自殺をしたらなんか訓練すれば異世界転生が出来ると地獄で言われて耐え抜いた結果、転生者となった。
なんで自殺をしたかと言えば長くなる。男なのに一人称が私と固定になってしまうぐらいめんどくさい親が居たとだけ言っておく。幼稚園受験させるレベルのめんどくさい親だ。そしてその期待に答えられる事が出来なかったのが私だ。過去の事を振り返っていても仕方が無いので今は未来を見よう。
「おはようございます。米屋くん、この前の防衛任務で休んだ分のノートを取っておいたので写しておいてください」
私はワールドトリガーと言うジャンプからジャンプスクエアに移籍した物凄く面白い漫画の世界に転生した。
この世界は異世界からの侵略者、
「おぉ、サンキュー。しっかしお前のノート、綺麗だよな」
カチューシャが特徴的な男子、ボーダーの中でも選りすぐりな精鋭部隊であるA級隊員である米屋陽介にノートを渡す。
近界民達と主に戦うのは若い子供達だ。これには色々と諸事情があり、年柄年中休まずに襲ってくるので学校を休まないといけなかったりする時もある。
「綺麗なだけでホントに頭の良い人のノートみたいになってないですよ」
そんな彼等に私はノートを貸している。ボーダーには所属したりしないのかって?いやいや、無理です。
この世界はワールドトリガーの世界だけでなく賢い犬リリエンタールの世界とコラボってるところがあり、私は賢い犬リリエンタールの時に本物の拳銃で撃たれた事がある。私と言う人間は優秀じゃない部類に入る……自分の子供は優秀な子供であるはずだと色々と強迫概念に近いものが押し付けられて、その通りに生きられなかったからよく分かる。転生者になるべく訓練していた時にもハッキリと言われてますし。
「ホントに頭の良いやつのノートって言うけど、オレからしたらお前滅茶苦茶賢いだろう」
「中学以降の勉強なんて基本的には専門職以外では糞の役にも立たないものです。勉強が出来る=賢いと言うのは少しだけ間違いです」
「じゃあ、どういうのが賢いって言うんだ?」
「それは業界によって異なりますが、そうですね……頭の回転力や無理難題を応える豊富な知識と経験が賢いというもの。米屋くんの知り合いにそんな感じの人は居ませんか?」
「ボーダーの先輩の東さんって人がそうかもしんねえ。でも、東さんも普通に頭良いぞ」
「机上だけの勉強をしてきていない証拠です……それに比べれば私なんて」
転生者になる為には一般的な普通校の学校を卒業できるぐらいの学力は鍛えられている。
それなりに努力はしているつもりだが高校に上がってから100点を一度も取っていない。本当に頭の良い転生者ならば全教科満点、いや、飛び級制度がある国に留学したりする。神堂さんも日野のおにいさんもそんな感じだったし。
「テストで良い点数を取れるのと賢いは違うんですよ。現に米屋くんも去年はただ覚えておけばいいところを一夜漬けで覚えてはところてん形式で忘れてはを繰り返してなんだかんだ上手くやったじゃありませんか」
「去年はマジで助かった」
「いえいえ、最後は貴方の頑張りがあったからですよ……ただまぁ、勉強を教える感じのキャラが定着したのは困りますけど」
たまたまクラスが一緒であいうえお順も近い方だったので班が一緒になったりしてバカで勉強を教えたりしたら今の関係になった。
社交辞令みたいなのが出来ても本当の意味での人付き合いというのが苦手な私にとっては米屋くんは眩しい感じの存在だったりする……ある程度は気楽に生きられたら、どれだけ楽だったのだろう。追い込まれ続けるのは……いや、こんな考えをするのはやめよう。
「おーす、今日も早いな」
「出水くん、おはようございます」
余計な事を考えるのをやめると今度は部隊でA級1位を取っているボーダーが誇る弾バカの出水くんが来た。
出水くんはバカとは言われているが本物のバカじゃないので問題はない……成績、中の上ぐらいだけど。
「三雲、悪いんだけど午後の分の授業のノートを取っててくんねえか?今日、急に防衛任務入ってよ」
「また随分と急ですね」
「アレだよ、ボーダーと学生の両立が上手く行かなかったりする感じの奴が出たりするやつ」
「米屋くん、言われてますよ」
「オレには先生が居るから問題無いぜ」
「テストで赤点を取らない必要最低限の勉強ぐらいは自主的にしましょう」
「悪いな、何処を勉強すればいいのか全く分からねえんだ……ランク戦とかだったら何処をどうすればいいのか分かんのになんでだ」
まぁ、それは向き不向きだろう。
完璧に右脳型の人間である米屋に向いている……バカだけど強い、そういう隊員が無駄に多かったりする。ボーダーがあるから学業がそこまでかそれとも元からバカなのか、その辺りは人によって違うだろう。
「まぁ、いいじゃありませんか。米屋くんはA級隊員という1つの成果を上げているのですから」
「成果ね……お前、そういうのを気にし過ぎなところあるぞ。もうちょっと気楽にいけよ」
「そんな事を言ったら、写せるノートを貸しませんよ」
「悪い悪い、お前にはそれが合ってる」
まぁ、今回はそれで流されるとしましょうか。
ぞろぞろと生徒が集まってきているので米屋も世間話をしている場合じゃないと急いでノートを写しはじめる。
進学校じゃない普通校でちょっとだけ頭の良い善人、それが今の私……昔の私が見たらどう思うのだろうか。こんな事が出来たとしても無意味、一番でなければならないとかこれは出来て当然とか思っていそうだ。
「サンキュ……何時もなんか悪いし、GWにどっか遊びに行こうぜ。奢ってやるよ」
「申し訳ありません。アルバイトがありますのでいけません」
日頃のお礼をしてくれるつもりなのだが、生憎な事にアルバイトを入れているので行くことが出来ない。
スケジュール帳を取り出しても暇な時は割と多々あるが、こういう感じの祝日はなにかと忙しい。
「アルバイトか〜京介の奴もGWは完全にバイト漬けって言ってたな」
「米屋くんはアルバイトをしないんですか?勉強関係以外のアルバイトでしたら、米屋くんみたいに明るくコミュニケーション能力の高い子は採用されそうですよ」
「オレはボーダー一筋だし、お金に困ってるわけじゃないからな」
「ハッハッハ……そんな台詞を1度は言ってみたい」
世の中、資本主義経済なんだから。とはいえ金にも困ってないし人生経験もボーダーで積めるし米屋くんのアルバイトは無駄に終わりそうだ。
人には人のペースというものがあるので無理にアルバイトしようぜなんて勧めれない。というかそもそもそういう感じの職場じゃない。
「てか、お前何処でバイトしてんだ?」
「蓮乃辺市で……まぁ、色々と。守秘義務的なのはあるから深くは教えれません」
「そこはボーダーもバイトも変わりないか」
「そんなものですよ」
そもそもボーダーって幾らぐらい貰えるのかが謎である。
A級隊員をやっているから固定給を貰えるとのことらしいが固定給が幾らぐらいか気になる。学生の隊員が多いからって最低賃金とか足元を見てたりしないよな、ボーダーは。まぁ、ボーダーには入るつもりは無い……少しだけカッコいいと思っているけども私は責任のある立場とか色々と苦手だからね。米屋くんがノートを写し終えたので返してもらい、その後は普通に授業を送る。
ボーダーと提携している学校なのだが普通科の普通の高校で雄英高校みたいな特に変わった授業はしないし難しい授業はしない。転生者として高卒レベルにまで鍛えられている私には余裕……じゃないです。真面目に授業を受けておかないとなにを言われるかどうか分からないし提出物が悪ければ普通に成績が悪くなる。向上心が薄い方だが適当にやってるのがバレるとホントに五月蝿い。
「じゃ、また明日……あ、明日はオレの方が防衛任務あると思うからノートを頼むわ」
「ええ、分かりました」
防衛任務で学校を休んだりするので、代わりにノートを取ってくれたり勉強の相談に乗ってくれる人……それが私の立ち位置。
このなんとも絶妙な一般人ポジを1年間やり通していてなんだか達成感の様なものがある……普通の人って意外と大変なもんだよ、てつこさん。
雑談をしながらクラスメート達は教室を後にしているので自分も下駄箱へと向かい、さっさと家へと帰る……部活動とかはやっていない。本気出したら転生する世界を間違えてるんじゃないかと思うから。手か波ぁ!的な事が出来るのは強い。
「ただいま」
「あ、兄さんお帰り」
家に帰ると出迎えるのは我が弟こと三雲修……このワールドトリガーという漫画の主人公である。
そう、なにを隠そう私は転生特典で【主人公の兄になる】と言うのを引き当てている……果たしてこの世界でそれは転生特典として役立つものだろうかと思っているが普通の家に生まれることが出来るのと原作主人公が頑張ってるのを間近で見られたりする……いやでも、やっぱな。
「今日はバイトが無いんだね」
「ああ、今日は休みだ」
「あら、おかえりなさい。ちょうどよかったわ。お使いに行ってきてくれないかしら?」
今日が休みな事を伝えると台所から母さんが出てくる。
私が帰ってきた事がナイスなタイミングだったようですエコバックを私に渡してきた。
「メモに書いてある物、買ってきて」
「分かったけど、ちょっと待って」
流石に学生服のままスーパーには行きたくはない。
自分の部屋に戻り学ランを脱いで私服へと着替えて玄関前でスタンバっている母さんからエコバックを受け取り買い物に出かける。
「3つぐらいスーパー指定してきてるな」
メモにはスーパーが3つぐらい書かれてて、そこの特価商品を買ってきてとご丁寧に書かれている。
自転車を出して行った方がいいかと一瞬家に帰る事も考えたが、これも筋トレの一種だと思えばいい……体を鍛える為に重りをつけているのだから。一番遠いスーパーに行けばボーダー屈指のイケメンである烏丸京介がオバちゃん達の列を作っていたが然程気にする事じゃない。
「昴さん」
「やぁ、千佳ちゃん」
最後のスーパーに立ち寄るとワールドトリガーのヒロインでキーパーソンとも言うべき雨取千佳がいた。
私を見たことでアホ毛がひょっこりとしておりトコトコと近付いて来る様はなんとも言えない可愛さがある。
「おつかいかい?偉いね」
「偉いだなんて、そんな……昴さんもおつかいですか」
「まぁね……と言ってもここで終わりだよ」
このスーパーでマヨネーズを購入すれば今日のおつかいは終わる。
千佳ちゃんも私と同じくメモを片手に買い物をしている。
「昴さん、次にアルバイトが無い日は何時ですか?」
「もしかして勉強で分からない事があるのかい?だったら私じゃなくてお兄さんの麟児さんに聞いた方が」
私よりも現役バリバリの大学生に聞いた方が何倍も効率がいいよ。
「違います、その兄さんが昴さんと話がしたいって……でも、昴さんアルバイトで忙しいから何時が空いてるかなって」
「なんだそんな事か。私は基本的に日曜日が暇だよ……それにしても大事な話か」
「修くんの成績の事ですかね」
「修の成績は基本的な五教科は問題は無いよ……まぁ、体力の無さは相変わらずだからジョギングの1つでも一緒にどうだい?修一人ならやろうって気が起きないだろうし、誰かとやれば何時も通りの事になるだろうし」
「昴さんは誘わないんですか?」
「私はワイヤレスイヤホンで音楽聞きながらマイペースに行きたいんだ」
人から心配されるのも、人から早く則されるのも、もう懲り懲りだ。
他人との協調性は欠けている事は何処となく理解しており、千佳ちゃんも分かってくれたのかそれ以上はなにも言ってこない。とりあえずはマヨネーズを買ったので一緒に帰路につく。
「麟児さんからの大事な話か……」
カレンダーに目を通し、呟く。
まだ4月半ばで本当の意味で原作を開始しておらず、原作開始までにあれやこれやある感じのところまで来ている。麟児さんが私に大事な話があるとこの時期に言うのならば理由はなんとなく思い浮かぶ。
「誘ってくるかそれとも千佳と修の事を頼むと言ってくるのか……」
私と言う人間はあまり才能は無い方だ。
幸いにも某史上最強の弟子の様に環境面には恵まれていたお陰でその気になれば手から波ぁ!的なのが出来るくらいには成長した。
一時期てつこにあんた何処まで成長するつもりよと聞かれたので特撮に出てくるヒーローみたいになりたいとだけは言っておく。特撮は良い文明だ。仮面ライダー、スーパー戦隊、最高。
「はぁ……胃がキリキリしてきた」
明日の授業の予習とかやらないといけない事があるのに、麟児さんの事が邪魔になって胃が痛む。
私、苦労人の立場だっただろうか……いや、ただの主人公のお兄ちゃんである……主人公のお兄ちゃんだからこんなに疲れるのか。転生者を転生させる運営側はそれが分かっていたから【主人公の兄】なんてものが存在しているのだろう。
「あ〜胃が痛む」
「兄さん、ちょっといい」
家に正露丸的なのがあったかどうかを考えていると修が部屋に入ってきた。
秀才で絵に描いた様な善人な弟なのでダメな部分を兄として見せるわけにはいかない。キリキリと痛む胃に耐えつつ修の話に耳を向ける。と言っても学校の問題で少しだけ分からないところがあったので聞いてくる感じだ。
中学の問題なのでこの程度は楽勝だと修に答えでなくヒントを教えるとありがとうとお礼を言ってくる……やだ、この子素直。
「修を守る、か」
私は三雲修のお兄ちゃんである。出来る限りは三雲修の味方になってあげたいが、力を貸し過ぎるのも修が本当の意味での成長が出来なくなる。
ブラコンもいいけども程良く距離感は保っておかないとボーダーの顔みたいな感じにウザがられる……それは本当に嫌だ。修にとっては頼りになるお兄ちゃんでいたい……でも、痛いの嫌なんだよな。実弾入りの拳銃で撃たれた時、ホントに痛かった。
人より才能がそんなに無くても環境にさえ恵まれていればある程度はどうにでもなる……光彦さんと音羽さんには感謝してもしきれない。カナリーナはどっちでもいいや。
因みにだが、母も魔法が使える。彼女いない歴=年齢の魔女に女子力というものを教える代価に魔法の力を授かっている。滅多な事ではその力は振るわないがボーダーがヤバそうだったり防衛ラインを超えてきた時はなんの躊躇いもなく使うと宣言している。修は普通のメガネなので出来ない。
「今日の課題は終了っと」
学校から出された課題を終わらせる。
一応の為に米屋に分かりやすく説明を出来るようにはしておかなければ……なんで自主的に勉強しようとしていない奴の分まで頑張ってるんだろうな、私。
「……むぅ……謎だ」
転生者というのはその魂によって容姿が決まるもので、極々稀に魂が不安定で転生する度に容姿が変わる転生者が存在している。確か宮野真守キャラと諏訪部順一キャラと中村悠一キャラと杉田智和キャラと男で多い。私の容姿は修達と同じく綺麗な黒髪の沖矢昴……そして私の名前は三雲昴、米屋はどうやって読むのかを一度躊躇った事がある。
何故私の容姿が沖矢昴なのか……そして何処からどう見ても高校生に見えない。さっき千佳ちゃんと買い物をしていたら親子と見間違われたり警察に職務質問されたりと大変だった。因みに声は置鮎が素で頑張れば池田の声が出すことが出来る。
天帝vs童子切を連載化したいんだが
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短編集にだけしとけ