IS~嫌われた世界で生き抜く~   作:とあるP

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とあるPです。

シャルロット救出作戦は上手くいくのでしょうか?

それでは本編どうぞ!


第13話

秋が日本を出発して、1時間。シャルルはどうやって一夏を誤魔化すか考えていた。間違いなく聞いてくるであろう。しかし、そこは朴念仁の一夏である。部屋に帰っても、特に聞いてくる事は無かった。

 

「た、ただいま~」

 

「おう、お帰りシャルル。どこ行っていたんだ?」

 

「う、うん。ちょっと屋上にね…」

 

「そっか!屋上から見る夕陽って綺麗だもんな!」

 

「まぁね…」

 

シャルルはこの時ほど一夏が朴念仁であったことを幸運に思ったことはない。かくして、秋の事は隠し通せることが出来たのであった。

 

同時刻。秋は、インド洋沖合で光学迷彩を纏って、小休憩を取ろうとしていたが、そうも言っていられない状況に陥ってしまった。

 

少しだけ休憩を取るぞ。ユエ

 

(そうじゃのぉ。かれこれ2時間以上移動している。ここで休むのも良いじゃろう)

 

けど、この領域に他国のISが居たら厄介になる。ここは、目立たないようにしておくか

 

(今は便利な世の中になったもんじゃ…うん?)

 

どうし…あれは…

 

(うむ。どうやら休憩をする暇もなさそうじゃ…)

 

そこに現れたのはインド政府所属のIS部隊であった。彼女らはインド洋沖合に正体不明のISがいる事をキャッチし緊急発進(スクランブル)して来たのだ。それを見た秋は全速力で逃げに徹した。だが、数十機を相手にするのは無理がありそうだった。

 

やむを得ないな…仕方ない。戦闘だユエ

 

(承知!)

 

そうして、90度反転してIS部隊に突っ込んで行くのであった。隊長格の人が拡声器を使って秋に投降する用に求めて来た。

 

『警告する!貴官は、インドの領空侵犯を行っている。大人しく武器を捨て投降しなさい!繰り返す…』

 

「…」

 

そんな警告も無視して突っ込んで行く。それを見た隊長格の人は秋に対して、攻撃を仕掛けてくるのだった。

 

『やむを得ない。力づくで取り押さえろ!』

 

『了解!』

 

数十機の【打鉄】で秋を囲もうとしてもその間をスイスイと抜けていく。そして、抜き様に脇差「出羽大掾藤原国路」で攻撃していく。それにより、【打鉄】はどんどんと海に落ちていく。残っているのは、隊長格の人だけとなった。

 

『っく…くっそー!』

 

「…」

 

その人もただ闇雲に突っ込んで来るだけであった。それを見た秋は、脇差「出羽大掾藤原国路」を格納し、太刀「高天神兼明」を手に取った。そして、交差する直前に3打撃入れてSEを0にして海へと落ちて行くのであった。

 

それを見届けた秋は一瞥すると、ヨーロッパ方面へと向かい、数時間後にはスコール達が待っているスウェーデンに着くのであった。

 

 

 

 

次の日。IS学園に1通の連絡が入った。

 

『インド洋及びその近海で正体不明のISによりインド政府所属のIS部隊が壊滅及びそれに近いレベルまでのダメージを被った。IS学園より至急調査員を派遣されたし』

 

この連絡を受けたIS学園では生徒会から、布仏虚、本音の両名が派遣される事が決まった。一方で1組では、ある噂が流れ始めた。

 

『休学中の成宮・ミューゼル・亜希がやったのではないか?』

 

現在亜希は休学扱いになっている。そんな人がIS学園外でしかも、インド政府所属のIS部隊相手にやったのではないかと…そんな根も葉もない噂が流れ始めたのであった。

 

だが、この噂に異議を唱える人がいた。同じ男性操縦者の一夏だった。

 

「そんな訳ないだろう!だいたいアイツがそんなに強い訳ないだろう」

 

「でも「それに」うん?」

 

「それにアイツは千冬姉には及ばないからな!」

 

それを言ったらここにいる、ひいては人類は誰も勝てないのではないかと…だが、事情を知っているシャルルは大きく言えなかった。

 

「なぁシャルルもそう思うだろ!」

 

「う、うん…そうだよね」

 

シャルルとしては、あまり波風を立てたくないので一夏の考えに同調したが、心の中では思っていた。『亜希に違いないと…』

 

インドでの一件を終えてスウェーデンにいるスコール達と合流した秋は機体のメンテナンスを行っていた。

 

「久しぶりね秋。元気していたかしら?」

 

「久しぶりスコール姉さん。オータム姉さんとマドカは?」

 

「オレならここに居るぜ!」

 

そう言って、後ろから抱きついて来たのはオータムであった。スコール程ではないが彼女もナイスバディの持ち主である。そんな彼女に抱きしめられている秋であったが、顔の表情一つ変えずにいる事にオータムは面白くなさそうだった。

 

「ただいまオータム姉さん」

 

「ちぇ~少しくらいドキッとしても良いじゃあねぇか…」

 

「オータム姉さんとスコール姉さんは家族みたいな感じだからね」

 

「…フン!ぜってえいつか振り向かせてやるぜ」

 

「お前の様な脂肪の塊を付けた奴が、秋兄さんを振り向かせるなんて100年早いんだ」

 

「何だと断崖絶壁が…」

 

「…デブ」

 

「…上等だ!!かかって来いや!チビが!」

 

今にでも喧嘩しそうな2人を宥めて、今回のデュノア救出作戦について話し合うのだった。

 

「はいはい、秋が来て浮かれているのは良いけど、時間がないのよ。さっさと始めるわね。先ず亡国企業の構成員がデュノア社に侵入し、サーバーをハッキングするわ。そうして、警備システムが手薄になったところに私達本隊が行く。そして、構成員と合流したのちアルベール・デュノアと直接交渉を行うわ」

 

「その時アタシ達はどうするんだ?」

 

「オータムとマドカは構成員と合流してちょうだい。恐らく、デュノア社の警備部隊が突入するでしょう。私と秋はアルベール・デュノアと面会して、直接交渉するわ」

 

ここまで理解出来たのか、マドカは交渉内容について質問してきた。その質問に秋が答えるのであった。

 

「交渉内容は?」

 

「…シャルロット・デュノアの解放と事の真相を話してもらう。内容によっては、アルベール・デュノアを消す羽目になるだろう」

 

『…』

 

秋の答えにスコール達は黙って聞いていた。だが、秋は違っていた。

 

「…最も最悪な場合はだ。事が進めばシャルロット・デュノアは晴れて女の子として、IS学園に通うことが出来るんだ。そうならないようするつもりだ」

 

「流石秋兄さん」

 

「ありがとうマドカ。さてそろそろ時間だ。始めようか!」

 

こうして、シャルロット・デュノア救出作戦が始まるのであった。

 

 

 

時刻は深夜2時。月の明かりは雲に隠れてしまい、辺り一帯を闇が支配していた。そんな中、亡国企業の構成員はIDカードキーを使用し、デュノア社のサーバーをハッキング。これにより、外部との連絡を完全に遮断されたデュノア社。

 

そこにISで武装した秋達本隊が流れ込んでいく。当然デュノア社のIS部隊が応戦して来るが、オータムの【アラクネ】とマドカが新たに受注した【サイレント・ゼフィルス】が襲い掛かる。

 

「それじゃあ、手筈通りよろしくね」

 

「ああ!任せな!オラオラ~死にたい奴は何処にいる!」

 

「それじゃあ任せたぞマドカ」

 

「うん。秋兄さんも気を付けて…行くぞ【サイレント・ゼフィルス】」

 

 

【サイレント・ゼフィルス】はBT兵器搭載ISの2号機で、シールド・ビットを試験搭載している。1号機のデータが基盤となっている。ブルー・ティアーズの搭載数4基を凌ぐビット6基が確認されており、なおかつセシリアのように使用中に他動作不可能という欠陥もない。

 

そんな2人と亡国企業の構成員は、デュノア社のIS部隊を抑える間に秋の【月】とスコールの【ゴールデン・ドーン】はアルベール・デュノアが待つ社長室に向かって行くのであった。

 

ほどなくして、社長室に着いた2人は顔バレしない様にフルフェイスマスクと変成器を使い、ドアロックをした状態でアルベール・デュノアと対面するのであった。

 

『失礼する。アルベール・デュノアだな?』

 

「そうだが、君たちは…」

 

『私達は亡国企業の者よ。単刀直入に言うわね。ここのサーバーをハッキングさせて貰ったわ』

 

「なに!?」

 

そう言ってアルベールは、デスクにあった電話で助けを呼ぼうとしたが誰も応答しなかった。観念したアルベールは、要件を聞くことにした。

 

「…どうやら、本当のようだな。それで、私に用がるのか?」

 

『話しが早くて助かる。正確には貴方ではなく、貴方の娘さんに用がある』

 

「!?…どうしてそれを知っている」

 

『こちらの情報網を舐めてもらっては困る。今はIS学園に通っているが、いつまでもつか時間の問題だ』

 

「!まさか…」

 

勘のいいアルベールは気付いたらしい。確かIS学園には特記事項が存在する。その中でも有名なのが第21事項である。

 

第21項 本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする。

 

但しこれには大きな落とし穴が存在する。それは、在学中3年間は安全を確保できるが、それ以降はIS学園の権限が及ばない状態になる。そうなれば本人の同意なしに外的加入が容易になってしまう。

 

また、在学中と言うのは文字通り本人がIS学園に居る場合になる。仮に何らかの形で母国に帰国あるいは強制送還されれば、IS学園特記事項第21項の効力を失ってしまう。

 

最も、シャルロット・デュノア本人は3年間も男装をするのは酷だと思っているらしい。それを知ったアルベールは頭を抱えるしかなかった。

 

「ロベルトの魔の手からシャルロットを救おうとした事が仇になってしまったとは…」

 

『ロベルト…それが』

 

「ああ、ロベルトはデュノア社の副社長だ。奴とは学生時代からの付き合いだった。昔は2人で言っていた…「いつかヨーロッパで一番の会社を建てよう」と夢を見ていた。しかし、私がデュノア社の社長になってからは会社の経営方針で互いにいがみ合っていた」

 

「奴の方針はラファール・リバイブのデータを基に、さらに上の第4世代の開発しようと言うものだった。けれど、私は第3世代の開発もままならない状態で、第4世代の開発は無理だと言ったんだ。だが、それが悪かった。そこから関係が悪化してしまい、対立する様になってしまった」

 

『…』

 

「だからこそ、この争いにシャルロットを巻き込みたくなかったんだ。それで男装させIS学園に潜り込ませておいたのだが、それが仇となってしまったな…」

 

力なく笑うアルベールを見て秋は思った。娘想いのいい父親だと。だから、真実を伝えるためアルベールとシャルロットを助けたいと思ってしまった。

 

『…言いたいことはそれだけか』

 

「…なに?」

 

『アンタは!娘さんを助けたいと思わないのか!どうなんだ!』

 

『ちょっと秋やめなさいよ』

 

少しだけ熱くなってしまった秋をなだめるスコール。それに感化されたのか、アルベールは思いの丈を吐き出すのであった。

 

「…助けたいに決まっているだろ!子を想わない親などいるわけない!私がこれまで毎日どんな気持ちで過ごしてきたかわかるか!出来れば、この手で抱きしめたいさ…愛人の子であろうと家族は家族だ。だから、頼む。シャルロットを救ってくれ!」

 

大の大人が土下座をして願って来た。この想いを、無下にするのは忍びないと思った秋は、改めてシャルロットを助けることを約束した。

 

『…わかりました。頭をあげて下さい。シャルロットさんは必ず助けます。その為にも我々に協力をお願いします。アルベール・デュノアさん』

 

「…わかった。私は具体的にどうすればいいんだ?」

 

そこからは、スコールの下これからのプランについて話し合われた。

 

先ず、ロベルトの不正情報を何でもいいから入手する。そこから、ネットの世界を使って情報を拡散。信用を失墜させる。

 

更に、信用が落ちたデュノア社が保有している株の半分以上を亡国企業が買い占め、実質的に亡国企業の傘下に置く。そこで役員会議を開き、ロベルトの解雇を言い渡す。その後はアルベール・デュノアが社長。副社長をシャルロット・デュノアにする。

 

『なるほど。こうすれば、親子二代で会社経営をするば盤石だな。それでいつ決行する?』

 

『そうね。アルベールさんには悪いですが、ロベルトの不正をなるべく早めに入手してください。それから作戦を開始するわ』

 

「わかった。なるべく早く入手する様にする」

 

『よろしくお願いしますね。それでは我々は失礼するわね』

 

そう言って、【月】と【ゴールデン・ドーン】を纏ってデュノア社の社長室を後にするのであった。

 

スコールと秋は、オータム達と合流して一路スウェーデンの我が家に帰るのであった。そして、帰って来ると同時に秋はIS学園へと帰るのだった。

 

「ホントに行っちまうのか?」

 

「ああ、一応俺はIS学園の生徒だからね。それにこれ以上あそこを空ける訳にはいかないからね」

 

「秋兄さん…」

 

「そんな心配そうな顔をするなマドカ。いつかゆっくりと出来る時間が来る。それまでの辛抱だよ」

 

「わかったよ」

 

「それじゃあまたね秋」

 

「ええ、スコール姉さん達も気を付けて」

 

そう言って、【月】を纏って一路IS学園へと向かうのであった。インド洋周りで行こうとしたが、またIS部隊に見つかると、厄介な事になりそうだったので、時間的には遠回りになるが反対周りの大西洋周りで戻ることにした。その間は自動運転(オートモード)で運転を【月】に任せるのであった。

 

座標をIS学園屋上にセット。…【月】悪いが少しだけ眠らせてもらう。緊急時以外は起こさないでくれ

 

(承知した主殿)

 

頼んだ…ぞ…スースー

 

(主殿?寝てしまったか…相当疲れておったのじゃな。ゆっくりと休むがよい)

 

そう言って、秋は寝てしまった。明日からは成宮・ミューゼル・亜希として生活する事になる。自分自身もシャルロット・デュノアと同じで、織斑秋ではなく成宮・ミューゼル・亜希として生活しているのであまり強く言えた義理ではなかった。

 

それでも秋は思う。いつの日か必ず織斑家に復讐するために生き延びなければならないと…

 

 




これにて終了です。

次回はいよいよタッグマッチトーナメント編!

感想・評価・誤字報告・お気に入り登録よろしくお願いいたします。

ifルートはどれがいい?

  • 秋が死なずにそのままIS学園で生活
  • 秋が死なずに亡国企業でIS学園と退対立
  • 秋が死んでその後の話し
  • 秋が死んで何処かの世界に転生する
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