提督の憂鬱   作:sognathus

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また風邪をひきました。
そしてその日の秘書艦はまた日向でした。


第5話 「風邪2」

日向「風邪、ね」

 

提督「......」

 

日向「また大佐の風邪に立ち会う事になるとはね」

 

提督「......面目ない。前に本部に行ったとき季節が冬で寒かったから、こことの温度差でひいたのかもな」

 

日向「なるほどね。今回は安静にしてくれるのよね?」

 

提督「......ああ」

 

日向「よかった。待ってて、今リンゴでも剥いて来るから」

 

提督「すまない」

 

日向「気にしないで。......やっと私にもチャンスが来たみたいだしね」ボソ

 

提督「ん? 誰か来たのか?」

 

日向「独り言よ。はい、リンゴ」

 

提督「早いな」

 

日向「実は大佐が風邪っぽいって判断した時点で剥いていたの」

 

提督「......さっきは兎にしていたのか」

 

日向「そう。可愛いでしょ?」

 

提督「兎に剥かれたリンゴなんて久しぶりだ。食べるのが惜しいな」

 

日向「そこまで言ってもらえると剥いた甲斐があるというものね。はい」

 

提督「......いや、いい」

 

日向「あーん」

 

提督「......あ」

 

パク

 

提督「......」シャリシャリ

 

日向「ん、よく味わってね」

 

提督「......美味い」

 

日向「それは良かった。はい」

 

提督「まだやるのか?」

 

日向「やらせてくれないの?」

 

提督「......あ」パク

 

日向「ふふ、良い子ね♪」

 

提督「まるで子供だな」

 

日向「今は、そうであってくれると嬉しいな」

 

提督「......タオル、冷やしてきてくれないか?」

 

日向「うん。分かった」

 

 

提督「ふぅ......」

 

日向「お待たせ」

 

提督「ああ、ありが――」

 

コツ

 

日向「......」

 

提督「......」

 

日向「うん......良かった。熱は、あまりないようね」

 

提督「......急に驚いたぞ」

 

日向「ん? ふふ、キスかと思った?」

 

提督「風邪が感染るからそれはないな」

 

日向「大佐とできるなら、感染ってもいいんけどな」

 

提督「それは俺が受け入れられない。それに」

 

日向「それに?」

 

提督「口が乾いてるからきっと臭い」

 

日向「ええ? ふふっ」

 

提督「なにか可笑しいことを言ったか?」

 

日向「ああ、いやすまない。大佐もそういう事を気にするんだなってね」

 

提督「......女性と付き合ったことがないわけじゃないからな」

 

日向「おっと、そこまで。くれぐれも今はそこで他の女の名前は出さないでね?」

 

提督「......それくらいは心得てる」

 

日向「大佐って、そういう機微には聡いのにもっと単純な事には鈍感よね、何故かしら?」

 

提督「ん? 何か不快な思いをさせてしまったか?」

 

日向「ううん、今は私は凄く幸せな気分よ。こんな風に大佐と話す事あまりないから」

 

提督「幸せとは、ちょっと大袈裟なきがするが」

 

日向「いいの。幸せに間違いはないんだから」

 

提督「......そうか」

 

日向「うん、そう」

 

日向「......」

 

チュ

 

提督「おい」

 

日向「頬だ。風は感染らないよ」

 

提督「いや、ヒゲが」

 

日向「それくらい気にしないわよ。ほら」

 

チュ

 

提督「......」

 

日向「ね?」

 

提督「ふぅ......」

 

日向「ん? もしかして照れてる?」

 

提督「俺も人間だ。恥の感情くらいは持っている」

 

日向「ふふ、なんか可愛いな」

 

提督「やめてくれ。男がそんな事言われても嬉しくはない」

 

日向「そう、それは行幸。攻め手が一つ増えたわ」

 

提督「おい」

 

日向「冗談よ。半分ね」

 

提督「敢えてもう半分は......」

 

日向「本気よ。私、大佐を攻めたい」

 

提督「......今は駄目だぞ」

 

日向「分かってる。ねぇ」

 

提督「ん?」

 

日向「風邪、治ったら......もっと、恥ずかしい事しない?」

 

提督「......風邪が治ったらな」

 

日向「っ、ほ、本当?」

 

提督「そんな顔しないでくれ。本当だ」

 

日向「っ......、嬉しいな。これで私も恋人になれるのかな」

 

提督「別にしないとなれないというわけじゃ――」

 

日向「したい」

 

提督「......そうか」

 

日向「ねぇ」

 

提督「うん?」

 

日向「その......本番の前に心の準備をさせて欲しい」

 

提督「ああ、看病助かった。休んで――」

 

日向「違う」ジトッ

 

提督「......今のは鈍かった、か?」

 

日向「そうね。ま、気づけただけマシだけど」

 

提督「それで、準備と言うのは?」

 

日向「一瞬でいいから抱き締めてほしい」

 

提督「......感染したくはないんだがな。それに汗が......」

 

日向「分かってる。汗も気にしない。だから一瞬」

 

提督「......ほら」

 

日向「あ......」

 

ギュッ

 

提督「......大丈夫か?」

 

日向「......汗? ああ、気にならないくらい今幸せだからね」

 

提督「そうか」

 

スッ

 

日向「ありがとう」

 

提督「いや」

 

日向「寝るまで、ここにいていい?」

 

提督「......お前さえよければ」

 

日向「ありがとう。好きよ、大佐」




日向2回目の風邪の看病にてようやく結ばれそうな予感。
最初の方に出たキャラなのに結構時間かかりましたねぇ。

あ、はい。
私の所為です、ハイ。
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