、しかし今の我々には手の施しようが、」
サザーランド「うむ、我々の手に余るとしか言いようがないな、本国の財務省に手紙を出すゆえ、詳細な情報と今後の推移表をすぐさま作成してくれ」
ヘレン「了解しました」
この件が四季島帝國財務省に報告され正確で緻密なデータが集まるまでに情勢は悪化の一途を辿っていた、そして7月3日、遂にとある企業が給料として四季島軍票を労働者達に支払ったのである、そして別の企業がパピエルマルクでの取引を拒否そして四季島軍駐屯地のある某農村では農産物の販売を軍票でしか行わないことを宣言するなど、経済的な混乱が広がっていった、これに対してドイツヴァイマル共和国はなんな有効的な手を打てずにいた
中津「なんと無様な、経済支援を要求しておきながらなんら良策を打てぬなど」
マックレーネ「陛下、いかがなさいますか」
中津「プランGだ共和国内に金山を生成させろ、それで少しはましになるだろう」
マックレーネ「御意のままに」
1921年8月ヴェーザー川沿い、アヒムにて金山が発見された、これを皮切りにその周辺で鉄鉱山2箇所が発見されるとドイツ経済に復興の兆しが少し見られたのであった、そしてさらなるカンフル剤として四季島政府は老朽貨物船の代艦建造先としてドイツ国内の造船所に依頼、これはルーシ戦役時前に建造された第一次戦時標準船や先の大戦時に建造された第二次戦時標準船寿命が近いことが影響していた、特に第一次戦時標準船の予定寿命は15年〜18年、既に寿命を迎えている船も多数存在した、しかし、四季島国内の造船所は軍用小型艦の建造にフル稼働中、また建造数も500隻370万総トンとドイツ経済に影響を与えるには充分であった
こうしてドイツ経済は造船好景気を迎えていったのである
と言うことで今年も終わりますね、来年もよろしくお願いします