提督の憂鬱   作:sognathus

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本当に今更ですが、この作品に出てくる深海棲艦は全て音節文字は全て平仮名を使って普通に喋ります。
理由は単純に、筆者が読んでみて読み難いと思ったからという酷く主観的な理由によるものです。
片仮名の方が雰囲気あるのですが、それだと個人的に感情が伝え難いのです。
はい。完全に筆者のスキル不足なわけです。

それでも良いよという甘い方はどうぞ。


第25話 「敵」

扶桑「敵機来襲! 深海棲艦です!」

 

大佐「来襲......レ級か」

 

加賀「絶対防衛線10㎞まで迫っています」

 

大佐「全艦隊、第一種戦闘配置。訓練生はただちに避難。急げ」

 

加賀「また来ましたか」

 

扶桑「もう。こりごりです......」

 

大佐「そうだな。高速艇の準備を急げ」

 

加賀「行くのですか。個人的にはやはり支持できません」

 

大佐「気持ちは分かる。だが、現状これが最善なんだ」

 

扶桑「でも......もしもの事があったら......」

 

大佐「そうならない為に細心の警戒をもって守ってくれているだろう?」

 

加賀「それでも100%安全ではありません」

 

大佐「それはそうだ。......まぁ、もしもの事があったら......思うままにしたらいい」

 

扶桑「そんなこと言って......ズルイですよ」

 

加賀「自暴自棄になって特攻するとでも?」

 

大佐「やはりお前たちは頼りになるな。その時は皆を頼むぞ」

 

扶桑「ふぅ......了解です」

 

加賀「任せて下さい。絶対に何も起こらせません」

 

大佐「よろしい。では出撃」

 

 

~絶対防衛線まで3kmの海域

 

ル級「レ級、鎮守府の絶対防衛線までもうすぐよ」

 

レ級「うん! そうだね! 今日は攻撃できるといいな!」

 

タ級「全く......毎回空振りになって部下を宥める身にもなってよ」

 

レ級「いいじゃん。この前できたばかりの海軍の基地攻撃できたんだから」

 

タ級「そうだけど、あの後熟練の応援部隊が来て私の隊半分以上沈んだのよ」

 

ル級「え、そんなに?」

 

レ級「ああ、あの時の......。あれはきっと本部か、最前線の基地の部隊だね」

 

タ級「ええ。相手にもダメージは与えたけど痛み分けにはちょっと足りなかったわ」

 

ル級「私参加しなくて良かったぁ......」

 

レ級「あはははははは。なにそれ。沈まないと転生できないのに」

 

ル級「そうだけど......やっぱり負けて沈むのは悔しいもん」

 

タ級「それは同意」

 

レ級「二人とも、そんな事気にしてたらいつまでたっても同じ事の繰り返しだよ!」

 

ル級・タ級「......」

 

レ級「気にせず行こう! 沈めるか沈まされるか、僕達はそれを楽しまないと! それしか楽しみがないんだから!」

 

ル級「難儀だよね。深海棲艦って......」

 

タ級「そうね。この苦労、仲間しか分かってもらえないのが辛いわ」

 

 

~絶対防衛線

 

レ級「一番乗りぃ! お、今日は大佐いない? いよいよヤれちゃう?」ウキウキ

 

タ級「そうなの? やっとここと戦えるのかしら」

 

ル級「なんか強そうな艦隊持ってそうな提督だったからなぁ......間に合って欲しかったけど」

 

レ級「まぁ仕方ないね! それじゃ、早速k」

 

提督「待て」

 

タ級「あ」

 

ル級「良かったぁ」

 

レ級「あらぁ......。間に合っちゃったか」

 

提督「全く何度も何度も......。やはりこの緊張感だけは慣れない。心臓に悪い」

 

レ級「良かったじゃん間に合って。だから今回も攻撃しないよ?」

 

提督「基地の絶対防衛線を超えるまでに俺が間に合えば攻撃しない、か」

 

提督「約束を守ってもらって助かるが、それでも予告なしの来襲はやはり辛いな。間に合う保証がない」

 

レ級「だから面白いんじゃん」

 

ル級「そんなのレ級だけだよ......」ボソ

 

タ級「私も、ギャンブルはあまり好きじゃないわ」

 

レ級「う......ふ、2人とも~」

 

提督「なぁ」

 

レ級「うん?」

 

提督「ここまで意思疎通ができて話も通じるのだから、和平の道は考えられないのか?」

 

レ級「大佐と、だけならいいよ」

 

提督「それは受け入れられない」

 

レ級「それじゃ無理だね」

 

提督「何故だ。何故そこまで......」

 

レ級「もう何度も言わせないでよ。僕達は戦うしかないんだから」

 

タ級「大佐には悪いけどレ級の言うとおりね。深海棲艦になった時点で敵として戦うしか道はないわ」

 

ル級「私はもう飽きてきたからこのままで仲良くなってもいけど......」

 

レ級「個人的になら勝手にすればいいと思うよ。でもね、全体は無理だよ。僕たちは戦って沈まないとまた艦娘として転生できないし」

 

タ級「戦って艦娘を沈めないと仲間もできないからね」

 

提督「だからこそ双方に被害が出ないように話し合いという考えはできないのか?」

 

ル級「無理じゃないかな......だって海軍が私達のこと敵だと断定してるし」

 

レ級「それに敵がいないと海軍の存在意義も弱くなるしね!」

 

提督「例え敵がいくなっても、常に国防に努めるのが軍というものだ。立場は弱くなるだろうが、存在意義が弱くなることなど有り得ない」

 

タ級「大佐の理想は嫌いじゃないわよ? でもそれは難しいってどうしても思っちゃうの」

 

ル級「元艦娘だからね......私なんて元々本部にいたから内部事情を常にその身に感じていたわ」

 

レ級「ごめんね? 大佐。そういうわけだから僕は無理だと思うな!」

 

提督「俺は......諦めない」

 

レ級「大佐のそういう頑固なところ、可愛くて僕好きだよ。だからこんな関係になれたのかもね」

 

タ級「初対面の時は、あんなに話が通じなかったのに不思議なものね。一目惚れってやつかしら」

 

ル級「え。そ、そうなの......?」

 

レ級「もうやめてよ恥ずかしいなぁ♪」

 

提督「......」

 

ヲ級「あのーお話し中のところ悪いんだけど、戦わないならもう私達帰りたいんだけど......」

 

レ級「あっ、ごめんね! じゃ、大佐。僕達もう帰るね」

 

提督「ああ......」

 

レ級「大佐が約束を守ってくれる限り僕たちは此処を攻撃しないから、しっかり守ってね。名実ともに!」

 

タ級「大佐、また会いましょ」フリフリ

 

ル級「迷惑掛けちゃってごめんね」ペコリ

 

レ級「じゃーねー!」

 

ヲ級「お邪魔しました」

 

 

提督「......悪意の無い敵意か」

 

加賀「お疲れ様です」

 

扶桑「全く、私達には目もくれない癖にあの人達は......」

 

提督「さて、帰ろう。今日は疲れた」

 

加賀「お風呂沸かしますか?」

 

提督「何故お前が沸かす?」

 

扶桑「えっと......じゃぁ寝ます?」

 

提督「何故照れながら言う? 一緒には寝ないからな」




はい。というわけで本作初登場の深海棲艦でした。
元々無機的なイメージがありましたが、それだと寂しいのでちょっと手を加えてみました。
悪意はないのに敵意はあるってやりにくい感じがしませんか?なんて。
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