その日、トレセン学園にはとある人物が来ていた。
トレセン学園の元副会長で、レディースクラシック三冠、春シニア三冠ウマ娘のエアグルーヴだ。
現在の彼女は現役を退き、URAの委員会に勤めている。なお、現URA会長はシンボリルドルフだったりする。
「変わらないな····」
とある部屋の前でグルーヴは呟く。今日はトレセン学園所属のウマ娘の現状調査という名目で来校しているグルーヴ。元学生であるため、たづなさんの案内を断り1人で校内を見て回っていた。
「ふふ、中も変わってないな。」
ここは、グルーヴを担当していたトレーナーのトレーナー室。彼は今、新しいウマ娘のトレーナーとして働いていて、今はその娘のトレーニングを見に行っているのだろう。さすがに邪魔をする訳にも行かないので、彼の元へ行く気はない彼女だが、『会いたい』という気持ちはあるようで。
「ここで待っていれば···会えるのだろうか。」
と、小さな声で呟いたりしている。
そんな彼女だが、今日1日学校を見て回っていたため学生時代のことを思い出し、学生気分に浸っている。そのため、担当トレーナーの部屋という親しみのある場所に入った時から学生気分にやっていたことをやりたくてしょうがなくなっている。それは·····
「···よし。」
掃除。彼女は学生時代に副会長という役職で、あの時代の破天荒なウマ娘達をまとめ、シンボリルドルフという大きな存在を支え続けていた。そのためにかかるストレスは並ではなく、トレーニング以外に発散する方法を考えたのだ。そこで出た案が『トレーナー室を磨きあげよう』というもの。ストレスからくるイライラを全て布巾に込めて、ウマ娘の力で磨きあげる。するとみるみるうちにピカピカになり、一時期は部屋が光っていたほど。それを見たルドルフが『部屋をヘヤートリートメントしたようだな。』と言い、部屋の明るさが3段階上がったのは今ではいい思い出になっている。
そして、数十分後。
「こんなものだろうか。」
やはり、光った。全盛期の光を取り戻したトレーナー室。窓の外では突然光り始めた一室に騒然となり、人だかりができつつあった。それを見た彼女は「しまった···」と言い、会うのを諦めて帰ろうとした。その時。
「はは、やっぱりグルーヴか。」
部屋の外から彼の声が聞こえてきた。相変わらず、甘えたくなってしまう優しい声音。
「ほら、やっぱり。」
ドアを開けながら現れた彼に。エアグルーヴは。
「びっくりさせるな、たわけ。」
と言いつつ、彼の胸に飛び込んだ。
そんな彼と彼女の指には、光る輪が嵌められていた。
2000UA行くとは····!
ありがとうございます!