提督の憂鬱   作:sognathus

184 / 404
予想通り迎えに来た疾風に乗り込んだ提督たちは何度かの空母での給油を得て、今は高速艇に乗って本部へと向かっています。

流石に狭いコクピットに疲れたのか、伸びをしたりして気持ち良さそうです。


第60話 「出迎え」

提督「もう直ぐ着くぞ」

 

初春「ふぅ、最後の移動が船でよかったわ」

 

長門「確かに、数時間も狭い飛行機の中というのはちょっとキツイからな」

 

武蔵「隣から嬉しそうに手を振っていた奴がよく言う......」

 

長門「仕方ないだろ、楽しかったんだから。ああ、そういえばお前はずっと海面を見て青い顔をしていたな。ふふっ」

 

武蔵「なっ、あ、あれは違う! 敵の奇襲を警戒していたんだ!」

 

長門「あんな上空から発見しても意味ないだろ......砲撃だって届かないし」

 

武蔵「も、もしもの場合がだな――」

 

提督「二人ともあまり騒ぐな。もう直ぐ着く、出迎えてくれる方に恥ずかしいところを見せるな」

 

初春「誰が迎えに来てくれるのじゃ?」

 

提督「信じられないが、中将と彼女、そして......元帥だ」

 

武蔵「元帥も? ちょっと大げさ過ぎないか?」

 

提督「昔からの中将の同僚で、声を掛けたららしい。彼女は俺と同じ中将の教え子だ」

 

長門「錚々たる顔ぶれだな」

 

提督「そうだな。海軍の総司令官補佐と第1、第4司令部の司令官の直々の出迎えだからな」

 

武蔵「第1司令部の司令官が元帥という事は総司令部の司令官と兼任なのか?」

 

提督「いや、総司令部の司令官は総帥だ」

 

長門「では、第2、3の司令部の司令官は誰が務めてるんだ?」

 

提督「単純に階級と役職順だ。上から総帥、元帥、大将、中将、少将、だな」

 

初春「第3司令部の司令官は大佐の言う中将とは違う方みたいじゃな」

 

提督「その通りだ。俺もその司令官には会った事がない」

 

初春「なるほどのう」

 

武蔵「初春は知らなかったのか?」

 

初春「大佐との付き合いは長いが、本部には一度も行った事がないからの」

 

長門「右に同じく」

 

提督「艦娘の本土への上陸は本部からの許可がないとできないからな。一応、お前たちの存在はまだ機密扱いなんだ」

 

武蔵「うむ。私の建造も重要機密だったからな」

 

長門「......何を威張ってるんだ?」

 

初春「そこは聞くだけ野暮というものじゃ」

 

武蔵「聞こえているぞ!」

 

提督「全員静かにしろ。港が見えて来た」

 

長門「ん......? なんか人数が多くないか?」

 

初春「そうじゃの。3人の司令官に供してる艦娘を入れても、少し多い気がする」

 

提督「あれは......」

 

 

中将「おお! 来たなぁ。待ってたぞ!」

 

元帥「准将、昇進おめでとう」

 

彼女「遅いわよ、なんて事ないから安心しなさい」

 

T督(以降、一時的に少将)「先輩! 昇進おめでとうございます!」

 

丁提(以降、一時的に中佐)「おう、酒の約束果たしに来たぜ」

 

提督「元帥殿、中将殿、少将に......」

 

彼女「ちょっと、わたしにも『殿』って付けなさいよ」

 

少将「僕がよく資材の件でお世話になってるのを元帥閣下が把握されていたんです。それで今回気を遣って頂きまして」

 

中佐「俺は親父経由だ」

 

大和「中佐、何度も言わせないで下さい。親父ではなく中将殿、です」

 

中佐「わーってるよ。......いきおくれ」ボソ

 

大和「は......?」プチッ

 

長戸「ん? やるのか?“本部の大和”とやるのは初めてだな♪」

 

 

叢雲「数週間ぶりね大佐。あら......?」

 

長門「ん、なんだ?」

 

叢雲「いえ、あなたそれ指輪?」

 

長門「ん? ああ、此処に来る直前の演習で成長限界に達したんだ。ふふっ、これで私もたい......准将と晴れて夫婦というわけだな。3人目だが」

 

少将「......あ?」

 

提督(しまった)

 

少将「先輩、この前僕が言った事覚えてますか? いや、強制のつもりはなかったですけどね。まぁ、取り敢えず飲みましょうか、ねえ!」

 

初春「なるほどの。重婚というのはこういう災難も呼び寄せるのか。ふふ、これは勉強になるのう」

 

 

無蔵「ん? おい、お前新顔だな」

 

武蔵「ん? ああ、同型か。同じ顔というのは気持ち悪いものだな」

 

無蔵「そうだな。が、まあ私はオリジナルだからな。もうその時点でお前とはポテンシャルが違うぞ」

 

武蔵「そんな事をいちいち自慢するとは器の小さい奴だ。私の同型とは思いたくないな」

 

無蔵「なに?」

 

武蔵「いいか? 私は准将の誰よりも従順な犬なんだ。聞こえはあまり良くないが、あの人と私の間には既にケッコン前から信頼を超えた絆がある。私が誇るのはそれだけだ」

 

無蔵「何を言うかと思えばそんな事か。だが生憎な、絆に関する事なら私も負けていないぞ。彼女こそ私が誰よりも愛している生涯のパートナーであり、そして私はその下僕だ」

 

武蔵「げ、げぼ!?」

 

彼女「あなた達はさっきから何を言っているのよ......」

 

ギャーギャー、ワーワー

 

 

中将「はっはっは。一気に騒がしくなりよった。なぁ元帥」

 

元帥「全く、若いというのはいいものだな」

 

???「止めないのですか?」

 

元帥「いや、昔を思い出す。暫くこうやって眺めるのもいいだろう」

 

中将「ふはっ、相変わらず人が悪いな」

 

元帥「お前に言われたくはないわ」ニヤ

 

???「全く......それでは、私は先に宴会場の準備の様子を確認してきますね」

 

元帥「ああ、紀伊。頼んだ」




というわけで、ある意味オリジナルキャラの紀伊が一瞬だけ登場です。

紀伊って実装されるんですかね。
というかそもそも「紀伊」という名前になるかも分らないですよね。
紀伊を登場させたのは一応彼女が実装されるまでは続けていたいという願掛け的な意味もあったり。

その時この作品は何話なのかなぁ。

あ、そうだ金剛、ビスマルクに続いて長門ともケッコンしました。
おめでとう!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。