····僕と担当ウマ娘は、奇怪なトレーニングをすることで有名だ。例えば、トレーニング前の読書。お互いが読書好きなのもあるが、トレーニング前に読書で心を落ち着かせるのである。それによって、冷静に走る訓練にさせている。
「このトレーニングも、効果があるから不思議だよな。」
ボソッ、とひとこと呟く。今は、週に2度二人でやるメンタルトレーニングの途中。このトレーニングも恐らく、ウマ娘界広しと言えど僕たちだけだろう。
「どうしました〜?」
シャカシャカシャカ、と。手際よく作業をしている彼女が手元から目を離さずに聞いてくる。先程の小さな呟きが聞こえていたのだろう。
「···ん、いや別に。」
ここは、トレセン学園のとある場所に建てられている茶室。そこで僕と彼女の2人はお茶を嗜んでいた。元々、2人ともお茶が好きではあったのだがそれをトレーニングに生かすのを考えたのは彼女だ。静かな茶室でお茶を嗜み、心を安らげる。リラックス効果を目的としたトレーニングだ。
「そうですか〜♪」
僕がこのトレーニングの打診を受けた時、もちろん最初は反対していた。理由はやはり前例にないトレーニングだからだ。しかし、1度試しでやって見たところ実際心は落ち着くし、それ以上に茶をたてている彼女がとても楽しそうだったからだ。やはり、トレーナーという生き物は担当ウマ娘に弱い。
「·····なあ」
不意に、話したくなった。
「どうしました〜?」
やはり、ご機嫌で茶をたてている。
「いや、やっぱご機嫌で茶をたてるなぁって思ってさ」
「楽しいですから〜♪」
ごもっともな返答に言葉が詰まる。話したい内容にはまだ程遠い。僕が話したいのは·····
「もしもさ、お前とずっとこういう時間を過ごしたいって言ったら、どうする?」
言っていて、恥ずかしくなった。恐らく今の僕の顔は真っ赤だろう。耳まで、リンゴのように赤く染まっていると思う。
「·····ほぇ?」
彼女も、赤かった。いつものきめ細かで、シルクのような白い肌をさくらんぼのように赤く染めている。とてもかわいい。
「かわい····あ。」
つい、声に出してしまった。すると、自分の顔も彼女の顔もとても熱を帯びていくのがわかる。狭い茶室に2人でいることを意識してしまう。抑えきれない。
「な···なあ」
「な、なんですか···?」
鼓動がどんどん大きくなる。顔に熱が帯びる。それでも、彼女の顔を見て。言う。
「正直に言う。俺は、お前と過ごす時間が好きだ。お前が好きだ。1人の生徒としても、女性としても、ウマ娘としても。だから····」
最後の一言を。
「次の3年間最後の有馬。絶対に勝たせる。だから、グラス、これからもお前と一緒に居させてくれ。」
これが、僕が言える精一杯の愛だ。
ありがとう。
投稿できず申し訳ないです···