アルピ交通事務局のネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

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漫画家にすゝめ 1

 ある日、僕は殺された。

 いや、殺されたと扱われていない殺人をされた。偶然の事故とか業務上過失致死罪的な感じで、もっと具体的に言えば部活動中に古臭い水を飲むな休むなの考えを強要された結果、死んでしまった……。

 人が死んだらあの世に行く。あの世は国や宗教によって異なる様で日本には日本の地獄があるらしく僕はあの世で生前の行いを見て、天国か地獄に行くのか決める裁判を執り行ったのだがチャンスが訪れた。

 

 二次元もとい異世界に転生をするチャンス

 

 遊戯王とかポケモンみたいな玩具販売促進アニメみたいな世界、ラブライブやアイドルマスターみたいなアイドル系のアニメ、ブラッククローバーやFAIRY TAILの様な魔法バトル様なものの世界と転生先は色々とある。

 

 どんな世界に転生しても問題が無い様に転生者になりたいと言った子供は鍛えられる……

 

「……はぁ」

 

 転生者になるべく鍛え上げるのだが、これが本当にキツイ。

 どんな世界に転生しても生き抜ける様に訓練をしているのだけれど、転生者同士の訓練だからって真剣での切り合いをやらされたのは今でもトラウマだが、そのお陰でバトルものの世界に転生しても問題の無い度胸がついた……んだけどな

 

「今日もジャンプは面白いけど……バクマンか」

 

 僕の転生先はバクマン。

 ジャンプで連載されていたアニメ化も実写化も果たした大人気大ヒット漫画であり、全20巻の程よく終わっている漫画だ。

 その内容は2人の主人公が原作と漫画の担当に分かれてジャンプで漫画家を目指すと言う内容であり……基本的な世界構造は元いた世界と変わらない。普通にジャンプあるし、とってもラッキーマン以外のジャンプの漫画は揃っている。

 ガールズ&パンツァーやラブライブみたいにある部分以外は元いた世界と同じよりも元いた世界と同じというなんで転生したのか分からない……まぁ確かに強くてニューゲームの第二の人生だから前よりは楽だからまだいいけども。

 どうせジャンプで漫画を描く話だったら早乙女姉妹は漫画のためならの世界に転生したかった……エッチなお姉ちゃん達の誘惑には負けそうだけど。

 

「お、今週のジャンプじゃん。後で貸してくれよ」

 

「ん、今読み終わったよ」

 

 バクマンの世界に転生したことにジャンプを片手に不満を抱きつつも、兄であり主人公である真城最高に今週号のジャンプを渡す。

 バクマンの世界で良かったことは僕が読んでいた漫画とは違う漫画がジャンプにあること……面白いやつと面白くないやつの差は激しいけども。

 僕がジャンプを読んでいると物欲しげな顔をしているので兄に渡す……既に一回読み終えたからね。

 

「先週号のジャンプ、何処置いた?」

 

「俺の部屋の机の上……今日もやるのか?」

 

「絵が上手いってそれだけで武器になるからね」

 

 部活動中に殺された僕は体育会系のノリはあまり好きじゃない。部活動には入らずに家で引きこもってるもとい毎日絵を描いている。

 ただの絵じゃない。ジャンプに掲載されている漫画の1ページと思いついた描いたら面白そうなpixivとかにありそうな1ページだけの漫画を描いている。叔父が漫画家で過労死みたいな死に方をしているので母さんは嫌そうな目で見てきているが、これを欠かさずにやっている。

 絵が上手いと言うのはとにかく武器だ。イラストレーターや画家の様に絵を描く仕事もあるし、建築関係の仕事についても絵が上手かったりすれば少しは有利……のはず。就職とか進学を考える前に殺されたからその辺りはよくは知らない。

 

「おじさんの超ヒーロー伝説、やっぱスゴイな」

 

 とってもラッキーマンの代わりに存在する超ヒーロー伝説。単純に面白いし、ただの勢いに任せた感じの漫画じゃない作り込まれている漫画だ。

 おじさんが漫画家としてどれだけ凄かったのかがよくわかる……でもそのおじさんも井の中の蛙的な感じなんだよな。前世でも見た漫画の方が全体的に絵の質が高い。おじさんGペン使ってなかったっぽいし。

 

「今日はリボーン……」

 

 この世界に転生した僕は3つの転生特典を貰っている。

 1つは原作主人公こと真城最高の弟として生まれることだが別に弟に生まれようが原作に深く介入できるわけでもないそういう感じの世界観でもないんだが、まぁ、それはよしとしておく。

 2つ目は絵の才能。絵は練習あるのみかもしれないが、なんだかんだで絵が上手いのは一種の才能である。絵画教室とか通わなくても漫画や上手い絵が描けるのは才能……アメトークの絵心ない芸人が絵がヘタクソなのはなんとなくで気持ちがわかる。

 3つ目は黄金律B、Fateに出てくるあのスキルなのだがもし仮に俺が漫画の連載に成功したりした場合はこのスキルは関与しない。純粋な実力で漫画の連載を掴み取れと言う運営側からの意思だろう。この事に関しては文句はない。

 

「……う〜ん」

 

 リボーンの好きなシーンのページを描き終えると思いついたネタの1ページ漫画を描いていく。色々と文句を言ったり不満を抱いたりしているけども、僕はこの世界で頑張ろうと思っている。具体的に言えば、漫画家を目指している。

 おじさんこと川口たろうが過労死みたいな死に方をしているので親にはその事は言うに言えない……言うときが来るとすれば、それは原作が開始された時、兄こと真城最高がおじさんの仕事場を貰った時だ。

 

「普通のペンでこの速度か……」

 

 文字通りネタも1から自作でコミカルな二頭身等にせずに1ページの漫画を描き終える。

 モブキャラも背景も描き終えたがスクリーントーンとか使っていなくて約3時間ちょっと……これが早い方なのか遅い方なのか分からないがもっともっと描き込める部分がある。

 

最良(もりよし)最高(もりたか)、ご飯よ」

 

「はいはい」

 

「今いくよ」

 

 バクマンの原作開始は兄である真城最高が中学3年になって間もない頃だ。それまでに僕は色々と準備をしなければならない……1つは言うまでもなく金である。原作では主人公二人はおじさんこと川口たろうの仕事場を使わせてもらっていて川口たろうが実際に使っていた原稿用紙だコピー機だなんだと使っていたが僕にはそんな物は無い。仲の良い兄の結婚計画を邪魔するわけにはいかないのでお年玉や小遣いを用いて漫画に必要な物を揃えている。

 スケッチブックと鉛筆1つがあれば漫画なんて描けると言われればそうかもしれないけど、スクリーントーンとかあるかないかで漫画の迫力は変わる。手描きでスクリーントーンとか描けないこともないけども地獄でしかない。

 

「最良、もうすぐ誕生日だけれど何が欲しい?」

 

「ん〜……パソコンがほしい」

 

 なので欲しいものはちゃんと手に入れておく。誕生日プレゼントをハッピーバースデーと勝手に決めてプレゼントしてくれる家ではなく堂々と聞いてくるので欲しい物はちゃんと言う。

 今の僕が欲しい物はパソコン……この世界って普通の地球でコナンみたいに変な感じで時空がネジ曲がっていないからスマートフォンが存在しない……ガラケーだよ、ガラケー。ソシャゲが非常に懐かしい。てか、やりたい。

 

「パソコンね……」

 

「あ、部屋に据え置きのデスクトップタイプのパソコンでペンタブも欲しい」

 

「ペンタブ?」

 

「ほら、アレだよ。パソコンで絵を描くときに使ってる板のことと」

 

「ああ、あれね……って、パソコンでも絵を描こうとしている。この子ったら」

 

「まぁ、血が騒ぐから仕方ない」

 

 僕が絵を描く為にパソコンを買ってもらうのをあんまり良い顔をしない。おじさんの一件は重い。けれどもお祖父ちゃんは買うのは反対じゃないから買ってくれると思う。パソコン……欲しかったんだ。

 実際のところはどうかはしらないけれどもパソコンを用いたデジタル原稿なるものが未来では多々ある。手間の掛かるベタなんかを一瞬でやってくれる優れ物で合成画像もあっと言う間に作れる……この時代の技術で出来るかどうかは知らないけど。

 ともあれ一度間違えた部分をホワイト修正液を用いて描き直す手間も省けたりするから欲しい物は欲しい。どういう感じのが欲しいのかカタログを用意しつつパソコンに関してちょっと勉強しておこう。絵ばっかり描いてたら母さんも大丈夫かしらと心配をするし。

 

「最良、アレ見せてよ」

 

「ええ、またぁ?」

 

「たまに読みたくなるんだよ」

 

「仕方ないなぁ」

 

 背景を描く練習をしていると兄こと最高が部屋にやって来た。

 何事かと思えばアレを……おじさんが生きている頃になにか残してみせると描いた超ヒーロー伝説の公式(原作者御本人認可済み)同人誌を読みたいと言い出す。

 

「……っぷ……やっぱこれ、面白いな……最良、漫画家の才能あるよ」

 

「なに言ってんの高兄、高兄だって才能はあるよ……おじさんは勧めなかったけど絵に関する才能は絶対にあるんだから」

 

「絵が上手くたって話を作れなきゃ意味はない……それに漫画は博打打ちで成功しない確率の方が高いし」

 

「そう考えると一発でも成功したおじさんって凄いよね」

 

「ああ、そうだな」

 

 兄は僕が漫画家を目指していることに薄々と気付いている。ハッキリと頑張れとかのエールは送っては来ないけど。

 漫画家がどれだけ苦労を強いられる職業なのか知っているから言わない。試しに逆に勧めてみても否定的だったりする……こればっかりは未来の相棒に出会って変わるしかないんだろう。その辺りは原作よ、頑張れ。

 

「でも、これだけ描いてるのにまともなの一本も作ってないよな」

 

「今のところはちゃんとした物を描くよりも一発のネタを描いてるんだよ……」

 

「ちゃんとしたの描くの難しいんだったら手伝うぞ」

 

「いや、いいよ……これは僕の作品だから絵の上手い高兄が手伝って質が上がったら悲しくなるから」

 

 後、将来的に漫画家になる人に手伝ってもらうのは色々と困ると思う。

 

「そっか……母さんがなんて言おうがお前の道だからな」

 

 そこは頑張れと言ってほしいな。

 こんな感じの若干だが微妙な空気を流したりすることが多々ある兄弟関係、より良くなるのは原作開始……ああでもライバルにはなるんだよな。

 

「ちゃんとした話か」

 

 兄が満足して部屋を出たので、さっき言われたことを振り返る。

 兄の言う通り読切的な一本すら僕はまともに描いていない。1ページだけのネタになるけど話にはならない感じの漫画とは呼びにくい何時かの為に取っておいてお蔵入りするパターンなんだと思うけど。

 

「ジャンプでもいいけど……規制が厳しいんだよな」

 

 これから先、大人達から色々とクレームがやってきてさるかに合戦がさるかにばなしになる。

 子供の教育上に悪いからっておとぎ話のタイトルまでも変わるのか大丈夫なのかと思うが、世の中はそんなもんとしておいてジャンプに連載を持つとしてもその辺りを気にしなければいけない。なにせ大当たりした鬼滅の刃ですら遊郭なんて子供のアニメや漫画で出すななんて謎のクレームがあるぐらいだ。

 

「好き勝手に描いて向こうからのスカウトを待つ」

 

 漫画家になる方法は原作通り、出版社に漫画を投稿して商業誌に掲載されると言う一連の流れをすること。

 だけど僕は知っている。そう遠くない未来で絵とか漫画とかをネット上で上げていたら出版社から話がやって来るという事を。そういう感じでミリオンいった漫画とか普通にある……思えば前世は大漫画時代で規制が厳しいけども好き勝手に描いて漫画家になったが当たり前の時代なんだよな……

 

「……なろうが流行りまくる中での王道のジャンプ掲載、しかも本名……いや、浮かれちゃ駄目だ」

 

 原作で兄が言っていた様に0,001%しか成功はしない。成功する前提で夢を見るのはよくないことだ。

 まだまともな漫画を1つも描いていない……ネタばかり貯めている毎日で、これだと本当にpixivに上げている絵師さんと同じ風になってしまう。流石にそれはまずい……一本、描いてみるか

 

「今まで貯めたネタになにか使えそうなのあるかな……」

 

 一発のギャグ的なネタならば幾らでも描けていたが、連載を目指さない一発ネタは描いた覚えは無い。

 兄の様に原作と漫画を分けるつもりは無いので今まで貯めたネタから読み切りに使えそうなものはないと探す……使えそうなのはあるが……どうしよう。絵の方にはまだ自身が無い……そもそもで漫画での絵が上手いと言うのはなんなのだろう?その話と合っているかどうかも大事だ。ギャグでリボーンの終盤の絵のタッチだったら合わない。

 

「……思い出せ」

 

 なにか使えそうな原作知識はないのかとバクマン。の原作を思い出す。

 漫画は料理と同じでこれでいいは無い……なろうみたいな話を描いてみるか……マッシュルとかDr.STONEが受けていたから一概に無しとは言えない……けど、それが受ける様になるのは少し未来の話だからな。

 

「……そもそもで僕、どんなのが向いてるんだろう」

 

 原作担当こと高木秋人は王道的な漫画が向いていない、邪道な漫画が向いている。

 兄のライバルになる新妻エイジは王道的なバトル漫画は得意だが恋愛モノとか考えて作られた漫画が苦手だ。じゃあ、僕はなにが苦手で得意なのだろうか……どういう感じの漫画を描きたいのか定まっていないな。でも、描きたくないのはわかる。部活動系のスポーツものだ。死因であるスポーツの漫画を描くなんてごめんだよ。

 

「好きな漫画、好きな小説」

 

 ToLOVEるみたいなエッチな展開に走る漫画も嫌だな。あれ、内容よりも絵で勝負している感じがある。後、シンプルになんか嫌だ。

 自分の好きだった漫画(前世と今生)は……なろう系が多くて二次小説を結構な頻度で見ていた……あ、そうか。

 

「アンチ系の作品、好きだったな」

 

 ハイスクールDxDとかなのはとアンチ要素の多目の話は大好きだった……うん、そうだ。

 マッシュルとか成功しているんだし、アンチ物の漫画……王道的な展開を逆にぶち壊したりする展開………思い切って地獄での出来事を描いてみよう。

 

「ええっと死因は……アレルギーなんて甘えとか言う老害に騙された……いやこれ描いていいのかな」

 

 話の内容的には面白いとは思うけども……パクってる感じが否めない。

 オリジナルで勝負したいのならばアンチ要素多めな……プリキュア的な世界観に巻き込まれた一般人が第3勢力として戦いに介入するとか、一般人を巻き込まないスタイルのおっさん達の物語……。

 

「もう全部描いちゃおう」

 

 原作開始までまだ時間があるし、原作が始まった瞬間に劇的に世界が変わる世界じゃない。

 どれもこれも面白そうな話ならば描いておいて纏めて投稿する。そうしよう。新妻エイジもそんな感じでネタを貯めてたっぽいし。

 

「……そうか。話の時点で面白い物を書けばいいのか」

 

 新妻エイジで思い出した。

 兄である最高は新妻エイジに勝つ為に途中から秋人にネームを漫画じゃなくて文章にしてくれって言っていた。それはつまり内容の時点で面白い漫画を描けばいい……ああ、でもそれだと小説っぽくなる……。

 

「パソコン、欲しいな……」

 

 色々とネタが浮かんできた、ビビッと来た。

 このネタを忘れない内に留めたい……きっと文章にしても面白い……ああ、書き留めておかないと……後、一人言は少なくしないと。

天帝vs童子切を連載化したいんだが

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