アルピ交通事務局のネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

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漫画家にすゝめ 12

 

「まぁ、もらい事故だと思いますよ」

 

 内田さんから新たに吉田さんに担当編集が変わった。

 僕や亜城木夢叶は高校に行きながらの連載はしない、例えどれだけ面白い漫画を作ったとしても連載会議には回さない。

 でもぶっちゃけた話、兄達は後1年耐えればなんとかなる……僕は約2年、悪いのは高兄なのにもらい事故だよ。

 

「でも、連載に回してくれないならどうするんですか?」

 

「君はシャーマンキングを知っているか?」

 

「ええ、まぁ」

 

「アレは人気漫画だった、途中から人気が低迷し打ち切られた……ラスボスが誰なのかなどの様々な要素が出てきている上でだ。その為に後日談を雑誌でなく完全版と呼ばれる方に載せている」

 

「…………で?」

 

「ジャンプで嘗て人気だった漫画が打ち切り、上手い具合に広げた話を赤丸ジャンプもといジャンプNEXTに掲載して後日談や話をキチンと終了させるという案が出ている」

 

 吉田さんに漫画描くな、今は充電していろなのかを聞けば吉田さんはちゃんと場所を用意していると教えてくれる。

 銀魂とかぬらりひょんの孫とか黒子のバスケみたいな枠が生まれようとしている……そこは週刊連載じゃない。そこならば編集者は許してくれているみたいなところだろう。

 

「君にはジャンプNEXTやジャンプの読切枠を狙ってほしい」

 

「……吉田さん」

 

「どうした?」

 

「その枠、一話完結物以外ってダメですか?」

 

「一話完結物以外?」

 

「NARUTOだったら自来也や大蛇丸が活躍していてナルトに出会うまでの間、ONEPIECEならシャンクスを主役に最終的にフーシャ村に辿り着くオチでシャンクスが赤髪海賊団を立ち上げるまでの物語とか……世界観的には数年前に起きた出来事とか戦いとかそういうのあるじゃないですか。そういう物語を描きたいと」

 

「む……面白そうではある……しかし、それを使うという事は漫画でよくある読者の心を引き寄せる悲しい過去とかを使えなくなるぞ?」

 

「先に過去を知っているからとかそういうのもありますし……なんだったらあの作品とこの作品は世界観が一緒だったとか。Dr.スランプとDRAGONBALLが世界観一緒だったりするじゃないでしか。実は物語の裏でこんな事があったとか」

 

 デジモンストーリーハッカーズメモリーなんかまさにそんな感じのストーリーだ。

 実はあの物語が起きる前の数年前の出来事、結果的にあんまり良くない話だけども話としては充分に面白い

 

「そこまで言うのならば、なにか温めているネタはあるんだね?」

 

「はい、あります……今、描いているタイトルが決まってない作品なんですけどこの作品の数年前が物語の舞台です、先ずはメインの方を」

 

「……なるほど、魔法少女やプリキュアに対応する政府の部署、異世界でなく自分達の世界に実在する魔法やお宝、戦えない大人達の苦悩、戦えると分かった時の大人の無双、大人の価値観、子供が子供だからこその苦悩……」

 

 僕が新しく描いている漫画はタイトルはまだ決まっていない。内容はザックリと言えばこうだ。

 異世界からマスコット的なのが魔法少女の素質がある子供と戦うプリキュア的なのが幾つもあった。異世界Aから地球の日本にだけでなく異世界B、異世界Cからもマスコット的なのから助けを求められたりする。それに対応する政府の部署。

 純粋な善意、まだ物事を深くしっかりと考えられない責任を果たせない年頃の子供達に色々と理由を付けて戦わせようとする異世界からの使者。子供を戦わせるわけにはいかないや命の奪い合いをしている等の常識的な観点から色々と言う大人達。

 

「この物語の開始は異世界からの使者を魔法少女勧誘容疑で逮捕する。そしてなにも知らない主人公はそこから異世界業界について知る。で、読切では主人公をサポートしてくれる政府の役人の人の物語を描きたいと思います」

 

「……どういう感じの話だ?」

 

「役人の人が防衛庁に所属してたけども明日から来なくていいと魔法少女に対応する部署に転属、そこから基礎を鍛え上げる。そして一番最初に対応した案件、それは魔法少女じゃないと敵が倒せないと言う厄介な案件で裏でこちらの世界の住人が暗躍していて魔法少女を追い詰めていき、最終的には魔法少女に対してなにも出来なかった、戦うこともなにもと悔み成長する感じです」

 

「いきなりの暗い話……物語が受けてからの方が……いや、だが……」

 

 吉田さん基準で既に面白い漫画だと思われている。

 1話完結物じゃないしっかりとストーリーを練っている……この話は普通に面白いと僕は思っている。あの物語が始まる前の数年前の出来事を先にやる、それは多分だが今までに無い事だろう。呪術廻戦とかも人気出てから0巻を出したからな。こっちはいきなりの0巻だからね

 

「……最良くん、君は邪道を歩く王道を描くのが上手いね……普通ならばそこは指摘しないだろう、だがそういう部分をあえて指摘する。読者がツッコミを入れたいところにツッコミを入れる。そしてそれを正しく上手く理由にしている……」

 

「僕、思うんですよ」

 

「なにがだね?」

 

「もう、漫画自体が王道で食っていくのが難しいって」

 

「……それは、どういう意味だい?」

 

「漫画家志望は沢山居ます。集英社には週刊少年ジャンプ以外にも沢山の漫画雑誌があり、その中でも王道バトル漫画は打ち切りを含めて沢山存在しています。王道バトル漫画の中で魅力的なのはバトル、でもそのバトルの中でなにが魅力的って言えば現実じゃ存在しない特殊能力だと思うんですよ」

 

「……ジョジョのスタンド、HUNTERXHUNTERの念能力、NARUTOのチャクラ、ボボボーボ・ボーボボの真拳か……確かに特殊能力は王道的なバトル漫画において必要な物だろう」

 

「そこで思うんですよ……コレから色々とネタが浮かんでも確実になにかしらの作品と能力設定が被るんじゃないかって」

 

「それは……仕方がない事じゃないのか?細かく設定しても色々と、歴史偉人物なんて割と被っているところとか多いし」

 

「ええ、ですので話の内容で上手く誤魔化さないといけないと思うんです」

 

 この時代にはまだ存在していないが呪術廻戦の呪術とHUNTERXHUNTERの念能力は酷似している。

 誓約をつけることでパワーアップとかそういうの……作者が面白い部分のみを他の漫画から真似したとかどうとか言ってるのを見た覚えがある。僕は思う、王道的なバトル漫画にはもう限界がやってきているのだと。王道を貫こうとするが故に設定に限界があるのだと。

 

「一般教養はダメだけどスポーツIQなんかが高い主人公、業界用語なんかを全くと知らず向こう側からアクションを起こさないと学ぼうとしない。そして間違った事をしているのならば間違っている!と言ってそこだけを解決するだけじゃなく他に事例は無いのかの確認をし今後の改善点等を考える」

 

「……最良くん……」

 

「熱い言葉や展開で誤魔化しているけれども、そういうところを上手くカバーした漫画を描きたい……王道的な漫画は内容でなく王道的なバトル漫画そのものが限界を迎えている。僕はこうして吉田さんという信頼出来る、言い方は酷いですが当たりの編集者が居ますが小説家になろうというサイトを知っています。あそこは18禁指定をされなければ大抵の話は書ける、担当編集が居ない。そして今までに無い編集者がダメだと言ったジャンルを開拓する。こういうのが見たいんだよと言う意見を掴み取る」

 

 僕のヒーローアカデミア、呪術廻戦なんかが終わってONEPIECEが最長、2番目長く連載されている作品が僕とロボ子と言う中々に厄介な時代のジャンプを僕は知っている。アレの主な原因は僕なりに考えた結果、小説家になろう系の方が面白いとかジャンプの漫画の展開がワンパターン化しているとかがあるからだ。

 Dr.STONEとかが成功したのって面白いのは当然だけど、面白いの方向性が完全に違う方向に向いているから。

 悪役令嬢モノを最初に書いた人に群がるかのように後に続く人達が悪役令嬢モノを書いた。勿論内容は違ったりするけれども、悪役令嬢モノと言う枠組みの中から出ているかと聞かれればNOだ。

 

「10年、後10年が限界……漫画を愛読しているこち亀の両津勘吉ぐらいの人達が多く増える。そうなると展開がパターン化されているとなって、編集者が無しで自由に想像出来る小説家になろうで作られた物が主流の時代になる……僕はそう思ってます」

 

「君はジャンプに存在しない新しい邪道な王道漫画を開拓しようと言うんだね……しかし……」

 

「他にネタを作って来いと言うのならば、昔作った漫画のネタがあります。CLAMPのツバサ・クロニクルに似ているのであんまり気持ちが良くないので本心では描きたくないんですが」

 

 ぶっちゃけコレ、イナズマイレブンGO2とツバサ・クロニクルをミックスした感じの作品だからあんまり描いてて気持ち良くない。

 吉田さんにもう1つの作品を見せる……吉田さんはパラリパラリとページを捲っている。

 

「……色々な世界を巡って優れた技術や人材を確保する、そして敵対する国と戦うか……面白い……」

 

「ホントのホントの1話読み切りだけでいいなら日常系やギャグを描けって言うなら、英雄団地って言う漫画があります。英雄の子孫や生まれ変わりが現代社会に溶け込み、当時の価値観とか実際に存在している物でボケる。例えば藤原秀郷が手に入れた無限に米が出る米俵と無限に食材が出る鍋を見てガチギレする各国の武将の生まれ変わりとか」

 

「それもまた、面白そうだね」

 

 俵藤太の宝具はホントにぶっ壊れである。

 ただしコレに関しては絶対にバトル漫画路線に持っていかない、たま〜に息抜きがてらに描きたいギャグとかそういうので描きたい。

 やってる内容が完全に聖★お兄さんだからホントに描きたくはないけれども。

 

「他は?」

 

「モンスター育成RPGゲームの世界に転生した主人公、設定上は最強だったりするけれども現実ならばクソ雑魚とかで見た目がマスコットなのが廃人御用達のモンスター、ガッチガチで挑む話」

 

「……それも面白そうだ……………」

 

「ただ、お恥ずかしい話なんですが僕、タイトルとか名前を決めるのが苦手でして」

 

 色々と漫画を描いて分かったこと、それは名前を付けるのが下手くそである。

 聖女だからジャンヌにしようと安易に名前を決めたくないってのもあるけども、能力とかの名前を付けるのが下手くそである。

 

「…………最良くん、取りあえず読切枠を狙いに行く方向にする。この魔法少女に対策する部署の話で行くからページ数は31Pで行こう」

 

「はい……」

 

「タイトルやキャラの名前に関しては一緒に考えよう……担当編集として悔しいが、漫画の内容について深くああだこうだ言えない。ラッコ11号同様にネガティブ要素が多いものの、王道的な漫画として完成されている。話を丸々ボツと言うのは今挙げた話の中では無い」

 

「……そうですか……じゃあ、31ページに纏めてきます」

 

「僕もキャラ名に関して考えよう、なにかあるかな?」

 

「子供側は明るい名前、大人側は普通の名前……子供は如何にも選ばれた感じ、大人側は選ばれていない感じで……大人側の中には普通にブサイクを出します。心がイケメンだったりしますがブサイクを出します」

 

「えっ……いや、それは」

 

「御伽噺の様にブサイクが最後にイケメンや美女に変貌させる云々のオチがあって、それに関してブチギレた話、マスコット側を醜い存在に変えたと言う話もあります」

 

「……大丈夫なのか?イケメンや美女を描くよりもブサイクの方が難しいぞ?」

 

「そっちの方が面白いので描きますよ」

 

「…………そうか…………」

 

 イケメンや巨乳美女を描くよりも汚い種付けおじさんの方が描くのに技術がいる、コレは絵を描いてる人の常識なり。

 

 

 

 ※

 

「コレは……そうか……」

 

 通報されたので問答無用で連載禁止になった亜城木夢叶はネームを作って服部に持っていった。

 この熱意は本物だ、体調管理を怠ったのはお互いに無茶をさせた関係性だからなんとも言えない。

 吉田のところの最良と同じくジャンプの定期的な読切枠を狙うように言おうと思えば……疑探偵TRAPを作ってきた。

 1回揉めたと言うのに疑探偵TRAPをどうして持ってきたんだ、そう言いたいが先ずは内容を読もうとする。

 

「ズバリ、スピンオフです」

 

 話の内容は面白い、それは否定しない。

 推理者に関しては亜城木夢叶の作風に合っている、しかし他のネタを作ったほうがいいんじゃないかと思っていたが内容に気付く。

 服部が連載ネームの練習として描かせていた疑探偵TRAPと画風が同じだ……ただし、主人公が全くと言って出てこない。コレはどういう事かと視線で訴えかければ秋人はスピンオフと答える。

 

「服部さんが送ってくれた推理物の資料の中にあった名探偵コナンを見て気付いたんですよ、コナンが推理してる話じゃなくて工藤新一が推理をしている話は特に面白いなって。で、疑探偵TRAPもTRAP以外に推理させたりなにかをしているとかTRAPの詐欺の裏工作の手伝いや便利なアイテムを作ったりしている人を、コナンで言うところの阿笠博士な人について描いてみたんです」

 

「コレに関しては長編にならない、単行本に収録されている番外編みたいなのを大きく膨らませた感じです。ちゃんとTRAPと話が繋がったりしています」

 

 本編でなくスピンオフを描く、長編には絶対せずに数話の短編で帳尻を合わせる。

 事件が起きる→事件の内容を確認及びヒントを得る→事件を解決する、推理漫画の極々普通の流れではあるが亜城木夢叶らしさが出ており、主人公以外の謎解き方法と言う面白い要素が出ている。そして数話に分けて短編で出してください、この物語を読むことでより疑探偵TRAPが面白いと思えるようになる作りになっていた。

 

「君達にはジャンプNEXTや本誌での読み切り掲載枠、そこを用いての短編の連載をしてほしいと思っていたがまさか先に作られているとは……」

 

「じゃ、じゃあ!」

 

「ああ、修正しないといけないところとかは特には無い……けど……」

 

「な、なにか問題が?」

 

「読み切りだとしても編集長が載せないと言えばそこまでだ。真城くん、横暴に見えるかもしれないが編集長は君達の腕を買ってくれている。充電期間をしっかりと設ければ新妻エイジと戦うことが出来る。だから」

 

「…………」

 

 最高が下手したら摘出しないといけないぐらいに膵臓が弱っていた。

 今は何事も無い健康体になっているのだが、体調を悪くしたのは言うまでもなく最高が悪い。叔父である川口たろうの一件もあるので、ちゃんと高校を卒業してからじゃないとの一言を言われる可能性が高い。

 

「だから、3話、事件が起きる、事件の内容を纏める、事件を解決する、それらを3話に纏めて出す……君達の場合は残り1年、アシスタント無しで3話を描いてそれと同時に疑探偵TRAPのちゃんとした連載用のネームを用意する。その頃には学校の方は無事に卒業出来ていると思う」

 

「じゃあ!」

 

「ああ、本気で連載を狙いに行く!その為にはこのスピンオフを仕上げる!疑探偵TRAPは受けた、金未来杯で1位を取った!だったら本誌の人にこのスピンオフで疑探偵TRAPや亜城木夢叶の漫画はとても面白い物だと認識させよう」

 

 亜城木夢叶の疑探偵TRAPは面白い、このスピンオフも面白い。

 だからこのスピンオフで推理物に関して興味を抱いていない読者を引き込む。疑探偵TRAPを読んでみようという思いを起こさせる。編集長がダメだと言えばそこまでだが。

天帝vs童子切を連載化したいんだが

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