提督の憂鬱   作:sognathus

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今日は約束した矢矧とヌイグルミを買いに行く日です。
あれ、タイトルが......? 気にしたら負けです。


第20話 「デート」

矢矧「大佐、こっちよ!」

 

提督の姿を見つけた矢矧が嬉しそうに手を振っている。

 

提督「早いな。約束の時間より早く来たつもりだったんだが」

 

矢矧「楽しみで仕方なかったの。つい、ね」

 

提督「そうか。待たせて悪かったな」

 

矢矧「気にしなくていいわよ。待っている間も楽しかったんだから」

 

提督「そうなのか?」

 

矢矧「ええ! 私、大佐とこういう風に出かけるのって初めてだったから。待っている間いろいろ想像してて退屈しなかったわ」

 

提督「まぁ、それならよかった。じゃあ行こうか」

 

矢矧「ええ。お願いするわね!」ギュ

 

提督「ん」

 

矢矧「あっ。ご、ごめんなさい私ったらつい浮かれちゃって断りもなく手を......」カァ

 

提督「......」

 

ギュ

 

矢矧「あ......」

 

提督「今日はデートのようなものだ。気にするな」

 

矢矧「デート......う、うん!」パァァ

 

 

~玩具屋ヌイグルミコーナー

 

提督「ヌイグルミと一口に言っても、いろいろあるものだな」

 

矢矧「そうよ。ねぇ大佐だったらこの中でどのヌイグルミを選ぶ?」

 

提督「ヌイグルミの趣味がないから直感で選ぶしかないが......ふむ、これか」

 

矢矧「お、大きい......クマのヌイグルミね。60cmくらいはあるんじゃないかしら......。重さは7kgも......」

 

提督「持った時の重さが程良かったんでな」

 

矢矧「重さで決めるの?」

 

提督「見た目で決めるにはまだ経験が足りないみたいだ」

 

矢矧「ぷっ、ヌイグルミを重さで選ぶ人なんて初めて見たわ」

 

提督「まぁ、強いて言うなら熊、だからか。強そうだろ?」

 

矢矧「......」(球磨『球磨を選ぶとはいいセンスだクマ。やっぱり球磨の魅力には大佐も敵わないクマね♪』)

 

矢矧「クマよりもっといいのだってあるわよ......」プク-

 

提督「ん、どうした? 何故機嫌を損ねた?」

 

矢矧「別に......あ! ここよ。トラのヌイグルミがある所」

 

提督「見事に虎だけが置いてあるな。こんなコーナー需要があるのか......」

 

矢矧「ここは特定の動物ごとに固めてコーナーが作られているのよ。ほら提督が前に見つけてくれたライオンもあそこに......」

 

提督「なるほど」

 

矢矧「ね、どれが良いと思う?」キラキラ

 

提督「ふむ......」

 

提督(リアルなのは恐らく駄目だろうな。前見つけたライオンのデザインからして。ということは見た目が女性......いや、女の子ウケする可愛いのか)

 

提督「これ、はどうだ?」

 

矢矧「意外......大佐って私の好みが分かるの?」

 

提督「まぁいろいろ思案した結果だ。女の子が好きそうなのを適当に吟味して選んだだけだが」

 

矢矧「お、女の子って......」カァ

 

提督(照れてはいるが、嫌がってはなさそうだな)

 

提督「どうだ? これ」

 

矢矧「うん......そうね。せっかく選んでもらったんだからこれにするわ」

 

提督「そうか。良かった」

 

矢矧「それで、名前は何にする?」

 

提督「......なに?」

 

矢矧「名前よ。名前付けなきゃ可哀想でしょ?」

 

提督「すまん。ヌイグルミに名前を付けるという発想が全くなかったから少し驚いてしまった」

 

提督(そういえば、俺が持っていた人形は最初から全部名前が付いていたな)

 

矢矧「大事に扱えば物にも魂が宿るっていうじゃない。だから名前って結構重要なのよ?」

 

提督「そうだな、名前か......トラ、じゃ駄目だよな」

 

矢矧「ふふ、大佐らしいけどちょっと単純すぎかな」

 

提督「だよな。ふむ......虎......矢矧......」ブツブツ

 

矢矧(真剣に考えてくれてる♪)

 

提督「ふむ......ヤッコ、とかどうだ?」

 

矢矧「!」

 

提督「その反応。悪くないと見た」

 

矢矧「ね、ねぇ。どうしてその名前にしたの?」

 

提督「矢矧の『や』と虎の音読みの『こ』を繋げてみたんだ」

 

矢矧「なるほど......ヤッコ......うん! いいわね!凄く良いと思うわ♪」

 

提督「そうか。気に入ってくれたか」

 

矢矧「ええ。とっても。これ早速買って来るわね!」

 

提督に選んでもらったヌイグルミを手に持ってレジへと向かった矢矧の後姿は本当に嬉しそうに見えた。

提督はその姿を見ただけで付き合った甲斐があったと心から思った。

 

 

矢矧「大佐、今日は本当にありがとう! 今日は来て良かったわ」

 

提督「ん? もう終わりなのか?」

 

矢矧「え? だって、ヌイグルミも買ったしもう目的は......」

 

提督「今日はデートのようなもの、だと言ったろ? そこでお茶を飲んで、帰りは一緒に歩いて帰らないか?」

 

矢矧「......」ポケー

 

提督「どうした?」

 

矢矧「大佐の言葉が本当に意外過ぎて......それに嬉しくて涙が......」ポロポロ

 

提督「大袈裟だな。俺もいろいろあって女性の扱いを学んでるんだぞ」

 

提督「で、どうだ?」

 

矢矧「......っ、勿論! 大賛成よ!」

 

提督「そうか。今日は楽しもう」ス

 

矢矧「ええ♪」ギュ

 

 

~お店の影

 

榛名「......榛名は......榛名は見ちゃいました!」

 

青葉「青葉のセリフ取らないで下さい! にしてもこれは面白いところを見ちゃいました」

 

榛名「……」ゴゴゴ

 

青葉「あ。大変なところ、だったかも……」




また、ドラマみたいな感じになってしまいましたね。
黒榛名の登場なるか!?

提督......なんかチャラ男になってる気がする。
でもまぁ、自分から手を出してないだけまだフォローのしようある......かな?
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