IS~嫌われた世界で生き抜く~   作:とあるP

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とあるPです。

大分お久しぶりですが生きてます。

2022/12/12
サブタイトルを修正しました。また、次回作との繋がりとして、義母派から副社長派へと変更しました。


第12話

亜希がフィンランドにいるスコールに連絡して数日。スコールからの返事が亜希のスマホに届いた。

 

『秋へ。昨日話していた件だけど、やっぱり秋の睨んだ通りよ。デュノア社に御曹司がいた形跡はないわ。更に言えば、デュノア社は今父親派と副社長派の二大派閥に別れているわ。

 

そして、父親派であったあの子は、父親の命令で男装(・・)をしてIS学園に通わされているわ。ウチ(亡国企業)としては静観する方針だけど、秋が助けたいと言うのであれば力になるわ。とりあえず連絡を頂戴ね。

 

PS:偶にはオータムやマドカに連絡入れなさいよね。拗ねるから。それじゃあまたね愛しの秋へ♡』

 

「ったく、最後の一言は余計だっつうの…けど、これで何となくだけどあの子(シャルル)の状況は分かった。あとはどうするかだよな…」

 

秋としては助けたい思いだがどうにも腑に落ちない点がる。それは、危険を冒してまでもここに来る理由がわからない。

 

直接話しようにも一夏が邪魔して来る。あの日(歓迎会)以降事あるごとにシャルルにとっかかる。移動教室、食堂、訓練、果てはトイレまで一緒に行く始末である。

 

おかげで、箒とセシリアからの負のオーラが半端ない。ちょっと強引だが彼女と二人っきりにする為に秋はある行動に出た。

 

「シャルル!次移動教室だろ、一緒に行こうぜ!」

 

「う、うん…」

 

いつものように一夏がシャルルを誘って移動教室に行こうとしている。そんな2人を亜希は遠巻きに見ていた。

 

「…」

 

「ああ、アイツの事なんかどうでもいいよ。ほら、行くぞ」

 

「あ、ちょっと待ってよ一夏!///」

 

「ぐぬぬ…一夏め、幼馴染の私を無視して他の奴と行くとは…」

 

「はぁ、相変わらず仲がよろしいことで…亜希さん行きますわよ」

 

「先に行っててください。ちょっと用事があるので」

 

「わかりましたわ」

 

「…先に行っている」

 

そう言って、箒とセシリアが出て行くのを見計らって亜希は、シャルルの机の中にある物を入れて移動教室へと向かうのであった。

 

お昼休み。神楽は静寐や神楽のファンクラブと一緒に食べている。最近は俺と一緒に食べたいと言っていたので、今度誘ってみようと思う。

 

鈴は乱ちゃんやヴィシュヌ、箒達と食べている。そして、シャルルには一夏が付きまとってるから他の人達と食べる時間が取れないと言う。

 

そんな中俺はスコール姉さんにある提案を持ち掛ける為に連絡をしていた。

 

「もしもしスコール姉さん?」

 

『ふぁ~どうしたの秋?』

 

「あれ?もしかして寝てた?」

 

『大丈夫よ~今起きた所だから』

 

こっちは昼間だから多分あっちは夕方だろと思っていたがスコール達はどうやら寝ていたようだった。

 

「そっか…かけ直そうか?」

 

『大丈夫よ。それで、電話して来たってことは答えが決まったようね』

 

「ああ、俺は…シャルルを助けたい。勿論友達としてだ」

 

『そっか…わかったわ。それじゃあその子と話しがしたいわ。細かい打ち合わせをしないとこちらも動けないものね』

 

「それなら大丈夫だ。既に手は打ってある」

 

そう言って秋はニヤリと不敵な笑みを浮かべるのであった。

 

 

昼休み終了後一夏とシャルルは一緒に戻って来た。最初こそは嬉しかったシャルルであったが、こうも一緒に居られていてはたまったもんではない。いつ、偽りの自分がバレてしまうのではないかと冷や冷やしている。

 

「それじゃあシャルルまたな!」

 

「う、うん…」

 

「ねぇねぇやっぱりさぁ…」

「そうだよね!」

「あ~薄い本が厚くなる~!」

 

(はぁ~一緒に居てくれるのはありがたいけど、ずっとはちょっとなぁ~)

 

そんな沈みそうな気分の中シャルルは机の中にある物を取り出した。それはどこにでもある手紙であった。男装したせいで色々な女子生徒達からラブレターまがい(中にはガチの物もあった)を貰ったこともあり、ちょっと警戒していた。

 

だがしかし差出人を見てラブレターではない事を知った。

 

『君の秘密について話したいことがある。放課後屋上で待っている。A・N』

 

「!」

 

この文面を見ると早速バレている事に気が付いた。そして、A・Nと言うイニシャルは1人しかいない。

 

(成宮・ミューゼル・亜希か…)

 

不思議と後悔はしてなかった。初めて会った時から、彼には興味があったからだ。フランス語で自己紹介した時や同じラファール・リバイブを乗りこなす人。そして何より、自分にグイグイ来るタイプの人ではなかった。

 

一夏程ではないが、他の女子生徒達は3人目の男性操縦者としてシャルルに興味津々だ。ただ、亜希はシャルルを見る目が皆と違っていた。

 

だからこそ、シャルルは亜希と一度一対一で話してみたいと思っていた。

 

放課後。シャルルは一夏に大事な用事がるからついてこないでと言い1人になった。途中何か言いたげそうな一夏を無視して屋上へと向かうのであった。屋上に出るドアを開けるとそこには、亜希が1人だけいた。

 

「すみませんね。こんな場所に呼び出してしまって…」

 

「大丈夫だよ。それで話しってなにかな?」

 

「それじゃあ、単刀直入に言いますね。…何故男装してまでIS学園に通っている。シャルル・デュノア。いや、シャルロット・デュノア」

 

「ッ!」

 

先ほどからの優しい亜希から一変。突然口調を変えた亜希にシャルルは動けなくなった。どこまで知っている。何を知っている。そして、何が目的だ。そんな言葉が頭の中に響くがシャルルは平静を装って質問に答えるのであった。

 

「…いつから気付いていたんだい?」

 

「気付いていたのは最初からだ。握手した時に男にしちゃあ手が小さすぎる。まぁ個人差があるからその時は気が付かないフリをしていたが、確信に変わったのはIS授業でスーツに着替える時だ。俺や一夏が着替える時に妙によそよそしかったからな」

 

「…」

 

「そして、とある情報筋(・・・・・・)に確認してみたんだ。案の定デュノア社に御曹司若しくは男の子はいないってな」

 

「…」

 

そこまで知ってしまっているのであれば、シャルルの負けである。これから自分はどうなっていくのか。最悪の場合まで想像していたが、亜希からは意外な答えが返ってきた。

 

「だが勘違いするな、それを餌にお前を脅そうなんか微塵も考えちゃあいない」

 

「え?」

 

「むしろお前を…助けたいと思っている」

 

意外だった。シャルルは一生偽の男性操縦者として生きていくのだと思っていた。それを助けてやると言って来たのだ。

 

「…どうしてそんなことを?」

 

「どうしてって…友達を助けるのに理由はいらないだろ」

 

「友達か…久しぶりに聞いたよ」

 

「そうか?アイツ(一夏)ならいつでも言っている気がするけどな」

 

「一夏が言っている「友達」と亜希が言っている「友達」とじゃあ重みが違うよ」

 

一夏が言っている「友達」は一緒に居て楽しむ方の友達だ。亜希が言っている「友達」は困っていることがあれば、全力で助ける。手を差し伸べる方の友達だ。

 

そんな風に思ってしまうとシャルルは嬉しくて涙を流してしまった。まだ助かる希望が残っていると…

 

「デュノア、どうした?」

 

「ううん…何でもないよ。それで、どうやって助けてくれるの?」

 

「ああ、助けるのはやぶさかでないんだが、最終確認だ。…デュノアはどうしたい。今の状態で3年間もしくは一生そのままでいるか。それとも、普通の女の子(・・・)として生きて行くか」

 

「僕は…僕は女の子として生きて行く!恋だって!勉強だって!ショッピングだって!女の子としてやりたい!」

 

「だから…だから、助けて…亜希~」

 

涙ながらにシャルルは助けてと言って来た。もう、自分を偽るのは嫌だと言って来たのだ。その想いに答えるべく亜希は返事をした。

 

「…わかった」

 

「うぁぁぁぁ~亜希~!」

 

「うわ!」

 

シャルルは泣きながら亜希に飛び込んで行った。そんなシャルルをどうしていいのか分からず亜希はただただシャルルが泣き止むのを待つばかりであった。そして、ひとしきりに泣いたシャルルは疲れたように眠ってしまった。

 

しかし、その寝顔は緊張の糸が切れたのか、或いは自由に生きることが出来る喜びなのか、笑顔だった。そんな中亜希はある人に連絡を取っていた。

 

「もしもしオータム姉さん?」

 

『オウ!久しぶりだな秋!元気にしてたか?』

 

「ああ、それよりも例の計画だけど…」

 

『それについては、バッチリだ!あとは秋の合流を待つだけだ』

 

「わかったよ。決行は…今夜だ」

 

『大丈夫か?IS学園からこっちまで結構距離あるぜ?』

 

「問題ないよ。それに早いに越したことはないからね」

 

『わかった!秋が来るまでスコールと調整しておくぜ』

 

「ああ、それじゃあまたね」

 

そう言って電話を切った。それと同時にシャルルは目を覚ました。目が赤いのは泣いた為であろう。

 

「ンう~あれ…僕は…」

 

「起きたか?」

 

「うん…って!あ、あ、あ、亜希!?」

 

シャルルは自分が置かれている状況を理解するのに数十秒かかった。女の子として生活できると知った喜びから嬉し涙を流してしまい、亜希に抱きついた状況である。

 

更に安心しきってしまって寝てしまいあまつさえ寝顔まで見られてしまった。

 

(僕は…なんてことをしてしまったんだー!まさか亜希にあんな事をしたなんて///)

 

「どうしたんだデュノア?」

 

「な、何でもないよ!///」

 

穴があったら入りたいくらい顔が真っ赤になっているのがわかる。けど、ここまで気を許したのは亜希が初めてかもしれない。そう思うと不思議と違和感はなかった。

 

むしろ安心感がある。この人なら任せられる。頼りになる。そう思うと亜希に対しての認識が変わりつつある。

 

先ほどまではただの友達だったが、もっと親密な関係になりたいと…そう、例えば…

 

「って!違う!違う!僕と亜希はただの友達!そう、友達!」

 

「どうしたんだデュノア?」

 

「…シャル」

 

「え?」

 

「シャルロットって呼んで!友達何でしょ?」

 

「それって…」

 

「うん。僕が女の子だった時の名前。女の子として通えるまではシャルロットって呼んで欲しいな」

 

「…わかった。シャルロット」

 

「うん///」

 

少しだけ照れくさそうに笑うシャルロットは何処にでもいる普通の女の子としての顔だった。そんなシャルロットを尻目に亜希はISを展開している。

 

これからスコール達がいるスウェーデンまで飛ばなければならないのだ。

 

「さて、それじゃあ俺はそろそろ動き出すよ」

 

「え?」

 

「これから仲間がいるスウェーデンまで行かなければならない。その間君はアイツに悟られないように努力するんだ」

 

「う、うん…」

 

「大丈夫だ。シャルロットなら出来る。俺はそう信じている」

 

「あ///」

 

そう言って亜希はシャルロットの頭を優しく撫でた。そして、(ユエ)を纏ってオレンジ色の空へと飛び立つのであった。

 

ifルートはどれがいい?

  • 秋が死なずにそのままIS学園で生活
  • 秋が死なずに亡国企業でIS学園と退対立
  • 秋が死んでその後の話し
  • 秋が死んで何処かの世界に転生する
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