今日も今日とて某企画ではペンギンとシャチが働かされていた。
労働基準も完全無視の10日連勤の完全徹夜状態である。
「・・・はあ。本当にいつ終わるんでしょうね、この仕事?」
「さあな。7日から考えるのはやめたからな」
ペンギンも疲れきった顔でシャチに返し、パソコンのキーボードを叩き続ける。
「それにしてもパンダさん、来ませんね?」
「そう言えば、そうだな。仕事量が半端なくて考えている余裕すらなかった」
「何を言っているのさ。ボクならここにいるよ」
二人の会話に割り込んで来たのは上司が普段から使用するモニターであった。
しかし、モニターから聞こえたのは上司の声ではなく、パンダの声であった。
「パンダ!?」
「パンダさん!?」
流石のペンギンとシャチもモニター越しに映るパンダに驚く。
「何故、お前が?上司はどうした?」
「ふっふっふ。君達には隠していたけれど、10日前からボクが君達の上司なったのさ!」
「「な、なんだって!?」」
更に唐突な爆弾発言に思わず、ペンギンとシャチが叫ぶ。
「どういう事か説明しろ!いつの間にお前が俺達の上司になっているんだ!?」
「だって、上司とボクのポジションって、なんか被っているでしょ?
だから、あんな無能なおっさんよりも有能なボクが上司になった方が良いじゃないって上に申告してみたんだ」
「それでお前が上司になったのか?」
「そういう事さ」
「なら、この仕事量もお前の仕業か?」
「元上司に出来た仕事だよ。ボクに出来て当然でしょ?」
「確かに・・・日頃から仕事を押し付けるのは得意だからな、お前」
変なところで納得してしまい、ペンギンはため息を吐いて作業を続ける。
「ほら、シャチくんもペンギンみたく頑張って!」
「もう限界ですよ!」
「無理は嘘つきの言葉だよ!」
「前の上司となんら変わらない」
【そして・・・】
「おはようございますーーって、パンダさん!?」
「やあ、シャチくん」
「パンダさんがここにいるって事は上司さんがまた戻ってきたってパターンですか?」
「違うよ。実は・・・」
「おはよう、二人とも」
パンダとシャチが会話しているとモニターからペンギンの声がする。
「ペンパイ!?」
「あ、おはようございます、上司」
「上司って・・・まさか、ペンパイが!?」
「ああ。俺も上に掛け合ってみたんだが、いままでの経歴からして俺の方が上司に相応しいと認知されてな」
「スゴいです、ペンパイ!」
「ああ。ありがとうな、シャチ」
「まったく・・・なんでボクじゃなくてペンギンが・・・」
「労基に通報されなかっただけ、ありがたく思え」
「そうですよ!」
「それじゃあ、早速、この仕事を頼む」
そう言ってモニターペンギンが渡したのは普段の十分の一程度の用紙であった。
「えっ!?これだけですか!?」
「ほとんど無意味な仕事ばかりだったからな。それを取り除いて活用方法がありそうな仕事だけを選んだら、これだけになった」
「スゴいです!ペンパイ!
これだけなら自分にも終わらせられそうです!」
【ーー数時間後】
「うわあああぁぁぁん!またミスしちゃいました!」
「ああ!もう!全く分からないよ!
シャチくん・・・には押し付けられないし、ペンギンやってよ~!」
「結局、こうなるのか・・・」
この後、ペンギンの努力もむなしく、以前の上司がまた戻り、いつものように大量の仕事をする羽目になるのであった。