銀河英雄伝説 ファニー・ウォー   作:ブッカーP

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おわりに

 

 どうも。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 いやー、長い長いこのシリーズもやっと終わりましたです。終わってみたら50万字ということで、文庫本4冊ぐらいですか。めっちゃ長いですね。

 

 どういう動機でこんなものを書いたかについては、大体前の後書きで書いたので、参考にした作品をちょっと紹介したいですね。あと私なりに登場人物の短評なども書きます。あと、これからやりたいことも。

 

 

【お世話になった作品群】

 

 PBM銀河チェス(参考:http://pbmls3.web.fc2.com/2015masterNote.pdf)

 

 ご存じの方はご存じとは思いますが、数年前に、銀英伝を題材としたPBMのゲームがありましてですね。私の知り合いも何人か参加しておりました。このゲームは、何人もの参加者を集め、銀英伝の作中の人物をロールプレイしてもらいます。当然ながら、帝国と同盟に分かれます。そして、与えられた情報を基に自分なりの物語を紡いでもらうというものです。詳しくは参考URLをご覧ください。

 

 で、いろいろ小ネタを拝借させて頂きました。まぁ、参加者にはすぐ気づくものでしたけどね。参加者の方で、本作品を読んでいただいた方もいらっしゃったそうで、汗顔の至りであります。自分はプライベートで時間がなかったので参加できなかったのですが。

 

 

 同盟上院議事録~あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争~ 作者:兵部省の小役人

 (URL:https://syosetu.org/novel/239075/)

 

 多分、本作をご覧になった方はこちらもご覧になっているものと考えております。ポリティカルな部分はかなり参考にさせてもらいました。まぁ、コア・セクターとアウター・リムという言葉はスター・ウォーズから頂きましたけども。

 

 銀英伝Ⅳでは、地方の星系の衰微っぷりは目を覆うものでした。まぁ、帝国が攻めてくるから発展のしようがないのです。

 

 

 

【登場人物について】

 

 

 ヤン・ウェンリー

 

 御存知このお話の主人公。少佐どまりの男が本当に少佐どまりで、それで軍のキャリアが終わりかと思いきや仕事上のトラブルでフェザーンに飛ばされてしまい、そこでもっと大変な騒動に巻き込まれてしまいます。

 

 洞察力、観察力は有り余っていますが、原作で出てくる所謂「戦場の霧が効かない」チートスキルについては、この場で出てくることはありませんでした。原作では上に物申すか、部下に命令を出すかのどちらかで、「首より下は価値がない」とすら言われていましたが、この作品では他人に振り回され、汗かき足を運び、肉体派の仕事をこなさなければなりませんでした。最後にライフルを使うシーンもありましたが、当たったかどうかは分かりません。右も左も分からない世界で悪戦苦闘、時にはボケ役もやらざるを得ないヤンはどうだったでしょうか。

 

 個人的には第二章で異世界体験をしているヤンは結構好きでした。他人にあっさり騙されるヤンは他ではあまり見られないものと自負しています。第三章は「不敗の魔術師」、その片鱗をほんのちょっと見せてくれたかもしれません。あれから艦隊勤務に転身するところでこの話は終わりになるんですけど、宇宙艦隊という異世界でまたいろいろと揉め事に首を突っ込まざるを得ないのでしょうね。でも他人の苦闘を鼻で笑って傍観するようなところはあまりないかなぁ。この世界のヤン・ウェンリーは。

 

 士官学校時代のネタを少し用意していたんですけど、それを出す機会はありませんでした。戦史研究科戦場心理学専攻、卒業論文は「ベトナム戦争テト攻勢における群集心理と戦略に与えた影響」とかそういうの用意してたんですよ。

 

 

 ラオ

 

 結局第一章以外では出番はありませんでしたが、ヤンの推理を組み立てる上での立派なワトソン役を果たしてくれました。あれからヤンの後を継いで立派な総務課長になってくれたのでしょうか。でも、平時から戦時に切り替わって、ヤンと再会する時は思っても見ない所で出会うのかもしれません。

 

 

 ユリアン・ミンツ

 

 原作とは全く異なる出会いと別れだけど、原作と同じく運命の交差は存在する、という本作品のコンセプトを真っ先に果たしてくれたショーオープナーでした。母親はいないけど、父親はいるし、立派なフライングボールのプロ選手になったでしょう。久保建英、大谷翔平のような。カリンとの接点があるかどうかは……わかりません。

 

 

 オリビエ・ポプラン

 

 恐らく、原作のような戦乱の時代でしか生きられなかったキャラで、今回の世界では肩身の狭い思いをしていたでしょう。もう少し生きていれば、無人戦闘艇の戦闘妖精(シルフィード)達を率いる仕事ができたでしょうか。そういう生き方はポプランに合っていたのでしょうか。

 

 

 リヒャルト・フォン・グリンメルスハウゼン

 フリードリヒ4世(本作品ではフリードリヒ・フォン・ゴールデンバウム)

 

 元ネタを練る時に一番か二番にやりたかった人物ですね。二次創作で絶対ないと断言できる組み合わせだったので。もしフリードリヒ四世が転生人物だったとしたら、さっさと帝国を捨てて亡命するというのはアリなんじゃないか、とは思いましたが、本作の世界では亡命したから帝国と縁が切れるかというとそうじゃない、というのが基本設定にありました。多分、全員が全員そうじゃないですが、帝国と同盟、亡命を繰り返す人居ると思いますし二重国籍もやろうと思えばできる。ということは、帝国にとって本当の危険人物は、同盟に逃げても消されるリスクがあるということなんですよね(同盟の場合は、帝国に居る協力者にやらせるでしょう)。

 

 こちらの調査では、灰色計画事件当時グリンメルスハウゼンは78歳、フリードリヒ四世は60歳だそうで……こう見ると、結構グリンメルスハウゼンは年上なんですね。放蕩王子の面倒を見る原作のグリンメルスハウゼンはどういう人物だったんでしょうかねぇ。やりたい放題している殿下の面倒を見るのは、中年になってアラフォーになったグリンメルスハウゼンなわけですから。

 

 

 クリスチアン

 

 第六話でちょっと出させてもらいましたけど、原作では武力を笠に着る戦争狂みたいなキャラでした。じゃあ戦争がない世界だとどうなるかというと、なんかああいう悪徳警官というか、要注意団体とも付き合いがあって、なぁなぁで抑えて大事にしないとか、そういう存在になったかもしれません。もっとどす黒い悪徳役人にしてもよかったんですけど、悪役書くの下手。自分が。

 

 

 フレデリカ・グリーンヒル

 

 第二章以降のヤンの副官的存在(副官ではない)。でも第一章のラオのような、ワトソン君的役割は果たしません。本作品では、ヤンがボケ役をやりツッコミ役もやらなければなりませんから、それを受け止めたり、逆にボケる役を用意しなければなりません。フレデリカにはそういう役割を担ってもらいました。原作では、所謂ボケとツッコミは対ヤンではあまり頻繁ではなく、むしろ対ユリアンでそういう関係が成立していたように思えます。

 

 で、フレデリカを出すに関して一番困るのは「エル・ファシルの馴れ初めがない」ことですよね。原作は、あれでフレデリカの行動指針を決めているところがありますから(フジリュー版銀英伝なんてまさにそれですし)。

 

 出すにしてもどうやってヤンと接点を持たせるか、もしそれができないなら出すのをやめるか、でも出したいよねぇ。読者も期待しているし。で、考えたのがドワイト・グリーンヒルを超親馬鹿にして、親の意向で箱入りで育てられたフレデリカ、でも外ではじけたいフレデリカの願望を知らず知らずのうちに叶えてしまうヤン・ウェンリーという構図ができました。

 

 フレデリカ・グリーンヒルは、石黒版アニメ、DNT、道原かつみ版アニメ/漫画、フジリュー版漫画、全部違っていてそれがまた面白いところですね。でも、本作ではキャラの作り方を原作と変えなければならなかったので、感想欄にも書きましたけど土台となるキャラを他作品から持ってきました。『ウマ娘 プリティーダービー』のミホノブルボンなんですけどね。だから、空気を読まずに思わず口が出ちゃうキャラになりました。もしかしたら、どこかでヤンに「ふぇーではありません」と尻たたきするフレデリカがいるかもしれません。

 

 

 ムライ

 

 フェザーン編で一番反響の大きかったキャラになりました。まぁ当然ですね。キャラ崩壊どころの話ではありませんでしたから。

 

 フェザーン編というのはつまりはスパイもの。でも、ヤン自身は全くの素人で経験も何もない。というわけで、ヤンを振り回して活用する人物が必要でした。で、恐らく原作でも本作でもあまり立場の変わらなさそうなムライを抜擢したわけです。ムライのキャラデザをするにあたり、いろんなキャラからネタを取ってきました。シャーロック・ホームズしかり、攻殻の荒巻課長しかり、戦闘妖精雪風のジェイムズ・ブッカーやリディア・クーリィとか、Fate/stay night(最近は単にFateと書くとFGOの意味になるらしい)の言峰綺礼とか。あ、もちろん原作もそうですよ。

 

 でもムライの立場って結構危うい。大使館の非合法活動に投入する軍事力を持っていて、独断専行やるし、台詞はCall of Dutyのジョン・プライスをパクってるし(一部だけですが)、この世界のムライは特殊部隊のリーダーとして非合法任務をやっていた過去があってもおかしくないですね。実は、螺旋迷宮のムライも、本当はああいうキャラだったかもしれません。

 

 

 ラインハルト

 

 おかしいなぁ。この作品では脇役のはずなのに、トップクラスに反響が大きかった人物。

 

 姉上が後宮に行かない。でも貧乏だからそのままだと生活が立ち行かない。下手すると姉上が体を売らざるを得なくなっちゃうので軍隊に行かざるを得なかった人物。まぁ、ラインハルトほどの能力があれば、それを活かさないと国そのものがやっていけないのが当時の北朝でした。国がどんどん個人に権力を売り渡し、買った方は好きなようにそれを使うという体制なのでラインハルトがどれだけ栄達しようと周囲が何かを言うことはありません。おまけに、ラインハルトを庇護する有力者まで居るので原作とは正反対です(まぁ、原作でラインハルトを庇護していたのは、何故か本人の得意な前線勤務に出して、何故か軍功を掲げたら昇進させる帝国軍というシステムだと思うのですが。辺境惑星で倉庫のコンテナを数えさせる仕事を二、三年やらせておけば勝手に腐るのに)。

 

 本作では結局それが出てくることはありませんでしたが、多分この世界のラインハルトは原作よりずっと強いんですよ。屈折がなくて美学を表に出さないでしょうからね。だとするとライトノベルの主人公としてはちょっと適していないかもしれない。この世界のラインハルトは、回廊の戦いなどやらないでしょう。干殺しにできるなら平然とやります。

 

 この世界のラインハルトは宇宙を手に入れられるでしょうか。それは分かりません。原作と比べて不利な要素は積み重なり、有利な要素は少ないです。でも、長生きはして欲しいなぁと思います。晩年、孫がリヒテンラーデの伝記を読んでるのを見て、それを咎めるでもなく「学のある人だった──真の愛国者だった」と呟いたりしたら、めっちゃエモくないですかねぇそれは!

 

 

 キルヒアイス

 

 本作がキルヒアイスの死で終わるのは、まぁ最初からそういう構想だったので、それはそれで仕方ないのです。後方から刺されて死ぬのも最初から決まってました。『ニーベルンゲンの指輪』でそうなってますからね。

 

 銀英伝という世界を鏡写しにした本作世界、その歪みを一身に背負った存在です。ラインハルトが陽ならキルヒアイスが陰を背負う、そういうルールが最初にあるのです。原作だとキルヒアイスはラインハルトをコピーした存在なのですが(だからオーベルシュタインがそれを警戒するんですよね)、本作ではその心配はありません。むしろ、キルヒアイスがオーベルシュタインを上手く使いこなす。だから、キルヒアイスの死後、オーベルシュタインは特に苦労することなく、ラインハルトの参謀長として活躍することになるでしょう。トップにとって必要不可欠なナンバーツー、そしてトップには絶対になれないナンバーツーです。

 

 で、キルヒアイスは戦闘のセンスが全くないんですけど、陰謀とか情報工作のスキルはチートレベルです(でも最後あんなのに引っかかってしまったのは痛恨事)。そういう能力持ちがアンネローゼにベタ惚れなわけで……多分ろくな結末にならないだろうなぁ、と思った結果ああなりました。キルヒアイス側もオン(仕事)とオフ(プライベート)の切り替えをちゃんとやらなければならないし、アンネローゼ側もオンのキルヒアイスを見ないようにする努力が必要かもしれない。

 

 

【今後やりたいこと】

 

1、書き直し

 

 結構、前後と噛み合わない箇所とか説明不足の箇所とか、単に誤記とかあったりするので、それをチェックして読みやすくしたいですね。資料と突き合わせると間違っていたりするかもしれないので、それを直したいです。

 

2、外伝

 

 もともと刑事ものを指向していたのに、第二章から脱線してしまっていたのでそれを埋めるものを書きたいと思います。書ければ。例えば以下のような。

 

 あり得ないことが起きる。それが世界だ──

 

 憲兵中尉ヤン・ウェンリーの事件簿

(1).クリストフ・フォン・ケーフェンヒラーの死

(2).彼岸花(リコリス)の少女

(3).sweet sugar nightmare

 

 まーた題名だけ考えて他何も考えてない……

 

3、エタっている他の作品を再開させるか、新作

 

 銀英伝か、それ以外の作品か、やってみたいです(熱意だけ)。構想はあるけどまぁ実行に移すのは難しいのですが。この作品がここまで来れたのも皆様のお力添えあってのことですからね。イゼルローン要塞の建設から破却までの話とか、そういうのとか。構想はあるんですけどね。

 

 

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