銀河英雄伝説 ファニー・ウォー   作:ブッカーP

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第一章あとがき

 あとがき、という名の第二章へのブレインストーミング

 

 

 皆様こんばんは。

 

 拙作をお読みくださいまして、ありがとうございます。

 

 このような後書きを書くべきかどうかは迷ったのですが、縦書き機能でPDF化すると結構しっくり来るので、書いてみようと思いました。

 

 銀河英雄伝説という作品は、まぁ人の命の安い作品でございまして、同盟の帝国侵攻作戦では、2000万という人的被害が出たのは皆様御存知ですね。同盟の人口って、原作では130億ですから、100で割ると、大体日本の人口と同じです。とすると、20万の損害って、自衛隊がそっくり消えたのと大して変わりません。これで国家として抗戦ができるんですから、すごいなぁと思うわけです。まぁ、韓国軍とかのスケールで考えると、まだ戦えるのでありますけど。

 

 それはおいといて、本作では人はほとんど死にません。6作合わせても死んだ人間は20人以下でしょう。なんてそんなことになっているのかというと、一つのゲームにたどり着きます。

 その昔、銀英伝4というゲームがありまして(PC-9801版が1994年発売だそうです)、銀河帝国と自由惑星同盟の戦争をターン制の陣取り型戦略シミュレーションにしてしまったものです。帝国と同盟とフェザーン合わせて60近い「星域」があり、これを取り合います。星域は航路が設定されていて、星域を移動するときは「隣」の星域にしか移動できません。

 

 となるとどうなるか。イゼルローン星域を取ってしまうと、敵は(一人用ゲームなので、敵は常にCPUです)味方の星域に攻めてくることはできません。イゼルローン星域にはイゼルローン要塞があって、これを力づくで陥落させることは困難です(一応抜け道はある)。

 フェザーンに攻め入ることはできるんですけど、確かペナルティがあって、特にCPUはよっぽどのことがない限り攻めてくることはありません。

 

 さらに、このゲームでは予算が設定されており、一か月ごとにお金が補充されます。このお金の中で、戦艦作ったり、艦隊動かしたり、艦隊を維持したり(そう、維持するだけでお金がかかるんです)しなければなりません。

 

 そして、自由に艦隊を作ったり、動かしていたりすると、お金はすぐになくなります。一応フェザーンに借りることはできますが、分割で返さなければなりません。

 

 さぁ、このような状況で「常識的に」勝つにはどうすればよいか?まぁ、予算の中で艦隊動かして、金が無くなる前にオーディンまたはハイネセンを陥とす、というのもアリなのですが(あと、ラインハルトが皇帝か宰相になった後は、ラインハルトを殺すと同盟勝利になります)、もう一つは、イゼルローン要塞で栓をして攻められないようにして、後は艦隊をぎりぎりまで削ります。そうすると、消費するお金を国庫に「戻す」ことができます。そうすると、国家の経済力が向上して、もらえるお金が増えるのです。

 

 ここまで聞けば分かりましたでしょうか。そうです、この作品は、そういうプレイを文字にしたものです。

 

 といっても、同盟がイゼルローン要塞を取って、帝国の侵攻を跳ね返し続けても、結局ジリ貧になってしまうと思うのです。ゲームじゃそうはならないんですけど、帝国は250億人口が居て、同盟は130億しかないんですよね。同盟は力押しでイゼルローン要塞を落とせませんでしたが、帝国は、力押しで落とせると思うのです。少なくとも、そういう帝国がいては、軍備を縮小して民生を充実させることはできません。

 

 というわけで、1つの帝国を2つの帝国にさせてもらいました。フリードリヒ4世が誕生するきっかけとなった、長兄リヒャルトと三男クレメンツの内訌を内戦まで発展させ、帝国は内部で流血を続け、同盟にかまっている暇はない、ということにしました。

 

 また、同盟がこれを好機と考えて帝国に踏み込んでもしょうがないので、誰か偉い人の遺訓かなんかで同盟はすぐさま戦えない国家にしてしまえ、ということにしました。ブルース・アッシュビーの出番ですね。転生ものでよくあるパターンですが、ブルース・アッシュビーも転生した人が中に入ったのでしょうか。

 

 本作ではさらっと触れましたけど、同盟の人口は尋常ではなく増えています。180億なので実際の約1.5倍ですね。クローンでも導入しないと作れないと思うんですけど……でも帝国を圧倒するにはまだ足りない。順調に帝国を圧倒する国力を(単純に人口でいけば300億程度欲しいですかね)得るには、まだまだ時間がかかるでしょう。ちなみに銀英伝4では、数年で同盟の国力は帝国を圧倒できます。経済力で倍ぐらいになります。まぁ、ゲームですから。

 

 

 

 話変わって、このお話は一つのコンセプトを基に書いています。「鏡の向こうの戦争」というものです。鏡の向こうなので、何もかもが正反対です。原作では大戦争の真っ最中ですが、鏡の向こうは平和です。正反対です。ですが、映っている人が居なくなるということはありません。登場人物はどこかにいるのです。そういう考え方のもとに書きました。憂国騎士団がジェシカ・エドワーズの話し方をパクって一席ぶっているのはまさにそういうことですね。

 

 

 

 第二章の執筆は、もしあるなら、少し時間が空くでしょう。第一章の元ネタになった「書き溜めていたネタ帳」がありませんので。ただ、第二章はフェザーンが舞台ですので、帝国人も沢山出てくると思います。というか、同盟からあまり人は来ないので、ヤン&その周辺以外は帝国人だらけかもしれません。なかなかね、オリキャラって、作るの難しいんですよ。

 

 というわけで考えてみた第二章予想ラインナップは……こうじゃ!

 

 

 

第二章「商都フェザーン」 予想ラインナップ(書くなら。こうやって書き連ねてしまうと、8話と12話は書いてみたいな)

 

 

第七話「フェザーンへ!」

 惑星フェザーン大使館駐留武官を命じられ、フェザーンへ赴くヤン・ウェンリー。しかし、その実情は想像とかけ離れたものだった。着任早々、直属の上司?の命を受け、テロ組織アジトの強制捜査に駆り出されたヤンは、フェザーン「自治領」の実態を目にすることになる。

 

第八話「三人の語る人類大戦」

 フェザーン公営テレビが開催する、奇妙な討論番組に出ることになったヤン・ウェンリー。それは、南北朝、そして同盟から代表を出し、帝国と同盟の戦争、その今後について討論するものだった。番組の真の意図を類推するヤンは、奇妙な結論にたどり着くことになる。

 

第九話「幽霊戦艦」

 帝国領内で、破棄されたはずの同盟戦艦による海賊行為が頻発。さらに、海賊行為に加担しているのは同盟軍軍人であるとのクレームが寄せられる。調査の結果、ヤンは戦争で数奇な運命を辿ることになった人々に出会う。

 

第十話「カジノ・ロワイヤル」

 フェザーンでのポーカー大会に参加するヤン・ウェンリー。ヤン本人の任務は、カジノで行われる違法取引の監視であったが、何故か大金のかかったポーカー勝負に巻き込まれてしまう。

 

第十一話「薔薇の騎士(ローゼンリッター)

 失敗に終わった、南軍のアムリッツァ要塞破壊作戦。ヤンは、同盟大使館に届けられた報告書を読むことになる。そこには、同盟軍内部の闇、その一部が綴られていた。

 

第十二話「キングピン」

 「キングピン」と呼ばれる北軍の重要人物救出任務がヤン不正規隊に命ぜられる。共同作戦として北軍より派遣されたエージェントとは。そして、キングピンの正体とは……

 

 

 

 あくまでも構想段階なので、実際に出来てみたら全く違うストーリーになっている可能性はあります。そこはあしからず。

 

 もし書くなら、第二章の終わりで世界を一気に動かして、第三章「首都ハイネセン」(をぃ)に繋げてみたい。もし、このストーリーに終わりがあるとするならば、退役の道を絶たれたヤンが昇進し、前線に赴任する瞬間が終わりだと思います(なんだか、書いていてOVAジャイアントロボの構想上エピソードっぽくなってきた)。

 

 では皆様、新しいフェザーンの地でお会いしましょう。でも、エタっても恨まないでね。

 


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