My Hero Battlefront ~血闘師緑谷出久~ 作:もっぴー☆
はい、本当は体育祭を投稿したかったのですがスランプに陥って遅々として進まないのでお茶濁しの幕間、という名の「本編に入れたかったけど入れたら長々と蛇足になっちゃって削除したけど割と気に入ってるからどこかで出したい」と寝かせてた話です。
時系列は44話の昼休みにトガちゃんと脳無のお話した後です。
「そういえば少年、ひとつ気になったんだが」
呼び出しの話を終えた後、せっかくなので僕はオールマイトと雑談に興じていた。トガさんや脳無のことで少し疲れたので気分を紛らわしたかったのもありちょうどいい。
メディアに引っ張りだこのオールマイトは他者を楽しませる会話に長けており、他愛のない内容だろうととても話が弾む。さすがはオールマイトというべきだろう。特に彼が解決した事件の数々の裏話などは一人のファンとして垂涎物のお話だ。
あ、念のため言っておくけど僕は今もオールマイトファンだ。ここ最近師匠と弟子の関係が強く出ているし、以前ほど熱狂も絶対視もしてないがファンなのは変わらず、今でもオールマイト関係の限定商品を買ったりゲスト出演するイベントに足を運んだりもしている。もちろん学生で出来る範囲内であるが。
ニュースなんかも他ヒーロー含め―――こっちはどこかで無茶してないか監視の側面もあるけど―――チェックもしている。
ちなみにそれを知ったオールマイトは身体を縮めて照れていた。照れ方がどことなくクラウスさんと似ていて少し微笑ましかった。
まあファン云々は置いておくとしてだ。お互いお茶で喉を潤している最中にオールマイトが気になることでもあったのか話題を変えてきた。いったい何でしょうか?
「先日のUSJ襲撃で少年は脳無を
ああそのことですか。確かに脳無はぱっと見異形個性と見れなくないですからね、言いたいことはわかります。
とはいえ見抜けたのはあなたの言う通り経験としか言いようがないですが。
動く死体云々はどんなに取り繕っても死臭―――この場合鼻で嗅ぐ臭いでなく、戦場を経験した人が肌で感じるスピリチュアル的なものだ―――が微かに漂っていることがある。長年死線を経験したオールマイトなら感覚でわかるかもしれない。
特に
とにかく、経験を積んでああいう冒涜的ともいえる匂いや気配をかぎ分けることが出来るようになり、そして脳無はそれが人一倍濃かったのだ。
とはいえ大量殺人を行なう
まあ長々と口にしたけど、結局はあの街で散々死体を見たのもあって生きてない存在を見慣れているから、というのが一番納得できる結論だろう。それだけ濃密なのだ、あの街の出来事は。
後あるとすれば……やっぱり大きなきっかけとなったからかな。
かつて無力だったあの時、個性が発現するきっかけになったあの事件で人の死を大量に見たことが記憶に焼き付いたのが一番大きいかもしれません。あの事件も僕や人々に大きな爪痕を残す嫌な事件であるけれど、僕にとってはその上で大切にしたい記憶でもある。
クラウスさんに、みんなに組織の一員として認められた事件だったから。
「血なまぐさくも自身の人生に大きな一歩を踏み出すきっかけとなった事件か。ふふ、私も襲ってきた
オールマイトもかつてのきっかけを思い出したのか目を細め思い出を口にし穏やかに微笑む。先代ワンフォーオール保有者か、一度お会いしてみたかったな。既にお亡くなりになられてるのが残念だ。
「……ところで参考までに、どういう経験があるのか聞けたり出来るかな?」
「といいますと?」
「
後半本音漏れてますよ。いや前半も本音でしょうけど。ただ後半の発言も相まって目的の比重がわかりにくいな。
しかし
「胸糞悪い話と面白おかしい話がありますがどっちがいいでしょうか?」
「題目が題目なのに反応に困る二択持ってきたね?」
「ちなみに胸糞は僕とクラウスさんがキレますし面白おかしいのは僕とダニエル警部補がキレ散らかします」
「どっちにしろ少年は必ずキレるんだ。これ実質面白おかしい一択じゃないかな」
そんなことはないかと。お互い酸いも甘いも経験した身でしょうし胸糞悪い話も聞けなくはないはずです。……まあ嫌な気分にはなるのは間違いないですから面白おかしい方が精神衛生上安心安全ですが。
明らかに誘導に近い言い方だったのもありオールマイトは面白おかしい方を選択。残当である。
「それで面白おかしい事件っていうのは?」
「こちらに帰還する少し前に起きた事件でMJT2事件といいます」
「MJT2?」
「マイティ・ジャクソンTHRI○LEタイム事件の略称です」
「う~~~~~ん各所から怒られそうな事件が出てきたぞ~!」
僕の返答にツッコミが入った。まあ僕もこの事件名が決まった時スティーブンさんにぼかさなくて大丈夫なのか聞きましたから言いたいことはすごくわかります。
マイティ・ジャクソン・THR○LLEタイム事件。略称MJT2。僕が帰還する少し前に起きた事件だ。
かつて世界の音楽に革命を起こした超々有名アーティスト、
しかし不幸なことに独学だったからかはたまた自身に半端な才能しかなかったからか、蘇生したマイティはゾンビというのもあってか
これだけなら被害は彼の死体だけ―――それでも価値は計り知れないが―――だったのだがそこで終わらないのがここヘルサレムズ・ロット。何故かマイティ自身が全方位自動ゾンビ量産術式具となってしまい、墓地の死体を無差別に蘇生、彼らも何故かバックダンサーとして踊り出した。
その後墓地はゾンビマイティを中心にどんどんゾンビが量産されていき、事態が発覚。僕もHLPDの要請で急行したが同タイミングで中心にいるのがマイティのゾンビと知った市民やファンが情報を拡散し彼らも殺到する事態に。中でも生のマイティを知る狂信者たちはそれがただ歌い踊ってるだけじゃなくアドリブやアレンジも入った正真正銘マイティ・ジャクソン最期の、ピリオドの先にある生ライブであると理解するや感動のあまり滂沱の涙を流し失禁、あるいは気絶した。中には心停止して搬送された人もいたとか。
比較的常識のあるファンもどうか止めないでほしい、あの伝説を再びと涙ながらに懇願。おまけに結構上の人たちまで出張ってきて警察の足止めを行っており現場は混迷を極めた。
しかし警察も無能じゃない。このまま放置すれば被害が墓地の外に出るのはわかりきっているので公務執行妨害を盾に鎮圧を強行。僕も謝りながら空斬糸で拘束していった。
さすがに分が悪いとわかった市民も勢いが衰え、最後は渋々ながら避難してくれた。警察も後顧の憂いを断てたことでは墓地へ進入……………しようとしたその時、ここでまさかのヴァルハラ社の社長ミラ・ゴードン氏が私兵を引き連れ介入。
あれを止めるとか世界の損失だ馬鹿なのかと最新のラピッドスパインと量子モジュールを搭載した高機動型戦闘サイボーグまで持ち出して抵抗を始めた。その時のドンパチと無限THRIL○Eのコラボレーションはあちこちでライブ配信されお祭り騒ぎへ。
余談だが後日ヴァルハラ社の業績が上方修正された。いやなんでさ?配信で映った最新鋭サイボーグが御上のお気に召したのか?それともマイティファンがスポンサーについたのか?
その後踊り明かしたゾンビマイティは最終的に334体のゾンビと合体、巨大マイティジャクソンとなってムーンウォークでストリートに進入しだしたあたりで人命を優先して破壊することに。戦闘用でもないただ大きいだけのゾンビだったので破壊は容易でそこからあっという間に終息。二次被害も墓地を数日封鎖して大掃除することと、後日SNSなどでマイティファンからこれでもかと叩かれ、それに憤慨した僕のファンが各所でレスバを始める程度で済んだ。やめてください切実に。
「ところで犯人はどうなったんだい?」
「わかりきったことを聞きます?巨大マイティの一部になりましたよ。それはもう嬉々として突撃して他のゾンビを押しのけてゾンビマイティに触れれる位置を必死に確保してました」
「我々の視点から見れば完全に
本当そう。この事件の最中犯人だけゾンビに紛れて踊ったりMVのヒロインの立ち位置を確保してたりと終始いい空気吸ってましたよ。
巨大マイティ破壊後に奴の残骸を捜索したところ奇跡的に出てきましたが、出てきたのが満面の笑みを浮かべた頭部の一部とサムズアップした左手だったため最期の最期まで楽しんだことが嫌でもわかってしまい非常に腹立たしかった。その場でダニエルさんと一緒にキレ散らかしたけど絶対悪くない。
余談だけどこの時ミラ・ゴードン氏がムーンウォークに巻き込まれそうになったところを応援に来ていたツェッド君によって救出されるという一幕があり…………そこから何故か彼女がツェッド君とよく会うようになっていた。どういうこと?吊り橋効果再び?いつぞやのトガさんか?
ついでにいえばツェッド君の周りには既に二人ほど裏で恋の鞘当てをしてるんだよなあ……。彼女も加わり争奪戦は激化しているだろうことを予想し、愛する弟弟子が穏当な恋路を歩めることを僕は祈るのだった。
でも大丈夫?その人
事件の話を終えたあたりで時間を見やる。予鈴には早いがちょうどいい時間になっていたので話を切り上げて午後に向けて教室に戻る断りを入れた僕は仮眠室を出るのだった。昼一の授業はヒーロー史だったっけ。
……それにしてもこの事件の話をしたからかマイティの歌が聴きたくなってきたな。こちらでいうマ◯ケル・ジャクソンとまんま一緒だから聴けなくはないんだけど。耳郎さんか角取さんあたりCD持ってたりしないかな?後で聞いてみよう。
そんなことを考え教室に戻った僕は……予鈴が鳴るまでトガさんのことで男子から色々質問責めにあうのだった。
◆◆◆◆◆
「うぅむ……」
「おりょっ、どうしたんですツェッドさん。タブレットとにらめっこして?」
「ああ、レオ君。いえ、ミラさんと……以前救けた女性なんですが今度その人と出かけることになりまして。エスコートするならどこでどうすればいいか調べてるところです」
「おお……デートっすか。いや~アオハルっすね~。……あれ、ミラさんって二人とまた違う人?」
「二人?」
「ああいや気にしないでください。それにしてもツェッドさんも隅に置けないっすね。そのミラさんって人とは最近仲良くなったんです?」
「ええ。以前イズクさんが関わった死霊術案件で知り合いまして。最初は何故か僕の
彼女は音楽の造詣に深く、勧められる曲も僕の趣味に合っていて飽きなくてとても楽しい時間を過ごさせてもらってます。おかげで最近、その、彼女のことを考える時間が少し増えてたような気も……」
「待って待ってツェッドさん。なんか途中から惚気てませんか??」
「え?……………………レオ君、今気づいたのですがこれってもしかして、ヒミコさんがよくイズクさんのことを語る時の、所謂コイバナとかそういう類のものしょうか?」
「多分。いや僕もそういうのと全く無縁なんで全然詳しくないっすけど。でもそういう話はヒミコさんみたいな恋愛脳って人や絶賛旦那さんと―――」
\バーン!/
「話は聞かせてもらったわツェドっち!なぁ~に~そのミラって子といい雰囲気になってるの~?全く水臭いんだから~。そういうことなら新婚十年目の私の出番よ!ほらデートするんでしょ?だったらその子の行きつけとか見てて喜んでる時とか教えなさい。分析してあげるわ。早く、洗いざらいぶちまけるのよ!」
「―――仲のいいK・Kさんあたりが聞いたら~……って言ってたら早速来ましたね。あ、僕これからバイトなんで後はお二人でごゆっくりおなしゃす。…………ん?ザップさんそこで何やって……」
「だから寝てる場合じゃねえ起きろパトリックの旦那!起きて事務所に来んだよ!」
『っふっあぁ~、っんだよザップ。こちとら三徹の仕事終わって今から寝るとこなんだ。下らなかったら怒るぞ?』
「下らねえどころか大事件だ!あの魚類のッ!!恋バナが始まったぞッッ!!!」
『……………………バッカ野郎早くそれを言いやがれ!!おいニーカ寝てる場合じゃねえコーヒーだコーヒー!バチクソ苦いの淹れろ!俺は集音マイクと車の準備してくる!!』
『オッケー、特急完徹仕様ガロンで作るよー。四徹上等』
「揃いも揃って暇人かあんたら!」
レオ「この調子だとチェインさんもどっかに隠れてそうだな……」*1
・どんな風にキレ散らかしたん?
ダニエル:ふざけんなコイツ!墓地にも警察にも迷惑かけておいていい笑顔で逝きやがって!なぜか
緑谷:なんなんですかコイツいや本当なんなんですかコイツ!死体蹴りなんて最低なことしたくないですがこの笑顔見てると内なる僕がコイツだけは許すって囁いてきます!
2割ほど残った犯人の残骸:q^)b
・突然ツェッド×ミラ始まってるんですがなんで?
鰓呼吸ブルースが好きな話だから。後ミラちゃんなんかキャラ的に好き。
・ツェッド周りの恋の鞘当て
血界公式ツイッターの2024年ツェッド誕生日に言及。この作品ではなんかさらに増えました。モテモテです。さすがツェッド君。
・新婚十年目?
適当です。一応ケイン君の身長を目算で120cmそこらとしたら6~7歳なので妊娠出産までの期間を考えるとだいたい原作が新婚7~9年目くらい?
プラスこの作品だとさらに1年以上経過してるのでだったらもう10年でいいやあの夫婦はラブラブ期間長ければ長いほどいいし、となりました。みんなだってユキトシパパとK・Kママがラブラブなの好きでしょ?好きって言え(豹変)
【誤字報告】
荒魂マサカドさん。 雪森さん。 風凛 翼さん。 ちはやしふうさん。 5W1Hさん。 slothful-somaさん。
誤字報告ありがとうございました。