白海竜と歩む道   作:よっしー希少種

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MHXR生き返って


11.月下に舞う不死の狼

 幽明虫……断裂列島に生息するジンオウガの特殊種、ジンオウガ不死種と共生関係にある不死虫の一種。幽明虫の力を借りることで不死種は驚異的な再生能力を手にしているのではないかと言われている。

 

「幽明虫に宛があるって言ってたけど?」

「うん。ただ、会えるかは運だよ」

 

 フーとペッコは渓流の奥地、霊峰に来ていた。

 

「なんで霊峰?」

「最近、ここに来たんだよ。不死種が」

「断裂列島に居るやつが?」

「うん。君、人化症のモンスターの特性を知ってる?」

「さあ?」

「適応出来る環境が広がる……まぁ、人間基準になるわけ。不死種は何らかの手段で海を渡り、結果ここに住み着いたんだと思う」

「……不死種も人化症なの?」

「そうだよ。一回しか会ったことないけどね」

 

 ペッコはその場に座り込む。

 

「待とうか。果報は寝て待て、と言うし」

「ん……」

 

 フーも隣にちょこんと座る。二人は並んで命狼竜の帰りを待った。

 

「……」

「…………」

「…………来ないね」

「うん……」

「仕方ない、呼ぼっか」

「え?」

 

 ペッコは立ち上がると、ジンオウガの鳴き真似をした。しかしどこか弱々しいような、そんな鳴き真似だ。

 

「今のは?」

「手負いのジンオウガの鳴き真似」

「なるほど。怪我してるなら、治しに来るってことね」

 

 しばらく待つとエメラルドの光が辺りに星のように舞い始めた。目を凝らしてよく見ると、それが虫であることが分かる。それと共に現れた神秘的な雰囲気の女性、彼女こそが人化症のジンオウガ不死種だ。

 

「あら、あなたでしたか」

「うん。久しぶり」

「お久しぶりです。そちらの方は?」

「友達だよ」

「よろしく……」

 

 フーはペコッと頭を下げる。

 

「それで、用があるから呼んだのですよね?」

「そう。幽明虫のエキスが欲しいんだ」

「ふむ……構わないのですが、理由を聞いても?」

「勿論」

 

 ペッコは不死種にこれまでの経緯を話した。

 

「なるほど。一刻を争う状況なのですね。ではこれを……」

 

 そう言って不死種は小瓶を取り出す。中には何やら液体が入っている。

 

「これって……」

「幽明虫の体液……あなた達が求めているものです」

「な、なんで用意できてるの!?」

「よく使うので。持ち歩いているんです」

「そうなんだ……」

「回復薬よりずっと効くみたいですよ。さ、それを持って早くお友達のところに向かいなさい」

「ありがとう! 行こう、フー」

「私は……もうちょっとお話したいから」

「そっか……じゃあ、先戻ってるね」

「ん。気を付けて」

 

 ペッコは小瓶をしまうと、霊峰を飛び立った。残された二人の間を澄んだ風が通り抜ける。

 

「まだ何か用があるの?」

「うん」

「言ってごらん? 私ができることならやってあげるから」

「……眼を治してほしい」

「なるほど」

 

 不死種はフーに近付く。そしてその虚ろな、ついているだけで機能していない眼をじっと見た。

 

「あなた、種族は?」

「フルフル」

「いつから見えないの?」

「ずーっと前から」

「そっか」

 

 不死種のちいさなため息が聞こえた。

 

「先に言っておくと、見えるようにはならないわよ」

「え……でも……」

「確かに眼球はある。でも……フルフルって元から視力はないじゃない」

「……」

「退化した眼を復元は出来ない。あなたのその眼も、人間の姿になる時についただけ。これからも機能することは無いと思うわ」

 

 ハッキリと事実を伝えた。その方が本人のためになると思ったからだ。

 

「そう……」

 

 フーは明らかにテンションが下がっている。

 

「でも、視覚以外から感じ取るものも多いんじゃない?」

「そうかな……?」

「温もりとかは感じやすいと思うのだけど……」

「温もり……」

「そう。試しに私がハグしてあげましょうか?」

 

 不死種は両腕を広げた。

 

(温もり……)

 

 ふと、初めてレープと出会った時の事を思い出した。雪山の洞窟の中で、フーは寒さに震えていた。その時、たまたまレープに見つけてもらい、保護された。

 

(確かに……あの時のレープ、温かかった……)

「ハグは……いいや」

「え」

 

 不死種は腕を広げたまま固まった。

 

「私も温もり……知ってるから。温かくて、フワフワ」

「そっか……」

 

 少し残念そうに腕を下ろす。

 

「私は私なりに、みんなを感じ取る」

「うん、それがいいと思うわ」

「ありがとう」

 

 フーは不死種に小さく礼をすると、飛び去っていった。

 

「落ち着いたら……レープにギュッてしてもらお」

 

 

 一方、レープはいにしえの仙丹を求めて空の旅をしていた。

 

「ギルデカラン……聞いた事ない場所だけど、本当にそこに情報があるのかな?」

 

 飛行船はギルデカランへ向かっていた。そこに仙丹の情報がある……らしい。しかしかなり遠いため、飛行船でも数日はかかる。

 

(しかし、まさか同乗者がこいつなんて……)

 

 レープは壁際にある檻をちらっと見る。中ではオストガロアが眠っている。口枷をして、触腕と四肢は檻に固定されている。

 

(暴れたりしたら対処するの私なんだよね……。頼むから着陸まで起きないでよ……)

 

 そんなオストガロアとの空の旅も終わりを迎える。

 

「やっとかぁ……」

 

 ようやく見えてきた大きな街。ギルデカランは目の前




一番好きな特殊個体はブラキディオス爆氷種です。何らかの形で復活しないかな……
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