中津の四季島皇帝生活   作:阿鬼羅

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四季斉戦争終結

明治27年9月12日北京

 

光緒帝「で負けたのかまた、北洋水師はなにをしておった、輸送に失敗し、海戦で破れ、この責任どう取る気か」

 

重臣「提督たる丁汝晶は自死を持って責を取ると」

 

光緒帝「そのような問題では無い、野蛮な国如きに敗北を続けておるのが問題だと言うのだ、で陸は勝てるのか敵は奉天を超えたのであろう」

 

重臣「はい、現在海城付近に展開し迎え撃つ構えを取っております」

 

光緒帝「次は勝てよ、負ければ指揮官は一族皆殺しぞ」

 

「「「御意」」」

 

 

9月13日四季島帝國帝都東京陸軍参謀本部

 

メーリトラン「では次の作戦は第2軍による北京打撃作戦北1号でよろしいか?」

 

レギオス「それでいいかと」

 

島原「ええ、話は変わりますが、アーチボルド大将の第1軍はどうなさるおつもりで、大邱から動かず大白山小白山に防衛線を貼っていますが」

 

メーリトラン「その事だが第3第4師団を引き抜き第1近衛師団とともに遼東半島と山東半島攻略に充てる」

 

レギオス「なるほど北洋艦隊にとどめを刺すと」

 

メーリトラン「そうなる、攻略予定拠点は旅順、威海衛、大連位だろう」

 

島原「海軍の支援はどの程度ですか」

 

メーリトラン「第3、第4艦隊と例の上陸支援艦が参加する予定だ」

 

参謀「なるほど」

 

 

9月16日第3艦隊及び上陸支援隊に護衛され第3、第4師団が金州に上陸金州城守備隊500は上陸支援艦の艦砲射撃により壊滅、これに対して旅順守備隊は騎兵1500歩兵2000を迎撃に差し向けるが艦砲の射程に迂闊に入り艦砲射撃により粉砕されていった、旅順守備隊は第3師団の包囲下に置かれた、第4師団は大連を攻略第4艦隊と第1近衛師団が威海衛を攻略北洋艦隊のうち動ける艦艇は脱出を図るも第4艦隊に追尾包囲されついに降伏した

 

この報告を受けた斉王朝上層部は恐慌状態に陥ったシェナ半島に援軍を送ることが出来なくなるどころか敵の補給路を断つことも出来なくなったためであった、それと同時に光緒帝は重臣らの講和論に押され諸外国に和睦の仲介を依頼した

 

対する諸外国の反応は冷ややかなものであった以前の仲介で無理を言ったのは斉側であったのだこの時の仲介を受け入れていればこうならなかった一部重臣はそう愚痴った

各国の反応は以下の通りである

エングランドは前回の仲介で文句を言って拒否したのはそっちだよなと仲介を拒否

フランカは仲介の旨味のなさと以前からの確執により拒否

プロシアは四季島との関係悪化を恐れて拒否

イタロスはまず四季島とそこまで仲がいいわけじゃないとして拒否

ルーシは条件的に不可能と回答

 

ルーシの外交官曰く「この条件は無理だろ、講話は吹き飛び仲介国が四季島に睨まれる」

 

この一言に尽きる

 

内容は台湾割譲と少額の賠償金の支払いであった

 

一応プロシア外務省が四季島帝國外務省に講話するとしたら条件は?と雑談程度に確認したところシェナ半島の割譲を始めとして上海等に租界、遼東半島、台湾、澎湖諸島など付属諸島嶼の主権ならびに該地方にある城塁、兵器製造所及び官有物を永劫四季島帝國の物と認める。賠償金として25億帝國メゼルの支払い捕虜の交換、シェナ半島、遼東半島、台湾、澎湖諸島など付属諸島嶼に住む住民の強制退去を条件としてプロシア外務省宛に回答された、また仲介した国に対してある程度の利権を与えるとしていた、この利権に食い付いたのはプロシアとフランカそれにルーシであった、利権としては四季島帝國領内のアガレメウス島(小笠原諸島南30㎞にある史実には無い島)のアベラウゼス金山とフライゼント銀山それにラトライア炭鉱の産出量の5%の利益若しくは現物を入手する権利を与えるとしていた

 

この利権に食い付き仲介を買って出たのがプロシアであったプロシアとしては四季島との関係を深める狙いもあった、そしてプロシア外務省はまず四季島政府にどこまでなら引けるかを確認、四季島外務省の回答は次の通りであった【我々としては38度線以北と大邱までの占領地の割譲と遼東半島、台湾、澎湖諸島など付属諸島嶼の主権ならびに該地方にある城塁、兵器製造所及び官有物を絶永劫四季島帝國の物と認める。賠償金として25億帝國メゼルの支払い捕虜の交換】以上を条件としつつも賠償金の額については要相談とした

 

プロシア特使が北京にて斉王朝重臣らや光緒帝と話し合う間にも戦況は四季島有利となっていく9月30日に四季島航空隊が北京近郊の陸軍基地を空爆被害は微小なれど光緒帝等王朝上層部の心胆を寒からしめた

 

10月2日飛行1個艦隊20隻による大規模空爆を敢行この空爆で北京守備隊指揮官周沢来が幕僚毎戦死司令部施設も壊滅した、ここに至って光緒帝は一撃決戦電撃講和掲げ、決戦の為に奉天方面に展開している第2軍との決戦を命じた

 

10月8日斉軍72000が陣地構築を終わらせ第2軍本隊到着を待っていた第10歩兵師団と第6工兵連隊及び第1独立混成旅団に接敵

この時指揮官の林来虎には2つの選択肢を取れた1つは野戦陣地を構築し敵と睨み合いを続ける、もう1つが敵を粉砕し陣地を奪い取る、林来虎が取ったのは後者であった、来虎としては面倒な陣地構築をするより眼前の陣地を奪い取り改修した方が速く布陣出来るとの判断であった

 

その考えを読んだ第10師団師団長長谷川中将は中央後方の砲兵陣地から離れ鉄条網が手薄な左翼第3壕陣地を守る第30歩兵連隊に主攻線を貼りつつ右翼第2壕陣地を守る第28歩兵連隊に第2線を張り戦力の分断を図ると仮定、中央第1壕の第29歩兵連隊に両翼陣地援護を命じると同時に第1独立混成旅団から1個大隊を引き抜き第3壕陣地の増強をした

 

そして10時丁度左翼陣地に斉軍は公馬岳率いる騎兵隊2000を先頭に歩兵15000が突撃を刊行した、それを援護するために中央と右翼にそれぞれ歩兵10000ずつを突撃させた、それに対して各陣は機関銃の掃射と海軍からパクった47㎜速射砲の速射で対応していた

 

ドカーーンドカーーン

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

斉兵「くそ火力が違いすぎる」

 

斉士官「ええい砲兵はなにをしている!何故撃ち返さない」

 

斉伝令「だめです敵の砲兵と撃ち合ってこっちの支援は出来ないと」

 

斉士官「くそ、ええい撃ち返せ、突撃しろ」

 

「「「わあーーーー」」」

 

ドカーーンドカーーン

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

 

林来虎「ぬう、なんと堅い野戦陣地を、砲兵はどうした」

 

参謀「敵の砲兵により既に3割がやられました」

 

林来虎「公馬岳の騎兵隊はどうした!」

 

参謀「敵の猛射に退けられました」

 

斉士官「将軍、中央と左翼(四季島軍から見た右翼)部隊から援軍を求めてきています」

 

林来虎「両隊に5000ずつ増援をだす、それと本隊も前進主攻線に参加するここには、砲兵と、それの護衛合わせて20000を残せばよい」

 

「「「はい」」」

 

13時27分本隊含め3方に合計15000が援軍に向かうがそれと同時に第3陣地攻撃中の公馬岳が戦死騎兵隊も100余りを残す程度になっていた、その頃長谷川は敵主力が前進してきたのを確認し勝利を確信した、何故なら長谷川の下に第8第9師団が迂回して敵の後背を突くことが伝えられたからであった

 

 

林来虎「まだか、まだ取り付けないのか」

 

参謀「はい」

 

伝令「将軍た、大変です」

 

林来虎「どうした!」

 

伝令「後背に敵多数、砲兵隊が撃滅されました」

 

林来虎「護衛の兵はどうした!」

 

伝令「敵は20000を超える大軍で奮戦虚しく破れました」

 

参謀「将軍、どういたしますか」

 

林来虎は軍刀を握り鞘から抜くとそれを掲げ振り下ろしながら叫んだ

 

林来虎「全軍突撃、前方陣地を制圧、然る後反転北京に帰還する」

 

参謀「将軍」

 

林来虎「逝くぞ参謀、全軍俺に続け!」

 

そう叫ぶと林来虎は軍刀を振りながら突撃

 

「「「わあぁーーーー」」」

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

 

四季島大尉「怯むな撃ちまくれ」

 

四季島兵「くたばれ」

 

タンタンタンタンタン

 

ダダダダダダダダダダダダダダ

 

ドカーーンドカーーン

 

四季島大尉「軍曹」

 

四季島軍曹「はい、なにか?」

 

四季島大尉「貴様確か狙撃の成績よかったよな」

 

四季島軍曹「はい」

 

四季島大尉「あの指揮官を狙え」

 

四季島軍曹「了解」

 

四季島大尉「頼むぞ」

 

四季島軍曹「そこだ」

 

カチ、ダン

 

 

林来虎「グハァ」

 

参謀「将軍、将軍!」

 

斉士官「将軍!」

 

林来虎「参謀、指揮権を李、李翼雲に継承する」

 

そう告げると林来虎は息を引き取った、指揮権を引き継いだ李翼雲は撤退を決意後方の敵突破して北京戻るように命令を出したが指揮系統の混乱から相当数の部隊がそのまま敵陣に突撃を続行後方に向かったのは李翼雲指揮下の兵など約6000程度であった、この脱出部隊を第8第9師団は斜線陣を組突撃してくる脱出部隊を受け流しつつ殲滅していった、最終的に脱出出来たのは2000を切っていた。

 

そして10月12日四季島第2軍北京を包囲翌13日北京守備隊降伏、翌日光緒帝は条件付き降伏文書に調印、内容は

38度線以北と大邱までの占領地の割譲と遼東半島、台湾、澎湖諸島など付属諸島嶼の主権ならびに該地方にある城塁、兵器製造所及び官有物を絶永劫四季島帝國の物と認める。賠償金として20億帝國メゼルの支払い捕虜の交換上海、天津等に租界の設置海軍軍備の制限がなされた

 

 

 

 

艦艇紹介

 

上陸支援艦

常備排水量4,900トン

全長 114.2m

水線長 112.4m

全幅 14.91m

吃水 5.44m

最大速力24.3ノット

航続距離14ノット14000海里

燃料石炭1900トン

乗員580名

兵装

40口径25.4㎝連装砲2基4門

40口径 7.5㎝単装高角砲6基6門

9㎜機関銃10挺


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