IS~嫌われた世界で生き抜く~   作:とあるP

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とあるPです。

久しぶりにアンチ作品を執筆するので、些か不安な部分もありますが、暖かい目で見てもらうと嬉しいです。

一応原作は読破済みですが、抜けている部分があれば連絡をお願いします。


それでは本編どうぞ!


第1話

ピチョチン、ピチョチン。

 

薄暗い部屋に音が響き渡る。その部屋には3人の男いた。1人はニヤニヤしながらテレビを見ており、もう1人は肩にナイフを当てながら、イスに縛り付けている男の子織斑秋(おりむら あき)を見ていた。

 

織斑秋。織斑千冬と織斑一夏の弟である。何故ここに居るかと言うと、彼らは秋を使って千冬及び日本政府から身代金を要求してきたのである。ことの発端は今から10年前に遡る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10年前天災博士篠ノ之束によって開発されたIS(インフィニット・ストラトス)が世界中に発表された。宇宙空間での船外活動を想定したパワードスーツを誰もが待ち望んだ。これにより、人類は宇宙空間での作業がやりやすくなった。

しかし、学者達は絵空事だ、そんなおとぎ話みたいな話しを信じるバカは居ないと真っ向から否定した。

それに怒った束はISの有意性を図るため、日本に数百発のミサイルを発射させた。

 

 

そして、千冬が白いIS【白騎士】を纏って全てのミサイルを撃破した。通称「白騎士事件」。それによりISは全ての現行兵器よりも上位の位置にいる事が知らせた。確かに有意性は知ることが出来た。しかしそれが宇宙へと行くことは無かった。

 

それどころか、兵器へと転換されてしまう始末である。当の束本人もこれについては予想外だった。更に予想外の事が一つ発生した。

 

 

 

“ISは女にしか扱えない”

 

 

これにより、女性優位『女尊男卑』と言う社会が成り立ってしまった。全て女性が優遇される時代。それにより男達の肩身が狭くなった。

 

そして、ISはスポーツの面で活躍する事になった。その世界的大会「第一モンドグロッソ大会」で千冬姉は優勝した。それにより、俺達兄弟達にも注目が集まった。

 

一夏は剣道も出来たので運動は抜群だった。ただ、学力は秋の方が上だった。

 

秋の成績は学年トップ。常に上位をキープしていた。しかし、身体が弱く、一夏ほど運動は出来なかった。そんな秋を千冬はいつも比べていた。

 

「一夏はこんなにも出来る。お前はどうだ?」

 

いつも一夏と比べられていた。俺が得意な勉強で負けると“偶には悪い時があるんだ”と言って認めなかった。それだけではない。

子供の頃から通っている剣道場の子にも嫌われる始末である。一夏との試合している時は手を抜くが、俺となると全力でやって来る。それが嫌で剣道はやめた。

 

そして、今の状況である。奴らは俺を誘拐したから金があると勘違いしているのであろう。

 

しかし、返答は予想外の物だった。

 

「オウ、約束の金は用意しただろうな?…何?織斑秋と言う奴は知らないだと!?…ふざけんな!それなら証拠を見せてやる!オイやっちまえ!」

 

そう言って、ナイフを持った男が近づいてきた。そして、持っていたナイフを振り下ろした。俺は必死に躱そうとしたが、思うように動くことが出来ず顔に傷を負ってしまった。

 

「くっ!」

 

「ちぃ運のいい奴め。だか、次は避けられるかな?」

 

そう言って、じりじりと近づいてきた。そして、再びナイフを振り下ろした。今度は運悪く右足に深く刺さってしまった。

 

「ぐああああ~!」

 

「さぁこれを聞いてもまだ、金を寄こさねえって言いうのか!…あぁ?だからいたずら電話じゃあ…ちぃ切りやがった」

 

『さぁ!第二回モンドグロッソの開始です!前回大会優勝者織斑千冬はIS【暮桜】を纏って今ピットから出てきました』

 

テレビを見てみると千冬姉が【暮桜】を纏ってアリーナピットから出て行くのを見た。それを見た俺は悟った。

 

 

自分は捨てられた

 

 

そう思うと、どうでもいいと思ってきた。いっそこのまま死んでもいいかと…そんな追い打ちをかけるかの如く誘拐犯の2人は近づいてきた。

 

「残念だったな。織斑千冬はお前の事なんて知らねえって言って電話を切っちまったよ」

 

「恨むなら、捨てた姉と兄を恨むんだな」

 

「くっそ…くっそ、くっそ、くっそーー!」

 

「それじゃあ、まぁ生きていたらまた会おうな。ハハハハ!」

 

そう言って、誘拐犯の2人は逃げて行った。足から大量の血が流れだし感覚が無くなりつつある。身体も寒くなってきた。

 

これで死んでしまうのか。それなら織斑の呪縛から逃れられるからいいかと思ってしまった。

 

目が霞んできた。…本当に終わるのか…

 

 

“コツコツ”

 

 

誰かがやって来る。先ほどの男達か?けど、一つしか聞こえない。そして、秋の前で止まった。

 

「貴方に選ばせてあげる。このまま死ぬか。我々と共に来て残りの生を謳歌するか」

 

女の声で秋に問うてきた。秋は声が霞む中答えた。

 

「…俺はもうすぐで死ぬ。…なら、少ない人生を…少しでも謳歌したい」

 

「決まりね」

 

そう言って、女は一本の注射を秋の右足に打った。すると、みるみるうちに血が止まった。

 

「これには、医療ナノマシンが数倍の濃度で収められているわ。こんな傷なら一時間もしないうちに治るでしょう」

 

「アンタは一体…」

 

そう言う秋に女はうっとりした笑顔でこう言った。

 

「私はスコール・ミューゼル。ようこそ亡国機業(ファントムタスク)へ歓迎するわよ。織斑秋」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古い街並みが残る北欧の国に移り住んでから3か月。世間では俺が死んだことになっている。あの血の量と姿が見えない事によって死亡扱いされていた。

 

この3ヶ月で大きくなったと言えば、俺に2人の姉と1人の妹が出来たことくらいかな。

 

「今日の特訓終わったよ。スコール姉さん(・・・・・・・)オータム姉さん(・・・・・・・)

 

「おう、お疲れさん。早くシャワーを浴びてこい。飯にするぞ」

 

「お疲れさま。マドカが来たら夕ご飯にするわよ」

 

俺を助けて、亡国機業へ入れたスコール姉さん。武器・格闘術と様々な事を教えてくれたオータム姉さん。そして、今出かけているマドカは俺の妹にあたる。

 

血は繋がっていない。けど、あの家(織斑家)に比べればましな方になる。やっていることは犯罪まがいなことだけど、背に腹は代えられない。

 

「秋?どうしたの?」

 

「何でもないよ、スコール姉さん」

 

「なんだ?悩み事か?よーし!オレがばっちり解決してやるからよ!」

 

「何でもないよオータム姉さん。それよりマドカは?」

 

「もう少しで帰ってくると「…ただいま」ほら、帰ってきたわ」

 

そう言って、マドカが帰ってきた。彼女はここに来る前までとある研究所で実験材料扱いの生活をしていた。それを見かねた俺はオータム姉さんとスコール姉さんに相談した。

 

2人と協力して、マドカを救い出し亡国機業にスカウトした。彼女の容姿はあの人(千冬姉)そっくりだが、あの人はあの人。マドカはマドカだ。

 

だから少しだけ抵抗があったが、もう慣れた。それに俺よりも年下とわかったから今では妹の様な感覚である。

 

「お帰りマドカ」

 

「…ただいま」

 

「相変わらず無愛想ね。そんな事をしていると、秋に嫌われるわよ」

 

「コイツこの前アタシに負けた事まだ根に持ってるんだぜ」

 

「…ぶっ殺す」

 

「いいぜ!こちとらムラムラしてるんだ!戦場でもベットでも相手してやるよ!」

 

「やめなよマドカ。それに、女の子がそんな言葉を使っちゃダメだよ。あと、オータム姉さんも煽らないでよね」

 

「へ~い…命拾いしたな」

 

「やっぱり殺す!」

 

「はい、はいやめなさい。そろそろ食事にするわよ。マドカは着替えて来なさい。オータムは…あとで話しがあるから部屋に来なさい」

 

「…わかったよ」

 

そう言って、渋々返事をするオータム姉さん。この人スコール姉さんには弱いからな。マドカはいつの間にか着替えて椅子に座っていた。

 

そして、4人が揃った所で夕食となった。

 

 

 

 

自室で休んでいると、マドカが部屋にやって来た。パジャマ姿を見るともう寝る所だった。

 

「どうしたんだ?」

 

「…寝れないから、秋兄さんの所で寝ていいか?」

 

「なんで……あ~そういうことか。いいよ。おいで」

 

俺は少しだけ考えた後マドカを呼び寄せた。何故かと言うとオータム姉さんとスコール姉さんが夜のお楽しみの最中なのだ。あの2人は恋人関係である。その為オータム姉さんを宥める為にこうやってスコール姉さんが構っている。

 

ただ、子供のマドカには刺激が強すぎるようだ。その為こうやって俺の部屋に来ることがある。

 

「今日はどうだった?」

 

「…つまらなかった。秋兄さんのように強い奴かと思っていたが」

 

「そうか?俺もそんなに強くないぞ」

 

「秋兄さんは強い。どこの誰よりも」

 

「…ありがとうな」

 

そう言って、マドカの頭を優しく撫でた。唯一俺の事を認めてくれる事を嬉しく思いながら優しく撫でた。

数十分撫でていると、スースーと隣から規則正しい寝息が聞こえてきた。見てみるとマドカが寝落ちしていた。

 

俺はお姫様抱っこの要領でマドカを持ち上げるとベットに寝かしつけた。すると、部屋のドアが開いて下着姿のスコール姉さんが現れた。

 

「うちのお姫様はぐっすり眠ったかしら?」

 

「ああ、よく寝ているよ」

 

それを見に来たスコール姉さんは後ろから抱きついて来た。背中越しにスコール姉さんの感触が伝わってくる。この感じだと、下着はつけてないな。

 

「ねぇ~秋。一緒に寝ない?」

 

「オータム姉さんは?」

 

「あの子ったら、私のテクに終始昇天しちゃってね~。もう、寝っちゃったのよ。だから、欲求不満な姉の相手をしなさいよぉ~おねえちゃん命令よ♡」

 

「ハイハイ。そんな事良いから早く寝なよ」

 

「あん!もう、つれないわね。わかったよ今日はマドカに免じて止めてあげる」

 

「ハイハイ」

 

…けど、秋になら抱かれてもいいわよ

 

「……」

 

俺はその答えを出す前に、ドアを閉めた。

 

 

 

 

 

 

あくる日。マドカを起こさないように静かに起きて、半裸のオータム姉さんとスコール姉さんを起こしに行く。大事な部分はシーツで隠れていたので見なかった。

 

それから4人分の朝食を作り、トレーニングの準備が終わったので「いってきまーす」と言い家を出た。

 

 

秋が家から出ると、他の3人も同じくそれぞれの部屋から出てきた。因みにオータムとスコールは下着姿だったがマドカに至っては秋の部屋からパジャマ姿で出てきた。

 

「…行ったか?」

 

「ええ、行ったみたいね」

 

「…行ったな」

 

「それで?どうしてマドカが秋の部屋から出てきたんだ」

 

「…それは昨日秋兄さんの部屋で寝たからだ」

 

「へぇ~面白いこと言うじゃないか。オレだってまだ寝たことないんだがな…」

 

それを聞いてマドカが挑戦的な笑みを浮かべる。それを面白くないと思ったオータムは食って掛かった。

 

「フッ」

 

「ぶっ殺す!」

 

「やめなさい。どうせ寝たってマドカがベットに寝て、秋がソファに寝たってオチでしょ」

 

「…チィ」

 

「へへ~ん。お前もまだお子ちゃまってことだな」

 

「殺す!」

 

「ハイハイ、馬鹿な事やってないで朝食食べちゃいましょう。せっかく秋が用意したんだから。冷めたら勿体無いでしょ」

 

『わかったよ』

 

そう言って、大人しく朝食を食べるのであった。その日の夜に世界に衝撃が走るニュースが流れる事をこの四人はまだ知らない…

 




序盤から亡国企業入りする秋。これからどうなって行くのやら…

次回秋のISが明らかになります。

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ifルートはどれがいい?

  • 秋が死なずにそのままIS学園で生活
  • 秋が死なずに亡国企業でIS学園と退対立
  • 秋が死んでその後の話し
  • 秋が死んで何処かの世界に転生する
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