ウマ娘短編集   作:固床式

12 / 13
12話:やりがい

今日は、俺が担当しているウマ娘とデートに行く。

前走のレースで1着を取ったご褒美に『何が欲しい?』と聞いたところ『デート!』と答えられたので、休みの日に駅前で待ち合わせしている。

約束の時間は10時。昨日のトレーナー会議で同僚にどこに行けばいいだろうかと聞いた時、場所と一緒に『30分前に行って本読んで待ってろ』と言われたので実践している。今は9時15分。早め早めの行動はゆとりがもてて楽でいい。

 

「うーん、ココ最近はG1で勝てているからこのまま行けば有馬も有り得るな···。菊花も取らせてやりたいし···」

 

待ち時間には出走レースのことを練っておくことにした。今のうちにやっておけばデート中に気にならなくなるから、一石二鳥なのだ。

 

「まあ、でも実際頑張ってくれてるからなぁ···もっと俺が力になってあげないと。」

 

1人で勝手に気合いを入れていた時、ポケットに入っているスマホが震えた。恐らく、彼女からのメッセージだろう。

 

「ん···?あぁ、了解。」

 

内容は、『もうすぐ着く』だった。時間を見れば集合10分前。レースプランもいい所で切り上げることが出来たし、同僚には今度コーヒーでも奢ってあげないと。

 

「お、きたきた。」

 

白を基調としたワンピースに身を包んだ彼女が走ってくる。それだけならいいだろう。しかし、彼女はウマ娘だ。そして、手を振りながら俺に、突っ込んだ。

 

「トレーナーちゃー『ヘブシッ!!』ん?」

 

恐らく、周囲の注目を一身に集めているだろうがそれどころではない。ウマ娘の身体能力は我々普通の人間の比ではない。その膂力をもって俺の腹にダイブしてきたのだ。これを普通に耐えるのはゴルシのトレーナー、彼ただ1人である。というかなぜ耐えれるのか不思議だよ。

 

「あれ?トレーナーちゃん大丈夫?」

 

俺の腹の上で俺を心配してくれる女神、またの名をマヤノトップガンと言うが、彼女にひとつ言う。

 

「ワンピース、似合ってるな。」

 

「えっへへ、でしょー?」

 

純新無垢という言葉が似合う彼女に、こういう白などの服はとても似合う。なんというか、結婚したい。

 

「可愛いでしょ〜♪」

 

「めっちゃくちゃ可愛いからまず立たせて?」

 

一応ここは公共の場なのを忘れちゃいけない。至近距離で女神を見て忘れてたとかそういうのはない。断じて。

 

「トレーナーちゃん、マヤにむちゅーになっちゃった?」

 

取り敢えず身なりを整えたところでマヤノが聞いてくる。答えはもちろん、決まっている。

 

「ああ、もちろん。もうギュッてされてるよ。」

 

 

 

 

 

これが、俺のやりがいだ。

 

 

 

 

 

 




誰を書くか、悩むところで1時間使う
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。