クローバー王国に辿り着きメレオレオナと一戦やってから2週間が経過した。
果たして今がブラッククローバーの原作開始から何年前かは不明であるが、少なくともまだ原作は始まっていないだろう。
「一度影分身の術を解除する」
影分身の術を用いてクローバー王国の文字について学んだ。
影分身の術は本体に経験値に蓄積されるシステムで、色々な分野を学んでいる。とにもかくにも言語を学ばなければならない。影分身の術を解除してオリジナルである俺に還元すると一瞬だが激しい頭痛に襲われた。
経験値を一瞬にして蓄積された結果、頭が痛くなる。少しだけ痛くなるが直ぐに学んだ事が頭に入ってくる。
今のレベルはクローバー王国基準でどれくらいの文字レベルなのか?気になると言えば嘘になるだろうが、今はそれはどうだっていいことだ。
『上下関係が力によってハッキリしまくってる……』
「優れた能力が優れた環境に居ることは当然の事……だが、歪だな」
王族が住んでいるところから下民と呼ばれる者が住んでいるところまで歩き回った。
その結果だが俺の中にいる牛鬼は少しだけ嫌な声を出していた。優れた能力を持った人間が優れた環境に居ることは極々普通の事だ。だがしかし、クローバー王国は歪だ…………曲がりなりにも為政者だ、優れた血や能力を優先している事は良いことだが新鋭を育成する事が大事だ。
『お前ならどうする?』
「そもそもで制度が間違っている、力のみを重視し本を渡す時期を成長しきっている段階で渡している……愚かとかしか言えん」
クローバー王国は魔導書を15歳になる子供に渡しているが、その制度自体間違いである。
子供の頃に大きく鍛え上げる。子供というのは柔軟な発想力と物事をあっさりと受け入れる事が出来る……15歳の人間と言えば物事の善悪がしっかりと分かりそれぞれがそれぞれの価値観を持っている。いや、持ってしまっている。
血筋を頼らない人材を育成したいのならば教育方面においてはしっかりとしなければならない。
15歳になってから鍛えるのは難しい。特に物事をどういう風に捉えるか、価値観や倫理観はその頃には色々と出来上がっているだろう。
「上を目指すことや前を向くことは構わない、むしろ良いことだが下と後ろの存在を忘れてはならん……それすらまともに理解していない無能な世界……」
『ならお前が為政者になりゃいいじゃねえか』
「俺が為政者になってみろ、全を選ぶために個を躊躇いなく犠牲にする……俺は確実に反感をくらう政をする」
クソみたいな国に対して文句を言っていると牛鬼はお前が改革をすればいいじゃないかと言うが、俺ではダメだ。
俺は俺の容姿が千手扉間なのは納得がいっている。合理的な事を選び感情で動かない様にするタイプの人間であり、俺が為政者になれば反感をくらう。馬鹿みたいな夢を抱いている男の補佐がなんだかんだで1番似合う……だから、将軍には仕えていない。一兵士として戦っていた方が効率がいい。
『しかし……このままでいいのか?国の偉い人間に日ノ国に帰る方法はないのか相談したら』
「それが出来ているのならばこのクローバー王国は日ノ国との間に貿易をしている……詳しい内情が分からん他国に対して宣戦布告をし続けている国に軍人として仕えるべきか?少なくともこの様な歪な形をしている国に対して俺はなにも思わん」
『お前、マジでその辺ドライだな』
感情的になって動かない様に生きていると言ってもらいたい。とりあえずはと下民の住んでいる恵外界を当てもなく歩く。
メレオレオナに見つかれば厄介だが、流石にあの女もこの様な場所には来ない。今日の飯でも収穫するかと気を頼りに猪や熊などが何処に居るのかを見つけ出す。
「丸焼き豚?」
『いや、アレは丸焼きの猪だな』
炎を纏った猪を数匹発見する。コンガリと香ばしいが独特な獣の匂いがする。
トリコの世界で丸焼き豚と呼ばれる豚が居たがコレはその豚の亜種か、ブラッククローバー独特の生物なのかと気にしつつの写輪眼を開く。マナを宿した猪、ジャンルで言えば精霊に近しい存在だなと俺は印を結んだ。
「水遁 水断刃」
口から水を出して猪を切断する。ウォーターカッターと同じことをやっているだけであり、特に難しくもなんともない術だ。
水遁の術で真っ二つにして猪を全滅させる……ふむ……
「多すぎるな」
今日喰う分には困らないが、明日喰う分としては不必要な量の猪だ。
塩漬けやポークジャーキーなど色々な手があるだろうが、生憎な事に道具を持っていない。さてどうしたものかと思っていると人の気配を多く感じる。
「猪が倒された!?」
「やった!やったぁあああ!!」
持っている力が低いおそらくは下民と呼ばれる連中が恐る恐ると俺の前に姿を現す。
倒された猪を見てとても喜んでいる……ふむ……この猪は害獣で近隣の村の作物を食い荒らしている、そんな感じか?まぁ、食うために殺したのだから感謝される筋合いは無いのだと気にする事なく刀を取り出して猪を解体していく。
「あ、あの、何処の魔法騎士団なんですか?お礼を」
なにを言っているかは不明だが俺は手でXを作る。お礼を言われるような事はしていない、ただ単に俺が食うために殺しただけに過ぎない。
猪を解体していき血抜きも終えたので猪の肉を魔導書を持った人達に渡せば困惑をしていた。
「に、肉なんて貰えませんよ!お金が」
「……変化の術」
お金を持ってないと言いたげな素振りを見せるので肉を変化の術でレタスやキュウリに変化させた。
猪の肉を指差し、レタスやキュウリ、トマトと交換をしてくれとジェスチャーをすれば伝わったのか1人の青年が箒に乗って何処かに飛んでいった。猪の肉を見た魔導書を持った一団は嬉しそうに猪の肉を貰ってくれる。食うのに困らないのであれば、コレがいいんだ。
「こ、コレでいいですか!?」
籠に詰め込んだレタスやキュウリ、芋などを持ってきた。
それを見たので猪の肉とぶつぶつ交換をしたので俺は印を結んで土遁で器を作り水遁で水を出して氷遁で氷水にして漬ける。
「氷?氷の魔法を使えるのか、あんた!?」
氷水に野菜を浸していれば1人の男性が驚く。
なにを言っているのか分からないので氷を指をさせばコクリと頷いてくる。氷が欲しいのならばと水遁の術で水を出して大きな氷塊を作り出す。
氷程度ならば幾らでも作ることが出来るとみせれば箒を出してくるので箒は持っていないと重力をコントロールする術を使って体を浮かせば男は箒に乗って案内をしてくれる。
「コレは……」
「あの猪のせいで作物を食い荒らされてて……何人か倒そうとしたんだけど倒せなくて、魔法騎士団に依頼してもそんなくだらない事は引き受けないって」
「はぁ……」
なにを言っているのかサッパリだが、なにが言いたいのかは分かる。猪に村が荒らされている。何名かは火傷をしている若い人達がいる。
あの程度の猪をまともに倒すことが出来ない下民には呆れない。本当に呆れるのは作物を食い荒らす猪を倒す為に兵士の1人でも派遣しなければならないのに、それすらしていないこの国のやり方に呆れる。とりあえずはと氷遁で氷塊を作り出せば氷塊を砕いて怪我をしている面々の怪我をしている部位を冷やす。
「ああ、傷が」
「回復魔法も出来るのか!?」
ただ冷やして時間経過で治りそうな傷は放置、時間経過で治らなさそうな怪我を医療忍術で治す。
回復系も出来ることを村の人たちは驚くが、俺は特に気にする事はせずに時間経過で治らなさそうな怪我をしている人、重症患者を治す。軽傷の連中には氷を渡す。それで傷口を冷やせ。燃えている猪との間に生まれた怪我は火傷、冷やすのが1番だ。
「あんた、何者なんだ?何処かの魔法騎士団の」
俺がなんなのかを気にしてくる村の人達だが俺は無視する。
別にお礼を言われるような事をしていない……が、無償の正義と言うのは時として悪である。タダで物事を動かせるように世の中にだけはあってはならん。面倒だが仕方がないことだと耳が聞こえないとジェスチャーでアピールをすれば耳が聞こえないと分かってくれたみたいだ。
「寝る場所を貸してほしい」
これだけの事をやれば無償の正義とはいかない。
寝る場所を提供してくれないかとジェスチャーをすれば腕を引っ張られて連れて行かれたのは机と椅子とベッドがあるだけのシンプルな部屋だ。
「ここなら誰も使ってないから泊まってってくれよ!」
この部屋を使えと言ってる……筈だろう。
ならばとありがたくこの部屋を使わせてもらいつつも影分身の術を生み出し、村の調査をする。極々平凡な村でなにか珍しい特産物の1つがあるかと思ったが特に無いらしく平穏な村……隣接してる村は無くて別の村に行くのに歩きならば最低でも1日は掛かる。箒を使って移動するのが前提、車で移動するのが前提な片田舎と同じ感じか。
『寝床は確保する事が出来たが、どうするんだ?』
「流石にタダ飯を喰らうわけにはいかんからの……万事屋でも営むつもりだ」
『次期将軍どころか将軍になれと言われて現場仕事の方が性に合うと言い続けていたお前が何でも屋だと……似合わねえな』
「くだらんと思うか?少なくとも俺は合理的だと思う……偉くなって上に行くことはいいことだが、そうすれば下が見えなくなる。高いところから見下ろす景色は絶景だが、下は小さく見える……その粒こそが最も大事な物だが上に行けばそれに簡単に手を伸ばす事が出来ない。だったらこうして誰かが泥に塗れる方が俺は立派で美しいと思っている」
『自己犠牲の精神か?』
「自己犠牲の精神ではない、己の意思だ」
別に他人にそれをやれと意思を信念を押し付けるなんて事はしない。少なくとも自分がそうするべきだと思ったことをしているだけだ。
牛鬼はそれを自己犠牲の精神だと言うのだが俺は生憎な事に高尚な人間じゃない。己の意思でやっており、それを誰かに受け継いでほしいとは思っていない。俺の意思は卑の意志だ。
狩った猪で料理を作ってくれる。
豪快な猪のステーキとサラダでここ最近はただ単に魚や肉を焼いているだけの食事だったのでちゃんとした食事だと満足がいった。
久しぶりのちゃんとした食事にちゃんとした寝床で風呂にも入ることが出来た。着替えも用意してくれた、異国の服というか洋服だがこれはこれで悪くない。
「さて……あまりやりたくないがするしかないか」
俺は写輪眼に瞳を切り替えて、俺のことを手厚く歓迎してくれた男に幻術をかける。
幻術と言っても精神的に苦痛を与える幻術ではない。ただ単に俺が
格安で村の人達になんでもすると言えば本当になんでもするのか?と疑っている。もそっとした芋の芋掘りをしてくれと言っているのでとりあえずはと影分身の術で分身を使って人海戦術で芋掘りを手伝った。
「ノモイモをあっという間に……ホントになんてお礼を言っていいのか」
「……」
幻術を使ってお金よりもこの芋と鍋なんかの調理器具がほしいとすり込む。
芋とほんの少しのお金とボロボロだが普通に使うことが出来る鍋やフライパンを頂く。確か蒲焼きが存在している、醤油が存在しているという事は確かなのだろう。俺は米を食いたいから、どうにかして米と味噌を手に入れなければならない。
「ヘッヘッヘ、この村がちょうどい」
「水遁 天泣」
数日過ごせば村の情勢も見えてくる。恵外界でも端っこの方にある村で他国がコッソリと侵略行為をしてくる。
国境付近ならば普通は最も防衛力を高めるのが定石、俺ならば重役ならともかく国境付近の防衛力を高めているだろう。何処の国の使者かそれともただの賊なのかはわからないが悪意を持って接してきているのは確かであるので躊躇いなく肩を水遁の術で撃ち抜いた。
「ここに害意を持って来たのならば今すぐに自害しろ」
写輪眼で催眠術をかける。何処の者かは不明だが、私利私欲の為に私腹を肥やす為にこの村にやってきたので自害した。
とりあえずはこれでいい、この村はとにかく狙われやすくて見捨てられやすい。国境付近の警備はどうなっている……いや、違うか。国境付近はとりあえずは警備していてこいつらはそれを越えてきた連中、もしくは内側に居る賊か。
「次に手があれば大掛かりな組織、次が無ければ小規模な賊……出来れば次が無いことを祈りたいが、ここは国境付近……」
十中八九、今自害した者達と同列の人間がやってくる。
敵の国かはたまた内側の賊かは分からないがもう少し国境付近の村や街は力を強化しておかなければならん……自白剤の類は生憎な事に手元に無い。今の俺は国の重役でもなんでもない……国に進言したところでこの国のトップはクソである。
とりあえずはと皆殺しにしたので首だけを残して火遁の術で燃やした。
持っている物が気にならないと言えば嘘になるが金目になりそうなものは無かった……とりあえずは国の上層部に伝えておいてほしいと言うのだがあまりいい顔をしない。俺が躊躇いなく殺したから、ではない。曲がりなりにも剣と魔法のファンタジーな世界で賊を殺した殺してないで責め立てはしない。この国の上層部に伝えたところでこの国の上層部はなにもしてくれない…………コレが現場の声か。
「あ、あのっ!」
賊を殺してから数日が経過した。
近隣の村に連れて行ってくれては子守や草抜き等の依頼をこなす。時には川魚を釣るだけの簡単な仕事もする。
西川きよしも言っていたが小さな事からコツコツとだ、大きな依頼をそれこそ用心護衛も大事だがこういう細かな依頼をこなすことが大事だ。雑用程度の仕事をして借りている部屋に向かい、今日起きた出来事を纏めていると部屋がノックされた。誰かと思えば村の青年であった。
「……」
なにをしに来たのだろうか?
俺を不法入国者としてクローバー王国に通報した?俺が何者なのかを気にしてきた?犯罪履歴は何処かにないか調べたりしていた?厄介者として村を追い出されたなら厄介だな、この近隣の村には素顔が既に知られている。ここではない遠くの何処かに逃げるしかない。ダイヤモンド王国等ではなくクローバー王国の方がいいのだが。
「炎の魔法を使うって聞いたんですけど本当なんですか!?」
手からボォっと炎を出した村の青年。
なんだと思ったのだが炎が出せるかどうかを聞いてきているみたいで火遁の術を見せる。火球でなく火を軽く吐くだけの攻撃性は皆無に等しい。それを見た青年は目を輝かせると土下座をした。
『どうやらお前に弟子入りをしてえみたいだな……どうすんだ?お前の術は色々と特殊だぞ?』
俺の中にいる牛鬼は何をしているのかを教えてくれる。
この世界は、ブラッククローバーは魔法が当たり前の世界であり1人1人、固有の属性を持っている。炎魔法の使い手、水魔法の使い手と色々とあり……俺は魔法の属性を持っていない。無属性である……が、無属性であるが故に色々と出来る。
この世界には魔力を流すことで火をつける、水を出すといった魔道具がある。
俺の術はそれの応用で純粋な魔力で印を結んで即興でプログラミングして魔力を別の属性に性質変化をして放っているだけに過ぎない。そして俺が千手扉間なせいか木遁の術だけは使えない。
「牛鬼、少しだけ力を貸せ……威嚇する」
『おいおい、ガキにそりゃマズいんじゃねえの?』
「子供だからだ……上を知ってもそれでも尚、前に進む人間しか興味は無い」
大人げないと言われようが別に構わない……強くなりたいと言うのならば、上を知っておくのは極々当然の事だ。
ほんの少しだけ牛鬼に力を貸してもらい、青年を威圧した。
「っ……」
「少しだけ真面目にやっても問題無いか……俺はこの手の事は向いとらんな」
威圧した結果、青年は怯えたが……逃げることはしなかった。
全力でやっていないとはいえ常人ならば逃げても恥とは言わないレベルの威圧をした。俺はサムズ・アップして合格だとジェスチャーをし、青年を弟子にする事に決めた。
天帝vs童子切を連載化したいんだが
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短編集にだけしとけ