ナイツ&マジック ~演算不能の騎士物語~   作:アルヌ・サクヌッセンム

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読者の皆さんあけましておめでとうございます。
気が付けば、年を跨いで1月になってしまいました。orz
去年の内に投稿したかったんですが、なかなか思うように筆が進まず申し訳ない><
こんな遅筆な拙作ですが、今年もどうかよろしくお願いします。


17話 紡がれし騎士道

 新学期が訪れた。2年生に昇級したエヴァも在学生として、新入生を迎える立場になったのだ。

 

「新1年生のみんな、かわいいわね」

 

「そうだな。変声期前のショタのはしゃぎ声はやっぱりたまらん!」

 

「……うちのクラスの男子たちも大体似たような声じゃない?」

 

「バリエーションは多い方がいいじゃないか。いや~癒されるなぁ」

 

 隣で一緒に2年生の教室から新入生達の列を眺めるティファの問いかけに、エヴァは変態的な意見で答えた。

 

「あ、バルトもここに入ってきたのね」

 

「本当?あ、いたいた。お~い、バルトく~ん」

 

 自分に声を掛けてきた者を追って視線を動かしたバルトサールは、姉達の顔を見て表情を強張らせた。すぐに顔を背けて足早に入学式会場に向かっていく。

 

「あらら、どっか行っちゃった」

 

「……ごめんなさい。バルトったら、あなたに苦手意識を持ってるみたいで」

 

 あまりにも友好的なティファの態度を見ていてすっかり忘れてしまっていたが、エヴァはやっと思い出した。

 実家との確執を。以前会った時もバルトはエヴァを疎んでいた。

 

「あぁ。“妾腹の子”だからって事か」

 

「……それだけじゃないみたいだけどね」

 

 その時のティファのか細い呟きはエヴァには聞こえていなかった。

 

「そう言えばエヴァ。エル君が正式に入学してくるのは確か来年だったわよね?」

 

「そうだな。キッドやアディと同い年だから。多分、一緒に入学することになると思う」

 

 件の親友の学園施設への出禁はまだ解除されていない。

 

「今年来られないのは残念だけど、あの子達と一緒なら楽しみが2倍……ううん、3倍になる感じね。素敵!」

 

「あいつらの事、よっぽど気に入ったんだな。まぁ、気持ちはわかるけども」

 

 年少趣味の気のある姉妹は新学年に思いを馳せながら、他愛のない会話を楽しむのだった。

 

 

 

 

 

[臆面もなく私に声を掛けてくるなんて、一体どういう心算だ?]

 

 エヴァの態度に全くと言っていい程の嫌悪の色が見られないことに、バルトは困惑していた。

 初対面の時から好意的な態度は取っていない以上、嫌われることはあっても好かれる事は無い筈と思っていたのだ。

 

[まぁ、いい。あいつの調査をするのには、そっちの方が不都合がない]

 

 敵を知り己を知れば百戦危うからず。

 孫子がいないこの世界でも、似たような諺はある。敵の情報を知ることは兵法において大事という認識は、どんな世界でも変わらないのだろう。

 自身が“敵”だと認定したエヴァの情報を彼は欲していた。

 

「すいません、エヴァリーナという女生徒についてお話を伺いたいのですが……」

 

 その為にバルトは幾人かの2年生を捕まえて、エヴァに関する様々な情報を聞き出した。

 曰く、騎士学科所属で座学では素晴らしい成績を残している。剣術や槍術の実技でもなかなかの実力者であるとの事。

 しかし、何故か魔法実技の授業にだけは顔を出さず、その代わりに構文学科や錬金術学科に赴いているらしい。

 

「彼女騎士学科なのに、何考えてるんだろうね?」

 

 教えてくれた女生徒の1人はこう言って首を傾げていた。だが、バルトはエヴァの行動目的に思い当たる節があった。

 

[そうだ、例の紙だ!あれを造るためにそんな授業を受けていたんだ!]

 

 新技術を手土産に、不当な手段で演算不能者(ノーペレーター)には手に入らない筈の騎操士としての身分を手中にしようとしている。

 彼の中の妄想はこれを真実の如く鮮烈に脳内で描き出していた。冷静に考えたらツッコミどころ満載の絵図ではあったが。

 

[やはり、あいつは最初からそのつもりで……許せん!]

 

 だが、相手は自分よりも年上の2年生。対して、今の己は全くと言っていい程力の無い1年生。

 正面切って戦いを挑むのはあまりに無謀だ。

 

[ヤツの弱点、それは魔法だ!……だが、それだけじゃダメだ]

 

 当然だが、校内で魔法を暴行に使用することは禁じられている。

 攻撃魔法は十分加減すれば非致死的威力に落とすことができるが、まだ幼い子供達にそれは難しい。非殺傷魔法でも後遺症が残る場合も考えられる。学内で人間相手に使用するのはリスクが高すぎるのだ。

 それに正直、バルトも他人に誇れるほど魔法が得意と言うわけでもない。自身が使う攻撃手段としては下の下だ。

 

[他の攻撃手段が必要だ。知恵を巡らせろ。必ず突破口が見つかるはずだ!その為にも今は情報収集に努めるべきだ。待っていろ、お前は必ず……]

 

 

 

 

 

 

「社長。歯車装置(ギア・ボックス)の組み立ての方はどんな調子ですか?」

 

「あぁ、順調だぞ。新しく雇った職人達がうまくやってくれてる」

 

 テルモネン重工の工房施設にその日の授業が終わったエヴァが顔を出す。

 侯爵との契約以来、多くの追加人員を雇い入れて施設の拡充を行った工房は、以前のそれより大きなものになっていた。

 その中で忙しなく働く大人達に混ざって、テキパキと動き回る小さな影がある。エルだ。仕様書や設計図を書き上げ、それを示して職人達に説明をしている。

 多くの職人は子供がこんな所で働いている事に怪訝そうな表情を浮かべるが、彼らは社長のボルトの人脈でかき集めて来たドワーフが大半だ。魔法技術には疎い者が多い。

 紋章術式(エンブレム・グラフ)の設計ノウハウを持った人材が今はエルしかいないので、子供の言う事であっても無視出来ないのだ。それにエル自身の堂に入った説明は、聞いているものに説得力を感じさせるものであった。

 一通りの説明が終わったのか、エヴァの存在に気付いた彼が手を振ってきた。

 

「あ、先輩。来てくれたんですね。じゃあ、紋章彫り手伝ってくださいよ。僕では手が足りなくて!」

 

「ホイ来た!」

 

 彫刻刀を握りしめて、二人の子供がホワイト・ミストーに動作術式を刻んでいく。

 侯爵から機密指定が掛けられている為、白樹紙は使えない。それ故に開発中の機材への紋章術式の組み込みは、この木材の仕様が前提となっている。

 この術式を刻んだ筐体にレシプロ機構を組み込み、錬金術工房から購入した結晶筋肉(クリスタル・ティシュー)を結わえ付けた動力機関を組み上げていく。

 

「さすが、腕利きの職人さん達が作った部品は品質がいいですね」

 

「あぁ、私が鋳造で作ったチャチい接合棒(コネクティング・ロッド)なんか比較にもならない耐久性だ。流石ドワーフ族の仕事だぜ」

 

「いや、エヴァ嬢ちゃんの鋳造技術だってなかなかのもんだぜ。うちのバトソンにも見習わせてぇくらいだ。自信持ちな」

 

「えへへ、そうですか?ありがとうございます」

 

 エヴァは鋳造技術に関しては呑み込みが早かった。それは彼女の前世での経験に一因がある。

 模型自作者(スクラッチ・ビルダー)が模型を自作する時、手作業では同じ形の部品を揃えることが難しいため、“原型”をシリコーン樹脂で型取り、ウレタン樹脂のような二液混合型プラスチックを流し込んで部品を複製する樹脂注型(レジン・キャスト)を行う場合が多い。

 もちろん金属と樹脂では物性が大きく違うが、同じく型を作って液体と化した材料を流し込む注型(キャスト)という要素を持つ技術であるためなのか、エヴァは勘所を掴むのが非常に早かった。

 注型に使用する原型や砂型の製作も概念を教えてから僅かな期間でモノにしてしまった。また、注型品の研磨作業も丁寧だったのでボルトは感心したものである。

 

 しかし試作品ならともかく、正規品筋肉の収縮による凄まじい負荷が掛かることが想定される内部機構は鍛造品を使う必要がある。

 溶かした金属を型に流し込む鋳造では、製品内部に鋳巣という空洞ができてしまう事があり、これは製品の耐久性を大きく損なう現象だ。それをハンマーでたたき潰し、より緻密で硬く粘り強い金属製品に仕上げるのが鍛冶師の業である。

 それには長年の経験と勘が必要であり、エヴァがまだまだだと感じている部分だ。そして、幻晶騎士(シルエット・ナイト)の製造はこの鍛造技術こそが肝要なのだ。

 

[やっぱり、巨大ロボのフレームを構成できるような部品には鍛造品を使うだろうし、将来的には私もできるようにならないとな]

 

 それらを学ぶためにこそ、エヴァはボルトへの弟子入りを決意したのだから。

 彼女は技術を見て盗む為に、ドワーフ達の作業工程を隙あらば観察しようとしていた。

 

 そんな作業が一通り終わったぐらいに、工房の前に一台の馬車が止まった。

 

「失礼致します。侯爵閣下の代理で参ったものです。テルモネン重工に約束の物を持参しました」

 

 大貴族の名前が出て来た事で多くの職人が動揺する中、社長のボルトは落ち着いて対応し、エルとエヴァは話に聞いていた物が到着したのだと喜びを湛える。

 

「わざわざお越しくださってありがとうごぜぇます。例の物は工房の裏に運んでくだせぇ……坊主、嬢ちゃん。二人供行ってきな」

 

「いいんですか?」

 

「あぁ。今日お前らにやって貰わなきゃいけねぇ分の仕事は終わった。待ちかねてたんだろ“アレ”を?」

 

「ありがとうございます!先輩、行きましょう」「おぅ!では、お言葉に甘えて、行ってきます」 

 

 子供達が工房の裏に駆けていくと、そこには人間大の金属製筐体……魔導演算機(マギウス・エンジン)が鎮座していた。

 

「へへへ、遂に手に入れたんだな。私達の専用機!……コンピューターだけだけど」

 

「正直言うと、動力源の魔力転換炉(エーテル・リアクター)も付けて欲しかったのですが、それは流石に欲張りすぎでしょうしね。だけど、2台も演算機をくださったのですから侯爵閣下も太っ腹ですよね」

 

 二人それぞれの専用にできるように、侯爵は二機分の演算機を用意してくれたのだった。

 

「この期待は裏切れないぞ。と言っても、私にはまだ何もできないんだけどさ」

 

「これからできるようにするんですよ。その為にも早速、解析(ハッキング)を行わなければ!」

 

 そう言うが早いか、エルが何時ぞやの様に筐体表面に手を触れて、その魔法的感覚を内蔵されたシステムへと没入させ始めた。

 

 

 

 エルの魔術演算領域(マギウス・サーキット)が魔導演算機内部に組み込まれた魔法術式の構成を知覚する。 

 

[やっぱりこのシステムは一枚岩(モノリシック)ですね。極限まで無駄が削ぎ落されている。美しさすら感じ程に]

 

 幻晶騎士の歴史は長い。その歴史の中でこの術理機構は多くの研鑽を受けてきたのだろう。あらゆる人間の操作に最適化できるようにと考え抜かれ、その結果この形になったのだと理解できる。

 それぐらいこの組込術理機構(エンベデット・システム)には無駄がなかった。

 しかし、それはこの世界の魔法使いとしての感覚であり、地球のプログラマーとしては別の感想がある。

 

[良くも悪くも、ファームウェアの域を出ない……機体(ハードウェア)と“本来のOS”とを繋ぐシステムでしかないというわけですか。演算不能者にとっては、不親切極まりない仕様でしょうね]

 

 これらは魔術演算領域の存在を大前提としている。それが真のOSとして機能補完を行ってくれることを当てにしているからこそ、この形に纏まっている物なのだとエルは看破した。

 

[だから、先輩が操作するためにはいくつもの機能を追加しなければなりません。まずは“カーネル”をもっと作り込みましょう]

 

 システムの中核的役割を担う術理機構の階層(カーネル)に多くの術式が追記され、複雑さを増していく。

 地球のOSがそうであったように、ユーザーが直接認識しない空間であるバック・グラウンドにて、様々な処理を自動で実行するための機能が追加されていく。

 それは感覚や本能と言ったブラックボックスに頼ったこの世界の魔法制御の常識から、大きく離れた要素を内包したものだった。

 

 すなわち、自動制御系(オートメーション)だ。本来なら、自動機械(ロボット)を創る上でもっとも基本的な働きをする筈の概念である。

 

[なるほど、やはりこの世界の魔法哲学の中心は“感覚”なんですね。これから切り離された制御系を構築するノウハウが少ない。だから、人の感覚を投影できるメカニズムしか制御できない]

 

 それが幻晶騎士が人型になっている……いや、人型に“しか”なれなかった理由なのだとエルは推測した。

 

 そんな彼の手によって今、組込術理機構(エンベデット・システム)基幹制御機構(オペレーティング・システム)へと進化しようとしている。

 

[さぁ、カーネルの基本は構築出来ました。あとはシェルやデーモンを追加して……あれ?]

 

 視界が霞んだ様な感覚を覚えた。“ここ”は視覚で見ている世界では無いというのに。

 急に纏まらなくなった思考の片隅で、エルはやっと霞んでいるのが自分の意識の方である事を認識した。

 

[し、しまった。この症状は、魔力切れ……]

 

 しばらく味わっていなかった感覚に翻弄されながら、彼の意識はシステム毎シャットダウンされた。

 

 

 

「おい、エル!?しっかりしろ!どうしたんだ、いきなり!?」

 

 魔導演算機に縋りつくようにして倒れ込んだエルをエヴァは介抱した。

 しばらく工房のベッドを借りて寝かせていたのだが、10分程度で意識を取り戻し自分の状態を把握すると、彼は悔しそうに表情を歪ませた。

 

「迂闊でした。魔力の残量に意識が向いていませんでした。演算機に魔力を吸われすぎてしまったようです」

 

 本来、魔導演算機は魔力転換炉からのエネルギー供給によって動く機関だ。それが要求する魔力は大きい。

 エルはついつい熱中して、己の限界を超えた魔力を演算機に捧げてしまったようだ。

 彼も魔力の量には自信があったが、それでも本来10m級の人型兵器を稼働させるための大型コンピューターの稼働を長時間維持し続けることができる程では無かったようだ

 

「よかった。いきなり倒れたから、何事かと心配したぞ」

 

「心配させてごめんなさい。しかし、困りましたね。こんなに魔力を持っていかれるんじゃ、OSを完成させるまでに何度倒れることになるやら……」

 

 エルは無意識の内に演算機を地球のパソコンの感覚で考えてしまっていた事を自覚した。あれは本来、個人が家電感覚で好き放題遊び倒せる代物では無いのだ。

 

「こんな事なら、やっぱり無理を言ってでも魔力転換炉も譲って貰えばよかったですね。……今更言っても仕方ないでしょうが」

 

 あくまで“魔導演算機を譲る”という約束だったのだから、報酬の御代わりなど許されるはずもない。

 エルが打開策を考えて唸っていると、エヴァがとある提案をしてきた。

 

「なぁ。私が魔力を供給して動かす事ってできないのかな?」

 

 エルもすっかり失念していた。エヴァは戦術級魔法(オーバード・スペル)すら支えられる絶大な魔力の持ち主だ。

 魔導演算機の要求魔力も大きいが、さすがにこれを超える程ではない。実に良い提案だと思った。

 

「そうですね。先輩が『魔力転換炉』になってくれるというなら、きっとあのシステムだって支えられますよ」

 

「いや、人を生体ユニットみたいに言わんでくれるか?」「あ、ごめんなさい」

 

 厳しい表情でそうツッコむエヴァだったが、すぐにその顔も綻ぶ。

 

「でも、よかった。システムの構築に私は何の貢献もできないと思ってたから、お前に頼りきりになっていたからな。これで私にもできる事が増えた」

 

 二人はエルの回復を待ってから、再び魔導演算機に向き直る。

 エヴァが魔力を供給し、エルがシステムの構築と設定を行う。それは理想的共生関係と言えるものであった。

 

  

 

 あれから数週間が経過した。

 OSの雛型になる部分が完成し、いよいよその稼働実験を試みる段階に来ていた。

 工房の片隅で子供達が魔導演算機に銀線神経(シルバー・ナーヴ)を配線し、様々な機材を取り付けていく。

 その中には、ビデオモニターを彷彿とさせる機械もあった。

 

「社長、すいません。無理を言って幻像投影機(ホロモニター)まで借りちゃって」

 

「まぁ、仕方ないさ。それより本当に眼球水晶は必要ないのか?あれ無しじゃ何の役にも立たない機材だろうに」

 

「いいんですよ。これは外界の情報を映し出す為の物ではないのですから」

 

 社長のボルトを初め、この日集まった見物人達は本来、操縦席内部に視覚的情報を提供する筈の機材である幻像投影機を、他の何に使うのか想像できない様子で首を傾げながら、子供たちの作業を見守っていた。

 

「準備出来ましたよ。やっちゃってください、先輩!」

 

「あぁ、じゃあ行くぜ!」

 

 幻晶騎士の操縦席を模して、簡易的に配置された座椅子に跨ったエヴァ。

 その座椅子に組み込まれた経路(パス)を辿って注ぎ込まれた魔力は魔導演算機を起動させ、その中のシステムを眠りから覚ます。

 OSが立ち上がり、機能し始めたことで幻像投影機に光が灯った。それを見た衆人達がどよめく。

 

「な、なんだ?」「なんか変な文字や図形が浮かび上がってきたぞ」「何が映し出されているんだ?」「これって、もしかして魔法術式?」

 

 これはエルが“シェル”と呼んでいた機能の一形態。OS内部で行われている情報処理の結果を出力し、ユーザーへと伝えるモノ。

 この世界の魔法使いが脳内でのみ処理していた情報を視覚として表示するための機能だ。

 

 それらの表示はやがて一つの大きな文字列へと収束して行く。でかでかと拡大され強調されたその文字列は、このシステムの名前らしかった。

 

「K-sido?」「キシドーって読むんです。それ」

 

 エヴァの疑問の声に、エルが横から注釈を加えた。

 彼女のこれから歩む騎士道を支える。その為のOS、だからK-sido(キシドー)らしい。

 

「なかなか洒落た名前つけてくれるじゃん……ようやく完成したんだな、私でも使えるOSが」

 

「まだまだ雛型ですよ。ロボットを制御できる段階にはありません。だから、これから作って行くんです。みんなでね」

 

 とは言え、一先ずの達成感を味わう二人。多くの者たちにとって、このOSが如何なる意味を持っている物かは解らないだろう。

 

 だが、それはやがて幻晶騎士のみならずこの世界の人類史にすら影響を与える大きな潮流を生み出すものとなるのであった。

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