アルピ交通事務局のネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

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漫画家にすゝめ 9 

 

「2位ってマジなんですか?」

 

『はい……上に行くことが出来るとは思っていましたけど、2位は快挙だよ』

 

 少しだけ砕けた口調で喋る事が出来るようになったのは良いことだと思う。

 内田さんにもう一度尋ねてしまう。僕の読み切りが2位にランクインした事を確認すると2位は良いことだと褒めてくれる……マジかぁ

 

「轟轟戦隊ボウケンジャーに似てる感じの話だったのに、2位か……1位と3位は?」

 

『1位は新妻エイジのCROW、3位は亜城木夢叶のこの世は金と知恵……この世と金と知恵との間は15票ぐらいですね。1位との間は5票差で……充分な功績だよ』

 

「ありがとうございます……天下のジャンプで2位を取ったなんて夢を見ている気分です」

 

『……なにを言ってるんだ、君はコレから有名な漫画家になるんだろう。だったら此処で喜んでちゃダメだよ』

 

「!……そうですね、そうでしたね。今度は赤マルじゃなくて本誌に読み切りを掲載して高順位を取ってみせます」

 

 内田さんに言われて意識を現実に戻す。僕は人気漫画家になる為に金持ちになる為に頑張っているんだ……こんなところで喜んでいたらダメだ。

 意識を現実に戻した僕は内田さんに次の作品は本誌に載せるぐらいの気持ちで描いてくれと頼まれる。

 

「ふぅ……2位、2位かぁ」

 

 主人公である兄達を超える事は出来たが天才と呼ばれる新妻エイジを抜くのには至らなかった。

 エルドリッチは中々に自信作だったのだがそれでも1位には行かなかった……エルドリッチじゃ新妻エイジを抜くことは出来ない……エルドリッチの設定を生かしてもっと面白い話を描ける筈だ。喜ぶところで喜びつつ、超えることが出来なかった事を悔やむ。

 

「あ……」

 

 喜びを噛み締める時間は終わったと気持ちを引き締める。

 喉が乾いたので冷蔵庫があるキッチンに向かうと高兄と遭遇する。兄は3位を取って僕は2位を取ってしまった……気まずい空気が流れる

 

「その……おめでとう」

 

「ありがとう……って言えばいいのかな?」

 

 高兄は僕が2位を取った事に対して色々と思うところがある様で言葉が出てこない。

 祝福をしてくれるけれどもその顔は浮かない。絶対に1位を取ることが出来る自信があっただけに3位という現実をまだ受け止める事が出来ていない。

 

「この世は金と知恵、面白かったよ」

 

 アレは自分には描くことが出来ない作品だ。

 高木さんらしさが出ている……けど、アレで1位は少しだけ難しいと思うよ。

 

「お前のエルドリッチも面白かったぞ」

 

「ありがとう……次は読み切りを本誌掲載狙うよ」

 

「もう次が決まってるのか!?」

 

「ううん。でも、次からは本誌掲載の読み切りでって話になってる……読み切りで高評価を得て連載に持ち込みたい」

 

 僕はまだ中学2年生、充電する時間がたっぷりと残されている……けど、それを理由に胡座をかいてはいけない。読み切りを本誌掲載でそこから人気を得て連載に持ち込む。高校に行きながらは多分難しい……けどまぁ、兄に出来るのならば僕にも出来る筈だと思う。

 

「……もうそこまで行ってるのか……」

 

 高兄は心底悔しそうな顔をする。

 口では祝福してくれているものの3位と2位と言う目に見える結果を見せつけられたとなれば素直に喜ぶ事は出来ない。此処で無理に喜べなんて空気が読めない事は言わない。

 

「高兄も次を目指すんでしょ?」

 

「……ああ」

 

 でも一応は焚き付ける言葉を送る。次を既に目指していると目に闘志の様な物が宿っている。

 僕のこんな姿を見せられたらやるしかないと携帯を取り出して何処かに向かった……高木さんに電話をしているんだろう。とりあえず僕は水をグイッと飲んで喉を潤す

 

「おじさんの職場に向かおうっと」

 

 高兄達と目指すところは一緒だが、高兄達にはついていかない。

 おじさんの職場に辿り着くとそこには高木さんが既におり、おじさんの部屋に置かれている漫画を読み漁っていた。

 

「!、よ、よぅ」

 

「どうも」

 

 僕が部屋にやってきた事に気付くと気まずそうな顔をする。2位と3位というのがやっぱりネックなところだ……けども、コレが現実なんだ。

 兄が普段から使用している机に座らずアシスタントの人が主に使っていた机の上に座り自由帳を広げる……

 

「なぁ、最良。オレの話の何処が悪かったんだと思う?」

 

「唐突ですね……ジャンプらしく無いところとかですね」

 

「っ、やっぱり……王道を書くしかないのかな」

 

「いやぁ、高木さんの売りは王道じゃないところだと思いますよ……普通に王道を描いてもダメだって編集の人にも言われなかったですか?」

 

「言われたけど……その結果が新妻エイジにもお前にも勝てなかったんだ」

 

「だったらより面白い邪道を考えればいいじゃないですか。兄は絵の訓練を積むつもりですし……今まで描いたことのないジャンルに手を出すのもありかもしれません。一通り描いてみたんですか?」

 

 一通り描いてみて自分に合うタイプの漫画を見つけるのが先ずは大事だと思う。

 少なくとも王道的な普通の少年漫画は亜城木夢叶には似合わない。もっと捻っている感じのが似合っている。

 

「まだ描いてないものと言えば恋愛漫画ぐらいかな」

 

「困ったらエロやラッキースケベに走る恋愛漫画は僕は嫌いですよ。兄にも向いていないと思いますし……推理物とかどうでしょう?殴り合いの王道とは行かないですが定番と言えば定番ですよ」

 

「探偵物……トリックが思いつくかな?」

 

「トリックなんて似せても問題無いですよ、金田一少年の事件簿も堂々とパクった事を認めてるんですし……なんでしたら今までに無い探偵物のネタとかありますよ」

 

「それってどんな話なんだ!?」

 

「大富豪の一人娘に殺害予告が届いて名探偵が遺産相続が終わるまでの間、専属のボディガードを頼まれる。名探偵は僅かなトリックの種を見つけて大富豪の一人娘を殺そうとする前に犯人を捕らえるっていう殺害をさせない推理物です」

 

 前になんかで見たことがある感じの話だけど、漫画にしたら普通に面白そうだ。

 

「成る程、事件が起きる前に事件を解決する探偵……今までに無いタイプ、最良、お前それ描けばいいんじゃないのか?」

 

「推理物はトリックを考えるのが大変なので僕には向いていないタイプの漫画なので読み切りならまだしも連載は無理です……ネタを使いたいのならばどうぞご自由に。高木さんは推理物と相性が良いと思いますよ」

 

 考えて作るタイプの漫画は僕にはどちらかと言えば向いていない。

 推理ギャグならまだしも本格的な推理物は普通に無理、トリックを思い浮かべるのが面倒で出来ない。高木さんに僕のネタを使っても良いと言えばとりあえずはとノートに【推理物】と書いた。

 推理物は有りだと認識してくれて良かったと思う。王道的な漫画は亜城木夢叶には似合わないからな。

 

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

最高(サイコー)、新しいの出来たから清書してくれ」

 

 時は少しだけ進み赤マルジャンプの本ちゃんから1週間経過した。

 川口たろうの職場にやってきた秋人は絵の訓練としてバトル物の漫画の模写をしている最高に文字だけのネームを見せる

 

「探偵物?」

 

「そう!オレ達の作風に似合うんじゃないかって」

 

「……」

 

「だ、ダメだったか?」

 

「いや、有りか無しかで言えば有りだ」

 

 マガジンには金田一が、サンデーにはコナンがある。

 しかし、ジャンプには時代を駆け抜ける事が出来るレベルの漫画が存在しない……が、推理物が無いわけじゃない。

 

「けど魔人探偵脳噛ネウロを越える事が出来る普通じゃない推理物になる。推理物だから受けるって言うのは難しい……1個ぐらい捻りを入れないと」

 

「捻り……例えば事件が起きる前にトリックに気付いて犯人を捕まえるとか?」

 

「それ、面白そうだな」

 

 事件を未然に防ぐタイプの探偵なんて見たことは無いと言いたげな最高。しかし秋人の顔は優れない

 

「どうしたんだ?」

 

「……お前の弟が(ネタ)を出してきたんだ。トリックに気付いて事件を未然に防ぐ推理物って今までに無いジャンルを……クソっ」

 

 自分が浮かべたネタじゃないのを秋人は悔しがる。ネタ出しの時点で既に最良に負けてしまっている。自分のネタじゃない、面白そうなネタだ。

 コレを膨らませていけば面白い漫画を描くことが出来るだろうが、果たしてそれは自分が考えた本当に面白い漫画なのだろうかという葛藤がある。

 

「とりあえずネタだけじゃなくてネームに出来るまで描いてくれよ。それ清書してみるから……推理物か」

 

「どうした最高?」

 

「昔、漫画家に憧れた時に自分で描いた漫画みたいなのが有ったなって」

 

「え、なにそれ?見てみたい」

 

「いや、アレは漫画みたいなので漫画じゃないからさ」

 

 原作家を目指している秋人に見せるにはお粗末な物だ。

 あの頃は叔父の様に漫画家を目指したい、漫画を描くのが一番楽しかった思い出す。その中には推理物があったっけと最高は微笑む。

 

「魔人探偵脳噛ネウロを越えるレベルの推理物……バトル物が向いてないからネウロみたいにバトルは出来ないし1つ捻りを」

 

「…………探偵が探偵じゃないってのはどうだ?」

 

「探偵じゃない?一般人に推理させるのか?」

 

「……ちょっと待ってろ」

 

 秋人の言葉に感化されて昔を思い出していく。

 あの頃は純粋に漫画を描くのが楽しかったと家に向かって走っていく。

 

「おかえりなさい、最高。今日は早いわね」

 

「ちょっと探しものだよ!!」

 

 自分の部屋に向かう最高。

 押入れを開け、小学校の頃のノートを保管しているダンボールを開封していき、子供の頃に描いた漫画もどきを開く

 

「あった!!」

 

 子供の頃に夢中で描き続けていた漫画の中に推理物があった。

 推理物と呼ぶにはお粗末なものだがあの頃を思い出す代物でコレは秋人に合う可能性があると急いでノートを片手に叔父の仕事場に向かって走っていった

 

「……どうやら上手い具合に時計の針を進める事が出来たみたいだ」

 

 兄が急いで部屋から出て家から出ていく姿を見て最良は呟く。

 原作ならば此処で1度王道的な漫画に挑戦してみて色々なところからボロクソに叩かれてしまうのだが、それが無くなった。原作の時計の針が少しだけ早く進み亜城木夢叶は王道的な推理漫画に向かっていく。

 

「コレだよ、コレ!」

 

 仕事場に戻ると早速秋人にノートを見せる。

 あの頃に描いた物で画力は今の方が上だがネタとしては十二分に面白い。相手を詐欺で引っ掛けると言う今までに無い感じのトリックでコレは面白いぞと秋人は燃える

 

「コレ、主人公が変装していたとかありじゃないか?」

 

「詐欺師だし、漫画だしそれくらいはありじゃないか」

 

 コレは1つ捻りが入っているぞと秋人はネタを出す。

 そこからは段々と盛り上がっていく。ここをこうしたら面白くなると討論し、ネタをとにかく出しまくる

 

「うん。イケる、コレだったらイケるかも!」

 

「……」

 

 ネタを書いたノートを見てうんうんと頷いている秋人。

 最高もコレならば面白い漫画を描くことが出来るぞと思っているが直ぐに笑みが消える

 

「……最良の奴、全部分かってるんだな」

 

 秋人がどんなタイプの漫画が向いているのか弟である最良は分かっていた。

 推理物を勧めたのはその為だろうと1人で納得して悔しがる。相棒の腕の正しい使い道を知っていると答えを教えてきた。最高は自分よりも最良の方が良いコンビを組む事が出来るんじゃないかと自分を疑ってしまう。

 

「最高、とりあえず出来たからネームにしてくれ」

 

 自分を疑いつつも自分を信頼してくれる相棒から文字のみのネームを受け取る。

 文字だけでも充分に面白いと分かるもので早速どんなコマ割りにしていくのか頭の中で構想を練る。担当編集である服部にネームの段階で見せれば良いと言われているので2日掛けてネームを完成させる。

 

「コレは……なるほど、そう来たか」

 

 ネームが完成したので早速担当編集である服部哲にネームを見せる。

 今までの亜城木夢叶が描いてきた漫画とは1つ違うと言うべき内容だったが亜城木夢叶らしさが出て実に面白いと読み込みもう一度ネームを最初から読み直そうとする。

 

「魔人探偵脳噛ネウロは王道的な推理漫画だけじゃなくバトルのシーンもあってアニメ化やゲーム化に成功しています。邪道な漫画で3位だったので今回は王道的な推理漫画にしてきました……どうですか?」

 

「高木くんらしさが実に出ている漫画だ。今までに無い感じだが……なにかきっかけでもあったのかい?」

 

「……それは……」

 

 高評価を得ている事に喜びたい秋人だがきっかけはライバルの1人である相棒の弟からだ。言い出しにくい

 

「弟がヒントを与えてくれました」

 

 だが、言い出さなければならない。

 少しだけ悔しそうな顔をして最高は最良からヒントを与えてもらった事を教える

 

「真城くんの弟と言うと……」

 

「はい。この前の赤マルで2位を取った最良です」

 

「彼か……彼は高木くんの向かうべき方向性を見ているんだね」

 

「悔しいですけど、そうです……」

 

「た、確かに最良からヒントは貰いましたがそれはあくまできっかけで詐欺師の探偵は最高が考えた物なんですよ」

 

「そうか……最良くんは探偵物は描かないのか?」

 

「トリックを考えるのが難しいから描けないそうです」

 

 あくまでも亜城木夢叶の作品ですと一線を敷く。

 面白い作品だと三度読み返し、コレならばイケるんじゃないかと思っていると編集部がざわめく。

 

「えっ!?新妻エイジの原稿が間に合わない!?どういう事だ!」

 

「!」

 

 瓶子副編集長が大声を上げると秋人と最高は振り向く。

 一方的にライバル視している新妻エイジの原稿が間に合わないとなれば驚くしかない。

 

「どういうことだ!カラーの1話目は既に仕上がってるんじゃなかったのか!!」

 

「新妻エイジ、連載をするんですか!?」

 

「ああ、もう連載は決まっている……教えた方がよかったか?」

 

「はい。ライバルですので」

 

「ライバル、か……」

 

 年頃も近い若手の新人と色々と重なる部分もある。

 ライバル視するのも無理は無い。いや、ライバル視してくれていた方がやる気になるなと思っているともう1人の服部が新妻エイジを連れてやってきた。

 

「新妻くんを連れて来ました……すみません、自分の監督不行き届きです」

 

「雄二郎、その原稿は何処だ?」

 

「は?」

 

「新妻くんが描いたCROWは何処だ?見せてみろ」

 

 編集長に新妻エイジが描いたCROWを見せる。

 パラパラと流し読みをして編集長は口元に手を置いた。

 

「面白いな」

 

「え……」

 

「続きが気になる。瓶子、コレを何枚かコピーしてきて編集達に見せろ」

 

「見せろって、ボツじゃないんですか!?」

 

 怒られる覚悟を決めていた雄二郎だが、展開は意外な方向に進む。

 続きが見たいと編集長は言うので新妻エイジに続きは無いのかと聞こうとすると後ろに新妻エイジは居なかった

 

「やっぱり亜城木夢叶は2人でやってたんですね」

 

「っ……」

 

「あの作り込んだ世界、僕には真似できません。これから一緒に仲良くしましょう。僕、青森から出てきて友達が1人も居ないんですよ」

 

「新妻くん、なにをしてるんだ!!」

 

「あ、雄二郎さん。亜城木夢叶に挨拶してるんですよ。この世は金と知恵を見て僕、亜城木先生のファンになったんですよ」

 

 カッコいい漫画でしたよねとマイペースな新妻エイジ。

 本気で言っているのかと亜城木夢叶の2人は疑いの視線を向けている。

 

「編集長が続きを見たいって言っているんだ。続きはあるか?」

 

「ありますよ」

 

「だったら直ぐに」

 

「頭の中に」

 

「頭の中ァ!?……どうしよう」

 

「今から描けば大丈夫です」

 

「今からって2話目26ページと3話目21ページだぞ」

 

「ネームだけでしたら1時間半有れば描くことが出来ますよ」

 

「!じゃあ、早速描いてくれ」

 

「あのっ……此処で描いてもいいですよ」

 

 この場を後にしようとしていた新妻エイジを最高は止める。

 新妻エイジの頭の中には既にネームがあるのならばそれを見せてほしい。ライバル視している漫画家がどれだけのものなのか知る機会だ。新妻エイジは分かりましたと言えばスケッチブックを取り出す

 

「ギュワーン、ジョキジョキジッキーン!カラースコロース!」

 

 おかしな擬音を言いながらも目にも止まらぬ速さで新妻エイジは描いていく。

 何処をどうすればいいのか簡単に分かっているかの様に描いていき亜城木夢叶の2人は圧倒されている。2人で色々と苦労し、ライバルの1人である弟にアドバイスを貰ってやっとの思いで完成させたネームを上回る漫画を描いている。

 

「出来ました!」

 

「雄二郎、コピーしてこい」

 

「は、はい!」

 

 あっという間に完成した2話目、3話目のネーム。

 スケッチブックだけだと見にくいので早速コピーを取らせる

 

「スゴいですね。頭の中で出来ていたとは言え、あんな速度でネームを描くなんて」

 

 自分達が何日も掛けてネタを出しているのに対してあっという間にネームを仕上げた新妻エイジに最高は称賛する。

 

「いえいえ……ネームが頭の中にあるのは嘘です」

 

「え!?でも、さっき頭の中にあるって」

 

「そう言わないとCROWを連載に持ってく事が出来ないと思ってたんです」

 

「じゃ、じゃあ即興で話を作ったって事ですか!?」

 

「即興じゃありません。キャラが勝手に動いてくれてなにを描けば良いのか教えてくれます」

 

「っ……」

 

 天才肌の新妻エイジだが此処まで天才肌とは思いもしなかった最高は言葉を失う。

 色々と考えて漫画を描いている亜城木夢叶にとってキャラが勝手に動くというのは理解し難い事だった。

 

「すみません、そのネーム僕達も見ていいですか?」

 

「どうぞどうぞ……」

 

 2話目3話目、そして1話目のCROWを見る。

 王道的なバトル漫画で自分達で描くことが出来ないと圧倒される。

 

「……ありがとうございました。とても参考になりました」

 

「それは何よりです。僕、亜城木先生の新作楽しみに待ってますよ。あ、雄二郎さん。僕、帰りはタクシーがいいです。お金持ってないので経費で落としてください」

 

 新妻エイジは嵐の様にやって来ては嵐の様に去っていった。

 

「アレが新妻エイジだ……君達とはタイプが違うが、天才である事には変わりはない。ジャンプで成功するタイプの漫画家だ。だが、君達が劣っているとは言わない。……新妻エイジをライバル視してるんだろ。勝つぞ」

 

「「はい!」」

 

 亜城木夢叶の時計の針は少しだけ早く進む。

天帝vs童子切を連載化したいんだが

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