「ヒュッヒュッヒュヒュ〜」
「鎧、オレと勝負をしろぉ!」
妖精の尻尾に入って少しだけ時間が経過した。
初依頼をこなしたオレはその後は1人でバンバンとこなしていき、家賃9万Jの部屋を借りれる様になった……頭金に結構な額が必要だったので報酬の殆どが吹っ飛んだのはよくも悪くもいい思い出だ。
「とぅ!」
「ぐはぁ!?」
ギルドの酒場に居るとナツが挑んでくる。
最早恒例行事となってる。ナツは飽きもせずによくオレに挑んでくるなと思いつつもライダーキックをくらわせる……スーパー戦隊の力を使っている奴が仮面ライダーのライダーキックを使うってどうなのだろうか。
「全く、おちおちレンジャーキーを磨けないな」
オレの力の源とも言うべきレンジャーキー。
殆どが追加戦士のレンジャーキーであり、金色とか銀色とかで青色とかは無い。青色の追加戦士ってありだと思う。コグマスカイブルーは別枠です。
「ったく、お前も懲りねえな」
ぶっ飛ばされたナツを見て呆れるグレイ。こんな事が日常になってるのはオレも大分妖精の尻尾に毒されて来たと言うわけだろう。
ナツをぶっ飛ばしたのでとりあえずレンジャーキーを磨く。ゴーカイシルバーのレンジャーキーは頻繁に使うので念入りに磨かなければならない。頻繁に使う戦隊とそうでない戦隊が無意識の内に別れてしまっているので全部の戦隊の力を使いこなせていない。
「まだまだぁ!エルザ、オレと勝負をしろぉ!」
「ふぅ……仕方がない」
「俺もだ!」
ナツはグレイと共にエルザに勝負を挑もうとする。
エルザはあまり乗り気じゃないものの、酒場の外に出ていく……多分、瞬殺だろうな。そういえばさっきグレイとナツがいちごのショートケーキ食ってたけど、あれエルザのおやつなんだろうな……ボコボコにされるな。
「……ぅお!?」
テレッテレレレン、テレッテレレレンと鳴り響くゴーカイセルラー。
この世界には通信魔法とか通信
今の今までゴーカイセルラーに着信なんて無かったのでもしかしたらモバイレーツ的なのを持っている奴から電話が掛かってきたのかと電話に出る。
「も、もしもし……」
『「酒場から出ろ」』
電話に出ると指示らしきものが送られた。
誰からの電話だ……いや、それよりも何処かで聞いたことのある声だ。何処で聞いたんだろ
「もしもし……もしもーし」
『「いいから酒場から出ろ。1人でだ」』
何処で聞いた声か分からず戸惑っているが、それでも指示が出ている。
ミラ達と協力すんなと言うこと……罠かなにかかもしれないが、指示通りに動かないとなにか大変な事になるのかもしれない。ゴーカイセルラーを首を傾げた状態で耳に翳しながら酒場の外に出る。
「おい、言われた通りに出たぞ。次はどうすれば……っ、切れたか」
次の指示的な物を仰ごうとしたがゴーカイセルラーが通話が切られた。
酒場の外に出たのを確認したからゴーカイセルラーの通話が切られたんだと考えていい……何処でオレを見ているんだ?
「っ!?」
辺りを探そうとすると光線が飛んでくる。
ギリギリのところで反応をすることが出来たけども、この光線は放っからオレに当てるために撃ったわけじゃない
「……!……嘘、だろう」
弾が撃たれた方向を見るとそこに立っていたのはタイムファイヤーだった。
大きな建物の非常階段にいるタイムファイヤーはコツンコツンとDVディフェンダーを鳴らしておりオレを見ている。
「バカな、タイムファイヤーのレンジャーキーはオレが持ってるはずだ!」
オレを転生させた神様は他には転生者は居ないとハッキリと言い切った。そしてタイムファイヤーのレンジャーキーはオレが持っている。
神様が言うにはオレ以外がタイムファイヤーや他の戦隊に変身するにはゴーカイセルラーを使うんじゃなく、本家と同じやり方で変身をしないといけないが……どうなんだ?
「お前、何者……いや、待てよ」
ゴーカイセルラーが鳴ったと言うことはゴーカイセルラーの番号を知っている奴だいうこと。
ゴーカイセルラーが通信道具なんて妖精の尻尾の面々どころかマスターすら知らないことで……つまり
「オレってわけか」
オレしか知らないこと……つまりあれは何処かの時間軸のオレになるわけだ。
正解なのかDVディフェンダーを鳴らすのをやめてこちらを見てくる……。
「豪快チェンジ!」
『ターイムレンジャー!』
「タイム・ファイヤー!」
なにも言ってこないのでタイムファイヤーに豪快チェンジ。
オレもまたコツンコツンとDVディフェンダーを鳴らす。
「鎧、急に居なくなってなにをしてるのって鎧が2人!?」
なにを言えばいいのかわからない空気が生まれていると金髪巨乳のバニーガールが……ルーシィ・ハートフィリアだった。
なんでこんなところに、いやそれよりもまだ原作が開始していないのにボインな姿になっている……あ、思い出した。
「1人はこの時代のオレだ」
「ぜ、全然変わってないけど」
「
これ、OVAの話だ。
ナツの首元にある謎の傷についての説明回でもあるOVAで、ナツ達が、ハッピーが生まれる前……ちょうど今頃の時代にタイムスリップする話だ。
「未来から過去に、か」
やっと全てとは言わないが大体を思い出した。
未来と呟くとルーシィは大慌てをする。
「えっと、鎧、私はルーシィ。妖精の尻尾の一員でって、この時代じゃまだお嬢様だったけど、とにかく私達は」
「事情は大体分かった」
「流石はオレ……って、過去のオレも同じ事をしていたか」
未来の説明をしようとするが上手く説明が出来ていないルーシィ。
大体の事情は分かったと言えば驚かれる……原作知識って本当にこういう時は便利だよな。
ルーシィは自分達が未来から来たことについて理解をしてくれた事にホッとするが直ぐにハッとする。
「まだ私、妖精の尻尾に行ったことすら無いのにここで出会ったのなら未来が変わっちゃう!」
「ルーシィ、落ち着け……誰かが大怪我をしたとか悪い奴が襲ってきたとかじゃない。変えようが変えまいがどうだっていい未来の1つや2つある……と前向きに思いたい」
「思うだけかい!」
「でも、過去のオレが言っている事には一理あるぞ……別にここでルーシィと会ってもルーシィ、この時代には居ないんだから顔を合わせても誰だってなるだけだ」
「言ってることは事実だけど、なんだか釈然としないわ」
ちょっと皮肉めいた形で未来のオレは言っているからしゃあない。
実際のところここでルーシィと出会ったとしてなにか未来が変わるというのか。
「タイムスリップって4つぐらいパターンがあるでしょう!過去を変えても未来が変わらなかったりするパターンとかだったらどうするつもり?」
タイムスリップ物には幾つかパターンがある。
1つ目は過去の時代に介入することで未来が変わるパターン。
2つ目は過去を変えても変わった未来が生まれるだけで元いた未来に影響を及ばさないパターン。
3つ目は既に過去の時代に未来の自分がなんらかの関与をしていた時間軸の住人で答え合わせをするパターン。
4つ目はどれだけ過去を干渉してもなんだかんだでその未来に辿り着くことが決まっている。
メタい話をすればFAIRY TAILは1つ目に部類される世界で……ここでルーシィと深く関与してしまえば未来に何かしらの影響を及ぼす。
ただ妖精の尻尾の一員でもなく特になにか大きな事件に巻き込まれたわけじゃないからルーシィとここで深く関わっても黙っておけば問題はない。
「そうだな。お前とこうして出会う事が未来に大きな影響を及ぼすんだったらオレはさっさと去る」
ルーシィの言っている事に一理ある。OVAの話が今巻き起こっているのが分かっただけでも充分な情報で、ここでルーシィと深く関わってもロクな事にならない。ルーシィ達に背を向けて変身を解除して酒場に戻ろうとするがタイムファイヤーになっている未来のオレに肩を掴まれる。
「折角過去の時代にやって来てるんだ……ルーシィに妖精の尻尾を案内するぞ」
「なに言ってんの!?」
「なんだ過去の時代の妖精の尻尾の皆をみたくないのか?皆、色々と若いぞ」
「え、ど、どうしようかな」
未来のオレの提案に悩むルーシィ。
自分で過去の人間が関わったらだなんだ言ってた癖にやっぱり過去の妖精の尻尾のメンバーが気になるんだな……ああ、そういうことか。
「オレは出ていってくれか」
未来のオレは最初から過去のオレをギルドである酒場から追い出そうとしていた。
ゴーカイセルラーを掛けてきた時からこの事を狙っていたとか流石はオレだと感銘を受けつつ二人に背中を向ける。
「ついさっきまでギルドでレンジャーキーを磨いてたから上手くバレない様にしとけよ」
2人もといルーシィは行く気満々なのが伝わってくる。
ついさっきまでやっていた事を伝えるとオレは去っていく……向かう先は決まっている。川だ。
「うぉらあ!」
「なんのお!」
河原に向かうと殴り合う男が2人。その近くで殴り合う小さな男の子達2人
片方は未来のグレイとナツでもう片方もこの時代のナツとグレイ……どれだけ時間が進もうとも2人は喧嘩をする運命なんだと思わず笑みを浮かべる。
「2人とも昔からやること変わってないよ」
「大人になっても成長をしないんだな」
「少しは成長しなよ……って、鎧!?」
「はじめまして、小さな猫。お前も未来から来たでいいのか?」
戦っている2人に呆れている小さな青い猫、ハッピー。
この時代ではまだ生まれていないのではじめて会うので挨拶をする。
「あい……って、どうしてそれを知ってるの!?」
「さっき未来のオレとルーシィって子と鉢合わせして大体の事情は察した……ヅラを被ってて服装も変えてるけど、アレはグレイとナツだろ」
「あい……あの二人、オイラが生まれる前からあんな感じだったんだね」
「ナツが誰かと喧嘩と称して戦ってるのは最早恒例行事でオレもレンジャーキーを磨いてると挑まれた……秒でぶっ倒したけど」
「流石、鎧。過去でも滅茶苦茶強いんだね」
未来でもオレは上手くやっているようだ……。
「因みに未来のオレはどんな感じで?」
「未来の鎧なら一緒に来ているよ?」
「いや、ほら……他人から見てどういう感じに成長しているか」
「そういう未来の知識は教えちゃ駄目だってルーシィが言ってたから教えないよ」
「んだよ、ケチくせえな」
自分達は過去の時代を堪能していってるってのに、オレは未来に関与することは出来ない。
オレはS級魔導士になれてるのか、全ての戦隊の力を使いこなせているのか、童貞のままなのか知りたいことがとにかく多い。それ等は聞くんじゃなく待てと言われる……畜生。
「それよりさ、ナツとグレイを止めてよ」
「あの二人なら放置しても問題無いんじゃないのか?」
顔を合わす度に喧嘩をしているナツとグレイだが本気で殺し合う事はしていない。
ああ見えてもナツとグレイは味方を殺すなんて事は絶対にしない。放っておいても勝手に解決をするもんだろう。
「オイラ達、エルザ達と勝手に分かれて此処に来ちゃったから……早いところ合流しておかないとエルザ、カンカンに怒るよ」
その考えだとエルザは既にカンカンに怒ってると思う。
今も未来もエルザにボコボコにされる未来は変わりはないので下手な事は言わないようにする。しかしこのままなにもしないってのもアレなので一応は止めに入る。
「2人ともこんなところで喧嘩してないでさっさと」
「「うるせえ!!黙ってろ!」」
「……なるほど、そういうことか」
「「あ!」」
2人の喧嘩を止めようとするとオレを殴ってきた。
容赦無くぶん殴ってきた2人は殴ってしまったのはオレだと分かるとやらかしてしまったと冷や汗をかきはじめる。
「2人とも纏めて掛かってこい、ぶっ倒してやるよ」
「や、ややや、やべえ。鎧の奴を怒らせちまった」
「面白え!この時代の鎧になら勝てるぜ!」
怯えるグレイと燃え上がるナツ。片方は白旗を上げそうになるが、ナツの言葉を聞いてグレイはやる気を出す。
「豪快チェンジ!」
『メーガレンジャー』
「メガ、シルバー!」
そっちがやる気なのでこっちもやる気を出して豪快チェンジ。
メガシルバーに変身をすると空中を飛ぶ板ことオートスライダーを出現させてナツに向かって突撃をする。
「ハッハッハ、ナツ!お前の弱点は知っているぞ!」
「オレに弱点なんて……うぷ……気持ち悪ぃ……」
オートスライダーにナツを乗せると乗り物酔いになって顔を青くする。
ナツの弱点、それは乗り物に弱いこと。乗り物にさえ乗せてしまえば本来の力を出すことは出来ない。
「シルバスライド!」
「ぬぅあ!?」
オートスライダーでグレイに突撃し、ぶっ飛ばす。ナツは乗り物に酔っていてバタンキューでグレイはオートスライダーに跳ねられた。
「鎧……ちゃんと戦いやがれよ……うっ……」
「そうしたいのは山々だけど、お前達に時間はそんなに残されていないだろ」
他の姿で真正面から戦いたい気持ちはないことはないけども、今はナツ達の時間を優先しなければならない。
「決着を着けたいならこの時代のオレに言うんじゃなくて、お前が今いる時代のオレに頼みな」
変身を解いて背を向け、オレはギルドへと戻っていく。
道中エルザと思わしき女性が急いでナツ達の元へと走っていく姿を見た。
「未来は過去に、か……」
いい未来を送れるように頑張らないとな。
天帝vs童子切を連載化したいんだが
-
連載見てみたい
-
短編集にだけしとけ