ウマ娘短編集   作:固床式

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1話:今日も君と

現代、ウマ娘たちは全世界共通のインフルエンサーになりつつあった。

たとえば、その先頭を引っ張っているゴールドシチー。モデルなどでも活躍している彼女を見て、感化されたウマ娘がここに1人。

 

「おい」

 

「んぇ?」

 

彼女の背中に問いかける。彼女は肩越しに振り返る。その横顔は整っており、美しい。某ウマ娘オタクが見たらおそらく血を出して倒れるだろう。しかし、この声をかけた人物はそうはいかない。なぜなら、彼女が今していることに意識の大部分が集中しているからだ。

 

「What are you doing now?」

 

「そんなの決まってんだろ」

 

あまりに奇想天外、普通ならば思いつきもしないことをしているのを目撃したトレーナーは英語で問いかけてしまう。長年の海外留学の弊害か。しかし、問いかけられた彼女はそれに淡々と答える。

 

「見てわかんねーのかー?シチー作ってんだよ。」

 

「」

 

トレーナーは察した。『何故か』『トレーナーの家』で彼女がしていることを察してしまった。トレーナーが帰ってきて目にした光景。机の端にあるシチーが載っている雑誌。そして机の大部分を占めている何かわからない物体。肝心の彼女の目の前で完成間近に迫っている本物そっくりの1/16スケールのシチー人形。そう。彼女はシチーの輝きを目の当たりにし、何を思ったか『シチーになる』のでは無く、『シチーを作った』のだ。

 

「·····取り敢えず、飯にするぞ。」

 

「おーう♪」

 

彼女は作業をとめ、手を洗いに行った。奇想天外な彼女だが、こういう所をしっかりしているからこそ、みんなに愛されているのだろう。まあ、俺もその中の1人になってしまっているのだが·····。

 

「さて、と。」

 

今日の夕飯は日本食。米に味噌汁、秋刀魚に肉じゃが。予め作ってあるので温めるだけだ。味噌汁に細工がされてないかの確認も済ませた。肉じゃがも、冷やして味を染み込ませる作業もした。彼女を満足させる準備は万端だ。

彼女が戻ってくる足音がする。大きな声で歌いながら戻ってくる。もう、出会ってどのくらいだろうか。彼女のトレーナーになって以来、振り回されっぱなしで、苦労も多いが楽しい毎日を過ごしている。もはや、彼女のいない生活は考えられない。きっと、彼女が走るのを辞めても、ここで一緒に騒がしい日々を送っていくのだろう。

以心伝心、それをも超える存在になっている彼女の喧しい声を聞きながら、トレーナーは盛り付けながら言った。

 

「ゴルシ、飯だぞ。」




自分がいるdiscord鯖で思いついたものをここに残そうと思います。

ほぼ確実に投稿頻度が低いので続きは期待しないでください。

ゴルシは優しい子。
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