白海竜と歩む道   作:よっしー希少種

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サンブレイクまで約三ヶ月。長いようであっという間な気がします。
ライゼクス確定したから希望はかなり薄めですが、私はガムートの復活も期待してます


16.古代林で痕跡探し

「ねぇ、この資料あっちにまとめといて」

「う、うん……」

 

 龍歴院の研究室内で、四天王とラルア達は資料の整理に勤しんでいた。

 

「ねぇ、なんかあの娘に避けられてるっていうか……嫌われてる感じするんだけど?」

「当たり前でしょ。元々空とは無縁だったモンスターに雲の上からスカイダイビングなんてやらせたらそりゃ嫌いになるよ」

「ぐっ……」

 

 部屋の奥では、ディノとガムートが集めた情報を基に話し合いをしている。

 

「獰猛化で、かつ凶暴化は無い……か」

「そう。だからハンターが一番危惧してる存在は現れない」

「なるほど」

「それに、獰猛化による活性化によって鱗粉の効果を打ち消せるとしたら……」

俺達(モンスター)でも奴に立ち向かえる……と?」

「正解」

 

 ガムートはワンピースのポケットから、赤黒い液体が入った瓶を取り出す。

 

「それは?」

「獰猛化濃縮エキス。これを使って擬似的に獰猛化できればと思ってるんだけど……この液体についての情報が無さすぎてね」

「そもそも飲めるのかこれ?」

「ハンターさんは、獰猛化エキスと増強剤を組合わて狩技ドリンクって飲み物を作って狩りに役立ててる。飲めないことは無いと思うけど、これはハンターさん達が素材に使わないくらい濃い。それに、純粋な人間と私達じゃ効果が変わるかもしれない……」

「……リスキーだな」

「かなりね」

 

 ガムートは小さくため息をつきながら資料を眺める。

 

(まだ情報が足りない……生態について、鱗粉についてもっと知ることが出来ればな……。そこはハンターさん達に頑張ってもらうしかないか)

 

 

「ここ、めっちゃ鱗粉あるね」

「この場所で休息をとったのかも」

 

 セアとレープの調査も進んでいた。しかし、肝心の本体には巡り会えていない。

 

「コイツのせいでここに来て結構襲われたよね……」

「本当に……早く本体探さなきゃ」

 

 古代林の調査中も、大小問わず様々なモンスターに襲われた。無闇矢鱈に狩ると生態系が崩れかねない上に、二人で対処出来るものでも無かった為、ほとんどは逃げてやり過ごしている。

 

「ん……これは」

「血……だね」

 

 血が地面に点々と落ちている。それに、金色の鱗粉も一緒に落ちている。

 

「たどってみよう。この先に居るかもしれない」

「居るかな……少し古い痕跡だよ?」

「いいから、行くよ」

 

 二人は血痕をたどって歩いた。そしてたどり着いたのは洞窟の中。地図にはエリア3として記されている場所だ。

 

「な、何これ……」

 

 二人が目にしたのは、洞窟の壁にこべりついた大量の血痕と、金色の鱗粉。

 

「ここで争いがあったのかな」

「わからない。とりあえず、痕跡を調べよう」

 

 セアは洞窟の壁に近付き、よく観察した。岩の尖ったところには、黄色い皮膚のようなものが付いている。

 

「メタドラスの皮膚かな……」

「モンスターだよ? 岩程度で傷付くかな?」

「かなり柔らかいって報告があったし、ありえなくはないよ。しかし……」

 

 セアは洞窟の中を見回す。この血痕以外に特におかしなところは無い。

 

「争った形跡がないのに、この量の血痕が出来るかな?」

「確かに……モンスター同士の争いなら、洞窟内はもっと荒れてるはずだもんね」

「一応……メモしておこうか」

 

 セアはメモ帳を取り出し、痕跡について記した。

 

「よし……。もう少し調査したら一旦休憩にしよっか」

「はーい」

 

 その後も二人は調査を続けたが、あの痕跡以外、特にこれといった成果はなかった。

 

 

 帰還後、龍識船には戻らず、一旦龍歴院の研究室に報告に向かった。既に深夜という事もあり、人は疎らだ。

 

「……なるほど。新しい報告だな」

 

 室内に居た面々も疲れ切っている様子だ。ガムートはソファで寝ており、ミツネも机に突っ伏している。ゼクスは資料の整理をしているが、いつも綺麗な翠色に帯電している翼や尻尾の先端も全く帯電していない。今二人の話を聞いているディノも、眠たそうな目をしている。

 

「ありがとう。とりあえず明日まとめるよ……。あぁ、ラギアクルス亜種の娘にも頑張ってもらったよ。ゆっくり休ませてくれ」

「そのラルアは今どこにいるの?」

「お前のマイハウスに居るはずだ。風呂に入りたいって言ってたから先に返したぞ。元々海竜種だから溺れる心配はないと思うが、一応様子見てやってくれ」

「おぉ、分かった。じゃあ私は帰ろっかな」

「お疲れ……俺達も帰るか」

 

 セアは先に研究室を後にした。ディノとゼクスも資料を片付けると、寝ている二人を背負って部屋を出ようとした。

 

「ねぇ、フーちゃんは?」

「フーちゃん?」

 

 ゼクスが首をこてんと傾げながら聞き返した。

 

「ここに来た人化症のフルフル。自己紹介しなかった?」

「フルフルの……? ディノ、そんな子居た?」

「俺は見てないぞ」

「私も見てないけど……」

「え……」

(そんな……たしかに龍歴院前で研究室に行くように言ったはずなのに……)

「あ、ありがとう。私の勘違いだったかも」

「? なら良いんだけど」

 

 ゼクスとディノも研究室を後にした。部屋にはレープ一人になってしまった。

 

「そんな……フーちゃんどこ行ったの?」

 

 まずはマイハウスを確認しようと、レープは部屋を飛び出した。

 

 

「ふー……うぅ……」

 

 激しい吹雪の中、フーは一人で雪山を歩いていた。嗅覚を刺激する鱗粉の匂いに負けないように、自分の腕を強く噛みながら進む。

 

(レープの為……手がかり……探さなきゃ…………)

「うぁ……」

 

 雪に足を取られて転んでしまう。深く積もった雪に埋まり、身体を思うように動かせない。

 

「う……レープ…………助けて……」

 

 フーの声は、吹き荒れる風の音にかき消されてしまった。身体を雪が包んでいく。フーの意識も、闇に包まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まだ、生きてる」

 

 雪の中から引っ張り出した人化症の飛竜を仰向けに寝かせ、胸に耳を当てる。微かだが、まだ脈がある。

 

「私、この子助けたい。良い?」

「えー、いいじゃんほっとこうよ」

「脱皮した時、見張ってたの、誰?」

「ぐっ……。わかったよ。ん……てか、人間じゃないの?」

「うん。モンスター。多分、飛竜」

「なら……助けよっか」

「ありがとう」

 

 少女はフーを背負って歩き始めた。満天の星空の元、風と、雪を踏む音だけが雪山に響いていた。




絵が描けないから、こうして小説で擬人化モノしている訳ですが、描けないからこそめんどくさいキャラデザになってる気がします。それが伝わっているかも自信ありませんが……。
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