My Hero Battlefront ~血闘師緑谷出久~   作:もっぴー☆

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痛風が辛いので第三十四話です。

大変お待たせしました。ようやく年末から続いてた地獄のようなスケジュールも落ち着いての激遅更新です。気が付けば四か月も更新止まってました。やだ、私の執筆遅すぎ…?


第34話:うわうっさ

 

 神野町の某所にある雑居ビル。その一室にある寂れたバーに黒い靄が浮かび上がった。

 靄は人が出入り出来る大きさまで膨れ上がり、同時に二人の男が姿を現す。死柄木と黒霧の二人だ。

 先生の助けもあり辛くも脱出に成功した二人だが緑谷たちから逃げきった安堵からかフラフラで、その顔には疲労が色濃く映っている。黒霧に至っては個性の強制使用の影響か突っ伏して気絶している状態だ。

 

 「はぁ……はぁ……あークソッ。足がガクガクだ……。なんだったんだよあのガキはよ……」

 

 『派手に負けてしまったね弔』

 

 疲れからか立つのもキツく、床にひっくり返ると部屋の隅に置いてあったテレビに電源が入り死柄木へ言葉をかけてきた。残念ながら画面には何も映っておらず、その姿を見ることは出来ない。

 

 「先生……。助けてくれたのは感謝してるけどよお、全然話が違うぞ?

 平和の象徴は健在だしガキには化物みてえな奴までいやがる。手下も瞬殺で脳無も圧倒された……。完敗だ、あれ本当に弱ってるのかよ……?」

 

 『……そうだね。オールマイトとはわずかな交戦だったけどリミッターの外れた脳無の突撃に怯まずあの一撃。どうやら僕の予想に反してそこまで弱体化してないようだ。これに関しては僕の判断ミスだったね』

 

 『お互いなめすぎたようだな。まったく(ヴィラン)連合なんちうチープな団体名でよかったわい。しかし脳無を回収出来なかったのも痛いな。せっかくオールマイト並のパワーにしたのにもったいない』

 

 「そんなパワーあったところで当たらなけりゃ意味ないだろ……。ショック吸収もあのガキに切り刻まれてなんの意味もなかったし超再生もあっさり対処された。……ああクソッそうだよあのガキなんなんだよ……!思い出すだけで殺したくなってくる……!」

 

 終始翻弄されたことを思い出すや苛立ちを覚え自然と首を掻く癖が出てしまう。ガリガリと喉を掻き、同時に喉の渇きを覚えフラフラとバーのキッチンへと向かい、蛇口をひねり水を呷る。

 どうやらあの戦闘で気付かぬうちに身体中の水分が抜け出たようだ。服が冷や汗でビショビショになっているのがそれを物語っている。

 つまり自分はあのガキ(緑谷)を心から恐れたのだろうと察してしまい、悔しさと殺意が押し寄せてき、気付けば支えに掴んでいたカウンターの一部を崩してしまっていた。

 

 『……君がそれほど恐怖する、か……。確かに、あの少年の動きは僕も驚いたね。まさかあの脳無の動きについてくるどころか翻弄するとは思わなかった。……彼は少し前にあった失踪事件の渦中の少年だったかな?あまり気に留めてなかったけど少し興味が湧いてきたよ。

 まあそれは置いておこう。終わったものは仕方ない、今回の失敗を糧に切り替えていこう弔。作戦を練りなおし精鋭を集めよう、じっくりと時間をかけて。その間に僕の方でもその子のことを調べてみるとするよ』

 

 そう言い残すとテレビの電源は落ち静寂が訪れる。残された死柄木はクソッと悪態を吐き、次の計画を練るべく黒霧を起こしに歩きだすのだった。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 「えー、この度は緑谷少年に全てを任せるなんてことをして本当に申し訳ない。私はヒーロー失格だ」

 

 「いえ、こちらも大見得切っておきながら結局主犯を逃がす結果になって申し訳ありません。僕こそヒーロー失格です」

 

 襲撃からしばらくしてオールマイトに続き雄英の教師たちも到着し、散らばった生徒の保護と(ヴィラン)の捕縛。その後やってきた警察によって(ヴィラン)を収容し、脳無も無事―――襤褸雑巾だったけれどもかろうじて機能も停止していなかったから多分無事のはずだ。うん、僕もオールマイトも頑張って加減したと思う―――確保されて事件は無事終息を迎えた。

 脳無は搬送後警察病院で肉体の再生を試みるそうだけど、さっきのように暴れないか少し心配に思ってしまう。まあここまできたら僕らの管轄外なので警察や他ヒーローに任せるしかない。出来ることはせいぜい脳無の危険性を教えて警戒してもらうくらいか。

 

 余談だけど僕に投降した(ヴィラン)はヒーローや警察たちに揃って「ちゃんと罪を償います!」と角度四十五度を綺麗に決めて謝罪しており、一体何があったんだとひどく困惑していた。なんというか、申し訳ありません。

 

 そうして保護された後僕だけ主犯との激戦で身体に異常がないか診てもらう、という名目で相澤先生達がいる保健室へ向かい、そして今僕が行っているのは……オールマイトとの謝罪合戦である。

 

 「少年が謝ることじゃないよ。少なくとも少年がいなかったら生徒達はもっと大変な目にあったろうし、なにより相澤君はもっと酷い怪我をしていたはずだ」

 

 「いえいえ、そうは言っても一歩間違えればかっちゃんは大怪我待ったなしでしたし、それを考慮すると相澤先生の信用を得るという自己保身を優先して脳無を破壊しなかった時点でやはり悪いのはこちらかと」

 

 「いやいや、信用は大事さ。その点でいえば私は相澤君や13号への信用を―――」

 

 「いえいえ、でしたら僕だってもっとやりようはあったはずですしなんでしたらカグツチ―――」

 

 「いやいや―――」

 

 「いえいえ―――」

 

 僕らは申し訳なさが加速し床に正座、ついには揃って土下座まで行いお互い一歩も引かず主張をぶつけ続ける。こちらの非を認めさせるという端から見たら逆じゃないかと言われる内容だが。

 

 「……オールマイトの土下座なんてなかなかお目にかかれない光景ですね」

 

 「全くだね。しかも二人揃って綺麗な土下座して似た者同士、まるで師弟みたいだよ」

 

 そしてそんな土下座合戦を横で見ているのは相澤先生とこの保健室の主、リカバリーガールである。現在相澤先生の怪我を治療中だ。

 しばらく謝罪と言う激闘を繰り広げたが、最後はお互い非を認めあい共に精進していこうという無難な結果に落ち着いた。決まり手は相澤先生のはよ終わらせろという威圧です。

 

 「あれ?リカバリーガール、治療は鼻だけなんですか?」

 

 「消耗が激しかったようだし腕まで治療したら逆効果さね。そっちは明日の朝イチに回すよ」

 

 そういえば体力と引き換えの治癒だったっけ。あれだけ戦い傷ついたのだ、条件を満たしてないなか無理にやっても力尽きるだけなら仕方がないか。

 

 「今は俺の怪我のことはいいですよ。それよりも大事なことがありますから。……というわけでだ、そろそろ話してもらうぞ緑谷。お前のことを」

 

 相澤先生はそんな怪我を一蹴し、早速僕のこと話をするよう促してきた。治療済みとはいえよくその怪我を流せるな、痛み止めが切れたらさぞかし大変だろうに。

 僕も師匠に何度も全身バッキバキにされた時痛みと熱で苦しんだから辛さはよくわかるぞ。毎度ながら本当よく生きてるよね僕。

 

 「わかりました。すみませんリカバリーガール、隣の備品室を少し使わせてもらってもよろしいですか?」

 

 「治してすぐコソコソと秘密のお話かい、忙しないわねあんた達。構わないよ、ただしここは保健室だから静かにね」

 

 使用許可が降りたことに礼をし、二人を連れて隣の部屋へ。私もいて大丈夫?とオールマイトが告げるが、そちらに伝えてない内容も話すため共有するのに居た方がいいと伝え、部屋の隅に畳まれていたパイプ椅子を引っ張りだしオールマイトを間に置くように設置して着席した。

 

 

 「さて、それじゃあ時間も惜しい。話してもらうぞ緑谷、お前は本当は何者なのか、空白の半年になにがあったのかを。全部話すと言った以上これ以上は逃がさん」

 

 さすがにここまでやって話さないという選択肢を取る気はない。僕を信じて戦わせてくれた以上今度は僕が応える番だ。

 

 「それでは話をさせていただきます。まず改めて僕についてですが……。

 僕は緑谷出久。一年前のあの日、とある事故でこことは違う地球に迷い込み、その後戻ってきた所謂異界からの帰還者です」

 

 「ふむ、異界…………異界?」

 

 「はい。僕が飛ばされたその世界では少し前にニューヨーク(紐育)にて大崩落という異界と現世を巻き込んだ大災害に見舞われてしまい、魔術師達の活躍で世界の崩壊は免れるもその影響は凄まじく、空想上の存在だった異世界が発生地だったニューヨークと混ざり合い、結果ニューヨークは混沌を極めた街、ヘルサレムズ・ロットと化しました。そこに僕は飛ばされたのです」

 

 「ん??」

 

 「そして僕は世界の均衡を守るため暗躍する超人秘密結社「ライブラ」の長であるクラウスさんに拾っていただき、そこからの縁で組織に所属して師に鍛えられ、以降日夜訪れる世界の危機から世界を救うべく奮闘していました」

 

 「…………」

 

 「えーっと……僕を鍛えてくださったのは裸獣汁外衛賤厳(らじゅうじゅうげえしずよし)という方で、僕の使う斗流血法の創始者にして血闘神と言われるその道の生きた伝説です」

 

 改めて自分がどういう存在なのか、時間も惜しいと言うので僕が何者か、何があったのか、それらをまず簡潔に伝えていく。……いくのだけど、相澤先生は途中から相槌を打つどころか眉間に皺を寄せて深く瞑目しだし、微動だにしなくなった。見れば静かに頭痛を堪えるような顔をしている。

 

 「…………緑谷。緊張を解すために冗談で場を和ませようとするのは悪くない。悪くないが今はそういうのは求めていない。今のは聞かなかったことにしてやるから本当のことを話せ。まずはお前のことだ。お前は何者で、そしてなにがあったんだ?」

 

 「まあそうなりますよね……」

 

 はい、やはりと言うか信じてもらえませんでした。

 いや多分信じようとしていると思う。ただあまりにも現実味のない情報ばかりで混乱しかけたところを無理矢理リセットしたのだろう。僕だってこんなこと説明されたら多分同じことするはずだ。

 

 「気持ちはわかりますけど申し訳ありませんが冗談はひとつも言ってません。詳しく説明しますと僕が失踪した日、向こうの世界ではとある術式開発サークルが未完成の次元交換術式の起動を成功させたらしく、その時の座標がちょうど僕のすぐ側で、それに引き寄せられる形でこことは違う異世界の地球へ入れ替わるように飛ばされたんです」

 

 「…………オールマイト?」

 

 「私も詳しくは知らないけど彼が異世界に行ったのは本当さ。それに証拠の一端を私も相澤君もお目にかかってるよ」

 

 説明を聞いた相澤先生がすごい形相でオールマイトに視線を向け、その視線に対しオールマイトは混乱する気持ちはわかるよという表情で何度も頷き事実だと答えた。

 予想斜め上の話が出るのはある程度予測していただろうけど、それを上回る斜め上を迫撃砲で飛ばしてきたような真実に相澤先生は全部は早まったかと悪態をつく。あれこれ言っておいてなんですが大丈夫ですか?大変でしたら日を置いて説明しても僕はいいですよ?

 

 「フー……いや、このまま続けていい。それでこことは違う地球と言ったな。そこでなにをやったんだ?」

 

 「はい、えっとまずは最初のひと月から―――」

 

 

 それから僕は異世界のニューヨーク(元紐育)ことヘルサレムズ・ロットに飛ばされてからのことを話した。

 クラウスさんに拾われた当初は小間使いの真似事をして燻っていたこと。ある事件をきっかけに個性()が発現し、兄弟子の仲介により師匠の元で修業を行ったこと。二年間地獄の修業を文字通り死にながら耐え抜き一端の戦士に成長したこと。修業から帰還後正式にライブラの戦闘員になり、そのうえで独自にヒーロー活動を行い人命と世界を救っていたことなど。

 その中で以前オールマイトにはぼかしていた組織名や細かい関係者たちの事、さらに13王や血界の眷属(ブラッド・ブリード)と言った頂点的存在の存在など深い部分も細かく話していった。一部はまだ伏せるか悩んだがどうせ話さなければならないだろうしさっさと話して危険性を熟知してもらったほうが幾分かマシだろう。

 

 話の途中で時系列がおかしいぞと指摘されたので向こうとこちらでは時間の流れが違うようで、結果あちらでは四年半過ごしており、身体はこんなですが今年で二十歳になりますと答えたら、そろそろ一般常識だけの内容もくれとため息混じりに呟いた。すみません、それ(一般常識)在庫切らしてるんです。再入荷の予定も未定です。

 

 でも両方を知る僕からしたらこちらの世界も目くそ鼻くそですよ?世界人口の八割が無差別に超常能力持ちとかライブラ目線で見たら世界の均衡を守るもクソもない惨事惨事の大惨事大戦ですからね?なに言ってるんだろ僕。

 

 「ライブラか……それが君をヒーローに育ててくれた組織の名前か。あの日色々聞かせてもらったけど名前は教えてもらってなかったね」

 

 「そこはまあ、無用な危険に晒すべきではないと判断しましたので。

 向こうの(ヴィラン)にとってライブラは例えるなら世界中の色んなヒーロー達が集まって、世界の危機に立ち向かう自警団(ヴィジランテ)みたいなものです。そして連日世界を混沌に陥れるような危機が起きるあの街でその尽くを退けてきました。

 そんな(ヴィラン)にとって目の上の瘤ともいえる存在を把握してると知られれば情報を求めて狙ってきますし捕まるとなにをされるかわかったものじゃありません。なにせ奴らにとって僕らの正確な情報は末端価格でも数億ドルはするらしいですから。なんでしたらある日ギルベルトさんが怪我した時やってきた臨時の執事さんは一週間足らずで関係者とバレて脳みそを人質にスパイをやらされたこともありますよ?」

 

 「……それ私達が知ったら危なくない?」

 

 「結構危険です。向こうの世界の話なのでライブラを知る人物として危険に晒される可能性は……言ってしまえば天文学的レベルではありますが、僕みたいな次元を渡った前例がある以上もしかしたらということもあります。なにせあの街ではその天文学的事象を頻繁に目の当たりにしますので。なんでしたらホー〇ランバーの当たりを連続で引く方が驚かれますよ?」

 

 とはいえこの二人なら上位存在でなければそうそうやられはしないはずだ。

 仮にやられたら?報復しにいきます。身内がやられて黙ってるほど僕は人間出来ていませんので。なんだかんだで斗流関係者(ぼくら)が身内に甘いってところもあるけど。あの師匠でもある時血界の眷属(ブラッド・ブリード)相手に苦戦していた時救けにきてくれましたし。有難い小言付きで。

 

 「まあ余程の相手じゃない限りは私も相澤君もそう簡単に後れは取らないよ。それに私は最近血法を教えてもらったおかげで調子がいいことが多くなったし、なんだったら返り討ちにだってしてやるさ!大怪我してからここ数年で一番元気だよ私!」

 

 「オールマイト(馬鹿弟子)。あなたにそれ(血法)を教えているのはあなたの健康を願ってのことです。ヒーロー活動を無理矢理出来るように教えてるわけじゃないのを忘れないでください。じゃないと次の修業本当に苦しくしますよ?」

 

 「ア、ハイ。すみません師匠」

 

 一瞬だけマッスルフォームになり好調アピールをするオールマイトだけど釘を刺すやしゅんっとしょげながら元に戻った。好調なのは喜ばしいことですが今回みたいな無差別救助を何度もするのはやめてください。命削らせるために教えてるわけじゃないんですから。

 

 「……師匠?オールマイトでなく緑谷が?」

 

 「え?ああそういえばまだ言ってなかったね。相澤君も私が胃とか失ってるのは知ってるでしょ。それを彼に言ったらなんと彼の会得してる斗流血法は血を使って体内に疑似的に内臓を作り出すことが出来るらしくて、これを会得すれば身体を以前の状態に近づけることが出来るっていうんだ」

 

 「疑似……内臓?いや待ってくださいオールマイト。血で胃を作るなんてそんなこと個性を使っても出来………………ああクソそういうことか。緑谷、お前の血液操作はもしかしなくても……」

 

 「あ、はい。お察しの通り僕のこれ(血液操作)は個性によるものじゃなく斗流血法という流派による技術になります。僕の本当の個性は再構築(リビルド)という別のものです」

 

 「当たりやがった……!個性を伴わない血を操る技術とかなんてもん編み出したんだお前の師匠は。ブラドの奴、というよりも血液操作の個性持ち全般のアイデンティティの否定とかショックでしかないぞ。

 ……となるとテストや脳無の時の炎もその血法ってやつによるものなのか?」

 

 「はい、あれはカグツチという炎属性の派生技で、血液に直接属性を刻み込むことで血を燃やすことが出来ます。元々僕に適性はなかったのですが僕の個性が取り込んだ組織を身体に馴染ませる力を持ってまして、炎属性を持つ兄弟子の血を取り込んだおかげでその問題をクリアすることが出来ました。

 他にも風属性を付与するシナトベという技があり、この二つを綿密に操ることでプラズマを発生させたりも出来ます」

 

 「属性を血に直接刻む、火と風でプラズマを発生…………ほんとになんてもの編み出してるんだお前の師は!大量殺戮でもする気か!?」

 

 「なら安心してください。あの人の場合そんなくだらぬ事をする暇があるなら自らの研鑽に充てるわ戯けって言ってまずやらないです。ついでに言えば僕らがそれをやろうものならどこからともなくやってきて死なせてと懇願するまで性根を叩き直してくるでしょう。

 

 そもそも向こうで相手してきた(ヴィラン)は下はサイバネマフィアや異界生物、上はビル越えの巨大兵器や神性存在とあらゆる化物厄ネタのオンパレードでして、僕ら主力メンバーはこれくらいの力をつけないとまず対処しきれないんです。

 特に不倶戴天の敵である血界の眷属(ブラッド・ブリード)ともなると相応の実力がないと死体安置所待ったなしですし、相応の実力をもっていても撃退が関の山。おまけに滅殺に成功してもいつのまにか復活すると性質(たち)の悪さは他の追随を許しません。

 最近はレオさんのおかげで倒す手段が出来たから良かったですがいなかった頃はどれだけ辛酸をなめさせられたか。………そしてそんな化物を単身で何度も滅殺している師匠が改めて怪物だと思い知らされます」

 

 「聞けば聞くほどお前の師匠は一体何者なのかわからなくなるな……」

 

 「デス仙人です」

 

 僕の即答に妙に納得出来る言葉を使いやがってと独り言ちる相澤先生。正直師匠に関しては本当に仙人なんじゃないかとたまに思います。血を取り込んでも個性が負けたし。ザップさん達は問題なかったのに。

 

 「……いつのまにか復活、か」

 

 ふと見ると顎に手を当て神妙な顔つきでポツリと呟くオールマイトが目に映る。何か気になることでもあったのか聞いてみるがなんでもないよ、気にしないでとはぐらかされた。反応が気になるけど本人に言う気がない以上聞くのも野暮かと切り替える。相澤先生へ視線を戻すとちょうどここまでの内容を整理し終わったのか一息ついて落ち着きを取り戻していた。

 

 「緑谷、その技術は絶対に広めるなよ。個性にとらわれない、誰でも習得可能な殺傷力の高い技術なぞどう転んでも厄ネタでしかない」

 

 「いたずらに世界の均衡に影響を与える真似はしないのでご安心を。オールマイトには疑似内臓を作るところまでは教えてますけどそれ以上は教えてませんし。後は……良くて修業時代のメニューを弄って友人に教えるくらいでしょうか?あれなら単純に心身鍛える研鑽になりますので」

 

 ですからそんなほんとだな信じるからなと言わんばかりの圧をかけてこないでください怖いです。そしてオールマイトは僕の修業時代メニューを思い出して遠い目しないでください。

 

 「ならいい、失望させるなよ。……しかし聞けば聞くほど驚愕以外出てこないな。半年じゃなく本当は四年半も戦場のような場所にいて、そのうち二年はこちらでいうオールマイトのような実力者に徹底して鍛えてもらった、か。全部事実ならお前のその力と度胸も納得出来る」

 

 「はい。師匠の修業はそれはもう苛烈で、二百回以上三途の川に赴きはしましたが確かに僕に一端の力を与えてくださりました」

 

 「実力だけで言えば一端どころかすでにトップレベルだ。それだけ強ければ試験のロボを圧倒したのも…………一応聞く。三途の川といい死にながら修業を耐え抜いたといいもしかしなくても全部比喩抜きか?」

 

 「…………容易に蘇生する手段が確立されてるって便利ですよね。なにせショックで心臓が止まってもあっという間に動かしてそのまま修業が再開出来ますし、血液から毒を分離して抜き出すことも可能なうえ僕の個性が毒に耐性をつけれるため一時期ひたすら毒を飲まされたり、おまけに修業内容も三倍早く終わらせるために圧縮してたので昼夜ひたすら死地に放り込まれましたし………………あの師匠ここって確か死神の川(グリムリーバー)って呼ばれてる地元の住民も決して近寄らない大量のピラニアが生息する川ですよねなんで僕パンイチで簀巻きにされてるんですか?え?今からここで十分間素潜り?あの師匠確かにあなたの鍛練のおかげで十分ならギリギリ耐えられますがここさっきも言った通りピラニアの群れがいや待って師匠杖で突かないで落ちます落ち、落ちどわああああああ視界いっぱいにピラニぎゃあああああああああ!!!」

 

 「緑谷ッ!?」

 

 「トラウマのフラッシュバック起こしてる!?戻ってきたまえ少年!ここにピラニアはいないしアマゾンの奥地っぽいところでもないぞ!!」

 

 ハッ!?危ない話しているうちにまた修業時代のトラウマを思い出してしまった。ああもう油断して不意打ち気味に思い出してしまうとは。

 とりあえず心配させぬよう誤魔化しておこう。いやー修行でさんざん泣かされたおかげで銃弾の雨を臆せず進む程度には度胸もつきましたよHAHAHA。

 

 「ま、まー私も昔はお師匠にゲロ吐くまで可愛がられたから気持ちはわかるよHAHAHAHAHA!そ、そういえばそれだけ強いとやっぱヒーロー活動で活躍しまくって人気があったんじゃないかなあ!」

 

 「乗ってくれてありがとうございますオールマイト。人気ですか…………。あの街は一般市民も多いですし自分達を守ってくれるヒーローということもあってパトロールやボランティア中にそれなりに声援を頂いてました。が、それ以上にチンピラや(ヴィラン)も多くやはりといいますか野次の方が多かったですね。

 ……後一時期闇討ちが酷かったり。僕一人に仇討ちじゃあってサイバネヤクザが連日高周波長ドス持って四方八方から襲ってくるとか暇なのかあいつら?」

 

 「やぶ蛇!?えーっとこの話は聞かなかったことにして……そうだ追っかけ!追っかけとかたくさんいたんじゃないの?」

 

 「あ、はい。少ないながらそういうのもいました。後ストーカーも」

 

 「なに話しても闇が深ぁいッ!!」

 

 何を言っても裏目に出ることにゴハッと血を吐き嘆くオールマイト。でも全部事実なので覆しようもないです。

 

 前にも少し言ったけど向こうの世界には僕のストーカーがいた。

 日常と世界の危機の間にあるような事件を解決した日の帰宅中、チンピラに絡まれてるところを発見していつも通り救けたらなんと一目惚れされて好きです付き合ってくださいと言われたのだ。

 唐突すぎる告白にそういうことに一切慣れてない僕は慌てて友達からとだけ残して逃げるように去ったのだけど、それ以降彼女は何度も僕を見つけてはアタックして来るように。僕もそのうち絆されてその誠意に応えることにした。

 

 しかしこれが僕のケチのつけ始めだった。

 彼女は僕との関係が進展したのが結果、幸悦の笑みを向け息を荒げながらごめんなさい、我慢できませんとその勢いのまま僕を押し倒してきた。刃物を片手に。

 

 僕は察した。あ、これヤンデレって奴だと。

 さすがに僕はヤンデレは範囲外なのでごめんなさいと謝罪しつつ刃物を奪い巴投げで投げ飛ばして逃げた。なお彼女は綺麗に着地していた。何者?

 

 僕の話を聞いていたオールマイトから僕の女難に対する同情の視線が刺さる。相澤先生からは被害届を出せと至極当然の言葉を頂いた。

 ……本当は僕も被害届だしたかったです。逮捕とまではいかなくともダニエルさんかマーカスさんに仲介してもらって謝罪と説得をして諦めさせたりしたかった。そうやって彼女との関係を終わせれればよかったんだけど……終わるどころかデストラップが発動しました。

 

 

 なんと彼女…………13王の一人とマブダチだったんです。

 なんでさ?いや本当になんでさ????

 

 

 ごめんなさいしたその日の内に13王が突撃してきてアンタね~アタシのマブダチ投げ飛ばしたチビワカメは~!っと怒り心頭のまま拉致してくるとかこんなの想定できるかと僕は本気で泣いた。H・L中に響き渡ったんじゃないかと思えるくらい泣いた。

 

 そしてちょっと……いやかなり悲惨な目に遭い僕の人生ここで終わりかと諦めかけたその時、彼女が庇ってくれ、色々あり無事首の皮一枚で命が繋がる結果に。

 その後彼女を冷たくあしらわない、泣かさない、毎月アタシらにスイーツ貢ぐことで許してあげるという私欲も混じった条件を全面的にのまされた。けれどアレを怒らせてこの程度で済んだのを考えれば奇跡といえよう。酷い目にはあったが。

 

 「……と、そんなことがあり結果的に彼女のストーカー行為の許容及び友人関係を続けることになりました。まあ別段周りに被害は出ていませんしこちらとしてもたまに下着がなくなったりスイーツ店をピックアップしていくのが大変程度で済んでると考えれば全然良い方です」

 

 「君の実害ィッ!!そこ全く解決してないのはどうなのさ!?」

 

 「諦めました」

 

 そもそも解決もクソもバックに13王がいる以上僕程度ではどうしようもないです。

 

 そうそう、スイーツ代に関しては後日事情を話したらスティーブンさんが即経費で落としてくれるようになりました。優しい目で。

 なにせ経緯はどうあれ、特級厄ネタがスイーツを貢いでるうちはある程度大人しくしてくれると考えたら破格のリターンだろう。僕としても毎回何百何千ゼーロ……何十万も奢らされる未来がなくなったおかげで胃壁にダメージを受ける程度で済んでいる。

 

 ……一応弁明するなら彼女は僕に対して愛が重いだけでそれを除けば普通にいい子なんです。

 13王の手を借りずあの街で地に足をつけて自活するほどしっかりしてますし、よくある好きな人を周囲から隔離しようとすることもないし、レオさんやネジ君達と普通に話したりしてるし。なんだかんだで仕事中に現場にみんなに差し入れ(もちろん何も仕込んでいないまともな物)を持ってきてくれた時は普通にいい子じゃんと思ったりもした。外堀を埋められているともいう。

 

 なお居場所を教えてもいないのに当然のように現れる異常なまでの探知能力については深く考えないでおく。(ヴィラン)対策で定期的に引っ越しをしてるのだが大体二日で居場所を特定して引っ越し祝いを持ってくる彼女はなんなんだ本当に。ストーカーの本気怖いよ。

 

 まあ彼女とはこちらに帰ってきた以上会うこともないだろうし、この話はこれでおしまいにしよう。正直僕としても話しているうちに想い出がよぎってちょっとお腹痛くなってきた。ほら相澤先生もこんな不毛な話合理的じゃないでしょ?ねっ?

 そんな懇願にも近い勢いに先生はわかったから必死な顔でせっつくなとため息混じりに答え、口元を押さえ考えてくれた。ありがとうございます相澤先生。とはいえ大方必要なものは説明し終えているのだけど。

 

 「いや、ある。聞こうとはしていたが無神経が過ぎるだろうと後回しにしていたものがひとつな。

 …………緑谷、これはお前のためにも聞かなきゃならん。この質問は正直に答えろ、ふざけるのもなしだ」

 

 「?はい」

 

 「お前、世界を守るためにひたすら戦い続けたんだよな。…………その中で人を殺したことはあるか?」

 

 「ッ!!」

 

 「その反応、あるんだな」

 

 どこかで聞かれるだろうと覚悟をしていたその質問が僕の身に重くのし掛かった。やはりというか、何度身構えていても自分が人殺しと認識させられる質問は慣れない。オールマイトも相澤先生らしからぬ軽率な質問に焦りを露にした。

 

 「あ、相澤君、それを聞くのは些か野暮じゃないかい?彼のいた場所は……」

 

 「わかってます。こちらでも海外では(ヴィラン)の殺害許可が下りることがありますし、まして緑谷がいたのはヒーローの法がない異世界の、それこそ聞く限り(ヴィラン)共の集積地とも言える場所でしょう。仮に脳無みたいな奴が無差別に暴れたら被害が拡大せぬよう殺傷も辞さない、と判断しても理解も納得も出来ます」

 

 「……ただしそれはヒーローとしてである、といったところでしょうか」

 

 「そうだ緑谷。お前には聞かなきゃならん。一人の教師として、人間として、殺すことに心が慣れてしまったのかを」

 

 ライブラという組織に所属するメンバーは大抵なんらかの法を犯している。それはレオさんですら例外でなく、そもそもの話世界の均衡を守るのにお行儀よく法を守っていたら今ごろあの世界は何度も文明……どころか星そのものが滅びているだろう。

 そうならぬよう僕達、特に戦闘員は大なり小なり法に背き暴力を以て対処を、殺し合いを行ってきた。

 

 「……残念ですが殺すという行為には慣れてしまいました。

 僕も命を奪わず逮捕できるならそうしたいですし、実際出来る限りそうしてきたつもりです。ですが中には生きてる限り災厄を撒き散らそうとする(ヴィラン)なんかもいて、そういう手合いほど殺すのを躊躇えば一秒ごとに数百数千の人が死ぬ、最悪世界が混沌の坩堝に落ちるなんて事態がごまんとありました。

 ……僕も対象を殺すのが一秒遅れて結果目の前で何人もの人が輪切りになったこともあります。あの惨劇を目の当たりにすれば身綺麗なまま世界の危機を救うなんて甘いことは決して出来ないと思い知るでしょう」

 

 「……そうか」

 

 「ですが他者の死に心が慣れたことは一度たりともありません」

 

 「……ッ」

 

 あの街で誰かを殺めたことに後悔はない。少なくとも世界は救われ何億もの人の命が守れるのだから。しかし同時に殺した人の中には生きていれば改心した人がいたかもしれない、そう思ってしまうこともある。だけどその機会は奪われてしまった、僕の手で。

 彼らはもう誰かに謝ることも、やり直すことも出来ない。それを思うと本当にこれが正解だったのかと自問の連続だ。良心の呵責に苛まれたことも一度や二度では済まない。

 

 抱え込みすぎても自分を苦しめるだけだと、そのうち自分で自分を壊してしまうぞとスティーブンさん達を何度も心配させたこともある。だけど他者を殺しその人生を奪った以上僕は自問をやめないだろう。それが奪った僕の責務であり、そして償いでもあるのだから。

 

 真っすぐ視線を向け告げる言葉に相澤先生はただじっと僕を見つめ、そんな先生にオールマイトは優しい表情で口を開いた。

 

 「相澤君、大丈夫。私の時も同じことを話してもらったけど、その時も今のように真っ直ぐな目をしていた。嘘は言ってない、彼は決して殺しをなんとも思わない人間じゃないし、そんな人間にもならないよ」

 

 「感情的な考えは合理的ではないですよ……と言いたいですが、ここまでハッキリと言われたら信じてみたいと思いますね。

 だが緑谷、お前の上司が言っているのも正しい。そうやってなんでも抱え込みすぎると潰れてしまうぞ」

 

 「大丈夫です。そうならないよう鍛えてますから!」

 

 ふんっ!と力こぶを作り研鑽アピールをする。クラウスさんも肉体的苦痛には精神で、精神的苦痛には体力でカバーしていることがある。僕もそれに倣えるよう毎日欠かさず心身とも鍛えているのだ。それでも限界はあるけど。師匠の修行とか、さっきの13王とか。

 

 「いきなり脳筋思考とかそれでいいのかお前。……だがまあお前の事は少しは理解できた。すまんな、言い辛いことだったろ」

 

 「いえ、どうせいつか聞かれるかもしれなかったのでむしろ今のタイミングで話せて良かったです」

 

 「まったく、可愛げのない生徒だ。……強いなお前は。身も心も」

 

 褒めていただけるのは嬉しいですが強いかと言われたらまだまだだ。実力は最前線メンバーでもせいぜい真ん中がいいところ。心もあの時クラウスさんやザップさんが繋いでくれなかったらきっと僕は折れて腐っていただろう。

 他にも非戦闘員でありながら強大な存在を前にしても心は決して引き下がらないレオさんなんかを見てるとまだまだ上がいると認識させられる。

 

 「……まあ力があってもまず戦いたくない、むしろ会いたくもない連中もいますので強さはあっても無意味なことは多いですが。例えば件のストーカーとゴスロリマッドサイエンティストとか」

 

 「さっきから出てくるその子天敵すぎない?」

 

 いやまあ後者に関しては月一スイーツのおかげで比較的大人しいんだけどね。ただお願いだから虫の居所が悪いからって給料と財布の中身がちょうどなくなるようむしりとろうとしないでください。粉しかでない財布から高額の領収書を渡した時に見せたスティーブンさんの同情の視線が未だに焼き付いてます。というかなんで僕の財布の中身綺麗に把握してるんだよあの人達。本気で怖いよ。

 

 「おいこらもじゃ毛~、ゴスロリって~それアタシのことじゃないでしょうね~?」

 

 「いやどう考えても貴女ですよ。クラウスさん達には非常に申し訳ないですけど帰ってきたことで貴女との関わりが切れたかもしれないと思うと胃の負担が相当楽になりましたからね」

 

 「ふ~ん、そんなこと言うんだふ~ん……」

 

 「言いますよ大体僕貴女に捕まって改ぞ―――」

 

 

 

 

 ふと、口から出る言葉が止まった。……あれ?僕今誰と話しているんだ?今ここにはオールマイトと相澤先生しかいないはずなのに…………いやまて後ろから聞こえるこの間延びする甘ったるい声って……!?

 

 ふと先生方を見やる。そこには操縛布を構える相澤先生と、冷や汗を掻きながらマッスルフォームになっているオールマイトが目に入った。

 

 「……お前、どこから入ってきた?入り口は保健室側しかないし、窓も俺たちが見ていたはずだ」

 

 「そもそも君いつからそこにいたんだい?気配が一切感じなかったんだけど?」

 

 「ちょっと~髭と重病人が二人して警戒しすぎじゃない~?すっごい失礼なんだけど~」

 

 背中から再び聞こえた声に凄まじく嫌な予感が身体を突き抜け、全身から冷や汗がドバリと吹き出し唇が一瞬で乾いていく。

 

 振り返るな。振り返ったらもう現実を受け入れなければいけないぞと、内なる僕が必死で叫ぶ。だけど振り向かないと話は進まないどころか確実に悪い方向へ進んでしまうと答えを出した僕は、ギギギと錆びたネジのような動きでゆっくりと後ろへ振り返った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 振り返るとそこには桃色の巻き髪ポニーテールとゴスロリ調のドレスがとてもよく似合う少女(魔人)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さきほど話に出た13王―――偏執王アリギュラが仁王立ちでこちら見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「やっほ~もじゃg「ホギャアアアアアアアアアアアアッッ!!!?」うわうっさ」

 

 超級の厄災の登場に、僕はただ絶叫し飛び上がるしか出来なかった。

 

 

 




ヒロアカ側に初めてやってくる血界キャラに13王が選ばれる作品があるらしい。怖いなぁとづまりしとこ。

余談ですが拳客の楽園(エデン)パート2の時に人質にされた友人も件のストーカーだったりします。

【誤字報告】

PYさん。 ちはやしふうさん。 モンハンの民さん。

誤字報告ありがとうございました。
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