ナイツ&マジック ~演算不能の騎士物語~ 作:アルヌ・サクヌッセンム
魔導兵装の自作に成功したエヴァリーナ。
彼女は更なる騎士としての能力研鑽の為に、2歳年下の友人エルネスティと弟のアーキッドと妹のアデルトルートと共に、剣の稽古に励んでいた。
「エヴァ先輩、お見逸れしました。まさか、あなたがここまで剣術を磨いていたとは」
「ふふ、ありがと。魔法が使えなかった分、こっちはかなり気合入れて訓練してたからな」
4人の子供たちの中で最も純粋な体術・剣術のセンスに優れていたのは、やはり年長者たる彼女だった。
2歳分成長している事を差し引いても基礎体力が段違いに発達している事は、彼女の地力とそれを鍛えるための努力の賜物であろう。
だがとある技を使えば、そんなエヴァをエルは圧倒してしまうことができる。
「……やっぱ、ずるいと思うわ。
「まぁ、これを使えることが僕の持ち味ですし。少しは許してくださいよ」
身体強化魔法。その名の通り、使用者の身体能力を大きく強化してしまう魔法である。
耐久力・力・動作速度など全てが凄まじいレベルまで向上するのだ。
この魔法を使われてしまうと、エヴァは体重差を活かした圧し掛かり戦法ぐらいでしかエルを抑えられないぐらいの力の差となる。
それすらもエルの小柄な体格と凄まじい動作速度による敏捷性によって、滅多なことでは成功しない。
こんなチートくさい魔法の使用を訓練で許しているのは、本能によるものとはいえ魔獣は身体強化を実戦で使用してくるからだ。
というよりも、魔獣達が幻晶騎士ほどの大型兵器を相手どれるだけの凄まじい戦闘能力を発揮できるのは、むしろこの魔法の存在によるところが大きい。
全高10mの人型の金属塊をただの動物が力で押し負かすのは難しい。それ以前にそこまで大型化することすら困難だ。
この魔法によって見た目以上の防御力と攻撃力と大型の体躯を手に入れた生物だからこそ“魔獣”と言われているのだから。
そんな生物を想定した訓練を行うのには、同種の魔法を使いこなせる相手こそが最適だ。その点でエルは素晴らしい
だが彼の場合、さらに厄介なことに強化魔法とは別の手段によって圧倒的な機動力をも手に入れられる。
「エアロ・スラスト!」
「ぐ!いくら何でもそれは反則だっての!ネ〇ストみたいな事やってくるんじゃない!」
大気を圧縮して、空気の弾体を作り出すという風の系統に連なる攻撃魔法なのだが、エルはこれを“推進”に転用したのだ。
それこそが
宇宙船や船外作業服に搭載されている窒素スラスターのような姿勢制御用推進システムを、この世界の魔法とそれで操る圧縮大気によって再現したようなこの技で、彼は限りなく飛翔に近い“
これにより、彼は単なる身体強化以上の更なる運動性と機動性を手に入れられるのだ。
もちろんこの技はエルの身体に凄まじい反動による負荷を掛ける事となるが、前述の身体強化魔法によって補強された耐久性がこの問題を解決してしまう。
まるでアニメに出てくるロボット兵器やヒーローのようなめちゃくちゃな機動力を生身で再現できてしまうのは、もはや人間の能力を凌駕しているレベルだ。
流石にこれは魔獣を想定した訓練だとしても過剰なものであるのだが、
「すみません先輩。あなたが結構粘るので、つい本気を出してみたくなってしまって。ケガはないですか?」
「ケガしてたら、もっと怒ってるよ。なんだかんだでお前も手加減してただろ?」
「はて?僕は手加減が苦手なんですけどね」「抜かしおる」
これに反応できている上に防御も成功している時点で、エヴァの反射神経と身体能力も相当なものだ。
そんな訓練をやっている合間に弟妹達が素朴な疑問をぶつけてくる。
「なぁ、姉ちゃんは
姉と友はそれに対して素早く回答した。
「無理だな(ですね)」
身体強化魔法は最上級の魔法。消費する魔力も膨大なら術式構造も複雑だ。
しかし、構造の複雑さや消費魔力以前に根本的に身体強化魔法は紋章術式とは相性が最悪なのだ。
何故なら紋章術式はその原理上、単体では術式を書き換えられないからだ。
「生物の体って言うのは、状態が刻一刻と変化するものだからな。そんな物を対象にした操作なんて秒単位で組織の状態を観測して、それを元に術式を逐次書き換えなきゃいかんだろう?
「いいえ、先輩。秒単位どころじゃあ全然間に合わないですよ。状況次第ではフレーム単位(*1フレームは60分の1秒)以上の細かい処理が必要です」
「……それ、もうほとんどTASさんやRTAさんの世界じゃないか。なんにせよ、そんな時間単位で紋章術式を書き換えるなんてどう考えても無理だよ。物理的に」
「僕が使ってる強化魔法は、術式に改造を施して変数の対象を減らしたり、構成を圧縮して処理を軽くしているのですが、それでも生体に対して行使するにはどこかしらで必ずフィードバックによる処理が必要になります。紋章術式だけでは無理ですね」
筋肉・骨格・皮膚。この魔法が制御する対象となる生体組織は多様だ。それらの状態を常に全身の感覚器を通して観測し続けなくてはならない。
これだけでも人の意識の力だけでは難しいというのに、それを強化・制御するための魔法を行使し続ける。それにはどう考えても
この場合は
「エアロ・スラストだってそうさ。あんなものを安全に利用しようと思ったら、噴射ベクトルや出力を巧みに調整しないとできないことだろうし。フィードバック無しであんな真似したら派手にすっ転ぶか、明後日の方向にすっ飛んで行ったり、最悪大怪我だろうさ。怖くて真似できたものじゃない」
「「そ、そういうものなの?」」「「そういうものなんです(だよ)」」
それは地球の航空宇宙産業が証明している事だ。専門家程の知識はないが、エヴァはそう断言できる。
だが、それは逆に言うのであれば、
[この両方を容易く制御できてるエルの脳みそって、相当強力なコンピューターって事だぞ……“生まれながらのサイボーグ”っていう例えは、誇張でもなんでもないなこりゃ]
その言葉はエルにとっては人類全体を指したものであったが、エヴァには彼こそがその最先鋒であるように感じた。
地球のフィクション作品においての機械やコンピューター技術と有機的に混ざり合った超人間という、一般的なイメージな方のサイボーグにだ。
[そんな人間にしか操作できないロボットだと言われてる
せっかく励起された希望が、不安によって陰っていくように感じたエヴァ。
だが絶望などやれるだけの事をしてからするべきだと思った彼女はそれを振り払い、努めて前向きであろうとする。
そうでなければ、励ましてくれた
「さて、剣術訓練はこのくらいにして、次は走り込みでもしようか」
気分転換のためにそう提案したエヴァに他の3人も同意し、みんな街の中でのランニングを始めた。
いつもは身体強化を使って高速走行をするエルも、この時はエヴァもいる為なのか自分の素の身体能力でのランニングで3人の歩調に合わせていた。
そんな楽しい訓練の最中、4人はこんな光景を目撃した。
「や~い、ノロマのバトソン!」
「トンマのバトソン!」
「悔しかったら、追いついて見せろ~!」
「待ちやがれ!俺のハンマー返せ!」
3人の少年が1人の男の子を虐めているようだった。
虐められている方の子供はエルよりも身長が低く脚も短い小柄な体形。だが、筋肉が発達しておりずんぐりしたフォルムをしている。
この世界の人類と並ぶ
見れば相手の一人の手にハンマーが握られており、取り上げられたそれを必死に取り返そうとしていると察せられる。
バトソンと呼ばれた彼は一生懸命少年たちを追いかけているが、歩幅が小さいので速度が足りず、置いて行かれる形になる。
少年達はそんな彼をからかって遊んでいるのだろう。
それを見たエル達は義憤に駆られていた。
「見ていて気分がよくないですね。ああいうの」
「だな。弱い者虐めは良くないよな」
「助けてあげなきゃだよね?お姉ちゃん……」
アディが背後の姉に同意を求めようとしたのだが、そこにエヴァの姿はなかった。
しかし、エヴァはすぐに見つかった。
「こら~!ショタを虐めてんじゃね~!クソガキども!」
「「「わぁ~!なんだこいつ!?」」」
何時の間にやら件のいじめっ子達に接近して、ハンマーを取り上げていた。
それをにこやかな顔でバトソンに渡すエヴァ。
「はい。これ、君の金槌だよね?」
「あ、ありがとう」
だが、いじめっ子達がそんな状況を黙って許すわけはなかった。
「なにすんだよ!?この女!」
「そうだ、そうだ!かっこつけてるんじゃねぇぞ!」
「お前を虐めてやろうか?あぁ?」
そう言って、威嚇してくる少年たちにエヴァは不敵に笑いかけた。
「ふふふ、はてさて君たちの攻撃が私に当たるかな?」
「舐めやがって!お前ら、こいつ泣かせてやろうぜ!」
「おぅ!」
「3人に敵うわけないだろう!馬鹿な奴!」
少年たちはエヴァに掴みかかろうとした。
しかし、3人の手は空を切る。
[やっぱり、エルに比べると遅いなぁ]
元々身体能力の高かったエヴァは身体強化魔法や大気圧縮推進によって凄まじい敏捷性と機動力を発揮するエルとの訓練を行う内に、今や常人を凌駕する反射神経を獲得している。
10代にも満たない普通の子供の動きなど、3人相手でも見切るのは容易く感じる。
「こ、こいつ……3人がかりでやってるのに」
「全然、攻撃が当たらない」
「は、早い」
攻撃の悉くを避けられるので、疲労困憊となる少年達。
「そっちの攻撃はもうおしまいかな?ではこちらから行かせてもらおう!」
エヴァは彼らに勢い殴りかかり……はしなかった。
「ひゃあ!?首筋に息を吹きかけるな!」
「どこ触ってるんだよ!?」
「痴漢!変態女!」
代わりにセクハラ染みた攻撃を仕掛けてきた。
「くくく、なかなかかわいいリアクションをしてくれるじゃないか。こりゃ、もっと楽しませて……」
「セクハラやめなさい!」「へぶぅ!?」
エルが弱めの身体強化魔法をかけたチョップをエヴァの首筋に見舞う。
見事なツッコミであった。
「あなたは!
「ちょ、ちょっとしたジョークじゃないか。そこまで怒んなくても……」
「世が世なら普通に犯罪ですよ!見なさい!泣いてる子もいるんですよ!?」
見れば確かに、恐怖なのか気持ち悪さなのか、3人の中には涙を浮かべている者もいた。
「謝んなさい!謝って!」
「ご、ごめんなさい。調子に乗りました。もうしません……」
謝罪するエヴァとそれを冷たい視線で睨みつけるエル。そして、それを困惑の表情で見つめるいじめっ子達とバトソン。
バトソンは思った。
[何を見せられてんだ。俺……]
「姉ちゃん。あれはねぇだろ……」
「途中まですごくかっこよかったのに、色々と台無しじゃないのよ……」
「ちょ、ちょっとした出来心で……反撃とは言え、暴力は良くないじゃない?だから……」
「先輩。性的暴力っていう言葉ご存じですか?」
「うぐぅ……」
軽蔑に近い呆れを込めた視線で見つめてくるエルと弟妹達に必死に言い訳をしているエヴァ。
涙目になりつつある彼女だったが、沈んだ気分を持ち上げてくれたのはバトソンだった。
「ハンマー取り戻してくれて、ありがとう。俺はバトソン・テルモネンって言うんだ」
バトソンの自己紹介に、4人も自分の名前を告げる。
「エルにエヴァさんにキッドとアディか。エヴァさん、なんで俺の金槌を取り戻してくれたんだ?」
なんとなく理由が気になって理由を尋ねた彼に対して、彼女が口にした言葉は、
「君が
「ふぁ!?」
バトソンの顔を朱く染めるほど小っ恥ずかしいものだった。
「ね、姉ちゃん?」
「先輩。あなた、ドワーフまで守備範囲だったんですか?本当にショタなら何でもいいんじゃないですか?」
「お姉ちゃん、バトソン君みたいな子が好みなの?」
他の3人も困惑しているようだ。というのもドワーフ族は人類とは顔のつくりや体形がやや異なっているせいか、人間からは一般的に美しいと認識されづらい傾向があるからだ。
しかし、エヴァはそうは感じていないようだ。ドヤ顔で持論を展開する。
「いや、バトソン君可愛くないか?エルの姿が小鳥や子猫みたいな可愛さだとするなら、彼は子熊みたいな可愛さだと私は思うな。ちなみにキッドは子犬的な可愛さを持ってると思うぞ」
「うーん、言われてみれば?」
「なんで俺までそんな恥ずかしい評価を……」
そして、どうやら微妙にアディもそれに感化されてしまったようだった。流れ弾のような自分の評価を聞かされて、キッドも顔が赤い。
こんな恥ずかしいショタ品評などこれ以上聞かされたくなかったのか、エルはやや強引に話題を変えようとする。
「と、ところで金槌をそんなに大切に扱っているという事は、もしかしてあなたは鍛冶師を目指しているのですか?」
「あ、あぁ。俺ん家は代々
「「騎操鍛冶師ですって(だって)!?」」
メカオタク2名が吼える。いきなり怒鳴るような声を聞かされたバトソンが驚くのも構わず、エルとエヴァは捲し立て始めた。
「あなたも幻晶騎士に係わる仕事を目指しているのですか!?」
「鍛冶師ってことはあれだよな!?鍛造から鋳造まであらゆる金属加工を手掛ける
「お、おおぅ?」
両人とも幻晶騎士に関係した技術者の縁者と出会うのは初めてだったのか、非常に興奮していた。
その後、なし崩し的に、バトソンの実家である“テルモネン工房”に遊びに行くことになってしまった一行。バトソンも助けられた恩を感じて断り切れなかったようだ。
「すごい!溶鉱炉ですよ先輩!」「あぁ!溶けた銑鉄なんて動画ぐらいでしか見たことなかったが、すごい熱気だな!」
バトソンの父親に挨拶をしてから工房を見学させてもらったのだが、二人は興奮しっぱなしであった。
「二人とも興奮しすぎぃ。何がそこまで面白いの?」「騎士になるのに、鍛冶知識って必要な事なのか?」
双子が訝る。実際、騎士業には鍛冶に関する知識など触り程度しか必要ないのだが、エルもエヴァもモノづくりが趣味な所為なのか、こういう事に興味津々になりがちである。
「あ、ごめんなさい」「もしかしなくても、うるさかったですよね?」
「まぁな。だが、偶にはこういう賑やかなのもいいものだ。気にするな。“嬢ちゃん達”」
“案の定”バトソンの父である工房長は、エルを女児と勘違いしていた。
「すいません……僕、こう見えて男なんですよ」「やっぱりドワーフ族から見ても、女顔なんだな。流石男の娘だわ」
「……馬鹿にしてるんです?」「は?誉め言葉に決まってるだろ?」
さも当然のように真顔で返してくるエヴァに、エルは怒る気も起きなくなったようだ。
ふと、エヴァは工房の片隅に並べられている“製品”の数々に目が行った。
「あ、ここ杖も作ってらっしゃるんですか?」
「あぁ、そうだよ。学生が多いからな。魔法の練習用に買っていくやつらが多いんだ」
工房長がそう応える。
流石はプロといったところか。ホワイト・ミストーで作られた柄も、先端に埋め込まれた結晶も、エヴァの制作する魔導兵装よりも作りがしっかりしていると感じる。
「うーん、表面処理も綺麗だわ。この木工技術、ぜひ見習いたい!」
「なんだ?嬢ちゃんも鍛冶屋か大工でも目指してるのかい?」
「いえ、あくまで
「ははは!何せそれで食って行ってるからな」
自分の作った“製品”の質を褒められるのは、職人として悪い気はしない。彼は笑顔で評価を受け止める。
そんなやり取りを横で見ていたエルが突如として、こんな事を言い始めた。
「でも、先輩の作った魔導兵装の方が使いやすそうでしたね」「「え?」」
エルはエヴァが創り出した魔導兵装の仕様と、この世界の杖を比較していて感じた事を語り始めた。
「先輩が作った魔導兵装は狙いやすいように
それはエヴァが大柄な魔導兵装を少しでも取り扱いやすくしようとした結果だった。
把握部は握りやすいように銃把のような形にしたり、フロントサイトやリアサイトを取り付けてみたり、いろいろな工夫を凝らした。
その大きさから対戦車歩兵火器のイメージがあったエヴァの第一印象の所為もあって、そのようなデザインに収斂していったのだ。
「やっぱり、杖も“銃”みたいなデザインになった方が扱いやすくなるんじゃないでしょうか?魔法を“発射”する武器なんですし」
「すまねぇ、坊主。その“ジュウ”ってどんな武器だ?聞いた事がねぇんだが」
エルの意見に“この世界の住人”として当然の意見を工房長は投げかける。
「失礼しました。そうですね。
この世界にも弩は存在する。大型のものはバリスタのような攻城兵器の基本原理にも応用されているものだ。
あれも矢を発射する武器である弓の発展系であり、地球で“ボウガン”という商品名で呼ばれることもあった様に、弓と銃の中間体武器と言える。
「なるほどな。あれも
それを聞いて、エヴァも黙っていられなくなったのか、口を出して来た。
「すいません。筆記用具を貸していただけませんか?なんかそれを聞いてたらアイディアスケッチというか、ちょっとした図面を引きたくなったんです」
「お、おぅ。お嬢ちゃん、その歳でそんな物まで描けるようになってるのか?いいぜ、そこにある道具を使いな」
「ありがとうございます!」
こうして工房長を巻き込んで、エヴァとエルは何時ぞやの幻晶騎士のスケッチのように、熱気を伴いながらの技術考証を始めた。
「父ちゃんとあんな高度なレベルの会話ができるなんて……なんかすごいな。お前らの姉ちゃんと友達って」
「だろ?」「あぁなると、私たちは置いてけぼりになっちゃうんだけどね」
驚きを隠せないバトソンと誇らしげな顔をするキッド、そして膨れっ面をするアディがそれを工房の片隅で見守るのであった。
「おもしろい形だな。この武器」
「工房長。お金はきちんと払わせてもらうので、これをオーダーメイドで拵えていただけませんか?」
3人の描き上げた武器の図面を見ながら、エルが工房長にそう依頼すると、彼は快諾した。
それを見て、エヴァも己が情動を叩きつける様に工房長にお願いをした。
「お願いします、工房長!私に木工と冶金技術を教えてください!」
「「「「「え!?」」」」」
エヴァのいきなりの申し出に、その場にいた全員が驚愕の声を上げる。
「私、魔導兵装を自作してるんですが、やっぱりこちらで作られている杖や武器の方が作りがしっかりしてて美しいです。是非ともその技術を私にも教えていただきたいんです」
「ちょっと待て、さっきのは聞き間違いじゃなかったのか!?魔導兵装の自作?あんな物を嬢ちゃんなんかが個人で作れるわけが……」
「それに関しては工房長。僕からも説明させてください」
エルとエヴァの口から語られる“ホワイト・ミストー製魔導兵装”の情報は、工房長の常識を完膚なきまでに破壊した。
「ほ、ホワイト・ミストーにそんな使い道が?……聞いた事がねぇぞ?」
「そうだったのですか?確かに他で聞いた事はありませんでしたが」
この世界でホワイト・ミストーは杖に使う素材である。そして魔導兵装は銀で作るものであり、個人では制作ができない。長年この常識がまかり通ってきたため、他に考え付いたものがいなかったようだ。
演算能力を持っている人間にとっては魔導兵装など無用の長物なのだし、今まではそれで正しかったのだ。だが、エヴァは違う。
「
それを聞いた工房長は難しい顔をした。
弟子を取るというのは、軽々しく決めていいものなどではない。彼女の親とも相談しなくてはならない。
しかし、彼には興味があったのだ。歳に見合わない図面を引く能力を持ち、なおかつ例え拙くとも、本来幻晶騎士用の武器である魔導兵装を個人製作しているというエヴァリーナの持つ技術に。
[面白い坊主と嬢ちゃんだな……バトソンにとってもいい刺激になりそうだ]
彼は内心、エヴァを弟子に取りたいと考え始めていた。
即答は避けたが前向きに検討させて欲しいと告げて、その日は家に帰させることにした。
明るい顔で帰路に就く4人の姿を見て、工房長は息子に語りかける。
「バトソン、面白い友達を見つけたな。ああいう友達は大事にするんだぞ?」
「あ、あぁ。わかったよ、父ちゃん」
エヴァ「なんだよ、これ!?ドラ〇ストレーガは戦艦じゃなかったのか?まるで桃源郷ではないか!?」
ミ〇バ「な、なんですか?あなた?どこからやってきたんです?」
エヴァ「あぁ!あなたがこの船の艦長さんですか?なんと羨ましい!ショタとロボの楽園を築いた人生の成功者さん、こんな空間を形成する秘訣を教えていただけませんか?」
ミ〇バ「えぇ!?そんな事言われましても……」
エル「すいません艦長。今すぐこの変質者は元の“世界線”に還しますので……あなたは“二次”の人物でしょうが!こんな所に入って来ちゃダメでしょ!?ブレイ〇ポリスに連行されたいんですか!?」
エヴァ「あ~ん、桃源郷が~!勇〇君が~!ボ〇ー君が~!」
ミ〇バ「いったい何だったんでしょうか?」