アルピ交通事務局のネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

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冷静に考えればクソみたいな話

 

「ふぁ〜……」

 

「カケイ、おはよう」

 

「おはようございます、シスター・リリー」

 

 俺の名前はカケイ、転生者だ。

 なんで転生者をやってるとかどうして転生者になったかと聞かれれば長いし別に読者の視線を集める悲しい中二病的な過去は持っていない。

 1つ言えることは……ダルい…………転生者をやってる事に関しては後悔はあるかないかで言えば無い、息詰まった現代社会に未来は無いと俺は思っている。高度に文明や経済を発展させまくって◯◯出来てスゴい!なんかが◯◯出来て当たり前の世の中に変えまくった、その結果が今の日本なので後悔は無いが……不満はある。

 

「アスタとユノは……まだ寝てるのか」

 

「全く、今日はカケイの大事な日だと言うのになにをやっとるんじゃ!」

 

 転生先はランダムであり、一応はチートを貰える……俺の転生先はブラッククローバーだ。

 ジャンプで大人気でゲームに実写にアニメと色々とやっているファンタジー物の漫画で俺も好きな漫画だった。だが、あくまでも読者視点で好きなのであり、いざその世界で生きたいのかと言えば話は別だ。

 

 バトル物の世界に憧れが無いと言えば嘘になる。ワールドトリガーとかが良かったんだがこればっかりは決められないランダムである。

 そんなこんなで転生したんだが、まぁなんだ…………クローバー王国ってロクでもねえってか、いざ現場に立たされれば見えてくるものがある。

 

「アスタ、ユノ、起きろ」

 

「がー……」

 

「ん………ッハ!!」

 

「ユノは直ぐに起きたか、顔洗って歯を磨いてこい……アスタ、起きろ」

 

「ぎゃあああ!眩しぃイイイ!!」

 

 アスタとユノと同郷……要するに孤児である。

 別に悲しむ事じゃない、親が居なくても問題無いぐらいの年齢になっているからああだこうだ言わない……普通ならばだ。

 

「カケイ、もうちょっと段階踏んでから目覚まししてくれよ!もっとこう、布団を剥ぎ取るとか水をぶっかけるとか」

 

「時間通りに起きれないお前が悪い……疲れてるのは分かるけど、ユノは直ぐに目を覚まして意識を叩き起こしたぞ」

 

「ぐぬぬ」

 

 魔力を用いてアスタを叩き起こす。こういう事が出来ると異世界転生して正解だったとは思う。

 ただし思うぐらいのレベルで終わっている。それ以上でもそれ以下でもない……別にそれぐらい構わねえんだけどな。

 アスタも起こす事が出来たので教会の皆と一緒に朝食をいただく……この数年まともに肉を食ってねえな……まぁ、いいんだけどよ。

 

「え〜では、本年度の魔導書(グリモワール)授与をする!」

 

 朝食を頂けば魔法使いの塔に向かう。

 そこにはブラッククローバーに必須品な魔導書が万を超える単位で置かれている……が、この時点で割と不快を感じる

 

「あんな孤児にまで魔導書を与えなくても」

 

「恥を晒しに来たのかな?」

 

 そう、この世界は下民を理由に上流階級の人間が見下してくる。

 爵位の概念があるので当然の如く孤児で下民である俺達を平然と見下してくる。この環境は好きじゃねえ……いや、違うか。全部好きじゃねえか。ブラッククローバーはアスタが活躍するまではこんな感じだったが、一言だけ言うのならば蓋を開けてみれば冷静になって考えてみればクソみたいな話だ。

 

 下民である希望の星と思っていたアスタは悪魔の力を使役していた。

 下民である希望の星と思っていたユノは実はクローバー王国でなくスペード王国の王子だった。

 

 努力、友情、勝利じゃなくて結局のところは才能、環境、血筋、主人公補正だな。

 けどまぁ、永遠と動かない事よりは幾ばくかはマシ……永遠と変わろうとしない老害が蔓延る社会よりはまだいいと受け入れる。

 

「おぉ、カケイにも魔導書が来たな!」

 

「神父、流石にそれは無いでしょう」

 

 魔導書を貰えた事を喜ぶ神父。

 アスタという一例は存在しているが、一応は魔導書はこの国の人間じゃなくても貰える。授与式に来てればスペード王国の王子だろうと日ノ国の鬼神一族だろうがな。

 

「かなり分厚い魔導書ですね」

 

 授与式の見物に来ていたユノは俺の魔導書に目を向ける。

 見た感じハリーポッターの本に近い感じで、なにか無いのかと思っていればクローバー王国の魔導書の証である魔導書の表紙の部分に12個の紋章が円形に囲まれていた。この紋章は何処かで見たことがあるなと思いつつも魔導書を開けば少しだけページが埋まっていた。

 

「あ〜……はいはい、そういうことね……」

 

「カケイの魔法の属性って結局、光属性なのか?」

 

「いや、違う」

 

 同じく一緒に来ていたアスタは疑問を俺に投げかける。

 俺の魔法の属性が何属性なのか?アスタもユノは勿論の事、俺も詳しくは知らなかったが魔導書に載っている魔法を見て納得した。中々にチートな魔法をくれたなと思う。

 

「細やかな事だ、気にするな……」

 

 まぁ、なにはともあれ貰った物は受け入れないといけねえ。

 魔導書を無事に貰えた記念なので今日は俺はノモイモを3つ食べて良いと言うので里芋の煮っころがしにして食った。和食バンザイだ。

 

「それでどうするんじゃ?」

 

「……まぁ、そうですね……」

 

 夕飯を食べ終えて各々が風呂に入り終えると神父とシスター・リリーに呼び出される。

 魔導書を貰うことが出来たのでこれからどうするか?少なくとも、タダメシ喰らいのニートにだけはなりたくねえ。

 神父やシスター・リリーに就職先を斡旋してもらうなんて事は出来ない。かと言って魔法騎士になりたいとも思わねえな……あんなダルい環境には居たくねえ。

 

「世界は広いって言いますし、平民や貴族が住んでる上流階級に行きたくないけど、恵外界を見て回っていいですか?」

 

「恵外界を?」

 

「別に立ち入るのが禁止なダンジョンには行きませんよ……ただまぁ、俺の魔法って割と便利なので何でも屋でもしてみようかなって」

 

 色々と考えてみた結果だが、銀魂の万事屋みたいな事をしようかなと考えている。

 クローバー王国の魔法騎士団達は基本的にはダンジョン探索や要人護衛、街の防衛なんかをしているが何事にも例外が存在している。

 この恵外界はダンジョンが出現しない限りは守る価値は無いのだとハッキリと断言されており、些細な事、例えば害獣が出たから駆除してくれと言われても全くと言って上は動かない……ダルいわ。

 

「何でも屋か……それはいいことじゃの……開業資金を出すことは出来んが、何でも屋を始めたという事を色々な村に伝える事は出来る」

 

「別に開業資金なんて要らないですよ……ただまぁ、色々な村に伝えてくれる事はありがたいです」

 

 だからまぁ、万事屋をやることに関して異議を唱えてくれなかった。

 魔法騎士団を目指す!とか言い出せばやめておいた方がいいの一言でも言ってくるだろうが、何でも屋を目指してる事を言えばいいことだと頷く。シスター・リリーも頑張ってねと声援を送ってくれる。

 

「つーわけで、俺は何でも屋をやるからな」

 

「そっか……カケイは器用だからな!きっと上手く出来る筈だ!」

 

「だといいんだがな……2年後にはお前達も魔導書を貰うけどどうするんだ?」

 

「「勿論、魔法帝を目指す」」

 

 2人ピッタシに言うアスタとユノ。相変わらず凄まじい信念の持ち主である。

 俺にゃ真似出来ないし真似したいとも思わねえ……まぁ、精々頑張れよとだけしか言うことが出来ねえ。

 アスタもユノも何時かは俺みたいに魔導書を貰って魔法騎士団に入団してやると意気込んでいるが……その結果がアレなんだよな……ロクでもねえ。

 

「カケイ、早速依頼が来たぞ……その……」

 

「なんですか?非合法で怒られる闇が深い仕事はしませんよ」

 

 そんなこんなで魔導書を貰って数日が経過した。

 神父のおっちゃんが依頼が来たことを報告してくれるのだがなんだか言いにくそうな顔をしている。所謂闇バイト的なのは普通にお断りだ。

 神父のおっちゃんは言うべきかと悩んでいる。正直に話してくれないと依頼を引き受けるかそうでないかを決めかねない。

 

「ノモイモ掘りを手伝ってほしいそうなんじゃよ……」

 

「まさかと思いますがタダとかお金の代わりにノモイモを渡すとかじゃないですよね?」

 

「いや、ちゃんと依頼料は用意してくれとるんじゃが……魔法要素0じゃろ?」

 

「別に構わない……むしろこういう依頼の方がなにかと気楽だ」

 

 魔法使えないアスタでもこなせそうな依頼を言ってくる。

 ノモイモ掘りの依頼を受けると言えば箒で40分ぐらい飛んだところにあるノートの村という平凡な村に向かった。

 

「万事屋です……神父からノモイモ掘りを依頼されたんですが」

 

「ああ、来てくれたんだね……今年も結構な数のノモイモが実ってね、1人じゃ限界があったんだよ。1人でも多くって思ってね」

 

「じゃあ、頭数を増やすのでその分の賃金の口上をお願いします」

 

「え?」

 

 ノモイモ掘りをしなければならないが魔法を用いてノモイモ掘りをするわけじゃないと農夫のおじさんは思っている。

 それはそれで別に構わないがとにかく人手が居ると言うのならばと魔導書を取り出して魔法を用いる。

 

「星座魔法 双子座のジェミニ」

 

「おお、二人になった……幻影?」

 

「「いえ、どちらも実体がありますよ……星座魔法 双子座のジェミニ」」

 

 俺は魔法を用いて2人に分身したと思えば更に4人に増えて倍々ゲームで増えて64人で終えた。

 これ以上数を増やし続ければ俺の魔力がもたない。そもそもで二人に分身する時点で限界がある。64人も分身したけどもこの64人は魔法を使う事が出来ない……まぁ、雑用とか小間使いの真似をする事は出来るからこの仕事にはちょうどいい。

 幸いにも農具は沢山あったのでそれぞれの俺が芋掘りをはじめる。人海戦術で事を終わらせているからな、色々と楽でいい。

 

「ありがとう……まさか1日でノモイモ掘りが終わるとは思いもしなかったよ」

 

「それが俺の仕事なんで……それよりも市場に出すことが出来ないノモイモを貰っていいですか?」

 

「ああ、いいよ。どうせ誰も食べない物で売ることも出来ないし火を通さなければ家畜の肥料にすらならないから……それとその、依頼料の事なんだけど一応は色を付けておいたけども64人分の代金は」

 

「流石にそこまで強請る程に強欲じゃないですよ、1人分の依頼料に+した感じでいいです……それでもなにかあるかって言うんだったら、恵外界の人達に万事屋が出来ているから困った事があるならばそこに依頼してくれってPRしてください」

 

「それぐらいの事ならお安い事だよ……はい、これ売り物にならないノモイモね。規格の外の大きさで売れないけども皮は剥きやすいし味も同じだから……上の人達は、なんでコレを拒むんだろう」

 

 規格外のサイズのノモイモが入った箱を貰った。

 依頼も無事に終えて依頼料も無事に貰えた。ケチられるどころか依頼料を上乗せしてくれた。上乗せしてくれた部分は教会に振り込む。

 少しだけでいいから教会に鐘を入れておかねえとニート扱いされる……何時かは自立して、自分の家を持ちたいもんだ。

天帝vs童子切を連載化したいんだが

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